08/22 中日5-0横浜DeNA@ナゴド
この試合のJ SPORTS解説は権藤さんだった。試合展開は完敗だったが、相変わらずの権藤節で楽しめた。元気そうで何より。阪口は結果としては残念だが、今後に期待したい。スイープのピンチだが、どう戦うか。
ポジ
阪口が今季初先発。初回から26球を費やす苦しいマウンドになった。初回の打者7人に対して、全て初球はストライク。高橋と阿部は2球目がボールだが、3球目にストライクを取っており、3球以内に早々と追い込みながら、勝負球に苦労した。大島、ビシエドに許した内野安打は打ち取った当たりで不運だった。それでも1点を失って1アウト満塁というところで最少失点で切り抜けたのは、成長が窺える。
2回は投手のロドリゲスに対して初めてボールが先行し、少し乱れてしまった。投手にヒットを打たれ、大島にもボールが先行し、この試合初めて歩かせてしまいピンチが広がる。アルモンテにはインサイドの低めの良いコースにストレートを投げ込んだが、詰まりながらもコースヒット。2点目を許してしまったが、福田はショートゴロ併殺打に打ち取り、このイニングも最少失点で切り抜けた。
それほど打たれたという感じではなく、5回を2失点で行ければ合格だなと思っていたが、5回に高橋に2ランを浴びてしまった。カットボールのコースは甘かったが、低めをスタンドまで運んだ高橋が上だったか。ショックがあったのか、その後2者連続で歩かせ、乱れてしまったが、何とか投げ切った。
平良の離脱により23日がブルペンデーとなるという背景がなければ、もう少し早く降板していたかも知れないが、阪口にとってはまず5回を投げ切ったことは評価できるだろう。中日も2011年以来の5カード連続勝ち越しと波に乗っている。前回ハマスタに来た時の中日が相手ならもっと抑えられたはず。打線の援護もないし、巡り合わせが悪かった。平良のように辛抱して欲しい。
阪口のイニング別の球種割合
球種 | 球数 | 割合 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
ストレート | 42 | 40.0% | 11 | 17 | 6 | 2 | 6 |
スライダー | 12 | 11.4% | 4 | 2 | 3 | 3 | 0 |
カーブ | 6 | 5.7% | 2 | 0 | 2 | 0 | 2 |
カットボール | 27 | 25.7% | 2 | 4 | 6 | 3 | 12 |
スプリット | 18 | 17.1% | 7 | 5 | 3 | 1 | 2 |
合計 | 105 | – | 26 | 28 | 20 | 9 | 22 |
初回は最速151キロをマークするなど150キロのストレートを連発していたが、2回から徐々にスピードが下がって行き、5回には145キロに達していなかった。そうしたことを戸柱が意識して、カットボールの割合を増やしたのかも知れない。このあたりのスタミナも今後課題になるだろう。ファームでは5回を過ぎても150キロ近いボールを投げられていたので、1軍の試合で投げることの疲労、精神的な面も含めて、強打者との勝負が続くことに対し、場数を踏んで慣れていくしかない。
昨日の投稿でカーブを上手く使って緩急をつけて欲しいと書いたが、カーブは6球にとどまった。特に初回、2球で追い込みながら勝負球がうまく行かなかった。ストレートに合わせていても当てることができるレベルの変化球になってしまっていた。カーブでもう少しアクセントを与える配球ができれば、もっと結果が出ると思う。先発投手が揃っていない事情もあり、もう一度チャンスがありそうなので、この日の反省を生かして臨んで欲しい。
ヤジ
初対戦のロドリゲスに対して、5回までノーヒット。まだ小川に食らってから1週間なのだが、不安も少しよぎったが、戸柱だけは捉えており、6回にセンター前ヒット。中井もラッキーなポテンヒットで連打となり、初めて得点圏に走者を送るも、梶谷が粘った末、当たり損ねのピッチャーゴロで併殺。ここまで2つの四球で出したランナーが、いずれも直後に併殺となっており、3つ目の併殺。
2試合に先発していたロドリゲスは、いずれも読売戦。各打者、ビデオを見て打席に入ったと思うが、映像で見るのと打席で見るのは違うだろう。特にボールを動かしてくるタイプなので、球筋を見極めるの時間がかかるのは理解できる。また、この日は権藤さんが再三触れていたように、高めのストライクゾーンが広く、打者にとって高いボールと判断した球がストライクに入ってくることが多かった。難しい対戦になったが、何を狙ってどんな意識で打席に入っているのか分からない凡退が多かった。良い当たりに限って正面を突き、併殺になった不運もあるが、残念な攻撃だった。
