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非情な継投でチームに檄 接戦制して勝ち越し

06/09 北海道日本ハム2-4横浜DeNA(札幌ドーム)

勝利への執念を感じさせた采配だった。4回に宮崎のタイムリーで先制するも、先発の濵口がすぐに逆転を許す。5回に桑原の1号ソロで追い付くと、そこから試合は膠着状態。7回、濵口が2アウト1、2塁のピンチを招くと、エスコバーを投入し、切り抜けた。8回に蝦名の二塁打から牧と宮崎にタイムリーが出て勝ち越すと、伊勢、山崎と繋いで逃げ切った。

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ポジ

この3連戦、何としても勝ち越すという三浦監督の執念が見えた采配だった。7回表、先頭のソトに代打の森を起用。不振が続いているとは言え、ソトに代打を出すというのは今までなかった采配。勝利のために非情になった。森が内野安打で出塁したが、嶺井が送れずに盗塁もリクエストの結果、アウトに覆り得点ならず。

そして、7回裏は濵口が2アウト2塁で首位打者の松本剛を歩かせると、左打者ではあるがこの日2安打を許している上川畑のところでエスコバーにスイッチ。濵口もこれにはマウンド上で思わず「何で」とうなだれた。HQSまであと1アウト、ここで交代したら濵口の勝ちはなくなるというところで、非情な采配だった。この場面を何としても凌ぎ、次の回の攻撃に繋げ、絶対に勝つというチームへの檄という意味合いも感じられた。

エスコバーが上川畑を打ち取ると、打線が応えた。先頭の蝦名が玉井の初球を捉え、レフトへの二塁打で出塁。続く牧がセンター前ヒットを放ち、蝦名が俊足を飛ばしタッチを掻い潜るナイスランで還った。この間にきっちりと牧が二塁まで進み、暴投で三塁を陥れる。宮崎もこの日2本目のタイムリーで続き、2点を勝ち越した。

三浦監督の何としてもこのカードを勝ち越すという強い気持ちが均衡を破り、そのまま伊勢と山崎が抑え切って接戦をものにした。

勝利投手にはなれなかったが、濵口が6回2/3を2失点とゲームを作った。4回は真ん中に集まったところ、3本の二塁打を浴びて2点を奪われ、逆転された。しかし、それ以外はランナーを出しても、持ち前の粘りでホームを踏ませず。四球も最後の打者となった松本剛に与えた一つだけ。ここはコースギリギリを狙い、最後は勝負を避けた感じもあった。コントロールが比較的安定していて、緩急も上手く使えたのではないか。

降板後は、ベンチに戻るエスコバーを先頭に立って迎え入れ、8回の勝ち越し点には、飛びあがって喜んでいた。交代が告げられた直後は納得が行かない様子だったが、自分の勝利よりもチームの勝利という気持ちに切り替わっている。あの場面での交代は先発投手としてはツラい。三浦監督も代えたくはなかっただろうが、非情に徹してチームの勝利を追求した。

昨年まで在籍した古巣との対戦となった大田。試合前後に日本ハムの選手やマスコットと接する様子はあったが、特にこの日は誕生日だったにも関わらず、全く出番がなかった。足のケガのこともあり、硬いと言われる札幌ドームでの出場を見送ったという説もあるが、実際のところ外野手が揃って絶好調で、出るところがないという嬉しい誤算だった。ソトと入れ替わってDHに入っても良かったのかなとは思う。

桑原は、今季1号を含む3安打で猛打賞。最後の打席は当たり損ねだったが、ヘッスラで内野安打をもぎ取った。6月は.474となり、暑くなり始めた季節に大爆発の予感だ。この状態が続けば交流戦明けに1番に戻る可能性もある。

関根は、2試合連続の猛打賞。前日の9番から、この日は2番に入り、チャンスも演出した。先週末の楽天戦から良い状態が続いている。左腕に強いこともあり、右打者の大田よりも優先して起用されている。

そして、3番での抜擢が続く蝦名もマルチヒット。8回は二塁打で勝ち越し点を呼んだ。特に牧のセンター前で生還した脚力は魅力的。各駅停車になることが多いベイスターズにあって、あの打球でホームに還れるというのは素晴らしい。

宮崎が、この日は2本のタイムリーで2打点。つい先週まで得点圏打率が.150を割っていたのだが、もう.250まで上げて来ている。5番に戻った宮崎がチャンスで打てるようになれば、得点力がもっと上がって来る。

ピンチを断ったエスコバーに今季2勝目が付き、これが球団の外国人投手で通算勝利の最多タイとなった。17勝でタイ記録というのは少し寂しい。エスコバーはセットアッパーであり、それほど勝利は付かない役割。その彼が最多となるのだから、いかに長く先発ローテーションに入る外国人投手を獲れていないかが分かる。17勝は先発なら1年で達成してもおかしくない数字。モスコーソがこれまでの最多だった。ウィーランドは2桁勝利も挙げたが、長く活躍することはできなかった。ひとまず、エスコバーには数字をさらに伸ばしてもらいたい。

伊勢が清宮は歩かせたがノーヒットに抑えた。浮き上がるようなストレートで空振り三振も奪っていたし、交流戦で2度失点はしているが、良い内容が続いている。ホールドはエスコバーを上回る13を記録。トップの17を追いかけて行きたい。

最後は山崎が三者凡退で締めた。前回の登板で浅村に逆転2ランを打たれたが、この日はそれを払拭した。今年は日曜のハマスタ以外は完璧な内容なので、その流れできっちりと抑えられた。区切りの10セーブ目を挙げたが、今年は2019年以来の30セーブを挙げて復活して欲しい。

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ヤジ

まず勝つことが大事で、相手より1点でも多く点を取って勝てれば良いのだが、14安打を放ちながら4点止まりというのはいただけない。もっと得点が取れていれば、濵口に勝ちを付けてあげられたかも知れない。この日は、投手が頑張ってくれたので勝利できたが、効率良く最低限のバッティングで得点を重ねることを追求して欲しい。

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キジ

交流戦5カード目となる日本ハム戦も、敵地でカード勝ち越し。交流戦は8勝7敗と1つ勝ち星が先行した。珍しくと言っては悪いが、勝利への意欲が采配の形となって表れた試合だった。

この日、5月の月間MVPが発表され、打者では牧が自身2度目の受賞となった。5月の成績は文句なしで、もはや牧がこれくらいの活躍をすることは驚かなくなって来た。今季中にもう一度、月間MVPを獲るくらいの活躍を見せてくれればと思う。この日は3打席ノーヒットだったが、4打席目にきっちりと勝ち越しタイムリーを放ち、決勝点となった。4番の働きができていた。

投手は阪神のウィルカーソンだったが、大貫もほぼ同じくらいの成績を残していた。しかし、阪神の5月のチーム成績、チーム防御率が素晴らしく、そこも加味するとウィルカーソンの受賞は妥当かと思う。大貫は6月の月間MVPを狙って欲しい。最初の登板で勝利し、防御率も0.00と良いスタートを切っている。

交流戦もいよいよ最後のカード。首都圏に戻り、ZOZOマリンでのロッテ戦となる。その大貫が初戦に先発する。ここまで全て初戦を取っているので、最後のカードでもきっちりと取りたい。土曜は現地に行く予定だが、佐々木朗希が登板する見込み。それもあって先に勝っておきたいところだ。

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