06/21 読売1-3横浜DeNA(東京D)
今年の東京ドーム初試合は交流戦明けとなったが、ナイスゲームだった。戸郷と大貫の投げ合いで得点のないまま進んだが、5回にソトの4月26日以来の5号ソロで先制。しかし、大貫がウォーカーに同点ソロを許し、6回途中でピンチを迎えて降板。田中健、エスコバーが無失点でリレーすると、8回に2アウト満塁から神里が2点タイムリー。2試合連続で神里が試合を決めて連勝。
ポジ
三浦監督のソト、神里の起用が奏功
何と言っても神里。19日の阪神戦で、8回に決勝の2点タイムリー三塁打を放ったが、この日も途中からソトの代走で出場し、8回に決勝の2点タイムリー。
連敗を止める試合に、不思議と活躍する存在。今度は、チームを連勝に導く存在になって欲しい。
Anytime BAYSTARS 4/19試合分の投稿より
言ったそばからもう、連勝に導いてくれた。
Twitterではツイートしたが、個人的には神里のところに代打の大和か大田を使うべきと思っていた。ビエイラは左打者に.117だが、右打者に5割以上打たれていた。実際、右打者には投げにくそうにしていて、桑原への四球は頭に近いところを通過していた。
これだけ極端に右打者だけに打たれる右腕は珍しい。160キロを超える剛速球の持ち主だが、左打者の方が抜けてシュート回転して打者へ当たる心配もなく投げやすいのだろう。そういった点と得点圏打率から大和で勝負すべき場面と思ったが、18日に盗塁のタッチをする際に熊谷と交錯し、19日は左肘の違和感で欠場していたので、この日はベンチ入りしていたが出場は難しかったかも知れない。であれば同じ右の大田と思っていたが、そのまま神里が打席に入った。
言うまでもなく、青柳から3ランを打って以降、チャンスで結果を残せているし、バッティングの状態も悪くない。神里が期待できないという意味での代打という話ではない。ストレート3球で1-2と追い込まれたが、真ん中の160キロストレートを弾き返し、レフト線に落ちる2点タイムリー。球威に押されていたが、甘い球をしっかりとミートできた。ビエイラに対して1割そこそこしか打てていない左打者として見事なヒットだった。
その神里は、7回にソトが死球で出塁し、代走として起用された。この場面、桑原から2者連続死球。打順は嶺井、田中健と回るところで、嶺井が送ってチャンスで代打という形になる。神里を代走で使ったが、代打で使うべきだろうと思っていた。嶺井がバントを失敗し、1アウト1、2塁となって起用されたのは、この日に復帰した楠本だった。ここはフォークで三振。神里はそのままレフトに入ったが、代走起用だったことで8回のチャンスで回り、決勝打を打った。
ソトについては、19日の投稿でファームで再調整すべきと書いた。それくらい、阪神戦での打席の内容は良くなかった。しかし、三浦監督は再調整どころかスタメン起用。ここまで来ると、契約で保証されているのかとうがった目で見たくもなる。それとも何とか復調して欲しいという三浦監督の思いなのか。
最初の打席は、宮崎、桑原の連打でノーアウト1、2塁という場面で、粘ったがフォークで三振。結果が出ず、スタメン起用は失敗かに思われた。しかし、2打席目では戸郷の甘く入った初球のフォークをきっちりと捉え、打った瞬間という当たりでレフトスタンドへ。実に4月26日以来、約2か月ぶりのホームランが飛び出した。これには恐れ入った。
ソトは言うまでもなくナイスガイだ。練習もしっかりとやっているし、不振を脱するために真面目すぎるくらいにいろいろと考えていると思う。それを近くで見ているからこそ、ベンチも選手たちもソトの久々の一発に喜んだし、何とか復調して欲しいという思いなのだろう。6月ここまで.175とかなり打席を犠牲にしたことが釣り合っているのか分からないし、1軍で出場し続けることがベストなのかも分からない。だが、ようやく出た一本で変わって欲しいと思う。もしこれでも乗って来ないようなら、ファームで再調整すべきだと思う。復調して欲しいから。
スタメンで使うべきでないと思ったソトがホームランを放って先制、そのソトに変わって代走に入った神里が決勝打。代打で使うべきと思ったタイミングで出ていたら、この展開はなかった。この日は、思ったことが全部逆になった。采配に正解はないし、結果の出た采配がベストだったということ。ソト、神里の起用に関しては三浦監督の決断によって勝利に繋がった。
8回は、蝦名がよく盗塁を決めたと思う。結果としてはビエイラが3四球でチャンスをくれたが、蝦名が盗塁を決めたことで得点圏となり、神経質に投げなければならないシチュエーションを作った。こういう場面で盗塁を決めるということは、ベイスターズがなかなかできなかった野球。盗塁を決められるスピードと技術、度胸を持った蝦名の存在は、今後もどんどん大きくなって行きそうだ。
大貫またも援護なく、エスコバーが4勝目
大貫はこの日も援護が少なかった。ソトのホームランでの1点を守り抜けというのは、なかなか厳しい。4回までは毎回ヒットを許し、何とか粘って凌いできた。1点をもらい、5回は三者凡退。乗って来たかなというところで、岡本和、坂本に連打を許した。岡本和の打球は森が追い付くも内野安打、坂本の当たりも詰まってセンターの前に落ちた。
