08/23 東京ヤクルト2-5横浜DeNA(神宮)
先発の吉野は、2回にオスナの15号ソロで先制を許し、3回にも村上のタイムリーで2点目を奪われた。4回にようやく三者凡退で片付けると、5回に山本が同点2ラン。5回裏も三者凡退で抑えた後、佐野の7号ソロで勝ち越し。吉野は5回で降板し、6回から継投。ウィックが先頭にヒットを打たれたが3者連続三振で流れを呼び込むと、7回に桑原の2ランで貴重な追加点。終盤は伊勢、ウェンデルケン、森原で無失点リレー。吉野がプロ初勝利を挙げた。
ポジ [Good]
また一人、プロ初勝利を挙げる新星が現れた。2022年ドラフト2位で指名された吉野光樹。高校時代は、伊勢とヤクルトの村上の間の年代で、両者とともに甲子園を目指した。その後、上武大からトヨタ自動車に進み、ベイスターズに入団した。世代としては牧、山本らと同じ1998年生まれ。2年目ではあるが、主力となる年代。ルーキーイヤーはケガに苦しみ、ファームで4試合登板に終わった。
今年も春季キャンプは奄美のリハビリ組。イースタンリーグでは15試合62.1イニングを投げて防御率3.18。7月13日の読売戦でプロ初登板。今回が3試合目の登板となった。
初回は2本のヒットでピンチを招いたが、ストレートで2つ三振を奪って切り抜けた。2回は、先頭のオスナに対するアウトサイドへのストレートが失投となり、シュート回転してインサイドに入ってしまった。ストレートに強く積極的なオスナに捉えられた打球は、レフトスタンドのポール際、奥深くまで飛び込んで行った。
さらに、3回には2アウト2塁から高校の後輩の村上にタイムリーを打たれ、2点目を許した。だが、4回にようやく三者凡退に抑えると、山本の2ランで同点。5回も続けて三者凡退で片付けると、佐野が勝ち越しのホームラン。この回に打順が回り、代打が出されて降板となった。
5回までの投球ではあったが、4奪三振。特に4回以降は良い投球ができたと思う。今年中に勝って欲しい投手だったので、プロ初勝利を挙げられたことは本当に良かった。悪夢のような試合から一夜、新星の誕生がその痛みを和らげてくれた。
吉野のプロ初勝利を守るべく、前日は6点リードをひっくり返されたリリーフ陣が奮起した。まず6回はウィック。サンタナを2球で追い込み、高めのストレートで攻めるも、レフトへ弾き返した。さすが首位打者。ウィックのストレートがうなりを上げ、ここから3者連続三振。村上にはカーブを空振りさせ、意識させた上で156キロのストレートを投げ込み、ファウルチップが山本のミットに収まった。宮本、オスナもストレートで空振り三振。この日は特にストレートが良かった。この内容ならクローザー候補にもなって来る。安定した投球ができるか、今後も注目したい。
3番手は、吉野と同じ九州学院高の先輩である伊勢。3点差に開いた中での投球だが、山田には少しヒヤリとする当たりを打たれたが、ライトフライ。松本直、西川に連打され、一発同点の場面となったが、長岡をストレートで押し込んでレフトフライ、岩田はアウトサイド低めのコーナーにストレートを決め、見逃し三振に取った。無失点で後続に繋ぎ、先輩としての面目を保った。
8回はウェンデルケン。前日は山崎をリリーフしたが中日の勢いを止められず、リードを守れなかった。先頭のサンタナをチェンジアップで空振り三振に取ると、センターフライが2つ。僅か7球での三者凡退で前日の借りを返した。
最後は森原。前日はストレートが今一つ、フォークも難なく捉えられていた。オスナへの初球、バランスを崩し少し心配されたが、三者凡退で締めた。松本直にはスライダーも使っていた。前日はストレート、フォークで何とかしようとしてどうにもならなかったが、目先を変えるためにも必要に応じてスライダーも使って行く方が良いのではないだろう。バッテリーもそれを含めての配球だったのだろう。
打線は3発で5点と花火大会。前日の6点差逆転負けの悪い雰囲気を払拭したのは山本。ヒットで出塁した宮崎を置いて、真ん中高めのストレートを強振し、打球はレフトスタンドへ飛び込んた。2ランで一気に同点まで行けたのは、チームとしても大きかったと思う。
6回は、代わった木澤の初球ストレートを捉え、レフトスタンドへの勝ち越しソロ。ストレートを狙っていたのだろうか。打ち損じせず捉え、逆方向のスタンドへ打ち込んだのは素晴らしい。吉野にプロ初勝利の権利を発生させる殊勲打だった。
そして試合展開の上で大きかったのは、7回桑原の2ラン。1アウトから梶原がヒットで出塁し、何か動きがあるのかという中で、2球目のファーストストライクを完璧に捉えた。打球は弾丸ライナーでレフトスタンドへ突き刺さった。
宮崎がこの日もマルチヒット。8月は梶原が爆発しているので目立たないが、宮崎も打率.390、OPS1.002と凄い数字を残している。打率も.293まで上げて4位。神宮で好相性なので、残り試合でも活躍を期待したい。昨年の首位打者が、いよいよ3割が見える位置まで上げて来た。
ヤジ [Bad]
前日、勝ちパターンの投手を全て使って6点差をひっくり返されているだけに、何点あっても手応えはなく、取れるだけ取りたいという試合。繋いでタイムリーという攻撃ではなかったが、3発で5点取れたことはリリーフ陣にも勇気を与えた。ショッキングな負けの後すぐに盤石の試合ができた。
キジ [Other]
6点差逆転負けの翌日に吉野のプロ初勝利という良いニュース。先発投手が若干苦しい中で、石田裕に続いて若い力が出てきたことは心強い。中川颯、リリーフでも中川虎、徳山がプロ初勝利を挙げた。まだ年間を通して高いパフォーマンスを発揮するまでには至っていないが、少しずつ芽は出て来ている。
山崎はこの日の登板はなかったが、リリーフ陣がひきずることなく、3点差を守っての無失点リレーで勝てたことはチームとしても大きい。悪夢を乗り越えて連敗を阻止し、5割復帰に向けてまた一歩踏み出した。24日は石田裕が先発する。前回は初めて試合を壊す形でKOされた。一方、ヤクルト先発の高橋は、前回の対戦では序盤でKOした。石田裕を援護し、優位に試合を進められるか。
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