8月9日で、予定されていたエキシビションマッチの10試合を全て終了した。チームとしては2勝7敗1分と芳しくなかったが、個人成績とともに14日から再開される公式戦でのメンバーや、ローテーションについて考察する。
打撃編
選手 | 打率 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 打点 | 三振 | 四球 | 死球 | 犠打 | 盗塁 | 失策 | 本塁打 |
牧 | .185 | 10 | 27 | 2 | 5 | 6 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
伊藤裕 | .185 | 10 | 27 | 2 | 5 | 4 | 11 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
関根 | .333 | 10 | 24 | 4 | 8 | 2 | 8 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
桑原 | .292 | 9 | 24 | 2 | 7 | 0 | 6 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
佐野 | .261 | 10 | 23 | 2 | 6 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
楠本 | .455 | 8 | 22 | 4 | 10 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 |
細川 | .227 | 9 | 22 | 6 | 5 | 2 | 9 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 |
ソト | .273 | 8 | 22 | 1 | 6 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
森 | .286 | 10 | 21 | 2 | 6 | 0 | 7 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
宮崎 | .105 | 8 | 19 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
伊藤光 | .176 | 7 | 17 | 0 | 3 | 3 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
大和 | .133 | 8 | 15 | 0 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
戸柱 | .111 | 5 | 9 | 1 | 1 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
知野 | .000 | 4 | 9 | 1 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
益子 | .250 | 4 | 8 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山本 | .250 | 6 | 8 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
宮本 | .286 | 4 | 7 | 1 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
柴田 | .143 | 5 | 7 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
田部 | .000 | 3 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
嶺井 | .200 | 2 | 5 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山下 | .200 | 4 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
高城 | .000 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | .228 | 5 | 329 | 28 | 75 | 27 | 84 | 17 | 2 | 3 | 3 | 8 | 6 |
オースティンがアメリカ代表としてオリンピックに出場していたため、外野手の控えに打席が多く割り当てられた。その中で打率、安打数のトップをマークしたのが楠本。2019年にオープン戦の首位打者にも立っているが、公式戦で結果を残し続けることはできなかった。今回は、この好成績ですぐにスタメンを勝ち取ることは難しいが、レギュラー陣に何かあれば楠本がいるという存在感はアピールできただろう。
本塁打、打点の二冠は、牧。ルーキーなのでエキシビションマッチでも比較的多くの打席に立ったが、オールスターまでの活躍はレギュラーと言っていいものだった。打率は.185と苦戦したが、オリックス戦での同点2ランに代表されるように、本人が一番重要と考えているチャンスでの強さが発揮されている。大和、柴田らとのレギュラー争いは続いて行くが、最後までスタメンで出続けて欲しい。
