10/13 CS1st 阪神3-10横浜DeNA(甲子園)
先発のジャクソンは初回、森下に先制ソロを浴びる。2回表に宮崎が二塁打で出塁すると、さらに連打でノーアウト満塁。ここで戸柱が走者一掃のタイムリーを放って逆転。さらに牧もタイムリーで4点目。その後は膠着状態が続いたが、7回に代打のフォードがソロを放つと、佐野が3ラン、戸柱の2点タイムリー二塁打で6点を追加して試合を決めた。ジャクソンは6回途中まで1失点の好投。2桁得点の大勝でファイナルステージ進出を決めた。
ポジ [Good]
エグいストレートを技で捉えた一打
初回の高橋遥人の投球を見て、エグいという言葉しか出なかった。佐野は四球で歩いたが、完璧な内容とボールだった。牧とオースティンから三振を奪い、これはジャクソンが完封でもしないと勝てないと思った。しかし、森下にソロを打たれて先制されてしまった。
そんな中で2回表は宮崎からの攻撃。宮崎は高橋と2019、2020年に対戦はあるが、公式戦で対戦したのは4年以上も前。実質的には初見と言っても良いくらい当時とは変わっているだろう。初球、ツーシームでストライク、2球目はスライダーが足元に外れた。3球目は真ん中ややインサイドの149キロのストレート。これを宮崎らしい体の回転で捉え、フェン直の二塁打。
エグいストレートが宮崎によって捉えられ、さらにランナーを置いてセットポジションになったことで、高橋のストレートへの信頼が少し揺らいだかも知れない。宮崎の一打が、このイニングの高橋の投球を大きく変えた。桑原にはツーシームで入ったが、進塁打を意識した右打ちでうまく拾われてライト前ヒット。さらに森敬の高いバウンドのゴロは、ファーストの大山が前進して捕るも、三塁ランナーの宮崎はストップ、一塁はベースカバーがおらずオールセーフでノーアウト満塁。
ここで戸柱が打席に入る。打順的に8番、9番なので少なくとも同点、1点くらい勝ち越せたらと思っていた。ストレートを狙っていた戸柱は、2球目が高めに浮いたところをきっちり捉えた。打球は右中間を転がり、近本がスライディングで止めたものの、俊足の森敬も生還して走者一掃の3点タイムリー二塁打となった。宮崎に続いてストレートを捉えたこの一打は、あまりにも大きかった。
なおもノーアウト2塁でジャクソンがバントを送ったが、梶原のセンターフライはやや浅く、戸柱の足ではスタートできなかった。それでも牧がツーシームをセンターの左へ運ぶタイムリー。この4点目も非常に大きかった。
それ以降は、キャッチャーが坂本に代わったこともあって高橋が立ち直り、ジャクソンとの投げ合いが続いた。6回から村上を投入したが、7回で一気に試合が決まった。代打のフォードが、3ボール1ストライクからの高めのストレートを完璧に捉えた。浜風の影響で、左打者は甲子園のライトスタンドには届かないが、これは打った瞬間に行ったと思うような素晴らしい当たりだった。
梶原、牧が連打で続き、村上を引きずり降ろすと、代わった富田から佐野が3ランを放ち、試合を決めた。佐野はプレミア12での代表入りが決まってから格段に内容が良くなった。さらに戸柱が2点タイムリー二塁打を放ち、2桁得点に乗せ、ワンサイドゲームに持ち込んだ。得点したのは2イニングだけだったが、繋いだ後に長打というベイスターズらしい点の取り方ができた。こうした一発勝負ではなかなか大量点は難しいが、破壊力十分の打線が見事なまでに機能した。
ジャクソンの好投、戸柱がアシスト
ジャクソンは、相性の良い阪神戦、甲子園で好投を見せた。立ち上がりに近本、中野を連続三振。力強いストレートに、チェンジアップを中心とした変化球が決まっていた。だが、森下にはインサイド低めのストレートを捉えられ、レフトポール際への先制ホームランを浴びてしまった。決して甘いボールではなく、インサイドのコースへ投げられていたが低めだった分、手が伸びて長打になった。これは打った森下が素晴らしかった。
逆転してもらった2回は、2アウトから木浪を歩かせてしまったが、2三振を奪いしっかりゼロに抑えた。4回は、それまでノーヒットだった佐藤輝に先頭打者で二塁打を許してしまったが、後続をしっかりと抑えた。5回は2四球で一発同点のピンチを招いたが、大山を3球三振に仕留めた。
この大山との勝負は、力強いストレートに振り負けないようにという意識がある中、初球ナックルカーブでストライクを取り、2球目はスイーパーがやや高かったがストライクを取ってもらえた。3球目はストレートを見せて来ると思ったが、チェンジアップで3球勝負。良い高さに決まり、完璧な配球と投球での三振だった。
9三振を奪ったことで球数が嵩んだ。6回2アウトから坂本を歩かせたところでちょうど100球。ここで三浦監督が出て交代となった。しかし、バッティングでもアシストした戸柱とのバッテリーで素晴らしい好投だった。代わった坂本は、左打者の方が苦手にしていたが、右の渡邉が代打で出て、良い当たりだったがレフトフライに打ち取った。
