07/24 セ10-16パ(神宮)
記録的な乱打戦となったが、ベイスターズファンにとっては気が気でない幕切れだった。マイナビオールスターゲーム2024の第2戦は神宮球場で行われ、史上初の両チーム二桁得点という超乱打戦となった。ロッテの佐藤都が3打席目でサイクルヒットにリーチをかけたが、本塁打が出なかった。しかし5安打を放ちMVP。広島の坂倉が57年ぶりのグランドスラムを放ち、セ・リーグが一時逆転したが、パ・リーグが28安打の猛攻で圧倒した。
イレギュラーした打球が口元に当たる
オースティンが、5回に代打で出場し、マチャドのインサイドへの155キロのツーシームを捉え、打った瞬間という強烈なライナーがレフトスタンドへ飛び込んだ。7-8と1点差に詰め寄る2ラン。この後、村上も2者連続ホームランで続き、一旦同点となった。
オールスター初出場で、前日は先制タイムリーを含むマルチヒットをマーク。この日はベンチスタートで途中から岡本に代わっての出場だったが、最初の打席でいきなりTAらしさを見せた。
7回には、ソフトバンクの松本から、153キロのストレートを三遊間へ強烈に打ち返し、速いゴロに紅林がダイビングするも、グラブを弾かれた。やはり速いストレートへの対応は、NPBではトップクラス。2戦連続のマルチヒットをマークし、状態の良さを見せ付けた。
ところが9回の守備で暗転。1アウトから、辰己がマルティネスの速球を弾き返した痛烈なゴロが、一塁のアンツーカーでイレギュラーし、オースティンの口元に当たってしまった。倒れ込み、顔を押さえるオースティンに牧、度会が駆け寄り、ベンチからトレーナーも飛び出した。タオルとグラブで口元を押さえていたが、出血があったようだ。
ファーストには小園が入り、交代となった。特にベイスターズファンには心配な出来事になった。オースティンの活躍、オールスター出場は嬉しい反面、ケガをせずに帰って来てくれよと思っていたが、2日目の最後に心配していたことが起こってしまった。だが、イレギュラーした打球であり、これはどうしようもない。不運というか、オースティンはなぜこんなにケガが付き纏うのだろう。
頭や目に当たったわけではないので、野球のプレーをする上で大きく支障が出る箇所ではないが、あの硬いボールが口元に当たったことを想像するだけで怖くなる。歯が折れたり、大きく腫れが出ないと良いのだが、今は軽傷を祈るしかない。
楽しいオールスターが、最後に暗転してしまい、多くのベイスターズファンはそこから先、心から楽しめなかったのではないか。週末のハマスタで姿を見せて欲しい。
初打点、初安打、初タイムリー、初長打
父が活躍したヤクルトの本拠地である神宮でのオールスター。プラスワン投票で選出された度会だが、神宮での試合ということもあってか、8番ライトでスタメン出場し、フル出場となった。家族が見守る前で、ルーキーイヤーからオールスターゲームで活躍する姿を見せられた。やはりスターとした生まれた選手なのだと思う。
最初の打席は、1アウト満塁というチャンスで回って来た。2球目のストレートを捉え、レフトの定位置のやや後ろへのフライとなった。通常なら犠牲フライには十分という飛距離なのだが、三塁ランナーがサンタナだった。サンタナは、左足裏痛で出場選手登録を外れており、オールスター前は公式戦にも出場していなかった。
今回、オールスターに選手間投票で選出され、初出場かつ神宮での開催ということで、守備には就かずに可能な範囲で出場していた。そのため、丸と長岡のヒットでもほとんど走らずに次の塁まで行っていた。だから、度会がフライを打ち上げた時点で、これはスタートしないだろうなと思った。
度会はそれを知っていてのツッコミなのか分からないが、サンタナにそりゃないよみたいなポーズ。サンタナはヘルメットを取って謝罪。そこまでの走塁を見れば分かると思うが、知らなかったとしたら誰か言っておいてあげないと。
ただ、その後ベンチでサンタナから謝罪されたということで、おいしいディナーをご馳走になるらしい。結果的に、犠牲フライにならなかったことで、坂倉の57年ぶりとなるグランドスラムも生まれたので、度会は何かを起こす選手なのかも知れない。
並みの選手であれば、この打点を挙げるチャンスを逃してしまい、そのまま終わってしまうだろう。だが、2打席目も1アウト2、3塁というチャンスで打席が回り、ここは2球で追い込まれた後のチェンジアップを転がし、ファーストゴロでオールスター初打点をマークした。次の打席でちゃんと取り戻すあたり、やはりスターだ。
そして、3打席目は鈴木昭との対戦。6球目のストレートを三塁線に持って行った。鈴木大が好捕し、一塁へ遠投したが、ギリギリのタイミングで一塁はセーフ。公式戦ならリクエストをされていただろう。内野安打だが、オールスター初ヒットをマーク。
8回の4打席目は、二塁打の長岡を置いて、今井のアウトサイド低めの157キロストレートをキレイに左中間へ運んだ。度会らしいバットコントロールでタイムリー二塁打。オールスター初タイムリー、そして初長打もマークした。
成績的にはどうかなというラインだったが、プラスワン投票で多くのファンから支持されての出場。それに恥じない姿は見せられたと思う。底抜けの明るさとコミュ力なので、多くの選手と繋がりを持てたと思う。今後の選手生活にも生かせる財産を得たと思うので、後半戦はさらに成長した姿を見せて欲しい。
ホームランか三振かのスイングをしたいと言っていたが、まだそこまで到達できていないので、来季は堂々とファン投票で選出され、オールスター初ホームラン、そしてMVPを狙える選手になって欲しい。
フォードが練習で柵越え
前日にエスコンで、オールスター最多となる1イニング9点が記録される乱打戦になった。これで神宮へ行ったらどれだけの点が入るのかと思っていたが、想像していた以上の超乱打戦になった。投手の素晴らしい投球も楽しいが、これだけ得点が入って盛り上がるオールスターも楽しい。
ただ、シーズンが投高打低なので、オールスターがここまで乱打戦になるというのは不思議。ファンの中ではボールが違うのではないかという声が出るくらい。セ・リーグの投手は、大瀬良だけがノーヒットに抑えたが、他の7人は全員失点した。
パ・リーグの打者も素晴らしい選手が集まっているとは言え、これだけセ・リーグの投手が打たれるというのも少し疑問になる。7月に入って牧の打球の飛び方がそれまでと違う感覚もあったし、後半戦どういう形になって行くか。
オールスターが終わり、26日から公式戦が再開となる。オールスターに出場していない選手は、東海大相模が優勝を飾った後のハマスタで練習を行った。フォードが引き続き練習参加し、柵越えも放った。ファームも26日から横須賀での読売戦が組まれているが、どのように調整して行くか。オースティンの状態次第では1軍での出場もありうるかも知れない。
読売は、火~木で阪神、広島との対戦が続くことと、オールスターに出場したこともあり、戸郷、山崎伊は週末には先発させない方向性のようだ。DeNAはジャクソン、ケイがそのまま中6日で回る可能性が高いが、平良や濵口をどのようなタイミングで入れて来るか。吉野の次回登板もどうなるだろうか。
まずは25日、26日の公示を注目したい。現時点で31名が登録されているので、入れ替えがあるかどうか。重要な上位チームとの9試合、ベストの布陣で臨んで欲しい。
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