08/23 阪神0-4横浜DeNA(京セラ)
初回に青柳を攻め、佐野の併殺打の間に先制。2回には今永のタイムリー、3回は戸柱のタイムリーで得点を重ねる。今永は4回に2本のヒットから慎重になり、2アウト満塁のピンチを招いたが、代打のロハスJr.を打ち取って切り抜けると、6回までに8三振を奪い、無失点の投球。7回以降は、伊勢、エスコバー、山崎と繋いで完封リレー。7連勝を飾った。
ポジ
左打者を並べる作戦が再び奏功
8月9日のハマスタでの青柳との対戦と同じく、スタメンに左打者をずらりと並べて来た。
8 桑原 7 神里 3 佐野 4 牧 9 楠本 2 戸柱 5 柴田 6 森 1 今永
桑原と牧だけが右打者で、あとは左が並ぶ。ソトに加えて青柳と相性が良くない宮崎までも外すという思い切った起用。前回は、神里が脳震盪特例での抹消中だったので宮本がスタメンだった。6回までにエラー絡みも含めて2点しか取れなかったが、116球を投げさせた。
そして、この日は初回に先頭の桑原が歩くと、神里が粘って8球目をレフト前へ運び、桑原のランエンドヒットでノーアウト1、3塁とした。青柳キラーと言っても良い神里が、この日1軍に復帰してすぐのスタメン出場。面目躍如となった。ここで佐野は良い当たりがセカンドの正面を突き、併殺打に倒れたが、1点を先制した。
立ち上がりコントロールに苦しむ青柳を一気に攻めたいところではあったが、まずは先制点が取れたことが重要だった。得点が入る凡打を打った佐野を讃えたい。三振やポップフライならば、次の牧が併殺だと無得点に終わるケースもあった。
2回は、戸柱の二塁打から2アウト3塁とし、森が3ボールとなったところで申告敬遠。阪神は今永との勝負を選択したが、今永が真ん中に入ったツーシームを弾き返し、キレイに三遊間を割った。自援護となる2点目。さらに2回で青柳に45球を投げさせた。2点だけだったが、それ以上にダメージを与えた。
3回にも戸柱のタイムリーで3点目を追加。得点は1点ずつで、3点差はワンチャンスで追い付かれる点差ではあったが、青柳が72球を費やしたように、ほとんどの時間がベイスターズの攻撃だった。精神的には点差以上のダメージを与えることができた。
結局、青柳は5回105球で、代打を送られて降板。既に12勝を挙げ、防御率1点台というリーグNo.1の投手にようやく黒星を付けた。既に3勝を献上しているが、一矢報いることができた。
9回に佐野の17号でダメ押し。得点には至らなかったが3連打。終わってみれば、3番から6番までがマルチヒット、楠本は猛打賞という12安打4得点の攻撃だった。宮崎、ソトを外しても他の選手がきっちりと自分の役割をこなした。今の強さが表れた勝利だった。
駒大バッテリーが攻守に活躍
青柳対策で左打者を並べる関係で、9日に続いて戸柱がスタメンマスクを被った。駒沢大からバッテリーを組んでいる今永と戸柱だが、今年は嶺井がメインでバッテリーを組んでいる。巡って来たチャンスで、戸柱がしっかりと結果を出した。
最初の打席では、アウトサイドのシンカーに合わせ、左中間への二塁打。ベンチの期待に応える結果を出し、今永のタイムリーで得点という成果に繋がった。3回にもタイムリーを放ち、攻撃面で狙い通りの活躍を見せた。
今永は、150キロのストレートで押しつつ、甘い球を投げないよう慎重な投球。4回は、2ストライクと2球で追い込みながら、際どいコースをボールと判定され、球審とも合わずに苦しくなった。コースを狙い過ぎて歩かせたりカウントを悪くしてしまったが、何とかロハスJr.を打ち取った。
カーブをしっかり低めに決めて、引っかけさせたバッテリーは見事だった。5回も先頭の代打山本にヒットを打たれたが、後続を3人抑え、6回は大山を歩かせたが無失点で切り抜けた。114球を要してしまったため、6回で降板となったが、無失点に抑えたのはさすが。戸柱とのバッテリーも良かった。
これで8勝目。オールスター前はなかなか勝ち星が伸びなかったが、8月に4勝で倍増。3年ぶりの2桁勝利も完全に見えて来た。さらに、来週の火曜に勝てば、8月の月間MVPも狙える。記録的快進撃の象徴として、獲得してもらいたい。
