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破竹の7連勝で4位転落! 交流戦は貯金4で3位

06/16 埼玉西武0-5横浜DeNA(ベルーナ)

初回、桑原がレフト線へ二塁打を放つと、度会が球団新人初の6試合連続となるタイムリー。その後、両軍の「ゆうたろう」が投げ合い、試合は後半へ。6回、オースティンが高めを捉えてバックスクリーン左へ7号ソロ。さらに佐野のタイムリー二塁打で追加点。9回にも度会の犠飛とオースティンのタイムリーでダメ押し。先発の石田裕は、抜群のコントロールと攻めの投球で西武打線を抑え込み、無四球でプロ初完封。95球でマダックスも達成し、2連勝を飾った。

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ポジ [Good]

父の日にこれ以上ない親孝行

石田裕が素晴らしい投球を見せた。先週のソフトバンク戦では、プロ初登板ということもあり、始めから5回を目途にした登板だった。立ち上がりから飛ばしたと言っていたが、まだ余力はありそうな中での交代となった。

この日も立ち上がりから低めへのコントロールが抜群。先頭の奥村には初球、真ん中に入ったところをレフト前ヒットとされ、滝澤が送って得点圏にランナーを背負ったが、長谷川はナチュラルにシュートするインサイドのストレートでサードゴロ。元山はインサイド低めのストレートが決まり、見逃し三振。左打者から見ると、ボールゾーンから少し中へ入って来るのかも知れない。

2回以降は、同じ「ゆうたろう」の渡邊との投げ合いとなったが、ゾーン内に攻めていく投球で、低めの変化球を効果的に使い、5回まで三者凡退を続けた。6回に2点の追加点をもらい、6回裏は先頭の古賀にあわやホームランというセンターフライ。行ったかなと思ったが、フェンスギリギリで落ちて来た。さらに2アウト後、奥村にストレートを弾き返され、フェン直の二塁打。ここは滝澤をフォークで3球三振に仕留め、切り抜けた。

8回は、2アウトから代打の西川、栗山に初めての連打を浴びた。ここで2安打を放っている奥村が、浮いたフォークを捉えるも、サード正面のライナー。危ない場面だったが、運もあった。

8回まで87球で、三浦監督にどうしたい?と聞かれ、前日の東と同様に続投を志願した。2点のダメ押し点をもらい、あとは最後まで投げるだけという場面になった。先頭の山野辺には、2ストライクからストレートを投げ込み、見逃し三振。長谷川にはストレートを捉えられたが、セカンドの林がジャンプしてライナーを押さえた。最後は元山をセカンドゴロに打ち取り、95球でマダックスを達成した。

先週のプロ初登板、初勝利では、母親と弟がハマスタに来場していたそうだが、父親は来ていなかった。どうやら入院していたらしく、この日は退院してベルーナドームに来ることができていたそうだ。先週の晴れ姿を現地で観損ねた父親に、初完封をマダックスで飾って見せるのだから、素晴らしい。

父の日だったこの日、息子が大好きなベイスターズを完封で勝たせてくれたのだから、これ以上のプレゼントはない。想像しただけで涙が出るくらい、嬉しいだろうなと思うし、羨ましい。チームも勢い付けてくれたファン代表の石田裕。今後の投球にも注目したい。

桑原、度会の1、2番が躍動

前日に走塁で右足を痛めた蝦名は、右ハムストリングスの肉離れで登録抹消となった。代わって1番センターに入って桑原が、2本の二塁打と四死球で4度出塁と、1番の役割を果たした。初回は、立ち上がりの渡邊からレフト線への二塁打で切り込み隊長として先制点をもたらした。9回にはストレートに力があるアブレイユから詰まりながらもレフト線へ運び、ダメ押しの2点に繋げた。

度会は、最初の打席でタイムリー。前日、7回に先頭の桑原が二塁打を放ち、同じノーアウト2塁という場面で、追い込まれてはいたがレフトフライに終わった。2ストライクアプローチなので止むを得ない部分はあるが、進塁打を打てず、レフトフライというのは最悪な部類の結果だった。

この打席でも2ボール2ストライクと追い込まれてしまったが、5球目の高めのストレートを被せるように打って、絶対に引っ張るという意思が感じられた。昨日の今日でこういうバッティングができるのは、やはり成長が早いと思う。

本当は転がしたい打球だったが、少しバットがボールの下へ入り、ライナーとなった。セカンドの頭を越えてくれたのでタイムリーとなったが、こういう意識がある中でセカンドライナーだったら仕方ないと思える。これは続けてもらいたい。

6試合連続のタイムリーは、ルーキーでは球団初となった。まず、そういう場面に6試合連続で回って来ることもそうあることではないし、そこでヒットを打てる能力も素晴らしい。5月中旬から1ヶ月、バッティングもそうだが、守備や走塁などの課題を克服するためにファームで出場して来た。

