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あと半歩が届かない 勝ち切れず12回サヨナラ負け

09/07 読売3x-2横浜DeNA(東京D)

初回、オースティンのタイムリー二塁打で先制するが、先発の石田裕は2回に打球が当たるアクシデントもあり、3回1アウト満塁のピンチで降板。ここは中川颯が火消しの役割を果たして無失点。しかし、6回に伊勢が丸に同点ソロを浴びる。8回に佐野のタイムリーで勝ち越し、9回2アウト1塁で長野をサードゴロに仕留めるも、柴田の悪送球でピンチが広がり、代打中山のタイムリーで同点とされる。10回表の1アウト1、3塁で無得点に終わると、佐々木が12回2アウトからオコエにサヨナラホームランを浴びた。

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ポジ [Good]

3回裏、石田裕が1アウト満塁のピンチを招き、坂本を迎えたところで三浦監督が交代を決断した。2回に浅野の強烈な打球を左脛に受けたこともあるし、前の打席でも坂本を2アウト満塁からサードゴロに打ち取ってはいたが、打ち損じで打球が正面を突いたということもあり、この交代はやむを得なかった。

中川颯が、坂本を初球でファウルフライに打ち取り、浅野には粘られたが12球目で空振り三振に取った。4回もそのままマウンドに上がり、3者連続三振。一気に逆転されそうな流れを断ち切るナイスリリーフだった。先発が3回持たず降りているので、中川颯をもう1、2イニング投げさせる手もあったが、20球で翌日もワンポイント的に使えるようにすることを選んだ。おかげで継投は苦しくなったが、翌日に生きることを祈りたい。

梶原が、8回に佐野のレフト前ヒットで生還した。先頭打者として三遊間への緩いゴロだったが、俊足が生きて内野安打。桑原が送ったあと、佐野がバルドナードのアウトサイド低めへのストレートに合わせ、打球がレフトの前に落ちると、田中浩康コーチの手が回り、梶原が一気に生還した。

打った瞬間はライナーなので、ライナーバックですぐにスタートは切れない。シーズン前半は打球判断が悪いシーンが目立った梶原だが、ライナーバックに備えつつも守備位置と打球の飛んだ位置で早めにスタートが切れた。田中浩康コーチが絶大な信頼を置く梶原の足ということと、レフトのモンテスの守備力、肩も考慮して回す好判断だった。

森原は、9回1アウトから坂本にアウトサイドのストレートを合わされ、ライトの前に落ちるヒット。長打警戒で外野が後ろに守っていたので追い付けなかったし、少し浮いた分外野まで行ってしまった。それでも浅野を3球三振に取って2アウト。

一発もある代打の長野をフォーク2球で追い込み、そのままフォークを続けた。4球目を引っかけた打球はサードゴロ。しかし、柴田の送球がショートバウンドになり、オースティンが捕れなかった。2アウト1、2塁となったが、代打の中山をストレート2球で追い込んだ。3球目はアウトサイドに僅かに外れ、4球目もストレートを続け、インサイド高めに持って来た。

これを詰まりながらライトの前に落とされて同点。詰まらせるつもりだったが、中山が上手く捌いたと思う。ランナーが二人出ていて、サヨナラ負けをケアするので外野は深めに守っている。詰まっても外野まで持って行かれると落ちてしまう。空振りかファウルをイメージしてのインハイだったと思うが、悪いボールではなく、相手が上回った。

続く丸は良い当たりもライト正面。中山よりもしっかり捉えていたが皮肉だ。同点のまま10回もマウンドに上がり、先頭を内野安打で出塁させたが連続三振で切り抜けた。37球も投じることになってしまったが、味方のミスがありながらも何とか踏ん張った。本人としては1点を守り切りたかったところだろうが、良く投げてくれたと思う。

佐々木は、最後に打たれてしまったが、それまでの5人を落ち着いて打ち取っていた。アクシデントに備えて坂本を残し、11回から2イニングを任されていた。9回で逃げ切れず、10回の勝ち越しチャンスも逃した結果、引き分けに持ち込むために回跨ぎで登板することになった右腕を責めることはできないだろう。

オコエには、パ・リーグ時代から今季の1本も含めて4打数4安打だったようで、モンテスの代走として途中から入っていたが、最後の最後で打席が回って来る巡り合わせ。そして、初球のストレートが吸い込まれるように真ん中高めへ入ってしまった。相性の悪さがそうさせたのか、それまで慎重にコントロールしていたのに、信じられないようなボールだった。5日も延長11回に痛恨の失点で涙していたが、切り替えて欲しいと思う。

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ヤジ [Bad]

打線が打てない時は投手陣がカバーして欲しいところではあるが、さすがに1点で逃げ切るのは厳しい。伊勢は、先頭を歩かせた後に併殺を取ったが、丸にペイオフピッチでストレートがど真ん中へ入り、完璧に打たれた。一発だけ避けるべき場面で、こうも甘いボールが行ってしまっては。

打線はこの日も井上に苦労した。昨年まで1勝だった井上は、今季7勝と飛躍。5連勝中と乗っている先発だが、7勝のうち中日3勝、DeNA2勝、交流戦2勝。登板の偏りはあるが、セ・リーグのその他の球団には結果を残せていなかった。

