10/06 中日0-2横浜DeNA(バンテリン)
3回まで松木平に1安打と抑え込まれていた打線は、4回に佐野のヒットと牧の死球でランナーを溜める。宮崎の右中間へのフライで2アウト2、3塁とし、京田が軽く合わせてセンター前に落ちる2点タイムリー。5回以降は1安打に終わったが、先発の大貫が7回まで3安打無失点の好投。8回は佐々木、9回は中川颯が締めてプロ初セーブ。
ポジ [Good]
大貫が8月27日以来の登板となった最終戦のマウンドで好投を見せた。9月8日に登板する予定が、背中の違和感で登録抹消となり、ファームで再調整。9月24日の楽天戦で登板も、初回に5点を奪われ3回7失点。今季はもう難しいかと思ったが、最終戦に調整が間に合った。
初回は内野ゴロで2アウトを取ったが、福永と石川昂に一二塁間を破られる連打。しかし、細川を2ストライクからのスライダーでファウルフライに取った。2回以降は、大貫らしくコースを投げ分け、変化球を低めに集めて内野ゴロを打たせる投球。2回から6回はパーフェクトピッチング。
7回先頭の福永にヒットを打たれたが、後続をしっかりと打ち取り、7回90球で無失点の好投。6三振も奪い、思い通りの投球ができたのではないか。8月27日以来の6勝目。昨年は1つ上回ることはできたが、二度2桁勝利を挙げている大貫としては物足りない数字。3年連続で2点台をマークしているが、打線の援護がないこともあり、ケガに泣いたシーズンでもあった。本来であれば、東に次ぐ先発として期待されるところ。
2023年:10月1日のホーム最終戦でマダックス
2022年:10月9日、CS 1st第2戦で6回無失点の好投
最近2年は、10月に素晴らしい投球を見せている。CSファーストステージは、おそらく東、ジャクソンで入り、3戦目もケイかもしれないが、個人的には大貫の先発を推したいところ。もしファイナルステージへ進めば先発投手が4~5人必要となるので、大貫、吉野が候補になって来るだろう。
2番手の佐々木は、8回2点リードで登板。ウィック、ウェンデルケンの離脱もあり、ここ最近は勝ちパターンとしての投球が続く。昨年、現役ドラフトで指名されたが、正直なところ個人的にはかつてリリーフで活躍した投手という印象で、前年の笠原のこともありほとんど期待していなかった。
開幕はファームで迎えたが、リリーフ陣の不調、故障で昇格。しかし、敗戦処理と決めつけられ、なかなか登板機会がなかった。結果を出して自ら役割を上げて行った。8月は8試合で防御率0.82の活躍。9月に入って火消し、勝ちパターンでの登板と重要な役割も担った。防御率1.95、6ホールド1セーブの活躍で、リリーフが崩壊した中で、ベテランの存在はチームを大きく助けた。CSでも経験を生かし、ブルペンの力になってもらいたい。
9回に登板したのは中川颯。森原は大台の30セーブまであと1つだったが、この日もベンチ入りしなかった。それよりもCSに備えるということだろう。ここまで58試合の登板で、2019年の64試合に次ぐ登板数となった。昨年もレギュラーシーズン終盤に離脱し、CSはベンチ入りしたもののクローザーはウェンデルケンが務めた。今年は最後をしっかり締めてもらいたい。
中川颯は、村松と石川昂にヒットを打たれ、一発逆転サヨナラという場面で細川を迎えたが、最後はスライダーをアウトサイドのボールゾーンへ変化させ、空振り三振に仕留めた。プロ初セーブを挙げ、移籍後最初のシーズンを締めくくった。
オリックスを戦力外となり、野球を辞めることも考えたという中川颯は、地元のDeNAから支配下で声がかかり入団。先発として期待され、開幕当初はロングリリーフもこなしながら6試合に先発した。4月30日のバンテリンドームでプロ初勝利。奇しくも初セーブも同じ球場となった。
5月18日には自ら2ランも放つ二刀流の活躍を見せたが、故障もあって6月2日に登録抹消。2ヶ月ファームで再調整し、自らの希望もあってリリーフに転向。回跨ぎ、火消し、勝ちパターンとさまざまな役割を経験し、最後にクローザーも務めた。昨年まで1軍では1試合だけの登板だったが、多くの経験をした29試合。CSでも貢献し、来年へ繋げて欲しい。
両チームの投手陣が好投する中で試合を決めたのは京田。最初の打席は詰まりながらもレフト線へ落ちるポテンヒット。2打席目は、2アウト2、3塁のチャンスで、6球目のチェンジアップに合わせる軽打。センターの岡林がダイビングするも僅かに届かず、グラブからボールがこぼれた。
