07/19 東京ヤクルト7-8横浜DeNA(神宮)
2回に梶原の2点タイムリーとオースティンの13号2ランで4点を先制したが、4回にジャクソンが連続四球から失点し、なおも1アウト2、3塁で体調不良を訴えて緊急降板。佐々木が登板するも、長岡のタイムリー二塁打などで同点とされる。5回には村上のソロで勝ち越されたが、6回に梶原のタイムリーとオースティンの14号2ランで再び逆転。7回にオスナのソロで1点差とされるも、8回に柴田がタイムリーを放って再び2点差とする。9回は森原が1点を失ったが、辛くも逃げ切った。
ポジ [Good]
オースティンが2ランを2発放ち、乱打戦の中で殊勲の活躍を見せた。2回は、2点を先制した後、ストレートが真ん中に入って来たところを逃さず捉え、左中間への2ラン。ビッグイニングとし、打線の破壊力を感じさせた。
一度逆転されたが、6回は梶原のタイムリーで追い付いた後、今度は金久保のストレートをライトへ持って行った。14号で、村上と岡本和に2本差と迫った。最後まで体が無事ならホームラン王に一番近いと思う。投高打低の環境でもやはりモノが違う。先日行われたMLBのオールスターに出場してもおかしくない選手。
1番の梶原も、3安打3打点の活躍だった。2回は、ヒットの山本と度会をジャクソンが送り、梶原がレフト線への2点タイムリー。続くオースティンが2ランと素晴らしい攻撃だった。
梶原の3本のヒットは、レフト、ライト、センターと各方向へ打ち分けている。これで7月は.341、OPS.779と良い数字を残している。四死球は2つでベイスターズらしい選手になっているが、塁に出れば盗塁でチャンスを広げる脚力もあるし、間に落ちれば二塁打にもできる。オースティンと組む1、2番が、この日は特にハマった。
山本も3安打で、7月の打率4割台をキープした。スタメンで出場しない日があるので、なかなか規定打席には届かないが、3割を大きく超える打率で堂々のオールスター出場となる。
同じくプラスワン投票でオールスターを決めている度会も3安打。最初の打席で高めのカットボールをセンター前に運ぶと、逆転された直後の6回は流れを変える左中間への二塁打。7回は石山に対して11球粘った末、高めのストレートをショートの頭に運び、前の打席と同じような二塁打となった。
このところヒットはセンターから左がほとんど。低めも好きなのだろうし、うまく拾ってライトへ運ぶバッティングも見せたが、高めの方がヒットにしている印象なので、2ストライクまではゾーンを上げて待ってもらいたい。
8回の柴田のタイムリーも非常に大きかった。宮崎が体調不良で早めに交代となり、守備から入っていた柴田にチャンスで打席が回った。宮崎がいればと思ってしまうところだが、スライダーを捉え、今季3本目のヒットが貴重なタイムリーになった。15日もヒットを放っており、今年は6月後半までヒットがない状況が続いたが、バッティングは良くなっているかも知れない。
投手陣はジャクソンが予想外に早く降りることになり、苦しかった。その中で、今季2勝目を手にした京山がピンチを招きながら、踏ん張った。5回2アウトで登板し、山田を打ち取った。そのまま6回も続投したが、先頭の丸山和に初球をセンター前に運ばれると、西川にボールが先行して歩かせてしまった。
長岡にも3ボールとなり、かなり厳しい場面だったが、フルカウントに持ち込み、最後はアウトサイド低めのストレートでショートゴロ。1つアウトを取ると、代打の川端には素晴らしいスプリットで3球三振に取った。川端のような好打者がストレートと見分けがつかないくらい、しっかりと腕が振れていて、回転しながら落差があった。続く宮本にはストレートを続け、見逃し三振。
最初からこのくらいの投球をしてくれればと思ってしまうが、なかなか難しいのだろう。でも、良い開き直りで最高の投球ができた。リリーバーとしてこの登板でさらに成長してくれればと思う。
坂本は、2アウトから増田にヒットを打たれたが、左打者をしっかりと打ち取り、ベンチの期待に応えた。8回を任され、ホールドをマーク。セットアッパーのポジションを担うことができている。これまでリリーフとして長く1軍で登板することはなかったので、疲れも出て来るだろうが、何とか乗り切って1軍の戦力となって欲しい。
ヤジ [Bad]
ジャクソンが4点の援護をもらったが、4回に熱中症のような症状が出て降板した。アリゾナ州の出身で、暑いのには強いが寒いのはダメと言っていたが、日本の蒸し暑さは別物だったのかも知れない。
