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伊勢大明神が3連投で回跨ぎ 13安打6点で逆転勝ち

09/22 横浜DeNA6-3東京ヤクルト(ハマスタ)

3回表に先発の吉野が村上に2ランを浴びたが、その裏に佐野とオースティンの連続二塁打で1点を返し、さらに桑原のタイムリー、戸柱の右中間へのタイムリー二塁打で一気に逆転する。4回に牧の23号ソロで追加点を取るも、5回に吉野が1点差とされ降板。上茶谷が後続を断ち、7回からは伊勢が3連投ながら回跨ぎの好投。終盤にも桑原の犠牲フライなどで着実に加点し、最後は森原が締めた。

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ポジ [Good]

勝利を引き寄せたリリーバー

先発がまたも5回持たず降板。逆転はしたものの強力なヤクルト打線に対し、連投が続くリリーフ陣でどう逃げ切るのか、不安な部分も大きかった。その中で、この日で3連投となった伊勢が、回跨ぎで無失点の好投。チームに勝利を大きく引き寄せ、ブルペンも助ける活躍だった。

7回、先頭の村上には2球目のストレートが甘く入り、ライト線へ弾き返された。梶原のクッションボールの処理が完璧で、送球も正確だった。二塁手前でタッチアウトとなり、ノーアウト2塁が1アウトランナーなしとなるビッグプレー。好守にも助けられたが、オスナを打ち取ると山田から151キロストレートで空振り三振を奪い、9球で3アウト。

三浦監督によれば、7回の投球を見て続投を決めたということなので、最初から回跨ぎではなかったようだ。3連投なので通常であれば1イニングで終わるところだが、前日も延長戦でリリーフを費やしており、ウェンデルケンはベンチを外れている状況で伊勢に8回も任せた。

伊勢もブルペンの状況を理解し、2点差に広がった8回を三者凡退で抑えた。宮本、岩田からはストレートで連続三振。152キロもマークし、伊勢らしいストレートが戻って来た。21球で2イニングを抑え、前々日に続く2勝目が付いた。

3連投で、勝→H→勝とチームに大きく貢献した。おそらく23日は上がりという形で、ウェンデルケンと入れ替わってベンチを外れるかと思うので、24日も含めて2日間しっかりと回復して欲しい。終盤に来て、山崎がファームで再調整しているので伊勢の復調は頼もしい。

そしてもう一人、上茶谷も好リリーフで貢献した。5回、吉野が連続二塁打で1点差とされ、3番のサンタナというタフな場面で登板。サンタナは高めの抜け気味のカットボールがストライク判定となり、見逃し三振。不服そうなサンタナだったが、それまでは高めの抜け球を取っていなかったので、気持ちは分かる。

村上には慎重に、丁寧に投げ、全てアウトサイドで一発は絶対に避けるという配球。歩かせて1アウト1、2塁となり、オスナは2球で追い込むと3球目のカットボールがアウトサイド低めへ決まり、空振り三振。山田にもアウトサイドを徹底しながら、甘くならないように投げた結果、四球。満塁から中村は初球のストレートに詰まり、ショートゴロ。何度も雄叫びを上げながらマウンドを降りた上茶谷。ケガに泣いたが、頼れる投手が帰って来た。

13安打と活発な打線、多様な得点シーン

3回表に2点を先行されたが、直後に反撃。1アウトから佐野が村上を強襲するレフト線への二塁打でチャンスを作ると、オースティンは浮いたフォークを捉え、高々と打ち上げた。上がり過ぎかと思ったが、フェンス近くまで到達して岩田が捕れなかった。タイムリー二塁打でまず1点を返すと、2アウト後に桑原がフォークを拾って同点タイムリー。

さらに戸柱も高めのストレートを右中間へ運ぶ。ライトの西川が追い付き、フェンスまで到達しなかったが、一塁ランナーの桑原はホームへ突入。無駄のない中継から送球が戻り、クロスプレーで判定はアウト。桑原もどうなったのか分かっていない様子で、次の打者の森敬も近くにいたが、どうだろうという様子。

既にリクエストを一度失敗しており、3回にして2度を使い切るリスクがあったが、三浦監督はリクエストを行使。リプレー検証の結果、中村のタッチよりも桑原の左手が早くホームベースに触れており、セーフに覆った。三浦監督の判断が、チームに大きな勢いをもたらした。

好走塁の後は、ベイスターズらしい一発。4回に牧が高梨の高めに浮いたカーブを完璧に捉え、レフトスタンドへ23号ソロ。チームの勢いを加速する追加点だった。

1点差で迎えた7回は、先頭のオースティンが二塁打で出塁すると、宮崎は追い込まれてからチームバッティングで、高いバウンドのセカンドゴロで進塁打。桑原がセンターへ飛距離十分の犠牲フライを打ち上げ、それを生かした。ベイスターズらしからぬソツのない得点シーンだったが、貴重な追加点だった。

8回は、石原がプロ初登板。森敬のレフトへのライナーが照明に入り、サンタナが捕れずに二塁打となった。森敬はこの日、3安打猛打賞となった。柴田のバントは、オスナがバウンドを合わせられずに後逸し、エラーでノーアウト1、3塁。ここで梶原がセカンドゴロだったが、山田がスライディングキャッチで押さえており、ホームには送球できなかった。泥臭い1点でさらにリードを広げた。

3安打の森敬以外にも、牧、佐野、オースティン、桑原がマルチヒットで中軸が機能した。得点はホームランに頼ることが多いが、この日は進塁打や足も絡めた多様な得点の取り方ができた。こういう繋がり、着実に得点を奪う攻撃を続けて行きたい。

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ヤジ [Bad]