だが、球数が100球近かったことと、ポランコとの相性を考えると、もしポランコに回ったらそこで左腕に交代だろうなと思っていた。もし坂本が進塁打でもアウトに取れていれば、2アウト2塁からポランコを歩かせて増田陸と勝負というのはありえたが、連打ではどうしようもない。
またも勝ちが付かなかったが、あともう一歩というところの踏ん張りが欲しい。ただ、打線ももう少し援護してやって欲しい。カード頭に投げているので、なかなか得点が入りにくい中で投げているが、辛抱強く投げ続けて欲しい。
エスコバーが4勝目。球団の外国人投手の通算勝利数の記録を更新した。在籍年数が長いとは言え、リリーバーのエスコバーが最多というのは寂しい限りだが、先発の勝ちを消してしまった19日と異なり、この日の勝利は同点で登板してチームが勝ち越したので、嬉しい勝利になっただろう。先頭の石川に二塁打を打たれて大きなピンチになったが、球威で押し切った。
4勝目を挙げたが、リリーバーながら大貫と並んでチームトップタイ。これも少し寂しい話ではあるが、接戦の中でエスコバーに勝利が付くのは悪くない。だが、先発に勝ちが付いて、エスコバーにホールドが付くような形になっていくのがベスト。
山崎は一発同点の場面で丸を打ち取り、13セーブ目をマークした。2アウトから八百板にライトの前に落とされ、ホームランが出れば同点というシーンで丸を迎えた。150キロのストレートで追い込むと、そこからもストレートで押した。
3-2となって、サインに首を振ってから頷き、セットしたままボールを長く持った。丸が堪らずにタイムを取ったが、これはタイムを取らせたように思う。これでストレートなのか、変化球なのか迷わせたのではないか。最後は150キロのストレートを投げ込み、丸は少し差し込まれてセンターフライ。ストレートだったか、という丸の表情だった。
ツーシームに頼りがちな山崎だが、この日はストレートが良かった。本人もそれを感じていたのだろう。首を振ってストレートを投げ込む姿が印象的だった。ストレートにこれだけのキレがあれば、変化球も生きて来る。完全復活とまでは行かないかも知れないが、この2年の不振は脱しつつある。
ヤジ
ソトの起用、楠本の代打起用、神里への代打は前述の通り、自分の意見とは違ったが、三浦監督の采配が結果に結び付いた。ただ、野球は確率のスポーツとも言われるので、確率が低い方を選択していると、長いシーズントータルで見た時には勝率が下がって来ると思う。
7回の連続死球から、嶺井にバントさせたシーン。結果的に2球ファウルにしてしまい、スリーバントをさせて、三塁が封殺されるという失敗だった。ここが勝負と思ってスリーバントまでさせるくらい、ランナーを進めたいならピンチバンターの柴田を起用すべきだろう。キャッチャーは伊藤光がこの日、復帰しているのだから。
勝負どころと思ったのか、思ってないのか、今一つ分からないような、中途半端な采配だったと思う。代打が藤田ではなかったということから、勝負はまだ先と考えたのかも知れない。結果として、8回に2点を勝ち越せたので、それが正解なのだろう。ビジターで終盤に入っているのだから、取れる時に取らなければならないと思うが。
キジ
今年初めての東京ドームの試合。読売が他球団と戦っている試合はほぼ見ないので、スコアボードなどが一新された東京ドームはこの日初めて見るような感じだった。昨年は開幕戦を戦い、交流戦後にはホームゲームも行ったこの球場だが、少し雰囲気が変わった中、ナイスゲームができた。
やはり先発が試合を作れるかどうか、これがチームにとっては大きい。リーグトップの8勝目を狙う戸郷に対しては、プロ初勝利を献上したりと相性は悪い部類だったが、今年は1勝1敗で防御率も4.34と一番得点を奪っている。カード頭に投げて来る勝ち頭を相手に勝てたことは大きい。
なかなか連勝ができなかったが、6月3、4日の楽天戦以来の連勝。3連勝となると、5月20日以来となる。2戦目は石田が先発。12日のZOZOマリンでは、今一つ安定感に欠き、初黒星を喫した。攻めの投球で流れを掴み、チームに3連勝をもたらして欲しい。
そして、この日は嬉しいニュースが。育成契約の石川が、支配下登録されたことが発表となった。背番号は95で、石川も喜びのコメントを出していた。もともと、大学4年でケガをしてしまったことにより育成指名となったが、昨年も早い段階で支配下登録に、と言われていた。
だが、入団後もケガがちであったため、昨年は7月までに支配下へ移行せず。今年の春季キャンプでも実戦でアピールし、ハマスタのオープン戦にも登板。支配下登録は近いかと思われたが、その後ケガのためかファームでも投げられない時期があった。それでも、ファームでは防御率0.44をマーク。さらに凄いのが奪三振率で11を超えている。
独特な出所が見えづらいフォームから、キレのあるストレートで空振りも取れる。同じ腕の振りからの鋭い変化球も効果的。現状はリリーフで起用されてきたので、その役割で出番を待つことになるだろう。支配下登録したということは、近いうちに1軍に呼びたいということ。次のステップは、1軍でのプロ初登板。期待してその日を待ちたい。
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