戸柱は、7回以降も伊勢、エスコバー、山崎をリードし、フル出場で完封リレーを完成させた。伊勢とエスコバーは不安定だったが、先頭を出した後、狙い通り併殺を取ることができた。嶺井の台頭が今季の投手陣の成長を呼んでいるが、控えている戸柱と伊藤の好調さも大きい。2戦目の濵口も戸柱と組むと思うが、同じように阪神打線を封じてもらいたい。
ヤジ
京セラドームでこれだけの試合ができるとは思わなかった。危なかったのは4回裏くらいで、策もピタリとハマり、言うことのない試合だった。逆に拍子抜けしてしまった。
キジ
京セラドームの阪神戦と聞くと、あまり良いイメージは持てない。
ベイスターズ最近の京セラドーム成績 ※カッコ内は阪神戦 2015 0勝5敗(0勝3敗) 2016 3勝0敗(なし) 2017 試合なし 2018 1勝2敗(なし) 2019 1勝5敗(0勝3敗) 2020 試合なし 2021 1勝2敗(1勝2敗) 合計 6勝14敗(1勝8敗)
2016年に交流戦でオリックスに3連勝しているが、阪神戦は1勝8敗。昨年、牧がサイクルヒットを達成した試合こそ勝ったが、それ以外は負けている。先週6連勝はしたが、離脱していた選手も戻って来て4連勝中の阪神には、やられるのではないかというネガティブなイメージがどうしても付き纏う。1つ勝てれば良いかなという感じだった。
だが、火曜と今永の組み合わせは最強だった。少し危ない場面もあったが、試合展開的には序盤に3点を先行し、最後はダメ押し点を奪い、完封リレーと完勝だった。
阪神は、ホームゲームの京セラドームはこれで7連敗ということだ。交流戦でオリックス主催のビジターでは3連勝しているが、ホームゲームとしては勝っていない。開幕戦で7点差をひっくり返される悪夢から3連敗スタート。8月12日からの中日3連戦もスイープされていた。
ベイスターズファンが鬼門だと思っている京セラドームは、今年は阪神の方が鬼門になっているようだ。初戦を取れたという安心感と7連勝の勢いがあれば、もしかするかも知れない。
この勝利で7連勝となった。2位となった2019年の7月19日から27日まで7連勝して以来。ちなみに8連勝は、2018年4月7日から15日までの8連勝以来となる。球団記録は過去5回ある10連勝。ハマスタでの連勝記録に加えてこちらも更新ということになれば、首位が近づく。
そして、待望の貯金10に到達。2015年5月27日以来、7年ぶり。
ツイートした通り、この球団にとっての貯金10、2桁というのはホントに貴重。5割がやっとのチームで、ほとんどが負け越しという歴史なので、2桁の貯金を持って優勝争いの参加権を得ることが、どれほど大変なことか。ようやく、優勝うんぬんを意識して良い水準に立てた。ここから、どこまで伸ばせるか。
1997年は、8月28日に最大15まで伸ばしたが、9月2日に石井一久にノーヒットノーランを食らい、完全に勢いを失った。9月は貯金を徐々に減らして行き、優勝へ再加速したヤクルトを追えなかった。最終的に2桁を割り込んで貯金9という成績だった。
ヤクルトはこの日、初回にマクブルームの3ランを許し、ビハインドの展開。しかし、6回に村上の逆転3ランで勝ち、4ゲーム差は変わらず。まさに村神様という活躍だったが、こちらも負けていない。今永はこれで4週連続で火曜に勝利。火曜は7勝0敗と滅法強く、火曜の神様。ともに勝ってマッチレースもヒートアップしそうだ。
ヤクルトは昨年の覇者。勝負どころは9月と思っているだろうし、今は無理をしていないはず。熱い秋にするため、その時に向けて準備を整えつつヤクルトを追いかけなければならない。
2戦目は、苦手の伊藤将が先発して来る。前回は濵口も素晴らしい投球で得点を許さず、最後はスタミナ切れと守備の乱れで3点を奪って伊藤将に土を付けたが、攻略できたとまでは言い難い。今回も同じような展開が予想されるが、青柳を全員野球で攻略したように、伊藤将も攻略して欲しい。
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