09/20 横浜DeNA9-6阪神(ハマスタ)
2回に伊藤の2点タイムリーで先制すると、3回にはオースティンの24号3ランで5点をリードする。3回まで無失点に抑えた森唯は、4回表に前川のタイムリー二塁打などで3点を奪われて降板。代わった坂本は、近本にタイムリー二塁打を打たれて1点差とされるが、後続を断った。4回裏は、プロ初打席となった東妻が、プロ初ヒットとなるタイムリー二塁打を放つ。6回に登板した伊勢が三者凡退に抑えて反撃の流れを断つと、7回に筒香の2ランなどで3点を追加し、試合を決めた。
ポジ [Good]
伊藤が2回に先制の2点タイムリーを放った。ノーアウト満塁のチャンスは、本人がヒーローインタビューで言っていた通り、最初の打者が重要。ここで得点が入らずに凡退すると、無得点に終わるケースが多々ある。
前日は、3点ビハインドで2アウト満塁というチャンスで打席に立ったが、初球のインサイドに詰まってショートゴロに終わった。この場面は、4球目のアウトサイドへのスライダーを拾い、ライナーでショートの頭を越えるヒット。ライナーバックで二塁ランナーの宮崎が一旦戻ってからのスタートだったが、近本がファンブルする間に宮崎も還って2点タイムリーとなった。マツダに続いてのヒーローとなった。
3回は、牧と佐野の連打でノーアウト1、3塁。西勇のシュートが真ん中へ入ったところをオースティンがきっちり捉え、打球はバックスクリーン左に飛び込んだ。24号3ランで5点リードとした。東京ドームでは2試合ともノーヒットに封じられたが、西勇は捉えてマルチヒット。4番の活躍で序盤に大量点を得た。
1点差とされた4回には、森敬が四球で出塁して盗塁を決めた。代打として登場したのはプロ初打席となる東妻。山本が骨折したため入れ替わりで、5年目で初の1軍登録。マツダでは最終回にレフトの守備に入り、プロ初出場だった。いよいよ打席にも入った。
2ボール2ストライクから、左腕の島本のアウトサイドへのストレートがやや浮いたところを振り抜き、打球は左中間を破った。プロ初ヒットが、貴重なタイムリー二塁打となった。オーストラリアに派遣され、ファームでもバッティングの良さが注目を集めた。今年はキャッチャーよりも外野をやっていることの方が多い印象。山本がケガをしなければ、今年1軍に呼ばれたか微妙なところだが、チャンスを得て結果も出した。ようやくスタートラインに立ち、ここからの活躍を期待したい。
中盤までの打ち合い、阪神の追撃の流れを断ったのが伊勢。6回に登板すると、球威のあるストレートをコントロール良く投げ込み、フォークも効果的に使って三者凡退で片付けた。近本の鋭い一二塁間への打球は、オースティンがダイビングキャッチ。味方の好守にも助けられた。
先発が5回を投げ切れなかったが、リードを守り通しての勝利。この場合は、他の投手よりも1イニング以上長く投げた投手に勝ちが付くのが目安だが、この日は全員が1イニング以下だった。その場合は、公式記録員が勝利に最も貢献した投手を選出する。内容的にはウィックも良かったが、阪神の勢いを止める投球をしたのは伊勢で、今季初勝利に相応しい投球だったと思う。
二人の好投を受けた7回、四球で出塁した佐野がオースティンのゴロで二塁へ進み、宮崎がライト線へタイムリー二塁打。前の打席でもうまく右方向へ打ち、二塁打を放っていた。9月は1割台前半と非常に苦しんでいたが、バッティングの内容にも宮崎らしさが出ていて、3安打と復調気配。チームにとっては朗報だ。
大きな追加点を挙げた後、この日は6月9日以来となるハマスタでのスタメンだった筒香が、打った瞬間という特大の2ランを放ち、4点のリードとしてゲームの行方を決めた。tvkで解説していた多村氏が、外国人投手の方がタイミングが取りやすいではとコメントしたが、その通りになった。
ビーズリーのカットボールが失投で甘く入って来たところを完璧に捉えた。現状、速いストレートにはタイミングが合わずに差し込まれることが多い。カットのような少しスピードが落ちたボールが甘く入れば捉えることができる。これをキッカケに状態を挙げて欲しい選手だ。
森敬は、スタメン出場した15日から5試合連続ヒット。ビーズリーの速球を逆方向へ強く打ち返し、左中間を破る二塁打を放った。四球を選んで盗塁を決める場面もあったし、守備でも森敬にしかアウトにできないようなプレーもあった。林が既にファームで実戦復帰しており、これからも競争が続くが、最後までスタメンで出られるように結果を出し続けたい。
