06/21 阪神1x-0横浜DeNA(甲子園)
リーグ戦が再開し、初戦は今季初の甲子園。先発のジョンソンは、150キロ中盤のストレートにチェンジアップなどの変化球が決まり、ゼロを並べて行く。打線は西勇の要所を締める投球に対して、度会と牧が3安打も3併殺と繋がらず、8本はいずれも単打で得点を奪えなかった。9回、ウィックが2アウト1、2塁から小幡にライト前へ運ばれ、サヨナラ負け。
ポジ [Good]
5月に一度、ファームでの調整を経て、復帰後は2勝を挙げているジョンソン。前回も7回無失点の好投を見せており、リーグ戦再開の先発を任された。阪神戦は来日初勝利を挙げた京セラドームも含め、防御率0点台と相性が良かった。
この日もその数字通りの投球を見せ、前回と同様にストレートで押しながらも、小杉コーチやファームの入来コーチなどのアドバイスで変更したチェンジアップ、ナックルカーブなどの変化球を上手く交えて阪神打線を封じた。
4回は森下を歩かせてしまい、大山に繋がれてピンチを招いたが、前川をストレートで押し、ショートゴロ併殺打。5回は2アウト2塁から、投手の西勇のゴロを森敬がファンブルし、ピンチが広がって近本という嫌な場面を迎えたが、カットボールでショートゴロに打ち取った。
7回、2アウトを取ってから梅野に二塁打を許し、小幡を歩かせたところで降板となった。援護がなく、0-0という展開で交代せざるを得なくなったが、全体的に良い投球だった。7回を投げ切れなかったのは本人としても悔しさはあるだろうが、2戦連続で無失点と投球内容は投げる度に良くなっている。次回は中5日なのか、中6日なのか分からないが、ローテーションの軸として期待できる内容になって来ているのは頼もしい。
7回にジャクソンが招いたピンチで、西勇に代打の糸原が出たタイミングで坂本が登板。阪神は代打の代打でノイジーを起用したが、インサイドのストレートできっちりと攻め、ファウルフライに打ち取った。この日もしっかりと火消しをしてみせた。結果を積み重ね、チームとして頼りになる存在になって来た。
敵地甲子園で0-0という緊迫の展開。8回表の大きなチャンスを併殺で逃し、阪神の8回裏は1番からの好打順。この場面で中川虎が登板し、力み過ぎることもなく、簡単に7球で片付けた。少し前だったら、こんな場面ではなかなか使えなかったし、登板したら力み上がっていたと思う。一つ勝って、場数を踏んだことで投球に余裕も感じられた。阪神の上位打線が当たっていないこともあったが、この場面で中川虎が使えるようになると、リリーフ全体の底上げにもなると思う。
ウィックも悪くはなかった。前川の内野安打は、ホームベース付近の堅い土でバウンドし、高く跳ね上がった。これは運がなかった。佐藤輝にはストレートが引っ掛かり、当ててしまった。嫌な形でランナーが溜まったが、梅野にストレートで押した後、カットボールがアウトサイド低めへ完璧に決まった。ストレートに合わせていた梅野は抜かれていたし、コースもベストピッチだった。ただ、カットとストレートでは球速差もあまりないので、何とかナックルカーブを使えるボールにしたい。
度会が3安打猛打賞。4打席目も四球を選び、全4打席で出塁した。しかし、ランナーがいたのは四球の4打席目だけで、6試合連続タイムリーは更新ならず。当初は8番だったが、途中から2番に入っての6試合だったが、DHがあったので下位からチャンスで回って来たし、桑原の長打もあった。DHがなくなり、5番以降がノーヒットではチャンスで回らない。4出塁は2番の役割を果たしているが、繋がらなかった。
牧も3安打。三遊間の真ん中に転がった内野安打と、詰まりながらセンターの前に落としたヒットが2本。クリーンヒットはなかったが、ヒットになるゾーンへ打ち返すのはさすが。唯一、得点圏のチャンスで回った打席だけ凡退し、得点に繋がらなかったのが残念だ。
ヤジ [Bad]
宮崎が復帰し、DHがなくなって佐野がベンチスタートにはなったが、重量打線という形になった。長打が絡んで打てれば威力のある打線だが、強攻策になるだけに併殺も多くなる。度会が現状、盗塁を成功させるだけの技術を伴っていないので、なかなかスタートを切らせることはできなかった。
1回、2回でオースティンと筒香が併殺打。両チーム無得点で迎えた8回、1アウトから桑原のヒット、度会が歩いてようやく中軸で得点できるかという場面だったが、オースティンがこの日2つ目の併殺打。どうしても打球が速いので併殺になりやすい。ここで進塁打が欲しい訳でもないのだから、これは仕方がない。
2番、4番がいずれも3安打しているが、同じイニングに重なったのは4回の一度だけ。3番のオースティンが繋げなかったことが響いたが、5番以降がノーヒットというのも繋がりを欠いた。
この試合だけを見れば、4打席全てでランナーを置いていた5番の宮崎がブレーキであり、拙攻を象徴した。宮崎は、左ハムストリング軽い肉離れで7日に登録を外れ、この日から復帰となった。ケガの影響がとか、まだ体が万全でないからとかという声もあるのだろうが、個人的には失礼な話だと思う。