その牧とライバルになるのが、伊藤裕。キャンプでは首脳陣が意図して同じ組で練習させ、競争を煽って来た。キャンプ、オープン戦では牧が圧倒的な存在感を示した一方、伊藤裕は全く調子が上がらずファームで開幕。その後もなかなか結果が出ず、今季は未だ1軍出場がない。
このエキシビションマッチは、伊藤裕にとっては大きなチャンスだった。最初のPayPayドームの試合でスタメン出場してヒットを放つと、4試合連続安打。楽天戦ではマルチヒットにホームランと大きなインパクトを残した。ただ、その後の6試合ではヒットなし。15打数ノーヒットでエキシビションマッチを終えた。調子の波はなるべく小さくしたかったが、1軍ベンチ入りはボーダーというところ。
外野手では、関根が打率.333をマークし、楠本に負けじとアピール。状況に応じたバッティング、走塁面は評価できるポイント。なかなか出るところがないが、バックアップとしてできることをこなし、チームに貢献して行きたい。牧と並んで本塁打2本を放った細川だが、ここぞという打席での脆さが目に付く。ソロ2本の2打点というのも寂しい。しっかりと捉えた時の飛距離は申し分ないが、1軍の投手のボールをコンスタントに捉えて行かないと、控えからその先は難しいだろう。
森は最初の週は結果が出なかったが、2週目に入って逆方向へのバッティングが良くなった。プロ初ヒットもビエイラの速球をレフトのフェンスまで弾き返しており、このバッティングが彼の確率を高めて行くはずだ。後半戦の1軍ベンチにも入れそうな見込みで、大和や柴田と争いながら割って入れるか。
ソトに一発が出なかったのは少し気掛かり。ヒットも詰まった当たりが多かった。ただ、ソトはタイミングが合って来れば固め打ちもあるので、オースティンが入ったラインナップで持ち味を発揮できるかといったところ。桑原、佐野は特に心配はなさそう。宮崎も結果は出ていないが、公式戦になったら別物になると思う。伊藤光、大和のベテランも同じことが言えそうだ。
結局、オールスター前と変わらないメンバーが1軍登録となりそうだ。しかし、楠本、関根、森と若手選手がエキシビションマッチで結果を残したことにより、チーム内での競争が高まれば、プラスアルファの影響が期待できる。
投手編
選手 | 防御率 | 試合 | 勝利 | 敗北 | セーブ | 投球回 | 打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 |
ロメロ | 4.09 | 2 | 0 | 1 | 0 | 11 | 49 | 14 | 1 | 7 | 7 | 1 | 5 | 5 |
今永 | 2.45 | 2 | 0 | 0 | 0 | 11 | 43 | 8 | 0 | 8 | 5 | 0 | 3 | 3 |
大貫 | 3.27 | 2 | 1 | 0 | 0 | 11 | 42 | 8 | 3 | 13 | 1 | 0 | 4 | 4 |
阪口 | 4.76 | 1 | 0 | 1 | 0 | 5.2 | 30 | 8 | 0 | 4 | 4 | 1 | 3 | 3 |
坂本 | 7.20 | 1 | 0 | 1 | 0 | 5 | 22 | 7 | 1 | 4 | 1 | 0 | 4 | 4 |
宮國 | 10.80 | 1 | 0 | 1 | 0 | 5 | 23 | 7 | 2 | 3 | 0 | 1 | 6 | 6 |
濵口 | 6.23 | 1 | 0 | 1 | 0 | 4.1 | 23 | 5 | 1 | 7 | 5 | 0 | 3 | 3 |
伊勢 | 2.25 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 15 | 2 | 1 | 5 | 2 | 0 | 1 | 1 |
進藤 | 0.00 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 14 | 2 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0 | 0 |
三上 | 0.00 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
三嶋 | 6.00 | 3 | 1 | 0 | 0 | 3 | 13 | 4 | 1 | 2 | 1 | 0 | 2 | 2 |
エスコバー | 0.00 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
櫻井 | 13.50 | 4 | 0 | 1 | 0 | 2.2 | 20 | 8 | 0 | 1 | 3 | 0 | 7 | 4 |
シャッケルフォード | 27.00 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2.1 | 17 | 8 | 0 | 2 | 2 | 2 | 7 | 7 |
砂田 | 0.00 | 3 | 0 | 0 | 1 | 2.1 | 9 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
