これが優勝へ向かう勢いか　逆転サヨナラ3ラン被弾

初回、1アウト満塁から牧のタイムリーで先制。先発のジャクソンは、2回にヒット2本で2アウト1、3塁とされ、京田のエラーで同点に追い付かれた。4回に林のタイムリー二塁打、ジャクソンのタイムリーで2点を勝ち越し、ジャクソンは6回まで1失点の好投。7回は山崎と伊勢、8回はウェンデルケンがピンチを招きながらも何とか踏ん張ったが、9回に森原が菊池に逆転サヨナラ3ランを浴びた。

ポジ [Good]

ジャクソンが投打に渡る活躍を見せた。1点の援護をもらった初回を三者凡退で片付けたが、2回に小園と中村奨のヒットで2アウト1、3塁となり、堂林の強いサードゴロに京田がバウンドを合わせ切れず、後逸するエラーで同点とされた。

その後は連打を許さず、球威のあるストレートに、チェンジアップ、カットボールなどの変化球を織り交ぜて好投した。5回は先頭の堂林にヒットを打たれたが、続く代打の田村に素晴らしいチェンジアップを投じ、併殺打に取った。

バッティングでも4回に林のタイムリー二塁打で勝ち越した後、三遊間をキレイに破るタイムリー。前回の登板で内野安打を放ち、来日初ヒットをマークしたが、今度は来日初タイムリーで初打点を挙げた。

6回を三者凡退に抑え、球数は82球。打順が回ったわけではなかったが、中5日も考慮したのか7回から継投に踏み切った。6勝目があと少しのところで消えてしまったが、前回に続いて良い内容だったので、継続したい。

林が勝ち越しとなるタイムリーを放った。京田が10球粘って床田から四球を選び、林は初球を狙って行った。アウトサイドのスライダーをバットの先で拾った打球は、ライト線で切れずにフェアゾーンに弾んだ。タイムリー二塁打となり、この回の2点勝ち越しを呼んだ。9回は高いバウンドの内野安打でマルチヒット。守備でも3併殺を取るなど動きが非常に良かった。逃げ切れていればヒーローというくらいの活躍だった。

梶原はこの日も初回に内野安打を放ち、先制点を呼び込んだ。2打席目もライト前ヒットでマルチヒット。マツダの3連戦でも3試合ともヒットを放ち、5安打。8月の半分を終えて打率4割台をキープし、チームとしては野手で3ヶ月連続となる月間MVPも狙える位置にいる。後半も好調をキープして行きたい。

京田は最初の打席でヒットを放つも牽制死、さらにエラーで同点とされるという、文字で書くとかなりキツい序盤になったが、4回は粘って四球を勝ち取ってチャンスを広げ、6回にもヒットを放ってマルチヒットとした。ミスもあったが、バッティングは良い形だったし、守備でも良いプレーもあった。宮崎の出場が限定的となっている中で、活躍を期待したい。

伊勢が復帰登板。山崎が甘い球が続き、2アウト2塁となったところでマウンドに上がった。堂林に2ボールとなったが、フォークを引っかけさせてサードゴロに打ち取った。まだまだ内容どうこうではないが、帰って来て早速ホールドが付いたというのは、幸先の良い登板になったのではないか。

ヤジ [Bad]

さまざまな展開があった中だが、2点リードしてクローザーを出しているので、勝ち切らないといけないゲームだった。当然ながらどんなクローザーでも打たれることはあるが、2点リードという中で、パンチ力はあるが決してホームランバッターでない打者に、ランナーを二人置いて一発を浴びてしまうのは困る。

現状で森原が打たれるならどうしようもないというところなので割り切るしかないが、坂倉の一発を警戒して同点のランナーを出してしまった中で、1ボール2ストライクから高めのストレートの要求に対して、真ん中に入ってしまい、それを見事に捉えられた。失投したとしても、それをホームランにするのだから、菊池の勝負強さ、広島の優勝へ向けた勢いというか、懐かしい「神ってる」ものを感じた。

