10/27 日本シリーズ 横浜DeNA3-6福岡ソフトバンク(ハマスタ)
先発の大貫は初回、山川に2ランを浴びて先制を許すと、3回はノーアウト満塁のピンチを招く。1アウト後、牧原大に2点タイムリーを浴びて降板。代わった佐々木が甲斐に犠牲フライを許し、5点目。4回は濵口が登板するも、山川にタイムリーを打たれて1点を失った。だが、5回以降はリリーフ陣がパーフェクトリレー。打線は、5回に桑原の2点タイムリー二塁打で反撃すると、7回にも牧がタイムリー二塁打。しかし、後続は断たれて追い上げ切れなかった。ハマスタで痛い連敗スタート。
ポジ [Good]
序盤に大量点を奪われてしまったが、5回以降はリリーフ陣がパーフェクトピッチングで繋ぎ、一方的な展開にせず、反撃ムードを高めた。
4回から登板した濵口は、周東の二塁打の後、山川にスライダーを三遊間へ運ばれ、森敬が僅かに追い付けず、弾いてしまいタイムリーに。だが、5回は三者凡退で片付け、味方の反撃を呼んだ。個人的には濵口を第4戦の先発に使って欲しいと思っていたが、このシリーズはリリーフで行くようだ。
6回は中川颯が登板。モイネロ、周東から三振を奪って三者凡退に抑えた。その裏は打席に立ち、7回も続投。山川から三振を奪い、2アウトとしたところで坂本に交代した。前日に続き、日本シリーズの舞台で好投を見せた。
坂本も栗原から三振を奪うと、8回も回跨ぎで続投し、三者凡退で片付けた。ダウンズへのチェンジアップは少し浮いたが、フェンスの手前までしか飛ばなかった。ハマスタで防御率0.00という相性の良さを見せ、2試合とも良い仕事をしてくれた。
9回は伊勢が日本シリーズ初登板。打たせて取る投球で、9球で片付けた。ゾーン内で勝負できていたし、ボールに力もあった。
6点ビハインドと苦しい展開になったが、5回1アウトから森敬がストレートを弾き返し、モイネロに当たる強襲ヒット。どうやらベルトに当たったらしく大事には至らなかった。代打の松尾は、これが日本シリーズ初出場。いきなり初球の150キロストレートを捉え、三塁線を破る二塁打。
若い二人が作ったチャンスで、桑原が甘く入ったチェンジアップを捉え、左中間を破る2点タイムリー二塁打。なかなかモイネロから得点を奪えない中で、反撃ムードを呼び込む一打だった。
7回にも2アウトから桑原が三塁線を破るヒット、梶原が一二塁間を抜いて繋ぎ、モイネロを降板させた。代わった尾形から牧がストレートをレフト線へ弾き返し、タイムリー二塁打。
桑原、梶原、牧の1~3番がいずれもマルチヒットで、少し攻撃の形が見えて来た。松尾は、6回からマスクをかぶり、リリーフ陣とのバッテリーでパーフェクトリレーを完成させて見せた。CSから不振が続く宮崎は、ようやく一本ヒットが出た。
連敗という苦しいスタートになったが、若い選手たちに結果が出て、良い経験を積めた。牧、宮崎にもヒットが出て、体勢は整いつつある。それを何としても勝利という結果に結び付けたい。
ヤジ [Bad]
大貫は、前回のCSファイナルステージでは読売打線を7回途中まで1失点に抑える好投を見せ、第2戦の先発として自身初となる日本シリーズの登板を勝ち取った。立ち上がり、柳田をストレートで空振り三振に取り、周東にはスライダーをライト前に運ばれるも、今宮もスプリットで空振り三振に取る好スタートを切っていた。
2アウト1塁で山川を迎え、初球はインサイドのツーシームで空振り、2球目は低めにスプリットを落として空振り。3球目はアウトサイドにストレートを見せた。1ボール2ストライクからの4球目にバッテリーが選んだのはカーブ。戸柱はアウトサイドにという動きを見せたが、失投でややインサイドの高めに浮いた。
山川が反応し、高々と打ち上げた打球は滞空時間の長いアーチとなった。レフトホーム応援席に座っており、打球は隣のブロックのすぐ前に落ちて来て、ハイライトでも打球が飛び込んだ時に上空を見上げている自分の姿が映っていたが、こんな高く上がった打球がここまで届くのか、という感じ。本来なら少し上がり過ぎでフェンスギリギリの外野フライとなりそうなほどの高さだった。さすがホームラン王だなというバッティング。
良い形で追い込んだだけに勿体ない1球だった。カーブで目先を変えたかったのか、見逃し三振を取りに行ったのかは分からないが、アウトサイドにしっかりコントロールしたかった。この1球で試合の主導権を握られ、2回は何とかピンチを断ったが、3回に捕まってしまった。
10月の大貫には信頼感があったが、3回途中で5失点と試合を作れずにKOされてしまったことは大誤算だった。
前日も拙守があった梶原だが、この日もミスが重なった。3回に牧原大のタイムリーで捕球ミスがあり、2者が還るだけでなく、打者走者も含めて全てのランナーが進んでしまった。さらに甲斐のライトフライはライン際ながら浅かったが、ホームへの送球が三塁側へ大きく逸れて生還を許した。