2回に4点を奪って逆転したが、その後は追加点がなかなか取れなかった。その状況で、ジャクソンが得点を与えずに粘ったことで、流れを渡さないまま7回の攻撃で試合を決めることができた。
ヤジ [Bad]
フォードの代打ホームラン、さらに佐野にも3ランが出て8-1。6点差をひっくり返される試合を目の当たりにしていたが、さすがに7点差となり東京ドームへ行けると思った直後、連日のアクシデントが襲った。
宮崎がサードゴロを打ったが、走っていない。自打球でもないし、ファウルと判断するコースでもない。もちろん走塁を抜くような選手でもない。すぐに何かあったのではないかと心配になったが、そこには足を痛がる宮崎の姿が映し出された。そして、すぐに歩けず田中コーチに背負われる。
この様子では東よりも重い肉離れを起こしてしまったのだと思った。大量点に沸いていたハマスタもザワついていた。せっかくファーストステージを突破しても、祐大、東に続き、この試合の流れを大きく変えるバッティングを見せた宮崎もいないのでは厳しい。
だが、試合後に宮崎は足がつってしまったという情報があった。もちろん、まだ翌日の様子を見てみなければ分からないが、軽傷である希望は少し出てきた。願わくば、2日の休みを経て再びスタメンに名前があることを。最悪でも東京ドームのベンチには入れる程度のものであって欲しい。こればかりは祈るしかない。
このケガさえなければ、先制は許したもののすぐにビッグイニングで逆転し、終盤に大量点で一気に試合を決め、坂本を除けば前日に投げていない投手だけでリレーできるという完璧な試合だった。
キジ [Other]
ファーストステージは思わぬ展開に
最初にお詫びしなければならないのは、CS前にテンションが上がっておらず、おそらく連敗で終わると思っていたこと。昨年があまりにも悔しい連敗だったし、終盤のチーム状態を見ても厳しいかなと思っていた。才木は状態次第とは思ったが、今年は対戦していなかった高橋を打つのはかなり難しいと予想していた。
初回の出来を見ても厳しいと思ったが、2回に高橋から一気に4点を奪っての逆転は本当に驚いた。リリーフに入っていた村上から、まさかフォードがホームランを打つとは。彼の魅力であり、期待されているところではあるが、代打で打つのは本当に難しいこと。ましてや左打者が甲子園のライトスタンドに打ち込むことはなかなかできない。それをやってのけ、さらに佐野もそのライトスタンドに3ランを打ち込んでしまうのだから、本当に分からない。何が起きるか分からないのが野球で、魅力的な部分。
これまでの阪神とのファーストステージは、3回とも2勝1敗で決着している。阪神がハマスタで二度勝ち抜き、DeNAは逆に甲子園で一度勝ち抜いている。初戦を取れたので、もしかしたら2勝1敗で勝ち抜くかもとは思ったが、高橋が先発した試合で2桁得点を挙げて連勝して決めてしまうとは。
7年ぶりのファイナルステージへ進むが、その道は険しい。宮崎は14日以降の様子を見ないとまだ分からないが、前日の走塁中に左ハムストリングを痛めた東はこの日、登録抹消となった。日本シリーズは別として、少なくともファイナルステージでの登板はない。ただでさえ先発の駒不足が否めないベイスターズにあって、東は欠くというのは非常事態だ。それでも阪神を破って進出したのだから、戦い抜かなければならない。
CSが始まる前は阿部監督としては、レギュラーシーズンで12勝12敗1分の五分だった阪神よりも、16勝8敗1分と好相性のDeNAが上がって来た方がいいと思っていたかも知れない。ただ、この打線の勢いで上がって来るのは想定外だったはずだ。焦ることはないだろうし、宮崎の状態次第ではあるが、少し打線の破壊力を意識させることはできた。
3位からの進出だし、前述の通り相性は最悪。ファーストステージ以上に負けて当たり前で失うものはない。読売の菅野、戸郷、山崎伊、グリフィン、さらに井上までいる5枚を破るのは至難の業で、厳しいの分かり切っている。それでも今年のセ・リーグの最後を飾る真剣勝負で、恥ずかしくない試合をして欲しい。阪神を相手にできた、DeNAらしい普段通りの野球を続けて欲しい。
「本当に観たいもの」はこれではないが、今年はこういう状況になってしまった以上、ファイナルステージを突破し、日本一になることを願いつつ、残りの試合も楽しんで行きたい。
パブリックビューイングの様子
初戦の勝利により、この日も連勝すればファイナルステージへの進出が決まる。前日に続いて天候も良く、3連休ということもあってかなりの人出になると予想していたが、想像以上に人が集まっており、開門は30分も前倒しになった。

