09/08 読売0-8横浜DeNA(東京D)
初回、梶原の高いバウンドのゴロで岡本和が悪送球。メンデスの牽制悪送球と蝦名の四球でチャンスが広がり、オースティンが前日に続いて先制タイムリー二塁打を放つ。さらに牧の2点タイムリー二塁打、京田の犠牲フライで初回4点の先制。2回にも牧のタイムリー二塁打で1点を追加。先発の吉野は、初回1アウト1、2塁から岡本和、大城卓を連続三振に取ると、6回無失点の好投。7回以降は坂本、ウィック、森唯が無失点リレー。吉野が2勝目を挙げた。
ポジ [Good]
大貫が6日に背中の違和感で急遽登録抹消となった。8日の先発を予定していたが、代役として7日にファームで先発する予定だった吉野が、1軍で先発することになった。プロ初登板が7月13日の東京ドームで、8月23日には待望のプロ初勝利を挙げていたが、その後はファームで調整となっていた。
今思えば、それほどローテーション投手が枯渇していない7月に、吉野を東京ドームで先発させていたことが、ここで生きたと思う。社会人時代に都市対抗などで慣れ親しんだマウンドではあるが、プロの読売戦となると雰囲気も全然違う。この日は2回目の登板ということと、既にプロ初勝利を挙げていることから余裕があった。
初回、マウンドに上がる前に4点の援護をもらい、先に打席へ入ることになった。懸命に食らい付いて四球を選び、ガッツポーズを見せた。急な代役だったが、前日のショッキングな敗戦を払拭すべく、吉野も気合が入っていた。
1回裏、先頭の丸にはインサイドへストレートを投げ込み、力で押し切ってファウルフライ。しかし、吉川にヒットを打たれ、モンテスは警戒感から歩かせてしまった。1アウト1、2塁のピンチで、4番の岡本和を迎えた。2球、低めのカットボールで追い込んだ。ストレート、フォークとも違うタイミングに岡本和が合っていなかった。最後はフォークがやや抜けたが、チェンジアップのようにタイミングを外して空振り三振。大城もキレのあるカットボールで連続三振に取り、無失点で凌いだ。
2回は三者凡退だったが、3回から5回は2アウトからヒットを許したが、後続を断った。先頭打者をしっかりと取れたことが無失点の好投に繋がった。プロ最長となる6回のマウンドに上がり、秋広と中山から連続三振を奪って三者凡退。6回93球で降板した。
ヒーローインタビューでも言っていた通り、3回で潰れてもいいというくらい飛ばしていた。初回の4点が途轍もなく大きな勇気となっただろうし、少し楽な気持ちでピッチングできたと思う。飛ばして入った試合でも6回までしっかりとしたボールを投げられていた。フォークの印象が強いが、カットボールが意外と良くて、今後も武器になりそう。
チームにとっても大きな2勝目になったと思う。大貫は登録を外れているので、来週も戻って来れない。このまま来週のマツダでも先発することになるのだろうか。6月に現れた石田裕のように救世主になってもらいたい。
吉野を強力に援護したのは、オースティン。初回は、前日に続いて先制タイムリー二塁打。立ち上がりコントロールが定まっていないメンデスの4球目、スライダーが真ん中に入って来たところを捉え、レフトの左へ運んだ。さらに、2回にも2アウトから赤星のカーブに反応し、センター前へ運び、牧のタイムリーを呼び込む一打となった。
9回には1アウト1、3塁で泉の114キロの緩い変化球に合わせ、レフト前タイムリー。2球連続で同じボールが来たが、高めに浮いたところをきっちりと捉えた。3安打猛打賞で2打点、3得点。打率も.316まで上がった。現在の打席数は366で、シーズン最終の443打席まであと77打席。残り22試合に無事出場できれば、1試合あたり3.5打席なので到達できるペースだ。
サンタナが.317で首位打者に立っているが、このままの成績で規定打席に近づけば首位打者のチャンスも出て来る。ホームランは8月28日以来出ていないが、村上も止まっているため1本差は変わっていない。打点59も岡本和に9差で、残り試合数からしても逆転はありうる。もちろんチームの勝利を優先するだろうが、三冠にも注目が集まる。
昨年の打点王である牧もこの日63打点とし、5点差に迫った。初回、オースティンに続いて三塁線を破る2点タイムリー二塁打でチームに流れを大きく引き寄せると、2回には赤星のアウトサイドのストレートを牧らしい逆方向へのバッティングで、ライトフェンス上部に当たるタイムリー二塁打。あと僅かで4年連続の20号という打球だったが、そちらは来週以降にお預けとなった。
3安打3打点と大勝に大きく貢献した。右方向へ長打が出るのは非常に良い傾向で、8月末からの良い状態が続いている。以前にも9月の爆発を期待すると書いたが、来週以降もチームを勝利に導くバッティングが期待される。