簡単ではないが、あの位置であれば刺して欲しかった。自らのエラーで進めてしまったランナーだけにカバーできるチャンスだったが、ミスを重ねる結果となった。バットの方ではマルチヒットをマークしたが、守備で足を引っ張っている。そこまで守備に問題がある選手ではないだけに、緊張感なのか分からないが、らしくないプレーだった。雨が降っていたことは言い訳にならない。PayPayドームも慣れた球場ではないので、念入りに確認して繰り返さないようにして欲しい。
5回に2点を返した後、1アウト1、3塁のチャンスが続いた。ここで一気に点差を詰めたかったが、牧が2球目のチェンジアップをこねて、ショートゴロ併殺打。追い込まれていたわけではないので、もっとしっかりと捉えられるボールに狙いを定めて欲しかった。打たされたような形での併殺打は残念だった。
7回はその牧がタイムリー二塁打を放ち、なおも2アウト2、3塁。ここでこの日オースティンに代わって4番に入った筒香が、ややインサイドに入って来たスライダーに全くタイミングが合わず、バットの先に当たったショートゴロで凡退。ここでもあと一歩、点差を詰めることができなかった。
オスナは前日33球を投げていたが、3点差の9回裏に登板。この日は10球で三者凡退に片付けられてしまった。クローザーが連日の失点をするわけには行かないという投球だったが、前日の反撃を繋げられなかった。
オースティンがこの日は練習にも参加せず、ベンチを外れた。前日に自打球を足に当てており、その影響もあって9回裏に二塁打を放った後代走が送られていた。骨には異常はなく打撲ということだが、状態はあまり良くない様子。1日移動日を挟み、火曜からの試合に出場できるかどうか。福岡ではDHもあるので、うまく使っていきたい。
キジ [Other]
CSを勝ち抜いてハマスタへ戻って来たベイスターズだが、残念ながらハマスタでの勝利を見せることはできなかった。ホークスの強さは分かっていたとは言え、厳しい結果になった。何とか反撃は見せたが、いずれも先に5点、6点と取られ、打線は序盤を封じられてという展開。なかなか勝機を見出すことができなかった。難しいと分かっていても負ければ悔しい。
それでも、高卒2年目の松尾が早くも日本シリーズ初ヒットとなる二塁打を放ち、桑原の2点タイムリーに繋がり、押せ押せであと一打という場面を作ってくれたことは、現地のファンとしては嬉しかったし、楽しい時間だった。
読売を破ってセ・リーグ代表として出ているわけだから、日本シリーズに出られたことを満足しているだけではダメ。いくらソフトバンクが強くても、1つでも2つでも勝つという執念を見せて欲しい。工藤監督時代に日本シリーズ12連勝を飾っていて、4年ぶりの出場で監督も変わっているが、14連勝に伸びた。まずこの連勝を何とか止めたい。
本拠地での連敗スタートでかなり苦しくなった。4連敗での敗退もチラついて来る。しかし、2017年の日本シリーズも3連敗で始まったが、ハマスタで連勝し第6戦もあと一歩で勝利というところまで持って行った。今回は3戦から5戦がビジターという日程なので、なかなか厳しいとは思うが、CSも全てビジターで6勝2敗の好成績だったし、今季はレギュラーシーズンも37勝32敗2分とビジターの成績が上回った。
ソフトバンクはDHなら近藤が出られる見込みで、さらに打線が強力になるが、それはこちらも同じで、オースティンが戻れるようであればDHでの出場の選択肢もあるし、フォードや筒香も出られるようになる。一発頼みの攻撃でもあるので、ホームランテラスに打ち込むことも可能。ただ、前回の日本シリーズも福岡では1つも勝てなかったし、ソフトバンクは2011年の第7戦から16連勝中と驚異的な強さを誇る。
厳しい数字が並ぶのは当然。それでも何とかもう一度ハマスタへ戻って来ることを願い、敵地での戦いを横浜から見届けたいと思う。
ソフトバンクの練習中。バッティングをしているのは12番、嶺井。
ビジョンでは過去の日本シリーズの名場面。
バックネット裏のコンコースでは、通常のBAYSTORE HOMEに加えて、NPBの日本シリーズグッズショップにも長打の列ができており、人でごった返していた。17時過ぎの時点で、試合開始に間に合わないとアナウンスされているくらいの列だった。
スタメン発表でレフト側にも手を振るスターマン。
青い光で照らされるメンバー表交換中の両監督と審判。
この日はレフトでスタメンの筒香。
Xでもポストしたが、モイネロは先発投手だが、ブルペンからリリーフカーで登場。いきなり登場したので何事かと思った。ギリギリまでブルペンで投げて調整するタイプなのかも知れない。昨年まで長くリリーフを務めて来たので、そういった関係だろうか。
松尾汐恩の日本シリーズ初打席。見事に初球を打ち、二塁打だった。
前日のライトウィング上段とはまた違ったコレオグラフィー。
逆転を期待しての応援。
残念ながら終盤は勝ちパターンの前にパーフェクトリレーを喫した。
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