佐野のヒットと牧の死球で1アウト1、2塁となり、宮崎の右中間への大きなフライで、二塁ランナーが三塁へタッチアップ。この時、中日内野陣の連係ミスで、二塁に誰も入っておらず、一塁ランナーの代走の林も二塁へ進んだ。それにより京田の一打で2点が入ったことも、試合展開の上では非常に大きかった。
前日は田島の引退登板で代打として登場し、三振に終わっていた京田だが、チームが4安打という中で、しぶとい当たりながらマルチヒットと気を吐いた。森敬が9月以降好調なので出番は限られるかも知れないが、出番があればチームに貢献して欲しい。
ヤジ [Bad]
両チームの投手が素晴らしかったとは思うが、消化試合らしい雰囲気。ベイスターズは、佐野、牧、宮崎はスタメンに名を連ねたが2打席で交代。それ以降は神里のヒット1本で、レギュラークラスとの力の差を感じずにはいられない。
CSが控えているため、この3連戦も思い切った入れ替えができず、若手を試す消化試合ではなく、CSに向けたベンチメンバーの実戦機会となった。もう少しレギュラーを脅かすような存在が出て欲しいところだが、前日にマルチヒットをマークし、スタメンで出てもおかしくない蝦名とこの日のヒーロー京田くらい。あとのメンバーは代打でも期待値が低いし、守備固めくらいにしかならないといった雰囲気になってしまった。残りの5日間で調整し、出番で仕事ができるように準備して欲しい。
キジ [Other]
何かそういう気がしていたが、敗れると3年連続の最下位となってしまう中日だったが、松木平の力投も報われずに完封負け。大貫の投球も素晴らしかったが、最後まで得点力に悩む形になった。
ベイスターズとしては、最低限の目標であるシーズン勝ち越しとCS進出を果たした。今永、バウアーが抜け、最下位も含めてBクラスに予想する評論家が多い中、ジャクソン、ケイ、ウィックといった新外国人選手の活躍と、2年間ほとんど出場できていなかったオースティンが首位打者を獲得する活躍を見せ、何とか3位を維持した。年間を通してというところまで行かなかったが、梶原、蝦名、石田裕、吉野といった若手も飛躍し、貢献した。
これからCSがあるので、2024年の総括はまた改めてということにするが、7月初めに首位とゲーム差なしという位置に付けながら、勝負どころで9連敗し、9月の優勝争いに加われなかったことは非常に残念。ここまで2年連続でCSに進出できていただけに、もう観たいのはリーグ優勝だけになっている。以前のように3位でのCS進出に手放しで喜んではいられないが、一方でCSを戦えるのは当たり前のことではなく、この時期にヒリヒリする試合を観られることには感謝したい。
チームは横浜に一旦戻り、12日から始まる甲子園でのファーストステージに備える。昨年は最終戦からかなり日数が空くこともあり、ENEOSなどと練習試合を組んだが、5日間の調整期間は8月末に4試合連続中止となった時に近い。良い形でリフレッシュし、初戦に臨んで欲しい。
球団初のファーム日本一を達成した翌日、青山監督の退団が発表された。経緯はもちろん分からないが、今季限りというのは少し前から決まっていたのだろう。青山監督に続いて胴上げされた下園コーチも退任の方向のようだ。そして、同じく胴上げされた西浦は引退し、ヤクルトのコーチ就任が有力となっている。鶴岡コーチ、嶋村コーチの退団も既に発表されており、ファームは陣容が変わって行くことになる。
そうした中、7日からはもうフェニックスリーグが始まる。誰が指揮を執るのかは発表されていないが、残ったコーチで担当するのだろう。個人的には、三浦監督の次は藤田一也しかいないと思っているので、彼がファームの監督になるのか、別の誰かを招聘するのか分からないが、ここで指揮を執ってもらうと良いのかなと思う。
ケガで離脱していた石田健、ファーム日本一の胴上げ投手となった森唯のベテランも参加する。三嶋の名前はなかった。現在ケガでリハビリ中と思われる選手と1軍の出場選手登録をされている選手を除くとほぼ全員いるとは思うが、一部の育成投手は分からない部分がある。ディアスも名前はなかった。
CSでベンチ入りする若手も終わり次第、合流することになる。この実戦で力を付け、選手によっては今年もオフシーズンに海外へ派遣されることになると思うので、来年の飛躍に向けて各自がレベルアップして欲しいと思う。
CSもあるが、一旦レギュラーシーズンの143試合は終了。今年も数試合を除き、記事を書くことができた。皆様のご愛読を感謝するとともに、CSも引き続きお付き合いください。
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