吉野は、前回の登板で初回に4失点しているので、立ち上がりを強く意識していたと思う。強力なクリーンアップの前にランナーを出したくないという気持ちが強過ぎて、長岡と西川にストレートが全くコントロールできずに連続四球。腕が縮こまってしまった感じで振れていなかった。

ノーアウト1、2塁でサンタナを迎えるところで、早くも大原コーチがマウンドへ。ここで一気にKOされてもおかしくない状況だったが、戸柱がストライクの入らないストレートではなく、カットボールとフォークで組み立て、サンタナはバットの先に当たったショートライナー。村上もカーブの後にカットボール2つで追い込み、フォークで空振り三振。

2アウトを取ったところでようやく落ち着いて来て、ストレートも思ったところに投げられるようになった。オスナには粘られたが、最後は低めへストレートを決めて見逃し三振。何とか無失点で切り抜けた。

3回は、ヒットで出塁した西川が盗塁し、2アウト2塁で村上。一発は気を付けたい場面で、一塁も空いていた。最初の打席と似た形で、カーブで入りフォーク2球で1ボール2ストライクとした。ここでフォークを選択したが、村上も当然強く意識しているところ、低めへ落とし切れず完璧に捉えられた。スコアボードを直撃する先制2ランとなったが、ワンバウンドになるくらい低めに決めるか、配球的に工夫が欲しいところだった。

リードを2点に広げてもらった5回、先頭の長岡をなかなか打ち取れず、9球目のカットボールが浮いたところを三塁線へ弾き返され、さらに西川にも追い込んでからのフォークが浮き、一塁線を抜くタイムリー二塁打。クリーンアップを前に1点差とされ、98球に到達していてここが代え時だった。

援護がありながら5回を投げ切れなかったのは悔しさが残ると思う。立ち上がりのコントロール、やはりストレートに精度が出ていないと苦しい投球になってしまう。フォークを落とし切って空振りを取るような鋭さを追求して欲しいと思う。

13安打の中で、1番梶原は5打数ノーヒット。内野ゴロ間で1打点も挙げているし、7回にはビッグプレーとなった好守もあった。バッティングだけでなく、守備も走塁も魅力がある選手ではあるが、さすがにバッティングの内容が悪過ぎる。

いつも調子が良い訳ではないし、レギュラーを獲るためには不調の時にどれだけ粘れるか、チームに貢献できるかなのだが、四球を一切選べないタイプなので、ヒットが打てないと1番としてチームの攻撃力を下げてしまうので苦しいところではある。ここを乗り越えてレギュラーになって欲しいのだが、一度下げてベンチから観るのも良いかと思う。試合前の時点でヤクルト戦の打率が5割近かっただけに、23日はどうするか。

筒香が20日の試合後から体調不良で2日間自宅療養となっており、その関係もあって濵口を登録抹消した代わりに度会が8月11日以来の1軍合流となった。ファームでは打率.349、OPS .870と素晴らしい数字。ただ、ファームの数字をいくら並べたところで、どういう投手からどんな形で打ったのかという内容を見なければそれほど意味はない。

ファームには、オイシックスに限らずだが育成途上の投手も多いし、1軍と違って不調でも基本的には予定されたイニングを投げることも多い。だからそういう投手から打って数字が良くなっても、それがすなわち1軍で打てることにはならない。とは言え、ファームでも打てないようだと1軍で実績のある選手以外は厳しいし、1軍への推薦を得られない。ファームで十分な成績を収めているからこそ、1軍の投手とどこか違って、どうすれば打てるようになるのかを考え抜く必要がある。

この日の1打席を見て判断するようなものではない。ただ、追い込まれて変化球が頭にある中で、ストレートに当たらないタイミングでしか待てないというのは、以前と何も成長を感じない打席だった。次の機会でどういうバッティングを見せるか、そして課題の守備、走塁がどうなのか注目したい。

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キジ [Other]

2点を先制されたが、すぐさま逆転。桑原の走塁と三浦監督のリクエストの判断がチームに流れを引き寄せ、先発の吉野が5回途中で代わることになったが、上茶谷が後続を断ち、相手に流れを渡さなかった。伊勢が2イニングを投げるという執念の継投を見せ、翌日以降のリリーフ運用も考えつつ逃げ切った。

何故か広島には相性の良い中日が、またも広島を破ったため、1日で3位に復帰した。広島は残り10試合中5試合がヤクルト戦であり、CS争いはヤクルト戦が鍵を握る。現状、村上が非常に調子が良く、打線の得点力は非常に高いので、村上に打たれつつも打ち勝つしかない。初戦はその形で取ることができた。

この日阪神が読売との直接対決に勝ったため、最短優勝は27日となった。26日のハマスタでの阿部監督の胴上げもなくなった。 ただ、23日も阪神が勝ってゲーム差なしに詰め寄り、その勢いのまま逆転優勝ということになると、現時点で29日以降の最後の3試合は全てDeNA戦のため、目の前で胴上げを見る可能性が高まる。

前日に一度は逆転しながら延長で敗れてしまったが、セ・リーグの優勝争いという意味ではその敗戦がヒートアップさせているという皮肉。残念ながら数字上は僅かに残っているものの、現実的には3位が限界という状況になって来た。広島との直接対決はハマスタでの1試合だけ。それ以外のチームに勝って行くしかないが、読売と阪神の優勝争いが長引くと、この2チームに多く試合を残すDeNAは厳しい戦いになる。その前のヤクルト戦は是が非でも勝っておきたい。

23日は東と小川。エース東を立てる試合になるので、打線が援護してきっちりと勝ちたいところ。小川と今季は神宮で一度だけの対戦で、5回4失点で負け投手になっている。ヤクルトとの今季最終戦で、引退する青木はラストプレーになるが、真剣勝負で勝った上で長年の労を労いたい。

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