07/17 横浜DeNA0-3広島東洋(ハマスタ)
東と森下の投げ合いで、両軍ランナーを出すも得点を奪えず0-0の展開が続く。6回裏に佐野、宮崎、山本のヒットで2アウト満塁としたが、度会が三振に倒れて先制ならず。7回表、上本と小園の連打に度会の送球エラーが絡み、ノーアウト2、3塁のピンチを招く。2アウトまで漕ぎ着けたが、シャイナーに痛恨の3ランを浴びた。打線はリリーフからも得点が奪えず完封負け。
ポジ [Good]
佐野、宮崎、山本がマルチヒット。特に6回、山本は2アウト1、2塁のチャンスで、森下に2球で追い込まれてから粘り、9球目を素晴らしい右打ちでライト前ヒット。外野が前に守っていて、当たりが強かったので佐野が還れなかったが、このバッティングは今年の山本の成長を象徴していた。
完封負けには終わったが、打線がうまく繋がらなかったし、そういう日もある。個々の状態はそこまで悪くないので、切り替えて神宮での戦いに入って欲しい。
坂本、中川虎が7回、8回をそれぞれ三者凡退に抑えた。二人とも勝ちパターンで投げているが、それに相応しい内容だった。3点ビハインドの状況なので、本来であればこの二人を投入するのはありえない。しかし、ケイが8イニングを投げ、濵口が完投し、前日は雨天中止という状況で、ともに12日以来登板がなかった。加えて翌日は試合がない。今回の状況に限っては二人を投入しても良かったと思う。三嶋や堀岡の状態をチェックしたいところではあったが。
ヤジ [Bad]
東にとっては、悔やまれる1球となってしまった。7回表、3番の上本からの攻撃。4番の小園には13打数10安打と異常に打ち込まれていたので、上本を打ち取って迎えたかったが、チェンジアップを拾われて、レフト前ヒット。これも痛かった。
小園には、もう何を投げても打たれる感覚だろう。東クラスの投手が、ここまで一人の打者から極端に打たれることは珍しい。ここも初球、アウトサイドのカットボールをいとも簡単にライト前へ弾き返された。上本が三塁へ走り、度会が送球するも、ワンバウンドを宮崎が捕れず、塁審に当たって転がる間に小園も二塁へ進んだ。度会に送球エラーが記録されたが、宮崎も止められなかった。
ノーアウト2、3塁となってしまい、森下とその先の勝ちパターンを考えると、何とか1点までで止めたいところだった。野間はスライダーに泳ぎ、浅いセンターフライでランナーは還れず。菊池は歩かせてもいいのではないかと思ったが、2球目のチェンジアップを強引に拾ったが、レフトへの浅いフライでまたもランナー動けず。2アウトまで漕ぎ着けただけに、無失点で切り抜けたい場面になった。
ここで前の打席でライト線へのヒットを放っているシャイナー。開幕シリーズでケガをし、ファームで34試合で打率.171、2本塁打と特に結果を残したというわけではなかったが、前のカードから昇格し、出場していた。東とは開幕戦で対戦し、レフトへの二塁打を放っていた。
次は8番に森下が入っている。6回まで96球で、もう1イニング行ってもらいたいところ。ネクストには石原が準備していて、点を取らなければならない場面だったので、代打はありえた。シャイナーを歩かせて、代打の石原を満塁で迎えるか。あるいは森下がそのままであっても、投手ながら3割を超える打率を誇っており、気持ち悪さはあった。
大原コーチが行って決断したのはシャイナーとの勝負。ただ、それでも前の打席は佐野の好返球により二塁でアウトになったとは言え、開幕戦に続いて長打になりそうな打球を打たれている。ボール球を中心に誘い、カウントが不利になれば次の打者も含めて1つのアウトを取ることを考えるべき場面だった。
初球、インサイドのボールゾーンへストレートを投げ込んだ。ストレートをある程度意識させた上で、変化球をボールゾーンへ入れて空振り、あるいは凡打になってくれればと思ったが、2球目もストレート。それも失投で真ん中へ入ってしまった。前の打席も初球を打って来ているし、甘いボールは積極的に来る。ストレートを意識したところで、これだけ甘いボールが行ってしまえば、なかなか逃してもらえない。
空振りを取れる剛速球ではないので、コントロールとコンビネーションで打ち取るタイプ。それが両方ミスすると、こういうことが起こる。ここまで15試合、全く打たれなかったわけではないが、こういったポイントでのミスが少なかったからこそ、8勝0敗という素晴らしい数字を残して来た。しかし、東も人間なので失投はある。その失投が、一番悪いシチュエーションで出てしまった。
それでも、7回3失点でQSをマークしている。ずっと連勝で来ている中、当然のように6回まで無失点に抑えた投球は悪くなかったし、先発として十分役割を果たしている。連勝は止まったが、悪い内容ではなかった。切り替えてオールスターを楽しみ、また後半戦もエースとして先発投手を引っ張ってもらいたい。