日陰になるSTAR SIDEを狙って列に並んだが、11:45時点でSTAR SIDEのスロープから延びた列は、バックスクリーンしたのDREAM GATEを超え、&9バーガーショップの裏まで到達していた。さらに少し並び、外野のライト入口あたりまで列ができた。

12:00から順次、入場が進んで行った。バックネット裏、前列を狙う人が多いので、陽の当たらない上段は余裕を持って確保。終始、陽が当たらず少しひんやりとした爽やかな風を感じながら、気持ち良く見ることができた。
おそらくスマホでの中継だと思うが、甲子園での試合前練習の様子も中継されていた。音声は途切れることが多く、何を言っているか分からない部分は多かったが、選手も話をしてくれていた。

試合前には牧キャプテンからハマスタに集まったファンへのメッセージ。



グラウンドに選手はいないが、diana、マスコット、そしてスタジアムDJの山田みきとし氏がいつものように盛り上げてくれた。ハマスタバトルはないものの、イニング間イベントの大声出そうぜなども行われた。

台湾プロ野球を連想させるような、内野最前列のステージ。普段はできないが、パブリックビューイングならではのdianaのステージ。

代打のフォードに、この回2度目の打席。フォードのホームランは本当に盛り上がった。

10-3で大勝し、ファイナルステージ進出決定。ハマスタには2万4234人が集まったということで、歓声も非常に大きかった。
最後は、試合を終えたばかりの三浦監督が、パブリックビューイングに集まったハマスタのファンに向けて生中継でのインタビューと、Victory Celebrationを動画で。
ハマスタでのパブリックビューイングは、ファイナルステージでも行われることが発表された。土日も含めて全試合がナイターで行われる。日が暮れると肌寒さを感じるので、行かれる方は上着などを持って行くと良いかと思う。
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