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番長の神采配!記録的な勝利 山崎200セーブ

08/24 阪神0-4横浜DeNA(京セラ)

三浦監督の勝負勘が冴え渡った。0-0の7回、1アウトから歩いたソトに代走の神里を起用、柴田が送って2アウト2塁。伊藤が申告敬遠、関根がバントヒットを決め満塁。ここで桑原がレフトへグランドスラム。この4点を入江、エスコバー、平田、山崎と繋いで守り抜いた。山崎は通算200セーブを達成。チームは8連勝で貯金11。

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ポジ

勝負を懸けた7回、采配が的中

これが連勝の勢いなのか、名将・三浦大輔の誕生なのか。7回、代打攻勢で勝負に出た采配が、ものの見事に的中し、投手戦を制した。

7回は1アウトからソトが四球で歩いた。ここで神里が代走として送られた。打順の巡りによっては9回にチャンスで回って来ることも考えられ、ここでの交代はどうかなと思った。さらに、続く柴田には1アウトからの送りバント。それはつまり、戸柱と濵口のバッテリーを交代して勝負を懸けることを意味している。

6回3安打無失点、無四球で87球しか投げていない濵口を交代するのは、理解できなかった。点を取らないと勝てないとは言え、先々週での対戦でも濵口が8回まで無失点に抑えたからこそ、8回に伊藤将から得点できた。阪神が嫌がっているはずの濵口を代えれば相手の思うツボだし、7回が8番の戸柱で終わっても、8回に代打から1番へ返る打順で勝負できると思った。

しかし、三浦監督の決断は7回に勝負することだった。戸柱に代えて右の伊藤を送る。阪神ベンチは、申告敬遠を選択し、2アウト1、2塁。濵口には関根を代打で起用。左腕の伊藤将を考えれば、この布陣は妥当かと思う。蝦名もいるが、復帰後まだほとんど打席に立っていない。

ここで関根が、初球に意表を突いてドラッグバントを見せた。関根は2アウトで代打として打席に立っても、これまでも時折トライしていた。これは要らんと解説に言われることもあった。個人的にも成功する確率はそれほど高くないので、代打として出てストライクを一つ取られるのは苦しくなるだけかなと思っていた。

だが、見事にピッチャーとファーストの間に転がし、内野安打となった。これで2アウト満塁だが、次の桑原がこの日、三振を含む3打数ノーヒットで内容も悪く、合っていなかった。だからこそ関根が打って還すしかなかったし、ベンチもそれを期待していたのではないかと思った。

そんな中で打席に立った桑原だったが、2球目のストレートを思い切り振り抜くと、打球はレフトの上段外野席に飛び込むグランドスラム。普通、グランドスラムが出たら、「やったー!!」と歓喜するものだが、「ウソだろ?」と呆気に取られてしまった。こんなグランドスラムは初めてかも知れない。

三浦監督も、さすがにこの展開は予想していなかったとは思うが、この7回に勝負をかけるという勝負勘は見事に当たった。ほとんどのファンが予想しない作戦、起用だったように思うが、結果として見れば采配が冴え渡ったということだろう。

一時、ヤクルトがどんな状況になっても上手く事が運び、勝っているように見えたが、こういうことなんだろう。連勝の流れに乗り、打つべき手を打てば、チームは拍車がかかったように進んで行く。8連勝という結果も頷けるような、そんなシーンだった。

史上8人目、最年少での通算200セーブ達成

9回は4点差。前日は直前に佐野のソロが出てリードが広がったことと、カード初戦ということあって山崎が登板したが、この日は平田が登板。2アウトを難なく取ったが、大山と原口に連打を許し2アウト1、2塁。ここで齋藤コーチがマウンドに行った後、三浦監督が出て山崎をコールした。

平田が締めていれば登板がなかったはずだが、セーブシチュエーションになり急遽登板。準備はしていただろうが、どうかなと思ったが、糸原に対して2球低めのスプリットを投げ、センターフライに打ち取った。これで通過点の通算200セーブを達成した。

