10/18 CS fin 読売1-2横浜DeNA(東京D)
先発の吉野は2回、岡本に特大の先制ソロを浴びる。3回は1アウトからオコエのヒットと丸の二塁打で2、3塁とされ、岡本は申告敬遠。1アウト満塁で大城にストレートを捉えられるが、牧がダイビングキャッチで併殺に取る。流れに乗って、4回にオースティンが2戦連発となる同点ソロを放つ。5回は梶原のヒットと盗塁、牧の進塁打で1アウト3塁。2アウト後に赤星の暴投で勝ち越し。4回から佐々木、中川颯、山崎と繋ぎ、最後は森原が連投で締めた。
ポジ [Good]
この試合は、牧のスーパープレーで勝ったと言ってもいいと思う。それくらい大きなプレーだった。3回1アウト満塁で大城。2球目のストレートを捉えた打球は、球足速く二遊間へ。抜けたと思った直後、ボールへ牧の巨体が飛び込んで来た。完璧なタイミングでのダイビングでボールを捕ると、そのまま倒れ込みながら森敬にトスし、着実に一塁へ送球して併殺が完成した。鳥肌の立つプレーだった。
速い当たりだったので、抜けていても二塁ランナーの丸は還れなかったかも知れないが、さらにピンチが続き、ここで2番手の投手を出さざるを得なかったことを考えると、2点、3点分くらいの価値があるプレーだった。ここで追加点を奪われていれば、一方的な展開で負けていた可能性が高い。
オースティンも高いバウンドのゴロを好捕し、吉野へ体を張ったトス。一度はセーフと判定されたが、リクエストで覆った。森敬も4回に中山の二遊間へのゴロに追い付き、一回転して素晴らしい送球。守備で流れを掴み、逆転に繋げた。レギュラーシーズンではあまりない、守り勝った試合だった。
そして、先発の吉野が3イニングで降りた後、リリーフ陣がよく繋いでくれた。4回の佐々木は、2アウトから門脇を歩かせた後、佐々木対決でスライダーが甘く入ったが、フェンス手前で梶原が追い付いて事なきを得た。
5回からは中川颯。1番から始まる打順だったが、オコエから三振を奪うなど8球で三者凡退。回跨ぎで6回のマウンドにも上がり、アウトサイド低めのコーナーにストレートを決めて、大城と中山から連続の見逃し三振。
この日はコントロールが素晴らしく、思い通りにボールを操れていた。ヒーローインタビューにも呼ばれた中川颯だが、この2イニングで僅か1点リードとは言え、ベイスターズに流れを引き寄せたのは貢献度が高かった。堀岡に続いて、昨年の今頃に戦力外通行を受けた地元・神奈川県出身の選手がCSファイナルステージの舞台で好投。現役ドラフトで移籍した佐々木も含めて、新戦力が機能している。
7回からは山崎が登板。先頭の岸田を2球で追い込み、3球目のストレートが浮いてしまったが、セカンド正面で事なきを得た。門脇はスプリット2球の後、インサイドのストレートで見逃し三振。代打の秋広は2ボールからストレートでカウントを稼ぎ、最後はスプリットで空振り三振。
8回は伊勢なのか、森原が連投できないなら伊勢を9回に回して、また堀岡が行くのかと考えていた。ところが、8回表の攻撃中、ベンチ前に松尾と山崎が出てキャッチボールを始めた。まさかの回跨ぎかとザワついた。