代わった祖父江に対しても、ソトが粘ってヒットを打ったが、佐野がこの日チーム4つ目の併殺打。甘いボールを叩いて行ったが、正面だった。ラミレス采配である「打順をデータ中心に考えて起用し、打つのを待つだけ」がうまく行かない日のパターン。この打線は相手の投手が落ちれば機能するが、しっかり投げられると打つ以外の作戦がないので、こうなる。次回はもっと作戦をというコメントだが、取りうる策も大してないだろう。
キジ
権藤節が炸裂
子供の頃、まだフジテレビの地上波でプロ野球ニュースをやっていた時に、名古屋から中継で権藤さんが出ていたが、中日のことしか言わない人とずっと思っていた。はっきり言って印象は良くなかった。まさかベイスターズのコーチ、監督をすることになるとは夢にも思わず。あの1998年があるから、どうしても権藤さんは神のように思ってしまう。あの頃はあの頃で、いろいろあったのだけれど。
この日の解説もそういう風に権藤さんを思っていなければ、口の悪い爺さんとしか思わないだろう。どんな人物か分かった上で聞くからこそ、面白かったり笑えたりするのかも知れない。
阪口について
「打たれても初球からストライクを取りに行くのは良い。良いピッチングですよ。まともなヒットなんて高橋のヒットくらいでしょう」
試合の流れの中で、大きな追加点となる高橋の2ラン
「これは余計なんですよ。投手としては4点差になって欲が出てしまう」
ロドリゲスが6回に初ヒットを打たれ、この回で降板したことに対して。不要というわけではなく。
武藤について
「私が中日のコーチ時代に彼と一緒にやったんですけど、いい投手ですよ。田島と武藤。武藤は性格もいいんですが、ボールもキレイ過ぎて打たれるんですよね」
岡田について
「WBCの時に期待も込めて選んだんです。素晴らしい投手ですよ。だけど、すぐにスライダーを投げたがる。もっと真っすぐ行け!」
その声が聞こえたかのようにストレートで押し、神里からはストレート3球で三振を奪った。
山崎について
「ストレートをコースに狙い過ぎている。だからカウントが悪くなって苦しくなっている。佐々木みたいなフォークで打ち取れればいいですが、そこそこの球で打ち取って来た。ストレートで空振りさせられるようになればいい」
登板していないのに軽くディスられる康晃であった。
ひとまず非常にお元気そうで良かった。またレジェンドマッチのような機会で姿が見られるよう、元気で過ごしていただきたい。先日、田淵さんがTBSで解説した時は、声が出ていないようで少し心配になった。衣笠さんもそんな感じだったので。
23日の2番手以降に注目
「明日(23日)はブルペンデーではない。明日はオープナーでいく。相手の打者、上位打線が誰か、相性、いかに失点せずに抑えるか。ただ、いい投手を出すのなく、4番手くらいまで考えながら使っていく」
何を言っているか分からない。
まず、ブルペンデーを否定し、「オープナー」という言葉を使っているということは、本来の意味のオープナーをするということだろうか。本来のオープナーの意味を理解していない人もけっこういるように思うが、伊勢はリリーバーとは言え、ルーキーでありプロ6試合目の登板なのだから、その時点でオープナーではない。
さらに、ブルペンデーではないの意味が「先発投手を2番手で使う」ということなのか。本来のオープナーはクローザーレベルの投手が初回に投げて、先発投手が後から登板して長いイニングを投げる。今週先発した投手を2番手で使うとは思えないし、伊勢は楠本と入れ替えて昇格しており、ただでさえ投手の登録数が多い。オープナーをする為に誰かを入れ替えるとは思えないし、オープナーで行くという意味がちょっと分からない。
ラミレス監督がブルペンデー=敗戦処理用の投手リレーと思っているなら、そうではないということを言いたいのだろう。前回の武藤の時も2番手で国吉を出しているのだから、それと変わらないだろうと思うのだが。上茶谷を昇格させて2番手以降に先発的に使うというのも考えたが、さすがに故障明けの投手をそんな無茶な使い方はしないか。ただ、木曜のファームで3イニング登板だったことがひっかかる。進藤と入れ替えとかありうるだろうか。
何を考えているのか分からないが、この日の試合が残念ながら完敗となり、阪口の後は、武藤、進藤と腰痛からの試運転のパットンだけで済んだというのは、オープナーをする上ではプラスになるだろう。相手は3試合連続完投勝利中の大野雄と、スイープされる可能性は非常に高いマッチアップになっている。大野も開幕投手としてずっと勝てていないところから、一気に上昇モードになっているが、基本的には勝ちと負けの数が同じという投手。相手としてはきついが、そろそろ負ける頃くらいの気持ちで行った方がいい。そもそもDeNAのオープナーが失敗すれば、いずれにせよ勝ち目はないのだから。
コメント