「IT’S JUST A MILESTONE」、ただの通過点に過ぎないというメッセージを込めた200セーブ記念のTシャツに着替え、ヒーローインタビューに登場した山崎。彼らしい実に誠実な返答だった。

150セーブまでは順風満帆だった。ルーキーイヤーの開幕直前に中畑監督からクローザーに指名され、大役を完璧にこなした。当時の新人記録となる37セーブを挙げ、ハマのクローザーに定着。2016年のクライマックスシリーズ、2017年の日本シリーズ進出に大きく貢献し、2018年にはセーブ王のタイトルも獲得。国際大会にも出場し、選手兼広報と言われるほど情報発信も行っていた。2019年には150セーブを達成し、2年連続のセーブ王に輝いた。

だが、コロナ禍で開幕が3ヶ月遅れとなった2020年は、開幕から調子が上がらずにセーブシチュエーションでの失敗を繰り返し、三嶋と配置転換でセットアッパーに。自己ワーストの6セーブに終わった。2021年も開幕は三嶋がクローザーを務め、シーズン終盤に三嶋と入れ替わるも1セーブを挙げただけでファーム落ち。苦しい2シーズンを送った。

今年は三嶋とクローザーを争った上で、三浦監督は山崎を指名した。最初のセーブシチュエーションでは逆転を許し敗戦投手になったが、それ以降は安定した投球を見せた。4月にコロナの陽性判定を受けて離脱したが、この日に30セーブに到達。チームの快進撃で自己ベストの37セーブにも迫る勢いだ。

史上8人目で最年少での達成。しかし、楽天の松井が26歳で191セーブとなっており、早ければ今年のうちに塗り替えられてしまうかも知れない。だが、2年間苦しんだ上で見事に復活し、チームの伝説となっている佐々木氏よりも早く達成したことは素晴らしいと思う。

ルーキーイヤーから5年連続で25セーブ以上、4シーズンで30セーブをマークしたことは、過去にないレベル。それだけクローザーというポジションはチームの全てを背負い、プレッシャーがかかる激務。一度、その座を追われた投手が返り咲くこともあまりないという世界。

石橋貴明氏が暴露していたポテチやチョコを食べていたという部分も、その不振があって栄養学を学んだり、球種を増やすことを検討しつつ自分の投球を見直したりと得るものも大きかったと思う。昨年、母親が他界したことなど、いろいろなことがあったと思う。本人の努力でこのポジションに戻った。

MLB志望の件など、今オフもいろいろあると思うが、今はベイスターズの日本一の力になって欲しいと思う。本人が言うように、これは通過点。日米通算となるのかは分からないが、250そして300と積み重ねて欲しい。

ヒーローを奪われてしまった桑原と濵口

関根のドラッグバントで満塁にチャンスが広がったが、伊藤将に全く合っていない桑原に回ってしまった。ベンチも想定外だったかも知れない。見ていても厳しいだろうなと思っていた。

初球のツーシームを見逃した後、ストレートが真ん中に入って来たところを思い切り良く振り抜いた。ストレート一本に絞っていたような感じだ。テレビで見ていても泳いだように見えて、そんなに飛距離が出るようには思えなかった。桑原特有の前で捌く打ち方で、打球にしっかりと力は伝わっていた。

レフトオーバーかと思ったが、打球はもっと高く上段外野席まで届いた。前述の通り歓喜と言うよりも信じられなかった。現実に思えなかった。

この一打で、代打を送られて悔しがった濵口も、代打攻勢により関根で還そうと目論んだベンチも、負担のかかっているリリーフも、みんな救われた。

チームを8連勝に導く殊勲の一打を放ち、文句なしにヒーローというところだが、山崎の記録達成でヒーローインタビューを奪われてしまった。ハマスタなら桑原、濵口、山崎の3人だったかも知れない。京セラドームではインタビューで声を届けられなかったが、まだまだ残るハマスタの試合で活躍し、再び「元ネタ」の「OK、愛してるよヨコハーマー!」を聞かせてもらいたい。