菊池に対しては、1ボールからのフォークをファウル、3球目のストレートもファウルで追い込んだ。4球目はアウトサイド低めにストレートが決まったが、ファウルされた。ここで高めで空振りを取りに行ったのか、一旦目線を上げさせて、次のフォークに繋げる意図だったのか分からないが、高め要求だった。

菊池にはフォークを拾われるのが怖いと思っていたが、長打があるとすればアウトサイドの高め。通常なら森原も球威で押し込めるところだろうが、この日は球威、コントロールともに今一つだった。菊池もストレートを捉えられるタイミングで待っていた。

前述の通り、2点リードの9回にクローザーが上がっているので、チームとしては勝てる展開には持って来ている。しかし、勝ち負けで言えばもっと得点を取っていれば余裕を持って勝てていたはずなので、森原だけを責めるのも違うだろう。

ランナーを出しても得点は与えないという床田から、初回に1アウト満塁として牧がタイムリー。なおもチャンスが続いたのでここで追加点を挙げたいところだったが、山本が併殺打。山本が打てないなら仕方ないという気持ちもあるが、前日のような展開に持ち込みたい場面だった。

4回も、林のタイムリー二塁打に続き、ジャクソンも来日初タイムリー。2点リードを奪い、なおも1アウト1、3塁が続いたが、梶原が浅いレフトファウルフライ、桑原の三遊間への深いゴロは、矢野のスーパープレーで二塁がフォースアウトとなり、さらなる追加点は奪えなかった。

その後はなかなかチャンスを作ることができず、2点差のまま何とかリリーフが踏ん張っていた。9回は先頭の林が内野安打で出て、ピンチバンターの柴田が送った。ここで梶原がバントヒットを狙ったが、塹江が好フィールディングで間一髪アウトだった。

マツダの試合はDAZNなどの中継がないため、文字情報で見て連続でバントとなっていることに批判している人がいたが、さすがに梶原にもバントのサインが出るはずがない。映像を見てもないのに、確認もせず批判するというのは理解しがたい。

梶原としては、この日もマルチヒットで好調はキープしていたが、変則左腕の塹江との対戦を踏まえ、最悪ランナー三塁で代打の宮崎に回るという考えもあったのだろう。あと少しライン際に転がっていれば1アウト1、3塁だった。しかし、結局宮崎が歩き、佐野はボール球のストレートを振らされて三振。最後まで追加点が取れない状況で、広島としては逆転への勢いが付いた。

キジ [Other]

ようやくマツダスタジアムでの連敗を止めたところで、連勝するのはなかなか難しいだろうと思っていたが、勝利まであと2歩というところまで来ていただけに、悔し過ぎる敗戦。坂倉を歩かせたあたりで一発のある中村奨、菊池、堂林は少し怖いと思っていた。だから、まさか！というよりも、マジでやられたかという感想。

もっと優勝争いに向けて競っていたら眠れないほど悔しいのだろうが、個人的にはもう既に厳しいと思っているので負けた悔しさはあるが、そこまでのショックはない。それでも、今後も含めてマツダで勝ち越すことは大きいと思っていたので、それに届かず非常に残念な思い。

1日移動日で空き、16日は台風7号の影響を受けそう。夜には天候が回復することもあるのかも知れないが、新幹線が東京と名古屋間を終日運休を決めている状況で強行開催はどうかなと思う。

三浦監督は16日から筒香が合流することを明言した。存在自体が大きい選手なので、彼が打つという以外にも期待する部分があるのだろう。13日に現地で観た感じだと、まだタイミングは十分に取れているとは言えないが、最後の四球に関しては投手と対戦する感覚というのは良くなっていて、見るべきボールは見て、ファウルにすることもできていた。筒香の感触がOKなら最初の合流と同じで、ファームで結果が残ることとは関係ないのだと思う。

この負けの後に移動と1日空くのはしんどいが、切り替える時間も持てる。正直、優勝やCSについて語る位置にもいないと思っているが、まずは5割復帰。そこを越えない限りは何も起きない。この勝って2まで戻せれば大きかったが、負けた事実は変わらない。とにかく前回ハマスタでスイープされた読売に勝ち越すことだけを考えて欲しい。