開幕から2戦連発、グランドスラムなどホームランが目立っていたが、オープン戦ではホームランはなかったが、出場した試合では全試合でヒットを放つ安定感があった。相手から研究された部分はもちろんあるし、変化球や左腕という弱点も明確だった。

それもあるが、やはりバットコントロールの良さという部分で、力任せに振り過ぎないバッティングに戻して来た感じで、まずは打率を向上させるという意図も見える。ここが安定して来れば、カウントや場面でホームランを狙いに行っていいし、彼の能力ならいずれホームランも出るようになると思う。

9回も、アブレイユの155キロを超える速球に対して、ファウルで粘ることができたし、最後は高めの速球に上手く合わせてレフトへ運び、着実に犠牲フライをマークした。もちろんタイムリーヒットがベストだが、毎回打てるものでもないし、クローザーを務める投手を相手に、こうした打席を作れたことも価値があると思う。

先週、宮崎や上茶谷らがケガで離脱し、伊勢に続いて山崎もファームで再調整となり、チームとしては最初の正念場を迎えた。その際に、チームのムードを一変させる存在として、「あの子」が必要なのではと書いたが、首脳陣もそういう考えがあったと思うし、ファームでの経過もちょうどタイミング的にマッチしたのだろう。DHのある今週のビジター6連戦から呼んで、全試合で結果を出すのだから、やはり並みのルーキーではない。連勝中なので当然と言えば当然だが、度会のまわりには笑顔が生まれてムードも非常に良い。

4月は非常に苦しんだが、5月は登録を抹消されるまで5試合ではあったが.364と悪くなかった。6月は復帰して6試合で.385、9打点、OPS.854と素晴らしい数字。四球は1だけでそこは課題ではあるが、ヒットで出塁できれば役割は果たせているし、長打が出れば得点により結び付くので、良いところを伸ばしたい。

交流戦のホームラン王へ

オースティンが、貴重な追加点となる7号ソロを放った。初回に1点を先制したが渡邊を捉え切れず、1-0の重い展開となっていた。6回先頭で打席に入り、2球目の高めストレートをコンパクトに強く捉えた。打球は高く上がり、放物線を描いてバックスクリーンの左に飛び込んだ。最短距離でバットが出て、手が伸びて強く叩けるポイントで捉えることができている。少し高く上がった分、飛距離は出なかったが十分な打球だった。

7回は三遊間をキレイに割ってチャンスを広げ、9回は度会の犠牲フライで1点を追加した後、2ストライクからアブレイユのスライダーを捉えて、左中間へフェン直のタイムリー二塁打。156キロのストレートがある中で、肩口から入ったとは言え、スライダーをきっちり捉える技術。調子はそこまで良くないというようなコメントをしているが、3安打で打率.314とし、OPSも.973、得点圏打率.423と素晴らしい数字が続く。

交流戦前に復帰し、いきなりカメラマン席へ飛び込み途中交代するなど、何度もケガを心配させられた。前日も二塁打でスライディングした際に足を痛めた素振りをしていた。結果的には問題なかったようで、この日はDHでスタメン出場した。昨年は交流戦の途中で、ヘッドスライディングをした際に肩を痛め、交流戦終了とともにリハビリ組へ入り、そのままシーズンを終え、肩の手術に至った。

今年は何とか交流戦は完走した。かつて交流戦で6カード全てでホームランを打ったことがあるオースティンだが、今年も5本塁打で12球団のトップ。あと1試合を残す万波が4本塁打なので逆転の可能性が十分にあるが、交流戦のホームラン王を手にしそうだ。

個人的にもエスコンでの9回同点弾は印象深いし、チームの勝利には結びつかなかったが、8日の同点3ランも素晴らしい一打だった。やはりオースティンがいると違う。交流戦の応援隊長を務めた令和ロマンのくるまが言っていたように、何とかオースティンを守らなければならない。これからもいつケガをするのかヒヤヒヤは続くのだろうが、シーズン最後まで彼の素晴らしいプレーを見続けたい。

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ヤジ [Bad]

この試合は言うことなし。投打ともに完璧な試合運びだった。筒香は7回の1アウト満塁で併殺に倒れるなど4打数ノーヒットだったが、一番打って欲しい時に打ってくれているし、こういう日もある。牧も同様で1四球のみだった。1~3番が機能し、良い流れに乗って5点を取れた。

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キジ [Other]

先週の日曜日、救世主のように現れた石田裕がプロ初勝利を挙げてから始まった連勝。前日の東に続いての完封、それも100球未満で投げ切るマダックスを達成しての勝利。全て先発投手に勝利の付く7連勝となった。

ただ、怒涛の7連勝をマークしたが、前日に3位だったにも関わらず、4位転落という珍事。管理人の考え方で、シーズン途中の順位にそれほど意味はないので、当ブログは順位に関してはあまり記載しないのだが、この珍事は取り上げてみた。

セ・リーグの順位決定方法は、まずは勝率で決まる。同率だった場合に勝数、当該球団間の対戦成績などで決定される。15日の時点で、DeNAと阪神が.500で並んでおり、31勝だったDeNAが3位、30勝だった阪神が4位ということになった。