6回で吉野が降板し、7回から継投。前日37球を投げた森原は、やはりベンチ外となった。ここでバタつくと、連投となる投手が増えてしまう。前日は最後に予備として残った坂本が7回に登板し、浅野と代打坂本を連続三振。丸もカットボールでレフトフライに打ち取った。この投球で、より一層ベイスターズの流れとなった。連投のウィックも9球で簡単に片付け、前日はベンチ外だった森唯が、中山にヒットは許したもののアウト3つは全て三振で取った。
ここ最近はブルペンのムードメーカー的な存在になっている様子の森唯が、8月12日以来の登板で最後を締めたのは、何か嬉しいシーンだった。
ヤジ [Bad]
前日のサヨナラ負けの悔しさをぶつけるように、投打に読売を圧倒して完勝。初回にメンデスを早々とKOし、2回にも中押し。9回にはなってしまったが、しっかりとダメ押し。吉野が6回まで投げ、前日に投げていない坂本、森唯がしっかりと抑えての勝利はブルペンにも優しかった。言うことのない勝利だった。
石田裕もそうだが、ファームはDHを使っているので、プロの生きたボールをバントするシチュエーションがほとんどない。バントは練習すればできると思っている人が多いようだが、いくらマシンで練習しても、プロの1軍投手がバントをさせないように投げて来るボールをバントするのは簡単なことではない。ついでに言うとバンド(Band)ではなくバント(Bunt)なので。このあたりは吉野も経験が必要で、この日は2つバントを失敗してしまったが、これを糧として欲しい。
キジ [Other]
メンデスがよほどの出来でない限り打ち崩せると期待していたが、これほどワンサイドゲームになるとは想像していなかった。7-5とか、そういったスコアで勝つことをイメージしていた。それだけ吉野が素晴らしい投球をしてくれた。
メンデスがこの出来だったし、読売打線も今はあまり良くはなかった。やはり1戦目を取っておけば連勝できたな、と悔しさがぶり返すが、あの半歩届かずにサヨナラを喫した敗戦が、今後の奇跡への原動力になってくれるとしたら、それはそれで良かったのかも知れない。生かすも殺すもこれからの戦い次第。奇跡への再スタートとしたい。
前日とは逆に、上位3チームが揃って負けたため、ゲーム差は金曜と同じ状態に戻った。残り試合数が減ってしまったので、追いかける側にとっては実質差が開いたと考えるべきだろう。
昨日の投稿のコメントへの返信でも書いたが、2位で首位と4.5ゲーム差とは異なり、上に3チームが並んでいる。星の潰し合いにもなるし、全てのチームが落ちて来ることは考えづらい。現状も優勝ラインが高いとは言えないが、今後もこれ以上下がって来ることはなさそうだ。
となると、ようやく貯金3まで盛り返して来たベイスターズは、今季は未知の領域である貯金10を超えるラインまで自ら上がって行かないことには優勝うんぬんという状況にならない。ゲーム差を見るよりも、残り22試合で現在の首位読売が持つ貯金12のラインを超えて行けるかどうか。
16勝6敗というハイペースで勝ってようやく貯金13。ベイスターズがこれだけ勝てば、中日、ヤクルトとの残り試合は合わせて7試合なので、上位3チームもある程度負けることになるから、優勝ラインに近づくだろう。ただ、どこかのチームが抜け出してしまうと、届かないかも知れない。
読売 残19 | 広島 残22 | 阪神 残16 | DeNA 残22 |
13-6 .569 | 16-6 .572 | 14-2 .569 | 20-2 .574 |
12-7 .562 | 15-7 .565 | 13-3 .562 | 19-3 .567 |
11-8 .555 | 14-8 .558 | 12-4 .555 | 18-4 .560 |
10-9 .547 | 13-9 .551 | 11-5 .547 | 17-5 .553 |
9-10 .540 | 12-10 .543 | 10-6 .540 | 16-6 .546 |
8-11 .533 | 11-11 .536 | 9-7 .533 | 15-7 .539 |
7-12 .526 | 10-12 .529 | 8-8 .526 | 14-8 .532 |
皮算用はそんなところだが、チームとしては目の前の試合をとにかく勝つために全力で戦うしかない。今週は痛い負けもあったが、4勝1敗で乗り切った。火曜からは7連戦が始まる。特に後半は2連戦が二つの4試合。3連戦だと2勝1敗になることが多いが、2連戦は先発投手の出来やチーム状態で連勝、連敗が発生するので難しいし読めない。
先ほどの皮算用で考えれば、7連戦は5勝2敗以上でないと先が苦しくなる。阪神、広島にはしっかりと勝って行きたいところ。まずは甲子園での3連戦、東、ジャクソン、ケイでしっかりと取りたい。阪神も先週は中日、ヤクルトに5勝1敗としっかり取りこぼさずに貯金を増やしている。阪神の連覇の目がかなり出て来ているので、ここは何としても止めたいところだ。
コメント