中川 | 15.43 | 3 | 0 | 1 | 0 | 2.1 | 18 | 6 | 0 | 1 | 5 | 0 | 4 | 4 |
田中健 | 0.00 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 |
平田 | 0.00 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
池谷 | 0.00 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 5.09 | 10 | 2 | 7 | 1 | 81.1 | 375 | 91 | 10 | 72 | 44 | 5 | 49 | 46 |
宮國の先発テストがあったが、今永、大貫、坂本、阪口、ロメロ、濵口の6人が先発で登板した。基本的にこの6人が後半戦の開幕ローテーションになるだろう。最初が新潟での2連戦なので、土~金という形で6人が投げて行くと予想される。
今永はコントロールを乱す場面もあったが、全体的には安定した投球だった。後半は過度な無理は禁物だが、エースとしてチームを引っ張って行くことが期待される。大貫も一時の不振を脱し、ボールの精度、コントロールともに良くなっている。11三振を奪ったように緩急と落ちるボールが有効だった。今永と共に左右の両輪として先発陣を支えて欲しい。
濵口は何とかギリギリ間に合ったという感じ。少しまだ調整が必要な部分はあるが、今年は濵口でローテーションが何とか持った部分もあるので、後半戦もローテーションを守り、2桁勝利を目指して欲しい。阪口は、濵口同様に球数が嵩んでしまう部分は課題だが、丁寧な投球ができている。ギアを入れるところ、抜くところが上手くできれば、もう少し長いイニングを投げられるだろう。坂本にも同じことが言える。良いボールを投げているのに、唐突に甘いボールが行って痛打されることが散見されるので、特に勝負どころの集中力が必要だろう。
ロメロは、最初の登板では状態が上がって来ていることを感じさせたが、函館では今一つの出来だった。前半戦最後のナゴヤドームでも素晴らしい投球だったし、来日初勝利はあと少しのところ。うまく打線と噛み合って勝てれば、ローテーションを支えてくれそうだ。6回、7回と投げられるのかという部分だけが不安。リリーフに負荷がかかってしまうので、球数を少なくアウトを取るような配球が必要になるだろう。
リリーフは不安な面が多かった。良かったのは伊勢くらいで、エスコバーは言うまでもなく別格。砂田も登板過多での疲労が少しでも軽減されていれば良いが。山崎は状態が分からないし、三嶋はあまり良くないと感じた。シャッケルフォードも不安な登板が続いている。登板数は少なかったが、無難な結果でまとめた三上、平田あたりが他の投手の負担を軽減する役割ができれば。
石田の先発再転向で期待される櫻井は、オールスター前に見せていた球威で押す投球ができていなかった。コントロールが乱れることが多かったが、そこを気にし過ぎず、しっかりと腕を振って投げて欲しい。中川もリリーフとして期待されていたが、現状では先発が早く降りた場合のロングリリーフだろうか。大事なところで使うには足りないものが多すぎる。
3年ぶりに1軍の試合で登板した田中健は、仙台遠征のみの参加だったが、まだしばらくはファームでの調整になるのだろうか。櫻井の状態が良くないので、彼をブルペンに入れても良いのではないか。
後半戦のメンバー
現在は全員登録されていないので、14日に登録することになる。予想としてはこんな感じ。
◆投手 今永 ロメロ 大貫 濵口 阪口 坂本 伊勢 平田 三上 櫻井 砂田 シャッケルフォード エスコバー 山崎 三嶋 ◆捕手 伊藤光 山本 高城 ◆内野手 牧 森 大和 柴田 宮崎 山下 ソト ◆外野手 宮本 佐野 オースティン 楠本 関根 細川
新潟では2カード目の先発投手を登録せずに、ロングリリーフで中川、あるいは野手で伊藤裕を登録する可能性はある。31人登録でも、ベンチ入りは26人なので、過度に投手や野手を登録してもベンチに入れないので、新潟では27 or 28名の登録になるのではないか。
先発はエキシビションマッチで登板した6人が濃厚。現状のコンディションを考えると、スタートは今永かなと思う。2戦目に大貫を持って行って、3位のヤクルトに勝ちに行くかどうか。17日以降の3週間は、8/31~9/2のハマスタを除いて全てドームでの試合になる。きっちりと6枚を回したい期間になる。
ロメロをどこに入れて回すのかがポイントになりそう。中6日で回すのか、長いイニングが期待できない分、詰めてずらして行くのか。前回良かったバンテリンドームでの登板を見据えて週末に置いた方が良いのかなと思う。
野手については、メンバー、打順についてはオールスター前と変わらない形になりそう。左の代打で楠本、関根を使って行くことを考えると、右が細川くらいになるので、山下と伊藤裕の選択となりそうだが、エキシビションマッチの後半を見ると山下になるのかなという印象。
首脳陣がどう考えるか。最下位から上位進出を狙って行くには、残り57試合をハイペースで勝って行かなければならない。様子を見ながらでは、すぐにシーズンも終盤になる。8月残りの試合で借金を減らし、9月には5割が見える距離まで行きたい。
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