07/13 読売6-1横浜DeNA(東京D)
プロ初登板の吉野は立ち上がり、2四球でピンチを招き、岡本和にタイムリーを打たれて先制点を奪われる。3回には吉川にソロを浴びて2点目を許すも、4回と5回は三者凡退に抑え、5回2失点で降板。6回は松本凌が登板したが、満塁から門脇に走者一掃のタイムリー二塁打、グリフィンにもタイムリー二塁打を浴び、試合が決まってしまった。打線はオースティンの12号ソロで1点差としたが、その後が続かなかった。
ポジ [Good]
2年目の吉野がプロ初登板。2022年のドラフト2位で指名され、背番号24をもらい、チームの期待も大きかった。上武大からトヨタ自動車を経て大卒社会人として入団したので、2年目だが牧や山本、入江、石川、知野、中川颯らと同じいわゆる1998年組。高校は九州学院で、伊勢の1年後輩でヤクルトの村上の1年先輩ということになる。
ドラフト指名後の日本選手権では吉野は登板せず、ケガをしているのではないかと言われていた。新人合同自主トレには参加し、春季キャンプも1軍メンバーに選出されたが、調整が進まずにファームへ合流した。5月には腰の疲労骨折でリハビリに入った。ルーキーイヤーのファームでの成績は4試合で1勝1敗も防御率11.91だった。
2年目とは言え、大卒社会人で入っているので勝負の年となるが、春季キャンプはファームとなり、奄美では終始リハビリ組に入った。3月からようやくファームで少しずつ実戦登板できるようになり、5月以降はファームでローテーションに定着。ファームで9試合に先発して48回1/3を投げて防御率2.98という数字を残し、この日の先発のチャンスを得た。
立ち上がり、前日に坂本から同点ソロを放っている丸に対し、追い込んでからのストレートがやや甘く入り、前日と同じような軌道で飛んで行ったが、センターの守備範囲。この打球に吉野は、胸をなでおろしていた。本人としては捉えられたという感覚があったのだろう。
本人はそれで動揺したと言っていたが、甘くなるとやられるという感覚が強くなったのだろう。吉川に対してコースを狙い過ぎて歩かせた。ヘルナンデスの打席で吉川が盗塁を決め、結局ヘルナンデスも歩かせてしまった。
ランナーが溜まって4番の岡本和。初球のストレートはファウルになったが、2球目は高めで中へ入ったところを鋭く打ち返され、投手の横を抜け、センター前に達するタイムリー。先制点を奪われ、さらに大城の打席でフォークが暴投となり、1アウト2、3塁。初回からビッグイニングのピンチとなった。
しかし、5球目のフォークが良い高さに決まり、大城は空振り三振。岸田に3ボールとしてしまったが、最後は2球続けてカットボールがアウトサイドのギリギリに決まり、見逃し三振。連続三振で大きなピンチを切り抜け、落ち着くことができた。
3回は吉川の2球目、ストレートがややインサイドの高めに行ってしまい、上手く捌かれてライトポール際の上段まで持って行かれた。そんなに通算ホームランは多くないが、ベイスターズ戦でのホームランが多い吉川にやられてしまった。相手が巧かったが、高めに行ってしまったボールは弱い。
岡本和には2打席続けてヒットを打たれたが、吉野が投げる前にスタートを切って盗塁死という形になった。大城の痛烈なライナーは、宮崎が素晴らしい反応でダイビングキャッチ。好守で盛り立ててもらった。
4回は、岸田、若林をカットボールで連続三振。初めて三者凡退で抑えると、5回は桑原のスーパーキャッチなどにも助けられ、連続で三者凡退に抑えた。初登板ということもあり、5回89球で降板した。立ち上がりはどうなることかと思ったが、伊藤がストレート、フォークだけでなくカットボールも上手く使い、立ち直らせた。今の読売打線を相手に、5奪三振で5回2失点は及第点以上と言える。
今回は一旦登録抹消となり、オールスター明け以降に次のチャンスを窺う。プロ初登板で通用したもの、精度を上げる必要があるもの、いろいろと体感したと思う。これはファームで投げ続けているだけでは分からないことなので、非常に良い機会だったと思う。ファームの登板でも再び立つ1軍マウンドを想定し、投球を昇華させて欲しい。次の登板が楽しみだ。
2番手の松本凌がゲームを壊してしまった中で、6月28日以来の登板となった佐々木が2イニングを無失点に抑えた。最初のイニングは2番からの中軸を8球で片付けたが、2イニング目は不運な内野安打から満塁のピンチを招いた。好調の丸を何とかセンターフライに打ち取り、切り抜けた。6月13日以降、2度しか登板がないという偏った起用で、調整も難しいとは思うが、与えられた場所で結果を残した。
敗戦処理と決めつけているところがあり、この1ヶ月は先発投手が非常に頑張っていたので、そういった展開になることが少なかった。そうであれば、負荷分散のためにも腹を括って使う場面があっても良いはず。そこで結果を残すことで役割が上がって行くようでないと健全ではない。今後に向けて、一つ良いアピールとなったのではないか。