8回裏のマウンドにも山崎が上がり、レフトスタンドは再びヤスアキジャンプ。一抹の不安を抱えながらも、翌日以降を考えると康晃に任せるしかなかったのかも知れない。
先頭の長野にはスプリットを続け、勝負球が一番甘くなってヒットを打たれた。オコエが送って1アウト2塁。連敗で1点ビハインド、後攻ということを考えるとまず追い付くというのは間違っていないが、オコエに繋がれるのが一番怖かった。丸は初球、高めのストレートに詰まり、ライトフライで2アウト。結果論だが、これも助かった。
岡本は申告敬遠し、再びピンチで大城を迎えた。1ボール1ストライクから、インサイドへストレートを決めて追い込むと、最後はスプリットをきっちり低めへ落とし、バットの先で当てただけのセカンドゴロ。空振りは取れなかったが、しっかりと勝負球を投げ切ることができた。
ウェンデルケンはベンチ入りしているものの、本調子ではなく勝ちパターンでは使えず、連勝の中で限られたメンバーで繋ぐ必要があり、山崎の回跨ぎを決断したベンチ、それに応えた山崎。レギュラーシーズンでは何度も苦杯をなめて来たが、ここで本来の活躍ができた。価値のある2イニングだった。
最後は森原が締めた。初戦は肩のコンディション不良でベンチを外れ、前日は9回を三者凡退で抑えてセーブを挙げた。そういった背景から、連投はないのかと思ったが、投入して来た。投げているボールを見る限りは、肩の状態の悪さは感じない。中山、代打の坂本を連続三振に仕留め、最後は門脇をフォークで当てただけのセンターフライに打ち取った。満身創痍だが、気持ちで投げていたと思う。さすがに3連投はないと思うので、4戦目の終盤にリードしていれば、堀岡と伊勢に頑張ってもらうしかない。
牧のスーパープレーでチームの気勢が上がったところで、オースティンが同点ソロを放った。前日の菅野から放ったホームランと相手投手の左右の違いはあるが、高めのストレートをコンパクトに捉え、同じようにライトスタンドへ運んだ。相手の4番がホームランで先制すれば、きっちりとお返しをしての同点ソロ。ファーストステージから調子が良いとは言えない内容だが、ここぞでのバッティングは本当に頼りになる。
ファーストステージで爆発した牧、佐野は良い当たりもあるが、なかなかヒットが出ない状態。他の打者がカバーし、守備を中心としたディフェンスで連勝を続けている。そろそろ、自慢の打線が火を噴いて欲しいところだ。
ヤジ [Bad]
前日に続いてリリーフ陣の頑張りによって逃げ切れたが、満身創痍の森原に連投を強いてしまったし、なかなか思い通りにはいかなかった。読売も1点ビハインドの9回に、CS初登板の大勢を投入して来たし、必死の継投だった。
簡単に打てる相手ではないが、追加点が取りたかった。6回に先頭の宮崎がラッキーな二塁打を放つも桑原がバント失敗。CSに入ってから初めて目立ったミスが出た。9回はその大勢から1アウト2、3塁という大きなチャンスを作ったが、戸柱と代打の筒香が連続三振。これができるからリーグを代表するクローザーに君臨しているわけだが、この1点が取れないことが致命傷にもなりうる。
日本シリーズに大手はかけたが、隙のない野球で勝ち切って欲しい。
キジ [Other]
ホントに勝ってよかった。個人的にはこの日から東京ドームに参戦。連勝スタートなのに現地に行った途端に負けたらキツいなと思っていた。前日に続いて重苦しい試合だったが、よく勝ち切ってくれたと思う。まさかワイルドピッチの得点が決勝点になるとは。守備も素晴らしかったし、リリーフ陣が良く投げてくれた。
今季のペナントレースでは、12球団ワーストの96エラーを記録。3試合連続でノーエラーだったこともなかったと聞いた。それがCSではエラーがないどころか、スーパープレーを連発。特にこの日は牧の好守で流れを引き寄せて逆転勝ち。そして、もう一つのウィークポイントと言われた投手陣が、連日奮起してくれている。
言うまでもなく嬉しいのだが、あまりにもレギュラーシーズンと違う姿を見せられ、これは俺が知っているベイスターズではないという気持ち悪さがあり、戸惑いが隠せない。でも、このCSを通してチームとして成長できているとすれば、今後の財産になるだろう。
3連勝で一気に王手をかけたが、決まったわけではない。最後の1勝が一番難しい。余計なことを考えることなく、目の前の試合を勝つためにそれぞれが自分の役割を果たす。シンプルに考えて欲しい。筒香や戸柱、桑原、山崎らあの下克上の経験者がいるから大丈夫だと思うが、経験の浅い選手を支えて欲しい。
我々も浮かれることなく、応援して行きたいと思う。


ベイスターズの練習中に東京ドームに到着。

観戦仲間が当てた席は、応援団のすぐ前。ちなみに19日もほぼ同じ位置で観戦予定。

先発の吉野

始球式は、オリンピックで大活躍の柔道・角田夏実選手

2イニングを投げた山崎。7回を抑えて戻って来る選手たちを先頭で出迎える。

頭の上を応援団の旗が通過して行く位置。

9回、チャンスで代打の筒香が登場。非常に盛り上がったが、大勢の前に見逃し三振。

最後は森原が、門脇を当てただけのセンターフライに打ち取る。

勝利のハイタッチ

ヒーローインタビューは2回無失点の中川颯

痺れる試合だった
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