10/04 中日1-3横浜DeNA(バンテリン)
2回にオースティンがヒットで出塁し、戸柱が歩き柴田が送って1アウト2、3塁。森敬がレフトへ犠牲フライで先制。5回には森敬、林の連打から梶原のタイムリーで追加点。8回には桑原がレフトへ5号ソロを放った。先発の濵口は3回無失点。2回に3者連続三振を奪い、ピンチも2併殺で凌いだ。4回以降はディアス、山崎、坂本、佐々木と繋いで逃げ切った。山崎は2回で45球を要したが3勝目。佐々木が移籍後初セーブをマークした。70勝目を挙げ、5割以上が確定した。
ポジ [Good]
先発の濵口は、始めから短いイニングの予定。CSでのリリーフ起用も想定した登板となった。初回は村松に二塁打を打たれ、慎重になって福永を歩かせるという悪い癖が見えたが、石川昂をセカンドゴロで併殺に取った。柴田の好守も光った。
2回は、ストライク先行で早めに追い込み、最後はストレートで3者連続三振。戸柱の緩急をうまく使うリードもあって、良い形で投げられた。3回は先頭の田中を歩かせた。次が投手で出したくないと意識してしまってでは困る。梅津が送った後、岡林の打球は内野安打となって1、3塁。ここで村松を再び併殺に取って切り抜けた。
CSでは第二先発というのも重要になって来る。濵口は基本的に先発で使って来ているが、2017年のCSでは雨天中止の兼ね合いでリリーフも経験した。オプションとして濵口のリリーフ起用も検討することになるだろうか。
2番手のディアスは、福永に内野安打を許すも後続を3者連続でライトフライに取った。ここ最近の登板を見てもフライアウトが多い。コントロールもバラついておらず、力で押し切ってというパターンでアウトが取れている。ウィック、ウェンデルケンの状況によってはCSでのベンチ入りはありうる。
山崎は、回跨ぎのテストだったのだろうか。あまり複数イニングを投げることがこれまでなかったが、ピンチを招いたこともあって45球を投げた。1試合でこれだけの球数を投げたのはこれまでほとんどないと思う。プロ初先発となった7月27日でも32球だった。リードしていたが先発が5回を投げておらず、山崎と坂本が2イニングを投げたが、公式記録員は先に投げた山崎に3勝目を付けた。
スプリットでなかなか空振りが取れず、取れたのは宇佐見くらい。ストレートは悪くないが、力み上がってコントロールを乱す球も目に付いた。それでも力で押し込んでピンチを断ち切った。ウィック、ウェンデルケンの離脱で山崎に頑張ってもらうしかないので、スプリットに頼り過ぎず、自分を信じて投げて欲しい。
坂本が非常に良かった。チェンジアップの抜けが良く、低めで空振りが取れていた。2イニングをノーヒットで3三振。柴田の後逸するエラーがあったが、併殺で切り抜けた。ハマスタでは25試合で防御率0.00をマークしたが、今年はリリーフで存在感を示した。CSでも任されたところで仕事をこなして欲しい。
「セーブシチュエーション」で佐々木というパワーワード。1点は失ったが、移籍後初セーブを挙げた。ロッテ時代にリリーフとして活躍したが、プロ2セーブ目だった。この日はスライダーのコントロールがやや甘く、4安打を許した。カリステも甘く入ったスライダーだが、打ち損じてファーストゴロの併殺打。これが大きかった。
打線では、森敬が先制の犠牲フライ。9月以降は状態が良く、この連戦でも1本ずつではあるが5試合連続ヒット。梅津のアウトサイドへの150キロストレートをレフトへ打ち返し、打球の強さも見せた。5回は高いバウンドのゴロで、足で稼いだヒット。9回に左腕の橋本から粘って四球を選んだ点も評価できる。CSでの出番を掴み、来季に向けて大きく成長して欲しい選手。
5回は、森敬と林の連打でノーアウト1、3塁として、代打に牧。林がスタートしたが、牧の詰まったフライを田中が好守。林は戻れずに併殺となった。チャンスが一気にしぼんだが、梶原が追い込まれた後にインサイドのストレートを逆方向へ押っ付けてサードの頭を抜いた。試合展開としては、この2点目は非常に大きかった。
8回には残暑男の桑原が、藤嶋のストレートをレフトスタンドまで打ち込んだ。10月に入っているが、まだまだ暑さも残る。CSまで好調を維持し、チームを引っ張ってもらいたい。
そして、オースティンが3安打で首位打者のサンタナに肉薄。前日の時点では2打席凡退で.309だったので、首位打者は厳しいだろうと思ったが、3打席連続安打で固め打ち。3打席立ったところで年間の最終規定打席である443打席をクリア。NPB5年目にして初めてだが、過去2年は38、54打席だけ。2021年に規定打席目前でケガをした439打席を上回って、ようやく到達した。
4打席目でヒットが出れば首位打者に躍り出るところだったが、タイミングが合わずセカンドフライ。残り2試合に初のタイトルを懸ける。条件はキジで後述する。
ヤジ [Bad]
柴田は、久しぶりにセカンドに入った。CSまで10日を切って、若手と思い切った入れ替えができず、調整が必要な中で、牧に代わってスタメン出場。初回はさすが柴田という守備を見せてくれたが、セカンドでの悪送球と、サードに移った後にアンツーカーのバウンドを合わせられずに後逸した。
ミスをしない人間はいないが、守備を売りとした職人なので、1試合2エラーはさすがにちょっと。サードゴロは、送球まで考えて逆シングルで捕りに行ったが、アンツーカーでのバウンドの変化について行けなかった。若干守備にも衰えがあるのかなと心配になる姿でもあった。バントは安心して任せられるが、終盤に来てエラーが目立っているので、しっかりと調整して欲しい。