力強くなったストレートを捉え切れず、変化球との見極めができなくて打ち取られるシーンが多かったが、この日も同じような展開となった。それでも、8回にバルドナードから1点を勝ち越すことができただけに、それを守り切らなければならなかった。

9回2アウトから長野を打ち取るも、柴田が悪送球。バットの下に当たってバウンドが高く上がったが、アンツーカの手前で2バウンド目。半身の体勢で捕ってスムーズにスローイングに入ったが、送球がショートバウンドになった。かつてはショートも守っていた柴田は、捕るのは本当に上手いが肩が弱点。簡単にゴロではないにしても、守備を売りにしてベンチに入っている選手なので、これでは困る。

だからと言って引退だの過度な表現で誹謗中傷していいわけではない。オースティンもカバーできなかったが、届かないならもっと手前でワンバウンドさせれば捕りやすかった。長野もそこまで俊足というわけではなく、タイミング的には完全にアウトだっただけに、悔やみきれないミスとなった。勝利まであと一歩というより半歩くらいまで行きながら勝ち切れなかった。

それでも10回表、その柴田がヒットを放ち、1アウトから桑原が繋いで1、3塁という大きなチャンスがあった。ここで関根は初球、セーフティスクイズに出るがバントを空振り。その後、田中浩康コーチに直接サインを確認したが、特に動きはなく、アウトサイドのスライダーに空振り三振。オースティンが申告敬遠で、牧はセカンドゴロに倒れた。

左腕の高梨に対して、左の関根では分が悪いようにも思えた。セーフティスクイズなどで動くのであれば別だが、初球以外は動きがなかった。初球で桑原が二塁へ進むべきところでミスがあったのか、そのあたりは分からないが、作戦なく関根が還すことを期待するには少し厳しい場面だった。

蝦名が残っていたが起用しなかった。以前、高梨に対してチャンスで見逃し三振に倒れているので、その印象があったのか。それともこの日桑原がスタメンだったのは、蝦名がベンチ入りには名前を連ねてはいたが出場できない状況だったのか。最後まで使われなかったのでそういう疑問が出るほどだった。

12回も、1アウトから梶原が内野安打で出たが、バントはせずに桑原に打たせて併殺。1アウトからのバントは得点期待値を下げる効果しかないが、次の筒香を用意させていて、オースティンまで回したいと考えると、バントで2アウト2塁で筒香、選球眼が良いので歩けばオースティンというシーンも狙えたように思う。

桑原がバントして2アウトから後続が還す確率と、桑原がそのまま打って進塁打も含めてチャンスが広がり、後続が還す確率との判断になる。ただ、そこに桑原が併殺を打って終わるリスクがあったのだが、それが顕在化してしまい、何もすることなく勝ちがなくなってしまった。ランナーがチーム一の俊足である梶原だっただけに勿体ない攻撃になってしまった。左打者を1割台に抑えていた横川なので、筒香が出ても打てた確率は低いが、結果的に使わずに終わってしまった。

「全員で戦った結果」と言っている割には野手もかなり残したまま終わっているし、9回2アウトからこの日昇格した中山を代打起用した阿部監督とは対照的に、森敬は枠が空いたので埋めたくらいの感覚で彼を生かし切ろうという気配さえ感じなかった。スローガンは「全員が立役者」ながら、蚊帳の外に置かれている感じがあった。

一部には懲罰交代はするが一貫性はなく、上がって来た選手にチャンスは与えない。これでベンチが活性化するのだろうか。優勝するチームには日替わりヒーローが現れる。そう上手くは行かないだろうが、中山、オコエの活躍を見て何かを感じて欲しい。

山崎は、3四球で満塁としたが、何とか浅野を三振に取って切り抜けた。この試合の重要性を分かっているからこそ力み、慎重にもなったとは思うが、1点リードの5回に登板してこれでは、勝ちパターンが務まるようには思えない。とにかく抑えなきゃという気持ちが強過ぎるせいか、ボールの精度が低い。

ただでさえ、クローザーを外れて抑えるのが難しくなっているのに、自分のベストボールが投げられなければより厳しくなる。坂本に投げたボールや浅野への3球目とか、普通ではありえないレベルだった。真面目な選手だし、責任感もあるのだろうが、抑えるという結果ばかりを求めるのではなく自分のベストボールをいかに投げ切るか、そこにフォーカスした方が良いと思う。

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キジ [Other]

ここ何年かで、一番神頼みをした試合だった。一度は追い付かれたが、8回に勝ち越し。僅か1点のリードではあったが、ウェンデルケンと森原ならやってくれる。何とかこの試合だけは逃げ切らせて欲しいと心から祈った。それでも、その願いは届かなかった。怒るというより悲しい。

26年もこんなに待っているのに、この願いは何で受け入れてもらえないのだろう。自分で動かせないものに対して結果を求めることの歯がゆさでもある。それでもこのチームが勝つところを見たくて勝手に応援しているのだから、我慢するしかない。個人的には好きなゲームの生配信を2時間ほど見て笑い、リラックスはできた。こんな気持ちになることは日常茶飯事なので、切り替えることも心得てしまっている。だからこそ、本気で優勝を信じ切ることができていないのだろうけどね。

