09/11 阪神3-4横浜DeNA(甲子園)
初回、この日は2番に入った牧が、ルーキーイヤーから4年連続の20号ソロで先制。しかし、ジャクソンがその裏に大山のタイムリーで追い付かれる。3回にジャクソンのバントで大山の野選があり、ノーアウト1、2塁とチャンスが広がり、牧のタイムリーと佐野の内野ゴロ間に2点を勝ち越す。ジャクソンは5回まで1失点だったが、6回に森下のソロを浴び、さらにノーアウト1、3塁としたところで山崎に交代。ここを同点で止め、8回に桑原がゲラから値千金の勝ち越しソロを放つ。ウェンデルケンから森原に繋ぎ、逃げ切った。
ポジ [Good]
8回、桑原が代わったゲラの初球ストレートを一振りで捉え、値千金の決勝ホームランを放った。「そのストレートを待っていた!」とばかりに得意のストレートを仕留めたが、初対戦の初見で捉えたのは見事だった。少し押し込まれていたが、浜風にも乗ってスタンドまで届いた。ゲラから得点するのは難しいと思ったが、一振りで奪った1点は本当に大きかった。
この日は筒香が6番に入り、2番を務めた牧が、初回の打席で球団史上初となるルーキーイヤーから4年連続20本塁打をマークした。村上のフォークが甘くなったところを完璧に捉えた。3回にも勝ち越しとなるタイムリーを放ち、この日は2打点。打点トップの岡本和に3差と迫り、2年連続の打点王も視界に入って来た。
ジャクソンが6回裏に、森下のソロで1点を失い、なおもノーアウト1、3塁の大ピンチを残して降板。マウンドに上がったのは山崎だった。こういう場面での登板が続く中川颯は前日も登板していた。他には佐々木が投げることも多かったが、2試合続けて失点していることもあり、山崎を選択した。
山崎はルーキーイヤーからクローザーを務め、その後も勝ちパターンで投げて来たが、いわゆる火消しの役割はあまり任されておらず、イニングの頭から投げることがほとんどだった。だが、現状でそんなことは言っていられない。島田にインサイドのストレートを続けて内野フライに打ち取って1アウト。
坂本の初球はスクイズ警戒で外したが、2球目でセーフティスクイズを敢行。高めのストレートを良いところに転がされて、同点を許した。しかし、木浪は打ち取って同点で止めた。ここで逆転を許していたら勝利はなかっただろう。しっかりと火消し役ができたと思う。
7回はウィックが登板。先頭の代打前川を四球で歩かせるも、近本で併殺取り無失点。直後に桑原のソロで勝ち越したため、5勝目が付いた。本当に現状はブルペンで欠かせないほどいろいろな役割をこなしてくれている。交代を拒否したり、ちょっと不思議ちゃんではあるが、安定感は日に日に増している。
ウェンデルケンは、この日はあまり良くなかったが、先頭の森下にヒットを打たれてピンチを招きながら、後続を断った。そして、森原は先頭の坂本をショートゴロに打ち取るも、京田からの送球をオースティンが捕れずエラー。低い送球になったがノーバウンドであり、これは捕って欲しかった。
先週土曜のエラーによる同点が頭をよぎったが、1アウト2塁となって代打の渡邉は、フォークを打ち上げてファウルフライ。おそらくフォークを待っていたわけではないと思うが、あまりに甘く浮いて来たので思わず手を出してしまったのではないか。紙一重だったが、森原にツキがあった。こういう場面で怖い近本は、上手くフォークを拾うもレフトへのフライでゲームセット。勝ちパターンで逃げ切ることができた。
ヤジ [Bad]
ジャクソンは、この試合前まで甲子園では失点がなく、阪神戦でも良い数字を残していた。初回に先制点をもらったが、すぐに大山のタイムリーで失点。初回からランナーを溜めたくはないが、大山との相性が悪かったので、正直に勝負せずにボール球で誘っても良かった。
2回以降は先頭をきっちりと取り、ランナーを出しても後続を断って無失点を続けた。5回は三者凡退に抑え、6回を投げ切ってくれればというところだったが、森下に肩口からの甘いスライダーを完璧に捉えられた。続く苦手の大山にはカウントを悪くし、当たり損ねの打球がサード内野安打となった。
