07/28 横浜DeNA0-6読売(ハマスタ)
菅野とケイの投げ合いとなり、早いテンポで4回を終えた。5回、1アウトから坂本がヒットで出塁、小林も繋ぎ、菅野が送って2アウト2、3塁で丸を迎えた。フルカウントからのストレートが外れ、四球で満塁。吉川にもボールが先行し、3-1からの高めのストレートが外れて押し出し。この判定に不服な表示を見せたケイが、その後もエルナンデスとモンテスに2点タイムリー二塁打を浴び、この回一気に5点を失った。打線は、菅野の低めの変化球に苦戦し、7安打も得点に至らず完封負け。
ポジ [Good]
5回に5点を奪われ、試合が壊れた雰囲気があったが、佐々木千隼が2番手として2イニングを1安打に抑え、試合を立て直した。ボールのスピードはないもののコントロール良く投げ込み、スライダーにキレがあった。3三振を奪う好投で、今後はもう少し競った場面での起用も増えて来るのではないか。勝負どころでのベテランの経験を頼りにしたい。
梶原が6試合連続ヒット。6回に菅野のインサイドへのカットボールを弾き返し、ライナーが岡本和のミットを弾いた。初回の打席もライトフライに終わったが、捉え方は良かった。7月は残り2試合だが、現在の26安打に4本以上追加し、4割台になると月間MVPも見えて来る。床田、大瀬良から打つのは容易ではないが、梶原の出塁が増えればチームの得点にも繋がるので期待したい。
佐野がマルチヒット。通算での相性が非常に良い菅野との対戦だったが、最初の2打席はいつもと配球が違うことに戸惑ったのか連続三振。しかし、後半の2打席でいずれもセンターへ打ち返した。9回のヒットは、低めの変化球をバットの先で拾う上手いバッティングだった。佐野は既に30安打をマークし、打点16にOPS.939と素晴らしい数字。現状月間MVPに一番近いかも知れない。
松尾が途中からマスクを被り、8回の打席ではアウトサイド低めのスライダーを拾って、レフト前へ運ぶヒットを放った。0-5という展開ではあったが、8回と9回の守備を経験した。三嶋とのバッテリーでは、丸に完璧なソロを浴びてしまったが、ファームでもバッテリーを組んだ投手と1軍の舞台で貴重な経験ができたのではないか。山本が酷暑の中で連続で出場し続けるのは難しいので、松尾がこうした出場機会で結果を出し、週1回でもスタメンを取れればチームとしてもプラスになる。
ヤジ [Bad]
ケイは、4回まで素晴らしい投球だった。ストレートはいつも通り力があったし、カット、スイーパー、チェンジアップも程よくコースに決まっていた。
4回は1アウトから岡本和にヒットを打たれたが、前日3安打のモンテスを併殺に取った。前の打席でインサイドのストレートで見逃し三振に取っていて、この打席もストレートを続けて意識させた上で、アウトサイド低めにスイーパーを入れて引っ掛けさせた。バッテリーとして会心の投球だっただろう。
5回先頭の若林もチェンジアップで空振り三振に取り順調だったが、坂本にヒットを打たれた後、小林の打席でヒットエンドランを敢行して来た。小林が当てただけの打球はセカンドの定位置くらいだったが、ベースカバーに入っていた牧が逆を突かれ、ライトへ抜けて行った。
打率1割台、菅野が先発の時だけスタメンで出場する小林は、前の打席でのヒットが7月最初のヒット。安牌とも揶揄される打者に記録上ヒットで繋がれたことで好投のペースが乱れ、動いた読売の作戦が奏功した。
菅野が送った2アウト2、3塁で丸に対し、3ボール1ストライクとボールが先行。ストレートを空振りさせてペイオフピッチとなるが、6球目のストレートはアウトサイド低めへ外れ、この日初めての四球となった。前の打席でストレートで空振り三振に取っていて、2球続けてストレートで行くのにケイの方が少し意識して厳しいコースを狙い過ぎてしまったかも知れない。
一塁が空いているので丸の四球はある程度想定内だったが、吉川にもボールが先行し3ボール。これが誤算だった。1つストレートでストライクを取り、5球目はやや高めのストレート。ボールの判定にケイがWhy?という仕草。MLBでは高めを取るのでストライクかも知れないが、NPBではボール。押し出し四球となり、エキサイトしたケイを大原コーチが行ってなだめたが、その後は集中力を欠いた。
ヘルナンデスにはチェンジアップがやや浮いて拾われ、レフト線のライン際ギリギリに入ってしまった。2点タイムリー二塁打となり3点目。岡本和を申告敬遠とした後、モンテスにも初球をレフトの左へ運ばれ、さらに2点が加わった。ケイもそれまでは良かったし、この日の菅野だと3点も5点も同じだが、丁寧に戦うならモンテスのところで継投しても良かったが、あっという間の5失点となり、試合は壊れてしまった。
以前から気になっていたが、ケイはストライク、ボールの判定に対して過剰に反応し過ぎだと思う。審判による癖や一貫性のなさはあるが、日本の違いを受け入れて文化も吸収しようとしているケイなので、日本のゾーンに切り替えて欲しい。投げているボールは素晴らしいので、もう少し余裕を持って判定を受け入れる精神的なタフさが必要だ。精神面の成長があれば、もっと勝ち星を重ねることができる投手だと思う。
