07/15 横浜DeNA6-1広島東洋(ハマスタ)
初回、梶原と度会の連打でチャンスを作ると、佐野がライト線へのタイムリー二塁打で先制。さらに宮崎の犠牲フライで2点目。2回に1アウト満塁から佐野の犠牲フライで3点目を追加し、3回は2アウトランナーなしから京田と森敬の連続二塁打でさらに追加点。4回には牧が13号2ランを放って試合を決めた。先発の濵口は3四死球でランナーは出すが、内野安打2本を含む4安打とバッティングをさせなかった。123球で9回を投げ抜き、完投で2勝目を挙げた。
ポジ [Good]
濵口が、今季初完投勝利で6月14日の西武戦以来の2勝目を挙げた。昨年はスターナイトの3戦目で完投勝利を挙げ、それがシーズンの初勝利だった。今年はキッズスターナイトではあるが、スターナイトユニフォームで2年連続の完投勝利となった。
濵口くらいの経験、立ち位置からしても、この時期に1勝目、2勝目では困るのだが、夏場のリリーフが苦しくなる時期に完投する能力があることはチームにとってもプラスになる。昨年は開幕から5連敗し、最終的には防御率4.50、3勝7敗と期待を大きく裏切る形になったが、今年は他のローテーション投手の台頭もあって、チャンスを得られなかった。
これで2勝2敗、防御率も2.06とある程度数字を残している。3日のヤクルト戦のように4回で101球を要したり、ここぞという場面で踏ん張れないので、数字以上に印象が悪い。前回も、その前の2度の6回1失点の好投を台無しにしてしまったと書いたが、よくここでチャンスをもらえたなと思う。大貫を使うべきという声が多かった中で、完投勝利という結果で応えられたのは、彼にとっても大きいだろう。
今年は春先に140キロ台後半が出ていたと思うが、ストレートが速くなった分、力みも強く、チェンジアップとの差が大きくなって、打者が見極めやすくなっていたのかもしれない。この日はストレートは140キロそこそこだったが、力感のないフォームからキレを感じるものだった。打者が押されていたし、チェンジアップの抜けが良くなっていた。
スライダー、フォークも十分に勝負球として使える精度になっていたし、前回の登板以降に取り組んだことが成果として出たと思う。その結果が8奪三振という素晴らしい投球になった。反省するとしたら、試合前に広島は走って来るので注意したいとコメントしながら、足のある野間、矢野を歩かせたこと。結局、意識してしまって、コースを狙い過ぎて歩かせている。この試合は初回から打線が着実に追加点を重ねて、楽な展開になったが、1点を争う展開だとそういった部分が命取りになる。勝てる投手になるには、その部分がまだ足りない。
オールスター前後で登板機会がないので、16日に登録抹消となるだろう。次回は、7月30日からのマツダで先発の機会が得られるかどうか。広島もこの日の内容から対策を練って来ると思うので、それをはね返すだけの投球ができるように、残りの期間でしっかりと調整し、心技体整えて後半戦でチームに貢献して欲しい。
打線は、前日菅野から初回に速攻で4点を奪った勢いをそのままに、この日も初回からアドゥワを攻め立てた。先頭の梶原の打球はファーストのシャイナーの横を抜け、記録はヒットだったが、反応が鈍いように感じた。動きの良いファーストなら止めていたようにも思うが、速い打球を打ち返した梶原が良かった。
オースティンがベンチスタートとなり、4試合ぶりのスタメンで2番に入った度会が2ストライクから、インサイドのストレートに詰まりながらもレフトの前に落ちるヒットで繋ぎ、ノーアウト1、2塁。ここで佐野が、フルカウントからインサイドに食い込んで来る膝元のスライダーを上手く拾い、少し詰まったことが幸いして、ライト線のギリギリに落ちるタイムリー二塁打となった。前日に続いての先制打でチームに勢いをもたらした。
梶原は、今季初の3安打猛打賞。2022年のプロ初出場の際、セルラースタジアム那覇で4安打を放って以来の3安打ということになった。今年は開幕スタメンを手にしたが、なかなかヒットが打てず、レギュラーに定着できなかった。左投手からは3割を大きく超える打率をマークしているが、その頃に右投手を相手に凡退を繰り返したこともあって、右投手との対戦打率が悪い。
この日は3本とも右投手から打っている。左腕を苦手とする度会とは対照的になっているが、右投手を打てないわけでもないと思う。既にリーグ6位タイの7盗塁を決めているが、成功率も100%。1番に定着すれば盗塁王も夢ではない脚力があり、そこは大きなアドバンテージになる。
度会は、2打席目でも1アウト1、2塁のチャンスで、アドゥワの落ちるボールをバットの先で拾った。バットコントロール、当てることに関しては天性のものを持っているだけに、当たってしまい凡打になることも多いが、精度が上がって来れば相手から見れば厄介な打者になると思う。
佐野は2回にも1アウト満塁から犠牲フライを放ち、2打点目。これはやや浅めだったが、濵口がよく走ったし、田中浩康コーチもGOの判断が良かった。4打席目では2アウトからヒットを放ち、牧の2ランに繋がった。
1~3番の外野手3人が、この日の6得点の攻撃を呼び込んだ。
そして、これも大きかったのは3回の追加点。2アウトランナーなしとなり、アドゥワが立ち直るキッカケになりそうだったイニングだが、京田が左中間へ二塁打を放ち、続く森敬はインサイドのストレートを振り抜き、ライト線へのタイムリー二塁打。
前の打席で濵口が、記録は菊池のエラーとはなったが、投手へ痛烈なライナーを打ち返しており、森敬と勝負という形になったが、しっかりと打ち返すことができた。エスコンでの決勝タイムリー以来の2打点目。還す役割ではなく、出塁することを求められているが、こういう場面で一本出たことで、また一つ自信を深めることができるのではないか。