5回のノーアウト1、3塁では、一塁ランナーの林がスタートしたが、牧がインサイドの厳しいストレートを打ちに行って詰まり、フラフラと上がったフライを田中がスライディングキャッチ。林が戻り切れず併殺となった。
ランエンドヒットのサインであれば、初球を打つのは問題ない。牧も右方向への意識は感じられたが、打ちに行くには厳しいコースだったかなと思う。林のスタートが悪かったかどうかは分からないが、悪ければファウルを打ったり、盗塁を助けたりしても良かったのかなと思う。
三塁ランナーの森敬もフェイクを入れて、ノーアウト2、3塁にしてから牧が還すような形にしたかった。結果的に梶原がカバーしてくれて1点は取れたが、こういう場面での攻撃がしたたかにできるかどうかで、年間の勝率はかなり差が出て来ると思う。とにかく初球から右へ打ちに行くのではなく、もっと頭を使って攻撃したい。
キジ [Other]
70勝目に到達した。3年連続は、球団では1997年~1999年(72勝、79勝、71勝)以来、2度目となる。同一監督による3年連続70勝以上は、球団初。権藤監督は3年目が69勝だったが、当時は135試合引き分け再試合だったので、今よりも8試合程度少なかった。
残り2試合で70勝68敗3分となり、シーズンの5割以上も確定した。こちらも3年連続となり、1997年~2001年の5年連続以来。まずは借金を抱えてのCS出場ということはなくなった。残り2試合で1つは勝って、僅かではあるが貯金で終えたい。
そして、セ・リーグの首位打者の行方も急激に熱い展開となった。
サンタナ .31504 419-132
オースティン .31392 395-124
現状の差は.00112となっている。ヤクルトは5日に最終戦を迎えるが、サンタナは既に登録抹消されて帰国の途に就いており、出場することはない。オースティンは既に年間最終規定打席の443を超えているので、打率が上回った時点で出場しなければ良いので、首位打者が確定する。DeNAの順位も確定しているので、タイトルだけにフォーカスできる。
打率 | 打 | 安 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
.31566 | 396 | 125 | ○ | ||||||||
.31486 | 397 | 125 | × | ○ | |||||||
.31658 | 398 | 126 | × | ○ | ○ | ||||||
.31579 | 399 | 126 | × | × | ○ | ○ | |||||
.31500 | 400 | 126 | × | × | × | ○ | ○ | ||||
.31671 | 401 | 127 | × | × | × | ○ | ○ | ○ | |||
.31592 | 402 | 127 | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ | ||
.31514 | 403 | 127 | × | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ | |
.31436 | 404 | 127 | × | × | × | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
まず、最初の打席でヒットを打った場合は、ここで代走を出して交代し、最終戦も出場しなければ首位打者を獲得できる。次に、最初の打席で凡退した場合は、2打席目でヒットを打っても.31486にしかならないため、サンタナを上回れない。よって、最初の打席で凡退した場合は、2本ヒットを打たなくてはならない。
2打席凡退したとしても、後の2打席でヒットを打てば上回ることができるが、3打席凡退してしまった場合は2本ではダメで、3安打が必要になる。5日の試合で3打席凡退した場合は、逆転を懸けて6日の試合にも出場することになるだろう。
5日が4打数ノーヒットだとしても、6日に3打数3安打にもしくは4打数3安打であればまだ逆転が可能。6打席連続で凡退してしまうと、3安打でも足りないので、残り2試合ということを考えると絶望ということになる。どの打順に入るのか、何打席回るのかによっても変わって来るが、バンテリンドームの中日戦だと延長戦にでもならない限り6打席は回って来ないだろう。
まず最初の打席でヒットが出るかどうか。出なかった場合に、4打数2安打になれば逆転できる。5打数2安打の場合には翌日に持ち越しということになるだろう。今年は小笠原に5打数1安打とあまり打てていない。どんな結果になるだろうか。
5日は、高卒4年目の松本隆がプロ初登板初先発。ファームでは四球を出すも後続を内野ゴロで併殺に取り、意外と失点しないというパターンをよく見た。コントロールは良い方ではないので、ある程度歩かせることは想定するが、思い切って投げてもらいたい。チームとしても、3年連続の貯金で終えたいところなのであと1つ勝ちたい。
また、同日にはファーム日本選手権が宮崎で行われる。天気は何とか持ちそうかなという感じ。庄司とソフトバンクは前田の予告先発が発表されている。来季の契約を結ばない旨を通告されている大田、楠本も出場予定で、度会、石上、井上らルーキーも良い経験となれば。松本隆の投球と並行で気になるところ。
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