濵口も投球内容を考えればヒーロー。伊藤将と互角以上に投げ合ったからこそ7回の攻撃があった。昨年までが嘘のようにコントロールが安定している。この日も6回までだが無四球。カウントを苦しくしても何とか対処できている。戸柱とのバッテリーも息が合っているようだ。かつては高城が専属マスクだったが、濵口は他にあまりいないタイプの投手なので、うまく操縦方法を身につけないとリードが難しいのかも知れない。

フィールディングも含めて終始落ち着いた表情で、頼もしい投球だった。7回に代打を送られた際は、悔しさを露わにしてエルボーガードをベンチに叩き付けたが、あそこで代えられて悔しくなければ先発はできない。代打の関根がバントヒットで繋ぎ、桑原のグランドスラムが出た瞬間は、少年のように喜びを爆発させた。

やっと6勝目。ルーキーイヤーに2桁勝利を挙げたが、その後は6勝止まり。ここから壁を破って、大貫、今永に次ぎ三本柱として存在感を高めて欲しい。

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ヤジ

三浦監督の采配に脱帽。それだけ。

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キジ

山崎の通算200セーブという記録も生まれたが、他にも記録がたくさん。2018年4月以来の8連勝をマーク。DeNAとなってからの最多タイに並んだ。9連勝となると、2001年7月15日から8月2日まで9連勝して以来となる。森祇晶監督の1年目であり、ギリギリ21世紀というレベル。球団記録も10連勝というチームなので、21年ぶりになるのも必然か。

そして、貯金も11となった。こちらも2015年5月16日以来で、この1日だけだったが、DeNAでの最多タイに並んだ。貯金12となると、先日も書いたが1998年以来、2桁の貯金を作ったのが2015年だけなので、1998年シーズン終了時の貯金23以来ということになる。

さらに、8月の月間成績が16勝2敗となった。今年、たびたび出て来る1997年8月は、20勝6敗。これがベイスターズの月間最多勝利で、あと4勝で並ぶ。8月の残りは6試合なので、不可能ではない。月間の貯金14には既に並んでおり、残りを五分で乗り切るとこれに並ぶことになる。

もう一つ最後に、これで阪神戦は13勝8敗となり、2013年以来9年ぶりに勝ち越しとなった。その前から苦手にしており、ハマスタでホームのように大暴れされ、幾度となく悔しい思いをして来た。個人的にはハマスタの阪神戦は現地を避けて来たほどだ。それが3回もハマスタでスイープし、京セラドームでも連勝。甲子園ではあまり勝てなかったが、やっと勝ち越せた。優勝争い、CS争いの観点でも、まだ残る試合で勝利を掴みたい。

ハマスタ17連勝という大きな記録に沸き、その勢いを京セラドームにも持ち込み、連勝を続けた。記録的な快進撃になっている。それを象徴するかのような山崎の200セーブ達成。

青柳、伊藤将との対戦で、またも連勝するとは本当に驚きだ。前日も書いたように、阪神は京セラドームでのホームゲームはこれで8戦全敗。8連勝中のDeNAと、ここで8連敗中の阪神。最後の試合はどういう結果になるだろうか。

DeNAはロメロが先発。先週の木曜に先発した後、登録を外れているが、特例2022の代替指名選手としての登録であった為、10日間を経過せずに再登録ができる。日曜にファームで2イニングを投げただけで降板した東を予想したが、実際は中6日でロメロの先発となった。東の降板は何だったのか気になる。

阪神は西純矢が先発。前回の対戦では4回途中で3点を奪っているが、先週はヤクルト戦で勝利を挙げている。彼を攻略して連勝を伸ばせるか。ヤクルトも負けないので、付いて行くしかない。どういう形で直接対決を迎えるか。

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