佐藤輝の三遊間への打球は、二塁ベース寄りに守っていた京田が追い付けず、外野も深く守っていたため、大山が三塁を陥れる好走塁を見せた。ノーアウト1、3塁というピンチを残して降板となった。ハマスタで6点差をひっくり返された中日戦もそうだが、好投していて引っ張ると急激に崩れてしまうのは課題。こういう投球だとせっかくゲームを作っても勝てない投手になってしまう。相手に流れをやらずにリリーフへ託すような投球ができるようにして行きたい。
筒香が肋骨の疲労骨折から復帰後、初のスタメンとなった。梶原が左ふくらはぎに牽制球が当たった影響で、この日も欠場。前日は青柳に相性の良い神里を使ったが、この日は筒香だった。最初の打席で、レフト線へ鋭い打球を飛ばし、僅かにラインの外側でファウル。これがあと少しズレていればというところだが、3球目はボールでも良いという感じで村上が投じたアウトサイド低めのストレートが、コーナー一杯に入って見逃し三振。このあたりで流れを持っていないなという感じ。
その後も落ちるボールを見極めたが、ギリギリでゾーンに残って見逃し三振など、4打席で4三振と散々な結果に終わった。相手への迫力や、球場の雰囲気を変える力はあるものの、交流戦明けからここまで代打でのヒット1本という状況。バッティングの状態としては良くはないだろうし、試合に出て良くする機会も限られている。何故ここで筒香を使わないというような声がこれまでもあったが、正直使ったところでどうなのかというのは思っていた。
優勝争いの中で精神的支柱としてベンチに入ってもらっているが、バッティングでの貢献を求めるのは今は難しいかも知れない。かと言ってここで抹消すると最終盤まで戻れない。なかなか悩ましいところだが、ベンチがどう判断するか。
キジ [Other]
初回に先制、同点の3回に2点を勝ち越しと前半は主導権を握ってゲームを進められた。しかし、6回にジャクソンが森下にソロを浴びると、最少失点で止められずに降板。山崎が何とか同点までで止めたが、阪神を相手に甲子園でこの展開になると、勝機はあまりないように思えた。
接戦が苦手で、特に上位チームにはこういう展開で勝ち切れなかったが、桑原が勝ちパターンであるゲラを1球で仕留めた。ホームランは正義とも言うべき展開で、ウェンデルケン、森原が何とかリードを守り切った。この展開で勝てたことは非常に大きい。
この日、広島が2-0とリードして9回を迎えたが、栗林の大乱調で逆転負け。読売に連敗となり、ゲーム差が広がった。DeNAとしては、2位広島が2勝1敗となってくれれば首位とのゲーム差を縮められるチャンスがあるかと思ったが、思わぬ展開になった。もし読売が3連勝するようだと、抜け出る可能性があり、それは避けたいところ。
広島が連敗し、DeNAがこの日勝ったことで、自力優勝が復活した。広島との直接対決が残り3試合だったため、全勝しても広島だけ上回れない可能性があったが、広島が他力で負けたことによって上回ることができる数字になった。
読売が抜けだして貯金を15、16と増やすと、DeNAが追い付くのは厳しくなる。直接対決が5試合残っているとは言え、現状の読売だと全部勝つのは至難の業。やはり土曜の逆転負けが響いて来るが、それを言っても仕方ない。ここから勝って行くしかない。
DeNAが阪神に3連敗すると、阪神が勢いに乗って走りそうな気配があったが、接戦をものにして何とか止められた。これも優勝、上位を狙う上で大きかった。
読売を追いかける上で阪神に勝ち越すことは最低ラインになってくる。12日は大竹とケイが先発する。大竹とは今季は1試合だけしか対戦がなく、勝ち負けは付いていないが6回4失点で、オースティンに2発浴びている。ただし、甲子園では防御率2.02、5勝1敗と強さを見せているので、ハマスタとは別人と思った方が良い。
ケイは、交流戦明けに甲子園で一度先発している。3失点だが、守備に足を引っ張られて自責は0。ジャクソン同様、序盤は最少失点で凌ぎ、ゲームを作る投球をして欲しい。7連戦中なので、リリーフを注ぎ込むことはできない。できれば7回を投げ切るような投球を期待したいところ。
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