最後は、牧がメモリアルなホームランでトドメを刺した。4回2アウト1塁から、初球の低めのスライダーに前へ出されながらも粘り、バットに乗せるように拾った打球は、意外と伸びてスタンドまで届いた。正直、レフトフライと思った打球だが、やはりインパクトが強いのだと思う。
前で捌いた打球が意外と飛ぶボールになっていて、先日も中日の細川が同じような感じで拾った打球がバンテリンドームのスタンドまで届いていた。マルティネスから打った同点打、東京ドームでの12号と、これまでの感覚よりも飛んでいる印象だが、ボールのせいなのか、牧の状態が良くなって、インパクトが強くなっているのか。山本の打球の方が行ったと感じたが、高く上がった分失速し、上本のスーパーキャッチとなった。オースティンや牧だからこそ飛ばせていると考えた方が良いだろうか。
牧は、489試合目でプロ通算300打点を突破した。球団の日本人では筒香の506試合を上回り最速となった。高卒の筒香と比べても仕方ないが、日本人で4年目に到達したのは2001年の高橋由伸氏以来、10人目の最速タイで、球団では初。改めてルーキーイヤーから活躍し続けている凄さが分かる。まだ岡本和とは12点差があるが、打点は一気に稼げる部分もあるので、2年連続の打点王を目指して欲しい。
ヤジ [Bad]
森敬が、7回に1アウト2塁から菊池の三遊間への深いゴロを追い付いたものの、悪送球でボールがカメラマン席に入り、テイクワンベースとなり得点を許してしまった。二塁ランナーを止められているので、ワンバウンドでもいいから低く投げて欲しいところ。
強肩が故に強い送球で刺そうという気持ちが強過ぎた。一瞬の判断だが、まず二塁ランナーを三塁へ進ませないように、確実にファーストが止められるボールでなければならない。NPBでもトップクラスの強肩だと思うが、時々このように暴走することがある。これも経験だし、好守もあった。本人も投げた後に気付いたと思うが、少しずつでも成長を見せてくれれば。
キジ [Other]
この日から広島3連戦はキッズスターナイト。再び星、波、青薔薇の横濱ユニフォームに袖を通し、伝説的なスイープから続いて4連勝となった。そして、4日のヤクルト戦からハマスタ5連勝。6月9日以降のハマスタは、9試合で8勝1敗と一気に星を戻し、18勝22敗1分となった。最近、ハマスタに行くと勝ってばかりという方々、それ皆同じですから!
9連戦は、これで5勝2敗となり勝ち越しを決めた。あとは、週末の神宮も含めたオールスターまでの残り12試合で目標に設定した、8勝を達成できるか。9連戦の中盤でケイが8回、そして濵口が完投したことも大きい。それを生かすためにも、広島との残り2試合でカード勝ち越しを掴み取りたい。
これで再び首位とゲーム差がなくなり、4位までが0.5差の中にひしめくさらなる混戦となった。この時期に首位に立つことよりも、しっかりとその輪の中にいることが重要。今この位置にいるから優勝争いできているとも思わないし、できるとも限らない。混戦が続くなら優勝が決まるのは遅くなるので、勝負は120試合を超えてから。
昨年は、120試合消化時点で阪神に11.5ゲーム差で、優勝が決まる目前だった。2位となった2022年は首位ヤクルトに7.5ゲーム差。同じく2位の2019年は首位読売に5ゲーム差。その後2.5ゲーム差まで詰めたので、この年は唯一優勝を争ったと言えるのかも知れないが、一度も首位に立てなかった。今は目の前の勝利を喜びつつ、もっと先にある勝負へ期待をしたいと思う。
この日、伊藤に代わって松尾が1軍に合流した。この日先発した濵口は、オールスター期間で登板機会がないので一旦登録を抹消されることになる。そのため、代打を中心として4人目の捕手として登録するのかと思ったが、伊藤との入れ替えだった。ファームでは、特にバッティングで群を抜く数字を残しており、1軍の戦力としても考えられる。
山本はオールスターにファン投票で選出されており、出場機会が多いことが想定される。オールスター前にスパートをかけて出続けるわけにも行かない。そうなると、16日の石田裕とバッテリーを組んで松尾がスタメン出場することも十分考えられる。育てながら勝つことは難しいが、9月が優勝争いになるのであれば、今が使い時とも取れる。再び1軍のレベルを体感し、今後の成長の糧として欲しい。
前述の通り、濵口が16日に登録を外れる見込みで、既に宮城が合流しており、リリーフ要員として登録される見込み。ベンチ入り人数には限りがあるが、登板翌日はベンチを外れたり、当日の調子などで判断していくものと思う。オールスターまでの5試合、総動員で勝利を掴み取りたい。
16日は、石田裕と玉村の予告先発が発表されている。九里はハマスタでの相性もあまり良くないので、次のカードに回り、森下が中7日で東とマッチアップということになりそうだ。石田裕は4戦4勝は逃したが、まだプロ入り4連勝は残っている。ここまでの4試合のように、しっかりと試合を作り、打線の援護を待ちたい。
玉村とは今季、5月25日にハマスタで一度だけ対戦があり、2回に一挙5点を奪っている。昨年は4月に一度だけの対戦なので、少なくとも良いイメージは持っていないだろう。打線の調子は悪くないので、立ち上がりから攻略したいところ。接戦に持ち込まれると、試合運びは向こうが一枚上なので、2、3点のリードを保って終盤を迎える展開にしたい。
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