セ・リーグ順位表(15日現在、2~4位のみ)
2 読売 31-30-4 .5081
3 DeNA 31-31-1 .500
4 阪神 30-30-4 .500

DeNAと阪神が勝ち、読売が引き分けたことで、阪神と読売は同率で勝利数も同じなので2位で並んだ。実際は、当該球団間の勝率が高いチームが上位になるので、阪神に1つ勝ち越している読売が上位ということになるはずだが、シーズン中はここの部分は反映されないのが一般的なようだ。

セ・リーグ順位表(16日現在、2~4位のみ)
2 読売 31-30-5 .5081
2 阪神 31-30-4 .5081
4 DeNA 32-31-1 .5079

5割で並んでいた状態から、阪神とDeNAがともに貯金1となり、引き分けと試合数の違いから、勝率で計算するとDeNAが一番下ということなる。よって、7連勝をマークした日に順位が下がるという結果になった。もちろん読売、阪神とのゲーム差はなく実質的には2位に並んでいる状態。それよりも首位の広島と3ゲームの範囲に入っていることが大事。

先ほども書いた通り、途中の3位よりも、首位と3ゲーム差をキープしつつ、5割ラインを超えたところで推移することが重要。ただ、5割ラインを超えていても、首位が貯金20を超えて来れば、そこに付いて行けなければ、昨年のように優勝争いに加われずに終わってしまう。いかに終盤まで首位と3ゲーム差以内をキープするか。もちろん、上に立つ方がベストではあるが。

4日間の中断を経てリーグ戦が再開する。ここからは同じリーグのチームと優勝を争うための挑戦権を得る戦い。昨年はオールスター時点で3ゲーム差で付いていたが、その後スパートする阪神に付いて行けず、自らの貯金も減らす結果となった。

オールスターまで優勝争いの輪に残り、いかに夏場にピークを持ってくるか。首脳陣もシーズントータルを考えた戦い方をしていると思うので、そこに向けて全選手が合わせて来てくれることを期待したい。オールスターまで1ヶ月、スパートの力を蓄えつつ首位から離されないように戦って欲しい。

交流戦は、18日に阪神と日本ハムの1試合を残しているが、DeNAは全日程終了。最初の4カードのうち、ハマスタでの3カードは全て1勝2敗で負け越し。エスコンで良い形の連勝があったが、6月5日から4連敗で4勝7敗となった。宮崎らケガ人や再調整が相次ぎ、今年勝っていない日曜のハマスタでソフトバンク戦。絶望的な中で交流戦最下位も覚悟した場面もあったが、そこから予想だにしていなかった7連勝という快進撃で締めた。

今年はビジターで非常に相性が良かったことに加え、交流戦序盤は11連勝の勢いがあったロッテが、少し不調に入ったタイミングだったことと、今年は既に監督が休養し、かなり厳しい状態にあった西武と最終週に6連戦が組まれていたことは、DeNAにとって巡り合わせが良かった。

今年の交流戦は終わったが、来年はまた全然違った力関係での試合になるだろう。今年に関してはうまく勝ち星を稼ぐことができた。その結果、優勝した昨年と同じ11勝7敗で乗り切れたことは、今後にとっても非常に大きい。セ・リーグでは最上位の3位で、素晴らしい成績を収めた楽天、優勝を争ったソフトバンクには及ばなかったが、2年連続で良い交流戦になったと思う。

過去には3年連続で6勝18敗、2015年は3勝14敗1分で勝率.176と、今でも交流戦の最低勝率の記録を持っている。昨年の優勝も感慨深いものだったが、交流戦を苦にしなくなり、セ・リーグのお荷物を脱却したことは素直に嬉しい。交流戦の年度別成績は昨年の記事に書いているので、よろしければ。

交流戦予備日の4日間は、各自で回復や練習に使うことになるだろう。21日からは、昨年と同じく阪神戦でリーグ戦に戻る。今年は甲子園だが、最初のカードは京セラドームだったので、2024年は初めての試合となる。昨年と異なり首位攻防戦ではなく、首位の広島を追いかける挑戦権を懸けた戦いとなる。

阪神は火曜に1試合、日本ハムとの交流戦を甲子園で戦ってからということになるが、ローテーション的にも、登録を抹消した大貫以外のすべての投手を使える状況。翌週の25、27日は新潟とハマスタの変則2戦で、先発投手は5人で良いという部分も含めて、どういうローテーションを組んで来るか。

宮崎の復帰も見込まれる中で、DHのないセ・リーグでどういったオーダーを組んで来るか。蝦名の離脱は痛いが、度会がオープン戦のようなバッティングを取り戻して復帰し、梶原も結果を残した中で、ハイレベルな争いにできるかどうか。交流戦の好成績で良い位置に戻って来たベイスターズが、どのようにオールスターを迎えるか、注目して行きたい。

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