やっと開幕、反撃開始！ロメロが有言実行の勝利

03/29 中日0-4横浜DeNA(バンテリン)

昨年5勝のうち3勝を挙げた中日を相手に、2年目の初登板となったロメロ。前日に中日からの4勝目を予告した通り、中日打線を封じた。8回1アウト満塁も切り抜け、チームに今季初勝利をもたらした。4番の牧がライトポール際への先制2ランを放ち、楠本のタイムリーと宮崎の犠牲フライでリードを広げた。開幕からの連敗は3でストップ。

ポジ

きっちりと開幕に合わせたロメロ

オープン戦は3試合で2勝、防御率3.60ではあったが、コントロールを乱してピンチを迎えることが多かった。昨年の後半戦は素晴らしい活躍だったが、年が明けてそれが持続されるのかという不安がよぎった。

昨年は新入団も来日できず、急ピッチで仕上げてGW明けにデビューしたが結果を残せず。ファームで新球としてカットボールとチェンジアップを習得して活躍した。今年は初めてキャンプに参加し、2クールまでは個別メニューでスロー調整。開幕から逆算してコンディションを整えてきた。

前日、昨年3勝を挙げた中日戦の登板を控え、明日は4勝目を挙げると宣言したロメロ。有言実行といったピッチングを見せてくれた。初回は大島にインサイドへのボールが引っかかって足元に当ててしまったが、ビシエドを打ち取った。

3回は、ピッチャー前にフラフラと上がった飛球に対し、積極的に捕りに行ったが山本と交錯して落球してしまった。小笠原にバントで送られてピンチになったが、落ち着いて後続を断った。3回まではノーヒットピッチング。

4回2アウトから阿部に初ヒットを許したが、その後もロメロらしい投球を続けた。6回先頭の岡林をヒットで出しても、ランナーを進ませることすら許さなかった。8回表に2アウト満塁で打席に立つも空振り三振。その裏のマウンドに上がったが、石川昂にボールが浮いてストレートの四球。山下のヒットと京田への死球で1アウト満塁の大ピンチを招いたが、大島を3球三振。最後のカットボールは素晴らしいボールだった。そして、ビシエドもピッチャーゴロに打ち取り、吠えた。

9回は三嶋にマウンドを譲ったが、8回91球3安打無失点という好投だった。ヒーローインタビューで殊勝な言葉を並べた。一番良かったところは、勝ったことだというロメロは、チーム思いの選手。ビジターでのヒーローインタビューは、昨年の東京ドームで最後にウンチョコチョコチョコピーを入れてしまったが、今回は自重することを学んだようだ。球団のカメラではロモちゃんペを披露していた。

昨年9月に来日初勝利を挙げたバンテリンドームでの2年目のスタートは、最高のピッチングでチームの危機を救った。次回は甲子園での登板になるが、カードの頭に投げる投手として次も流れを作ってくれることを期待したい。

ライトポール際へ引っ張ったような痛烈な打球

27日の広島戦、8回裏に今季1号ソロを放ち、勝ち越し点をもたらした。しかし、9回ノーアウト1塁から堂林のショートゴロで、セカンドベースに入った牧がファーストへ悪送球。併殺が取れなかったことで、最終的には逆転を招いてしまった。

悔しい開幕3連敗となったが、牧はこの日もいつも通り先頭に立ってチームを鼓舞した。最初の打席は2球で追い込まれたが、小笠原もなかなか勝負球を決められず、貫禄で歩いた。3回の2打席目は楠本を置いて、アウトサイド低めの少し沈むボールをライト方向へ強く叩いた。左打者が引っ張ったような痛烈な打球はそのまま切れることなくライトのポール際のスタンドに吸い込まれた。

3連敗中で先制点が欲しいところ、ロメロを援護する2ラン。決して甘くないボールを痛烈に弾き返された小笠原も、マジかという苦笑いをしていた。それだけ凄いバッティングだった。オープン戦ではホームランがなかったが、2戦連発。本番でしっかりと結果を出す、もはやベテランの存在感は頼もし過ぎる。

オースティンとソトが不在だが、今年はどっしりと4番に座った牧がいる。昨年の今頃も大活躍を見せていたが、それとは全く違う凄みがある。牧がいれば何とかなる、そう思わせてくれる。

二人で5安打6出塁の1、2番が機能

桑原が最初の打席でライト線への二塁打で出塁したが、楠本が三振に倒れてランナーを進められず、無得点に終わった。しかし、楠本は3回にヒットで出塁し、牧の2ランで先制のホームを踏んだ。5回は桑原が今度はレフト線への二塁打で出塁し、楠本がレフト前へタイムリーを放った。さらにホームへ送球される間に二塁を陥れる好走塁も見せた。

9回は桑原がショートゴロで一塁へヘッドスライディングで内野安打として、宮崎の犠牲フライで貴重な4点目を呼んだ。7回は二塁へヘッドスライディングを見せて盗塁を決めた。リードオフマンとして申し分ない働きをした桑原に、楠本もマルチヒットで繋ぎ、1、2番が機能したことでベイスターズの流れで試合を進めることができた。

ヤジ

この試合はなし。敷田の件はキジで。

キジ

ロメロの好投により開幕3連敗で止めた。昨年の開幕6連敗を半減させ、2倍の改善を達成した。やはり連敗しているのは気持ちの良いものではないし、一つ勝ってホッとした部分もあるだろう。昨年のヤクルトと同じく、前年最下位からホームで開幕3連敗、そして4戦目に敵地で勝利した。

3試合で28失点と投壊が敗因だったが、ロメロが8回を無失点の好投。完封リレーで投手陣の面目躍如。4番の一発で先制し、スクイズ失敗などはあったが追加点も取れた。ほぼ完璧な試合運びで勝てた。

4回に大和が、カーブで見逃し三振に倒れ、帰りがけにボールのコースだったとアピールするように、バットの先で地面を突く仕草をした。球審の敷田はすぐさま退場をコール。球審の判定に対して、バットを放り投げたり、ラインを引いたりすると侮辱行為として退場が宣告される。

大和の動作は、そこまではっきりと抗議を示すほどのものではなかったが、バットでボールのコースをアピールした点が、侮辱に相当すると解釈された。同時に何か言葉を発したかどうかは分からないが、厳しめに取る審判が退場とするのはやむを得ないところか。

続く山本の3球目はインサイドに曲がって来るカーブが、山本の足に当たったが、敷田は山本が避けていないためボールと宣告した。三浦監督が抗議に行ったが判定変わらず。確かに避けていないが、コースとしては打者に向かって来ており、当たりに行ったわけでもない。これが外国人選手だとしても同じ判定をしたのか疑わしい。大和の退場に関係して意地になっていたと思わざるを得ない。審判として冷静さを欠いているようでは困る。

初戦を取ることができたので、何としてもこのカードは勝ち越したい。石田、濵口ともに先週のファームでの投球は良くなかった。中日は、期待の高橋宏が先発する。オープン戦を見た限りはかなり手を焼きそうだ。3戦目もバンテリンドームを得意とする松葉が予想されており、簡単ではない。石田と濵口がゲームを作ることは不可欠。ロメロに続いて欲しいと思う。