オースティンが4回、グリフィンの初球、スライダーが真ん中へ入って来たところを完璧に捉え、ライナーでレフトスタンドへ叩き込む12号ソロ。各打者が苦労していたグリフィンのボールを捉えた見事な一打。今週3本目のホームランで、6月月間MVPに続き、良い状態を維持している。前日16号を放った岡本和も視界に入るリーグ3位で、4本差。このまま元気にオールスター明けも出場できれば、タイトルも見えて来るだろう。本人は残りのシーズン、チームの優勝に向けて貢献し続けることしか考えていないと思うので、大きなケガがなく走り切ってくれることを祈りたい。
ヤジ [Bad]
吉野が5回2失点とまずまずの投球を見せ、オースティンのソロで1点差とした。前日と逆の展開で逆転へ持って行きたいところだったが、6回に登板した松本凌が試合を壊してしまった。
7回表に投手へ打順が回るので、まず松本凌に1イニングを抑えてもらって、展開次第で佐々木が複数イニングも含めて準備するという形だったのだろう。大城以外は右打者が続く打順だったが、いきなりヘルナンデスに逆球となったカットボールを二塁打とされ、プランが狂った。岡本和は早々と追い込んだが、アウトサイド低めのスライダーが決まらず、最後は浮いたところを三遊間へ持って行かれた。大城にはボールが先行し、四球となってノーアウト満塁。
岸田はストレートで詰まらせ、ファウルフライ。若林はスライダーを拾われるも、サードライナー。2アウトに漕ぎ着け、何とか無失点でというところ、門脇に2球目のストレートをライトのフェンスまで運ばれた。ストレートを狙っているところ、真ん中高めの甘い球となり、完璧に捉えられた。ディアスはベンチを外れており、出せる左腕もいなかった。
走者一掃のタイムリーで試合は壊れた。グリフィンにも前進守備のセンターの頭を越えるタイムリー二塁打を打たれ、この回4失点。ここでようやくウィックに交代した。
左打者への対応、そしてストレートで押し込めていない点。変化球でストライクが取れないと、ストレートを狙われ、甘くなると捉えられてしまう。試合後、三浦監督は14日に入れ替えることを明言した。ルーキーイヤーからリリーフの一角を期待されたが、まだまだ改善の余地はある。さらに成長し、リリーフの層に厚みを持たせる存在になって欲しい。
打線は、グリフィンの力強い投球に押し込まれた。4回にオースティンのソロの後、宮崎が四球、佐野がヒットで繋いだ場面が唯一と言っても良いチャンスだった。ここで伊藤が併殺打。どうしても出場機会が限られるのでバッティングの調子を維持するのは難しいだろう。5月、6月はハイアベレージをマークしていたが、7月はノーヒット。攻撃面でも山本頼みになっている。
キジ [Other]
プロ初登板の吉野を読売に当てることありきで今週のローテーションが組まれており、ジャクソンで初戦を落とした時点でかなり厳しいことは予想された。吉野は思っていたよりも良く、2失点で切り抜けてくれたが、そこから先の継投がうまく行かなかった。
読売の7連勝を許してしまい、ちょっと勢いが付いて来ている。先発ローテーションも戸郷、山崎伊、グリフィン、菅野の4枚が安定しているし、大勢が戻ったリリーフも強力。打線も1番の丸が非常に状態が良く、シーズン途中に加入したヘルナンデスの存在も大きい。すぐに抜け出すほど力の差があるとは思わないが、要注意なチームになっている。
何より、DeNAは6月27日に読売戦の連敗を5で止めたが、ここで再び連敗と厳しい対戦になっている。3戦目はケイが先発するが、読売は菅野であまり援護が期待できない。この2戦と同じような展開が予想される。菅野には相性の良い佐野が鍵になる。彼のところでどれだけ得点が取れるか。オースティンも9連戦でそろそろベンチスタートを入れそうなタイミングなので、チャンスを確実に得点に結びつける攻撃が必要。
菅野も4月、5月は良いスタートを切ったが、月を追うごとに防御率も悪くなっており、最近は5回前後で代わっている。戸郷と対戦した時のように、ボール球をきっちりと見極め、相手に楽をさせないことが重要だろう。何としても1つは取りたい。これまでの流れ的にもスイープの後にスイープを食らってしまい、フイにしてしまっているので、この1戦は重要だと思う。
そんな中で、三浦監督はファームで調整中の山崎を呼ぶことを明言した。松本凌と入れ替えで14日に登録されることになる。13日は鎌ケ谷で登板し、1回1安打1奪三振で無失点。映像は観ていないが、152キロもマークしていた。スプリットに頼り過ぎな部分が変わっていなければ、多くは望めないが、経験もあるしブルペンリーダー。若いリリーバーにとっては存在も大きいだろう。筒香も立ち振る舞いの変化を評価していたし、空気を変えてもらいたい。
新外国人選手のフォードは、11日にENEOSとの練習試合に出場したようだが、鎌ケ谷は前日が中止となったので、この日がイースタンのデビュー。2打席凡退した後、3打席目に矢澤のスライダーを打ち返し、鋭く一二塁間を抜いた。ここで代走を送られて交代した。
この日はまだDHで、調整段階。ラミレス前監督は40打席がメドと言っていたが、どのようなプランで1軍まで持って行くか。鎌ケ谷の後は、16日からロッテ浦和とZOZOでロッテ3連戦。ファームはそこでオールスターブレイクに入る。19日の神宮から合流するか、ファームでじっくりと練習するか。実戦の結果次第だが、どういう決断を下すのか注目したい。
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