3回には吉村の高いバウンドのゴロを素手で捕って一塁へ送球する熱盛を見せていたが、その後暴投で失点した。このあたりからコンディションとしては良くなかったか。4回は連続四球。5月6日に四球を連発した相手でもあるので、4点の援護を得て守りに入ったというか、慎重になり過ぎたのかなと思ったが、体調が悪くなっていたのかも知れない。
山田にアウトサイド低めのストレートをライト線にギリギリ入るタイムリー二塁打とされ、ダメージが大きかった。丸山和を三振に取ったが、しゃがみ込んでしまった。一旦ベンチに下がるも、三浦監督が交代を告げた。
緊急登板となった佐々木は、西川をサードゴロに打ち取り、この間に3点目が入った。続く長岡を打ち取ってリードを保ちたかったが、低めのスライダーをバットの先で拾われ、打球は意外にも伸びて右中間への同点タイムリー二塁打。
佐々木は回跨ぎで5回もマウンドに上がったが、村上に3ボールとしてしまい、4球目のストレートが浮いたところを捉えられ、ライトスタンドへの勝ち越しソロ。アクシデントなのでやむを得ないが、4点リードの試合が一気に分からない試合になってしまった。
宮崎も6回表の打席で凡退した後、6回裏の守備から柴田に代わった。守備固めにしてはさすがに早過ぎる。この采配を批判している人がいたが、どういう事情で代わったのかはベンチにいないと分からない。足の状態が悪いのかと思ったが、試合の途中でクラブハウスに引き揚げた。ジャクソンに続き、熱中症のような症状が出ていたという。
山本も8回の守備に就く前に、一度トレーナーが手当てしたという。この暑さでは体調を崩す選手がいてもおかしくない。今後に影響がないことを祈るばかり。
キジ [Other]
5チームが防御率2点台という今年のセ・リーグ。この日、甲子園とバンテリンドームで行われた試合はいずれも1-0の投手戦。そんな中で、比較的打撃戦になりやすい神宮ではルーズベルトゲームとなり、らしさを発揮した。
救援防御率では、リーグ最下位の3.07のDeNAと、同5位の2.75のヤクルトの対戦で、両先発が4回で降りる形になり、荒れたゲームになった。かつてはノーガードの打ち合いとか、馬鹿試合とか、よく見られたカードではあるが、今年はなかなかこういった試合はお目にかかれない。両軍で33安打、15得点の乱打戦になった。
先発のジャクソンがアクシデントで降板した中で、リリーフが失点しながらも何とかリードを守った。4点リードから一度は逆転されたが、負けなくて良かったという試合。これで首位とは0.5ゲーム差に戻し、オールスター時点での首位に望みを繋いだ。
神宮では10年ぶりに6連勝をマークした。4月19日の初戦は敗れたが、20日、21日と連勝し、5月21日からの3連戦ではスイープ。今年のビジターでの強さを象徴するような好成績になっている。このまま連勝を伸ばしてオールスターに入れればベストだ。
梅雨明けした東京では、一気に猛暑が続いている。週明けには10年に一度の猛暑と言われているが、20日も最高気温が37度に到達する予報が出ている。18時からの試合であっても、30度を超えた中で始まり、湿度が高い蒸し暑さがある。プロのアスリートが対策していても熱中症のような状態になってしまう。
暑さとも戦わなければならない中で、ルーキーの石田裕が先発する。中央大出身で神宮は大学時代に慣れ親しんだマウンド。大学野球は春秋にリーグ戦を行うので、ナイターとは言え真夏の登板はあまりなかったかと思う。なるべく球数を減らし、暑さに打ち勝って欲しい。
先週木曜に先発した平良は、この日の先発が有力だったが、雨天中止により先発がなくなった。21日はケイが先発すると見られるので、20日は佐々木や京山がベンチから外れる代わりに平良が入って来るかも知れない。石田裕が早めに降りるような展開になれば平良を投入することもありうるだろうか。
ヤクルトはサイスニードが先発。7日の読売戦で2回7失点と打ち込まれて以来の1軍マウンドとなる。少し空いているので、立ち上がりに不安定なうちに捕まえたい。17日は森下に抑え込まれたが、この日に8点を奪ったように各選手の調子は悪くない。牧がチャンスでの凡退が続き、宮崎も体調不良で途中交代した部分の不安はあるが、投手陣を助けるべく援護点を奪ってもらいたい。
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