調子が良かった菅野を序盤に捕まえられず、5点も援護があれば楽に投げられてしまう。3回はリーグで一番エラーの少ない読売が2エラーで2アウト1、3塁のチャンスをくれたが、フォードが高めのストレートに詰まってセンターフライ。
4回に牧がチーム初ヒットを放ち、宮崎はインサイドを狙ったツーシームが真ん中に入ったところをライトへ打ち返した。ライトポール際ギリギリに飛び込むハマスタ特有のホームランになるかと思ったが、あと一伸び届かずライトフライ。チャンスとしてはここくらいしかなかった。
大勢が連投していたので、読売としては使わずに勝ちたいという思惑の中、反撃すらできず完封負け。6回、7回のチャンスでは低めの変化球を打たされて併殺に取られた。
7月14日は、ケイと菅野の先発で、初回に4点を奪って6-0での勝利だったが、2週間後にそっくりそのままやり返された形。雨天中止などでローテーションがズレるかも知れないが、8月18日にも対戦する可能性があるので、しっかりと対策を練ってもらいたい。
球種が豊富でピッチングの技もある投手。見ていて追い込まれたらチャンスは少ないので、積極的に打ちに行くのはいいが、低めの変化球に手を出しているようでは相手を助けるだけ。2ストライクまでは低めを捨てるなど、思い切った策で徹底しなければチームとして攻略できないと思う。
キジ [Other]
大洋ホエールズが1950年に下関で誕生。その後、1953年に松竹ロビンスと合併。下関と京都のダブルフランチャイズを経て、1955年からは松竹が撤退して再び大洋ホエールズとして、本拠地を神奈川県に置いて再出発した。
川崎から横浜への移転はあったが、神奈川県に本拠地を置いて70周年。川崎市は市制100周年というメモリアルイヤーで、今年の出陣式は川崎駅東口で行われた。そして、70周年を記念した「Kanagawa」ユニフォームを作成し、この3連戦から選手も着用している。
デザインは、前身の大洋ホエールズが神奈川県に本拠地を移転した1955年当時のユニフォームをオマージュ。
なるほど、1955年当時のユニフォームのイメージなんだね。70周年なので、正確には69年前ということになるが、その頃はどんな感じだったんだろう。
1955年セ・リーグ勝敗表
1 読売 92 37 1 .713 -
2 中日 77 52 1 .597 15.0
3 大阪 71 57 2 .555 20.5
4 広島 58 70 2 .453 33.5
5 国鉄 57 71 2 .445 34.5
6 大洋 31 99 0 .238 61.5
プロ野球歴代2番目、セ・リーグ最多の99敗!首位と61.5ゲーム差!!
その61.5ゲーム差を付けられた読売と戦ったら、そりゃスイープされるわ。さらに残念なお知らせとして、8月16日から18日までの3連戦で、またこのユニフォームを着て読売と戦うことになっている。絶望しかない。
完敗で書くこともさしてないので、ユニフォームのせいにしてみたが、当然ながらそれで勝敗が決することはない。オールスター前のヤクルト、そしてこの3連戦の読売と、両チームとも強かったと思う。ヤクルトは7月に入って8連敗もしていたが、中日に連勝してサンタナを欠く中で状態を上げて来た。
読売は7月を14勝4敗で来ており、DeNAに5勝1敗と大きく勝ったことが要因ではあるが、非常に好調な月間となっている。スターナイトで中日をスイープしたが、その後は先発投手の状態が落ち、オールスター明けはオースティンも欠く中で、パワーバランスとしては対照的な状況での3連戦となり、厳しかった。
読売としては、オールスターに出場したこともあるが、戸郷と山崎伊に加えてグリフィンも平日の3カードへ回し、阪神と広島へのケアをした中で、赤星、井上、菅野の3枚で会心のスイープになった。この策がハマったことで、優勝への一歩が見えて来たと思う。本当に悔しいが、思い通りにさせてしまった。
週明け、相性が良いとは言えないマツダでの3連戦を迎える。暑い中でのナイターになると思うが、マツダでは2週間後にも3連戦を行うので、ここで嫌なイメージにはしたくない。広島も状態を上げて来たヤクルトに負け越しており、お互いに状態が良いとは言えない。どちらが上位争いに踏みとどまるか。
8月28日で5.5ゲーム差だと優勝はかなり厳しいと思うが、幸いにもまだそこまで1ヶ月ある。5試合で5ゲーム開いてしまったが、その逆もないとは言えない。まずは連敗を止め、連勝の流れを作って行きたい。強くはないが、そこまで弱いとも思っていないので、ベンチも選手も自分がやれることを確実にやって行くことが重要だろう。
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