08/23 中日3-0横浜DeNA@ナゴド
ここまで3試合連続で2桁奪三振による完投勝利を挙げていた大野雄大。この日も威力のあるストレートを中心に完璧な投球。DeNAが早いカウントから打ちに行った結果、三振は7つに留まったが今季初の完封。オープナー以前に大野の投球に完敗だった。
ポジ
「オープナー」として先発のマウンドに上がった伊勢は、久しぶりの1軍登板が思わぬ形となり、緊張もあっただろう。立ち上がり、大島を2球で追い込んでから勝負球の変化球をレフトに巧く持って行かれた。前日の阪口と同じようになるかと思っていたが、アルモンテの打席で大島が盗塁を失敗。これは非常に助かった。
さらに2回にもビシエドにヒットを打たれた後、高橋の初球はど真ん中の変化球だったが、これがファースト正面で併殺打。その後もピンチを招いたが、8番まで回って何とか無失点で投げ終えた。ルーキーに求めるには酷だが、チームに流れをもたらすようなピッチングではなかった。現時点ではきっちりと仕事を果たしたことをプラスに考えて行けば良いが、将来的にはチームに流れを呼べる投手になって欲しい。伊勢にはそれくらいの力があると思う。変化球、特に勝負球の精度を上げて行って欲しい。
ヤジ
前日のラミレス監督のコメントは何だったのかという、普通のブルペンデーだった。オープナーの意味が分かっていないのか、通訳の丸山氏が仕事できていないのか、情報戦のつもりなのか。いずれにせよ、そんなことどうでも良いという完敗だった。
ベイスターズの戦略はいつも通り、ファーストストライクから積極的に打って行くことだろう。3試合連続で2桁三振を奪っている大野に対して、追い込まれれば苦しいのは明白。作戦として悪いわけではないが、以前からそうなのだが、初球から何でも打ちに行く選手が後を絶たない。
積極と淡泊は紙一重で、ラミレス監督はうまく行かなかった時は「これも野球」で片付けている。コメント上だけそうなっているならいいのだが、チームとしても本当に反省し、再発防止しているのか疑わしい。ある程度のクラスの打者は、自分のバッティングをさせる為に指示していないのだと思う。
2回の中井は、初球を打ってサードゴロ。これはストレートを狙っていて甘く来たから打ったのか、スライダーを待っていて思ったより曲がって来なくてひっかけたのか。いずれにせよ、初球からアウトサイドの低めのカットボールを狙うとは思えない。何となく打っているようにしか見えない。
6回は先頭の2番宮崎がヒットで出たのに、続くソトが初球、アウトサイド低めのボール球のツーシームを引っ掛けてサードゴロ併殺打。これには笑ってしまった。あまりにもおあつらえ向き過ぎる。何も考えていないのか。
この試合、何とかなるとしたら、5回の2アウト2、3塁だろう。逆転のチャンスで唯一、サードを踏んだ場面だったが、梶谷が2球目のストレートに詰まり、サードファウルフライに倒れた。ストレートを狙っていたにしても、打つには厳しいコース。本人的にも止めようとしたがバットに当たってしまった感じか。たまたま行ってしまったのかも知れないが、あそこに投げた大野の勝ちだったか。
バントした平田のところで代打という声もあるだろうが、個人的にはバントのシチュエーションになっているし、その裏打たれたのは結果論なので、問題ないと思っている。いくらブルペンデーでも無尽蔵に投手を使えるわけでもない。国吉を打席が回るまで行きたかったが、この日は調子が良くないと見て平田を前倒したのかも知れない。そもそもこの場面で誰を代打に出すのか。桑原?ロペス?いずれにしても、この日の大野ではノーチャンスだろう。ランナーを進めて梶谷に賭ける方が賢明だ。それこそ結果論で語るなら、両者の打席など目も当てられないものだった。
今の大野のストレートは本当にキレが良いのだろう。大野も自信を持って投げているし、どの打者も当てるのが精いっぱいという感じだった。ヒット5本のうち、ストレートを打ったのは6回の宮崎のセンター前だけ。どの打者も振り遅れていた。ストレートをケアする分、変化球への対応が難しくなり、ジャストミートした当たりはほとんどなかった。
キジ
2試合連続の零封負けは、2016年4月5、6日以来4年ぶりとのこと。これもナゴヤドームだった。ちなみに若松、小熊が先発し、勝利投手になっている。この日の大野については、確かに打つのは簡単ではない。平田が計算外だったかも知れないが、オープナーを使って3点で留めても、これでは勝機がない。今永と平良が投げたとしても、援護なく見殺しにした2試合だっただろう。
これを幸いとしていいのかどうかだが、読売もマツダで3連敗し、ゲーム差は4.5のまま変わらなかった。週前半に広島と対戦した感じだと、読売をスイープするイメージは全くなかったのだが、分からないものだ。森下に加えて大瀬良が復帰してきて先発ローテが充実したこともあるし、読売は現状、週末の先発が崩れていて苦しいという事情があるようだ。
3位に上がって来た中日から広島までも詰まって来たので、混戦になる可能性が出てきてリーグとしては良かったのではないか。個人的にも2位予想していた中日が上がって来たので、そうだよねという感じ。里崎氏も思っているのではないか。
ファームは1軍の2試合連続零敗を吹き飛ばすかのように、14-6で大勝した。ロッテ投手陣が13安打を浴びた上に11四球と乱れた為に大量点になったが、飛雄馬のグランドスラム、細川の特大6号2ラン含む3打点と派手な攻撃があった。一方、ルーキーの森は初回に四球で歩き、二盗、三盗を決め、悪送球でそのまま生還した。犠牲フライとタイムリー三塁打で2打点も挙げており、まだまだファームで実戦経験を積んで行く必要はあるが、非常に楽しみなプレーを見せてくれている。ショートの守備もまずまずこなしている。
しかし、ラミレス監督は試合後、3試合で1点の打線について、広島では良かったことを理由に入れ替えについて考えていないとした。個人攻撃したくはないが、桑原はストレートに振り遅れ、変化球にもタイミングが合っていない。正直、打てる球が何なのかというレベル。開幕から結果での出ていなかった倉本を辛抱強く使ったことから、桑原に何か見出しているのか分からないが、右打者が少ない構成上、守備だけで桑原を置いておく余地はないと思う。乙坂も守備要員になりつつあるので、どちらか1人にして、代打の強化を考えた方が良いと思う。細川なら代走に高城を出すよりも速いし。楠本を減らした分、野手を補充するなら一番手で考えて欲しいと思うのは、ちょっとファン心理が入りすぎだろうか。
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