ピンチの連続で、何度も負けを覚悟したが何とか凌ぎ、テレビの前で叫びガッツポーズした。悔しい負けではあるが、手に汗握る面白い試合ではあった。この時期、負けてしまっては先に繋がらないが。

全勝する気持ちで選手たちもやっているだろうが、もちろんさすがに全勝することはない。そういった意味で6連勝もいつかは止まる。また翌日から勝って行けばいいのは確かだし、終わってしまった試合に対してはそう捉えるしかない。

ただ、やはりこの試合に勝つ意味は途轍もなく大きかったと思う。読売としては、連敗さえしなければ良いカードであり、次の広島との首位攻防戦に重点は置いている。本来、菅野の順番である日曜はメンデスを持って来ている。

この試合にDeNAが勝って7連勝で3.5ゲーム差に迫れば、勢いを感じて焦りも出て来る。2戦目を取れればまた首の皮くらいは繋がるが、こちらも大貫がアクシデントで登録を外れている中で、勢いを止められたことの影響は小さくないはず。読売としても、大きく勝ち越しているDeNAはやはり最後はこうして自滅して行くと内心ほくそ笑んでいるだろう。広島を叩いてくれてありがとう、と。

先発の石田裕に打球が当たるアクシデントもあり、3回途中でピンチを招いて代わる形になったが、中川颯が素晴らしいリリーフで立て直し、一度追い付かれたが梶原の走力で勝ち越した。必死に繋いで、価値ある勝利を掴むまで半歩だったが、勝利が零れ落ちた。

どこかでは負けるにしても、この試合で、この負け方は避けたかった。次の試合で勝つのも難しくなったし、そこで勝って取り戻せるものでもなくなった。だが、切り替えて次を勝つしか道は残されていない。この試合の悔しさは、同じ相手から勝つことでしか晴らせない。

2戦目は吉野とメンデス。森原は37球も投げさせてしまったので、ベンチを外れるか、入っていても上がりになるだろう。重要な試合とは言え、まだ試合は残っているし、森原の現役生活もまだまだ続く。絶対に投げさせてはいけない。

こういう状況下、この日の負けを悔やんだ選手たちは、とにかく打つしかない。昨年は苦手にしたメンデスだが、今年は4月3日の中日戦で4回4失点でKOされて以降、ローテーションの空きもなくファーム暮らしが続いていた。ファームで何度か対戦相手として見たが、昨年のような投球ではなかった。仮にここで年一の投球をして来たとしても、打ち崩す以外にない。

コメント

  1. 鬼塚夏美 より:

    破竹の6連勝でゲーム差4.5、いけるぞと思っていた人も多かったですが、残り試合や上位3チームの潰しあいを考えると、元々「全勝」でもしない限り優勝どころかCSの可能性すらほとんどないというあまりにも無理難題でした。実際、6連勝していても3位阪神との差はほとんど差が縮まってませんでした。上位3チームが三つ巴の状態で4位から追いかけるとなると、実際のゲーム差は倍以上あるということになるからです。
    まだ今日から全勝すれば理論上優勝は可能ですが、はっきりいって残りを1つも負けるなというのはソフトバンクですら無理です。元々希望薄だっただけに、その希望が昨日ではっきりとなくなりました。
    それぐらい痛い負けです。DeNAは勢いがすべてのチームなので、こういう形で止められるとしばらく連敗が続きがちです。(今年で言えば、ヤクルトに痛恨のサヨナラ負けをしてから9連敗したがまさにそうです)
    まだ完全に可能性は消えてはいないですが、正直もう無理だと思います。無理に戦って連投だの回跨ぎを繰り返して中継ぎを疲弊した結果、中継ぎが崩壊したわけで…もう来年を見据えて、中継ぎを全員休ませて若い力を試してほしいです。

    • Rocky より:

      無理という表現はしませんが、当ブログでは早くから極めて難しいと書いています。諦めるとは全く別で現実的に考えた場合の話です。
      全勝しない限りというのはあまりにも誇張していると思いますし、根拠がないように感じます。
      2位で4.5差なら直接対決での勝利と相手の息切れがあれば逆転の可能性が増える一方、おっしゃる通り上に3チームいることで星の潰し合いとなってそんなに優勝ラインが下がって来ないと考えられます。
      従って、ベイスターズ自身が今から貯金10のラインを超えて行く必要があります。ゲーム差というより優勝ラインに到達できるかで言うと17勝5敗、16勝6敗あたりが必要です。中日、ヤクルトとの試合は多くないので、これだけ勝てば上位3チームも少しは下がるでしょう。
      それを無理と言ってしまうかどうかは個人の感覚ですが、優勝争いすらしたことのないチーム、来年以降を考えるなら温存も一つでしょうが、ここから少しでも食い下がって争いに加わるくらいでないと、来年も優勝はないかなと思っています。
      三浦監督のコメントを見る限り諦める気はサラサラなさそうです。

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