梶原は、調子も落ちているし、出場し続けていることの疲れも当然あるだろう。変化球の割合が高くなっていて、なかなかバットに当たらない。もともと四球がほとんどないのに三振は多いという不思議な打者だが、追い込まれた後の脆さが出てしまっている。レギュラーを獲るには、こういう時期で大きく崩れずに粘ることが重要。その意味で、最後の打席でヒットが1本出たことは大きいと思う。
先発の森唯は、3回まで無失点の投球。気持ちも入っていたし、ゲームを作ってくれたと思う。5点リードしたので、何とか5回まで投げ切って欲しい思いがあったが、4回先頭の森下への死球が痛かった。エルボーガードに掠るくらいに避けての死球は相手も上手かった。
2点までは仕方なかったが、木浪にも打たれて3点目を奪われてしまった。ここは打ち取りたかった。降板後もベンチで先頭に立って味方を激励し、野手たちを出迎える姿があった。5点リードをもらいながら4回途中での降板は、想像以上に悔しいと思うが、チームの為に行動できるベテランは非常に素晴らしいと思う。
ヤジ [Bad]
5-0から一気に4点を奪われ、ヒヤヒヤの展開になった。その中で、何とか同点に追い付かれずに踏みとどまったことが勝利に繋がった。できればワンサイドゲームにしたい展開ではあったが、阪神打線も好調なので、ここまでリリーフを務めていた森唯を先発の谷間で起用という試合としては、やむを得ない部分があった。
ウェンデルケンは、結果的に無失点に抑えたが、前回の東京ドームに続いてコントロールが安定せず、ちょっと心配な内容。ウィックが非常に良いので、相手の打順も考慮しつつ8回ウィックも考えて良いかも知れない。
キジ [Other]
昨日も書いた通り、マジックの点灯を許した読売には7勝14敗1分と大きく負け越し。前日は読売に完敗しておいて、この日は2位阪神を打ち崩しての勝利。DeNAもAクラスへ向けて負けられないし、目の前の試合を勝ちに行った結果ではあるが、優勝争いでは完全に読売をアシストする形になってしまっている。読売の犬と言われても返す言葉がないが、阪神はそんなチームに負けてしまっているのも事実。
オールスターに入る時点で3位だったが、オールスター明け最初の試合で敗れて4位に転落して以来、ずっと順位が変わることなく2ヶ月ほど来たが、7月25日以来の3位に浮上した。だが、3位!と浮かれる気分にはなれない。広島も9月は3勝14敗の大失速で、DeNAが浮上したというより広島が落ちて来たという方が正しい。
広島との順位争いは、唯一の直接対決である10月1日のハマスタを含めて、まだまだ続いて行きそうな状況ではあるが、DeNAとしては阪神との直接対決も21日を含めて4試合あるので、ハマスタでのCSも諦めずに追いかけるだろう。それにはまず21日も連勝して3ゲーム差に詰めることが重要。
21日は濵口と青柳というマッチアップ。濵口は、一度13日の中日戦で予告先発として発表されたが、12日の阪神戦が試合開始30分前に中止となり、ケイがスライドすることになった。1週間ほどズレて、ようやく1軍復帰マウンドとなる。7月末から8月初めに、いずれも5失点を喫して連敗し、ファームで調整して来た。期待を裏切り続けているが、ここで真価を発揮できるか。ハマスタの暑いデーゲームではあまり良い印象はない。
そして、前回の甲子園での対戦では久しぶりの今季2勝目を献上してしまった青柳に対して、打線がきっちりと攻略できるか。才木は首位の読売戦に回し、DeNA戦なら勝てると青柳を立てている。そんな阪神の目論見を打ち崩したい。この日は筒香がようやく一発を放ったが、また神里をスタメン起用するオーダーを組むのだろうか。9点を取った翌日なので、ボール球を振って助けないようにしたい。
ファームは、ヤクルト戦でフォード、益子に一発が出て、庄司が7回1失点の好投で8連勝を飾った。2位の西武が敗れた為、2.5ゲーム差に広がってマジックは5となった。DeNAが残り7試合、西武と読売は8試合が予定されている。中止になった場合の振替はないので、数字的にはかなり42年ぶりの優勝に近づいたと思う。
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