もともと、登録抹消するか微妙なラインのケガだったのだと思う。DHが続く交流戦最終週、テーピングをすればDHで出られた可能性は高い。しかし、まだ半分以上も残るペナントレースを考え、治療に専念することを選択した。
リーグ戦再開での復帰は、十分なタイミングだと首脳陣も本人も判断しており、宮崎の希望でファームでの実戦調整を経ずに復帰している。宮崎くらいの打者であれば、本人の感覚が重要なので、首脳陣の方からファームで出場しろという話になるわけがない。復帰に関しては、宮崎の責任においてGOをかけている。
1試合で判断するものではないが、宮崎が行けると判断して復帰した結果に対して、まだ体調がなどという話をするのは、打てなかったこと自体は批判していないように見えて、彼の判断を結局否定していることになる。心配しているファンの声であっても、プロの打者にとってみれば失礼な話だと思う。何かにつけて疲れているから休ませろという声も同様。
結果はプロとして受け入れているだろうし、珍しく2三振という結果も含めて、宮崎自身がこれからアジャストして行くと思う。12球団でもトップクラスの投手陣である阪神を相手であれば、宮崎のコンディションが万全であっても、普通にノーヒットということもある。これから先のバッティングを注視して行きたい。
感覚的には全然まだまだと言っている筒香も、重要な場面では打ってくれているし、出塁率を含めたOPSはある程度の数字を残して来ている。1000試合出場という通過点だが節目の試合で、チャンスでの凡退が続いた。日本に復帰し、1軍の試合に出場を続けて1ヶ月半。当初の予想でもアジャストにはかなり時間がかかり、今年はそこまで打てるとは思っていなかったが、やはりなかなか簡単には戻らないようだ。アジャストができたとして、彼の今の位置もまだ計りかねているところではあるが。
森敬が2つのエラー。土のグラウンドなので、当然バウンドが不規則になる。送球まで考えると正面で丁寧に捕球できない場面もあるし、強い打球だと少しイレギュラーしただけでもそれに対応するのが間に合わなくなる。ただ、グラウンドコンディションは両軍、どの選手にとっても同じ。ショートが一番難しいとは言うまでもないが、そういう中でもしっかりと守れるようにして行きたい。良いプレーもあったので、積極性は失わないようにしたい。
9回の最後の場面、6球目にカットボールを投げて、やや中へ入ったところを小幡に弾き返された。その前の梅野にはストレートをファウルしていたところから、アウトサイド低めのコーナーへ見事に決まったので、そのイメージで配球したのだろう。ただ、小幡はそこまでストレートに押されていなかったし、少し投げ急いだ印象がある。
左打者だし、カットボールで行くならインサイドへ確実に投げ込む必要がある。ストレートが引っ掛かったボールだったが、左打者の佐藤輝に当ててしまっているので、カットは投げづらいだろうなと思っていた。もう1、2球ストレートで押し、しっかりと意識させてから投げるか、ナックルカーブで目先を変えたかったが、ナックルカーブはけっこう打たれているので選択できなかったか。前述の通り、速球系の球種2つではさすがに抑えるのは厳しい。ストレートで空振りが取れないだけに、タイミングを変えるボールは混ぜたかったところ。
キジ [Other]
7連勝中ではあったが、交流戦が終わって4日の空きがあり、その流れは一度止まった。そして、個人的には7連勝という数字ほどの勢いはもともと感じていなかった。先週は相手の状態があまりにも悪過ぎた。交流戦は苦戦していたが、後半少し状態を上げて来ている阪神との対戦では、そんなにうまくは行かないだろうと思っていた。
ジャクソンが良かっただけに、勝利に結び付けられなかったのは痛い。西勇も良かったが、打てなかったというより点が取れなかった、繋がらなかったという感じ。ちなみに、7連勝を決めた日は、勝って4位に転落したが、この日は逆に負けて3位浮上となった。
2戦目はエースの東。伊藤将は、5月のハマスタでは想定外に打つことができたが、甲子園ではまた違うだろう。左腕に対して数字が良い梶原を使ったりと入替はあるだろうが、2戦目で打順を変えて来るとは思えない。個々がいかに相手の投手を捉えるか。長打が出ないと苦しいのが現状で、併殺と表裏一体な部分があるが、彼らのバッティングに期待するしかない。東はある程度、結果を計算できるので、何とか得点を重ねて行きたい。
ファームでは平良が、6回をパーフェクトピッチングで9奪三振。61球で降りているし、来週は5試合ということもあるし、あと1回ファームでの登板を挟むだろうか。2番手は大貫が3イニング32球を投げた。次回へ向けての調整登板と思われるが、中3日で25日の新潟なのか、27日のハマスタか。
オールスター前の連戦に向けて平良が復帰できそうなのは朗報。他の先発投手も競争になるので、この日のジャクソンと同様に、先制点をやらずにゲームを作って行きたい。
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