森下との投げ合いということで、1点勝負になることは想定内だったが、それでも打線が1点も取れないのでは勝ち目はない。森下も要所では素晴らしいコントロールで質の高いボールを投げ込んでいたので、そう簡単に打てるものではない。だが、何とかしたかった。
6回は、1アウトから佐野がヒットで出塁したが、牧は初球を打ち上げてレフトフライ。若いカウントから過度に進塁打を意識する必要はないが、同じ凡退でもランナーが進むかによって大きく得点力が変わって来る。転がせば併殺打のリスクも高まるので一長一短ではあるが、バントを使わないチームだけに、進塁打が重要なポイントになる。
宮崎、山本が連打で続くも、各駅停車になって満塁。この日、プラスワン投票でオールスター出場を決めた度会が、御礼の一打を打つかと思ったがそんなに甘くない。2ボール2ストライクから、インサイドの厳しいゾーンに投げ込まれ、ファウルチップしたがミットに収まり空振り三振。このボールをファウルで逃げられるようになれば、また一つ度会のレベルが上がるのだが、まだまだやることは山積みだ。
2番、4番がこの日はノーヒットに抑えられ、進塁打も含めて打線がうまく繋がらなかった。チーム防御率が各チームとも2点になっている現状で、そう毎試合打線が繋がって得点が入るわけではない。こういう日もあるだろう。各自が今一度、繋ぐ意識を確認して、次の試合に臨んで欲しい。
キジ [Other]
東の開幕からの8連勝、昨年から続くハマスタでの11連勝が止まってしまった。シーズン無敗という楽天の田中将大の記録はあるが、なかなか無敗というのは難しい。3ランは痛恨だったが、打線も完封負けなので、この日はうまく噛み合わなかったと割り切るしかない。
森下とのマッチアップになると分かった時点で、連勝が止まるとしたらここかなという予感はあった。それだけに前日は玉村から得点を奪ってカード勝ち越しを決めておきたいと思っていたが、雨で流れてしまった。今月は今一つ波に乗れていない広島に、これで1勝1敗。前のカードでスイープを食らったが、その分を返せずに終わってしまった。
森下は確かに良い投手だし、打つのは難しい。それでも、だから点が取れないではCSに出場してもその先へ行けない。大瀬良や山崎伊も同じことで、チームとして何とか攻略の糸口をつかまなければならない。この日の森下は抜群の出来というわけではなかったし、チャンスもあったので全く捕まえられなかったのは、今後の課題として考えてもらいたいところ。
9連戦は、5勝3敗で1つ中止。甲子園で酷い負け方をして入った9連戦と考えれば、良かった方だろう。それでも、先発投手が素晴らしい内容を見せ、7月の先発投手の防御率がリーグでダントツトップの1.67ということを考えると、物足りなさもある。
リリーフは山崎が戻り、ウェンデルケンもファームで投げ始めた。徳山をオールスターの期間に休養も含めて再調整させる余裕も生まれている。打線も個々の状態は悪くないが、ここぞという場面での1点が依然として課題。
オールスター前最後は、神宮でのヤクルト戦。1つ中止になってしまったこともあるが、12戦8勝の目標にはスイープが必要となる。首位とは1.5ゲーム差になったが、首位に立ってオールスターを迎えるには、8勝に届かないと難しい状況にもなった。
以下が各年度のオールスター時点の首位チームと2位との差、そして優勝チーム。
年度 | オールスター時首位 | 2位との差 | 優勝 |
2014 | 読売 | 3.5 | 読売 |
2015 | DeNA | 0.5 | ヤクルト |
2016 | 広島 | 10.0 | 広島 |
2017 | 広島 | 8.0 | 広島 |
2018 | 広島 | 6.0 | 広島 |
2019 | 読売 | 9.5 | 読売 |
2020 | 中止 | 読売 | |
2021 | 阪神 | 2.0 | ヤクルト |
2022 | ヤクルト | 11.0 | ヤクルト |
2023 | 阪神 | 1.0 | 阪神 |
オールスター時点で首位だったチームがほとんど優勝しているが、当然ながら僅差だった場合はひっくり返るケースもあった。昨年の阪神だけが、僅差をそのまま維持して優勝している。DeNAとしては2015年の苦い思い出があるが、あの時は貯金2桁から12連敗もあり、5割になって既にヘロヘロだった。優勝逃すどころか最下位になっている。
首位に立っている越したことはない。繰り返しになるが、優勝争いの輪の中に入り続けていることが重要。僅差でオールスターを迎え、後半に勝負をかけたい。
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