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ソフトバンクを止めた!桑原の突撃、復活の東がHQS

10/29 日本シリーズ 福岡ソフトバンク1-4横浜DeNA(みずほPayPay)

初回、先頭の桑原がライト線への二塁打で出塁すると梶原が送り、1アウト3塁から牧の内野ゴロ間に先制。しかし、先発の東が1回裏に近藤のタイムリーで追い付かれてしまう。再三のチャンスを逃して迎えた5回、桑原が代わった大津から勝ち越しソロ。さらにノーアウト満塁から筒香の犠牲フライで2点をリード。8回には戸柱がタイムリー二塁打を放った。東は10安打を浴びながらもHQSをマークし、日本シリーズ初登板で初勝利。

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ポジ [Good]

ハマスタで連敗となった試合後、牧キャプテンが全員を集めてミーティングが行われた。7年前の日本シリーズは結果が出ずに悔しい思いで敗退を味わった桑原が、「負けて悔しくないんか?」と檄を飛ばしたことが報じられていた。

このままではやられるという気持ちから、何かを変えようと発した言葉だと思うが、そう言った以上は自らが結果で示さなければならない。気負い過ぎたり、力み上がったりすることもなく、桑原は初回先頭打者として、ライト線へ二塁打を放った。速球投手のスチュワートJr.のストレートを冷静に逆方向へ運び、チームに勇気を与えた。梶原が送り、牧の内野ゴロで3試合目で初めてとなる先制のホームを踏んだ。

そして2回裏は、先頭の正木が放ったセンター前へのライナーに素早く反応。桑原が何度も見せて来た、前方へのダイビングキャッチ。スーパープレーで東をサポートし、チームを盛り上げた。

5回には、またも先頭打者として打席に入り、代わったばかりの大津の浮いたカットボールを捉え、左中間へ勝ち越しのソロを放った。野手は桑原だけが奮闘しているかのようだった。1番打者のこの突撃に他の選手も奮起、ようやくこの回に追加点を奪う攻撃を見せた。

7年前の忘れ物を取りに来た選手が、苦い思い出が残る福岡の地で躍動し、連敗の雰囲気を自らの攻守に渡る活躍で一気に変えた。これだけ雰囲気を持って来られる選手はなかなかいない。見事な活躍だった。

CSファーストステージの初戦で、走塁中に左ハムストリングの肉離れで戦列を離れていた東が復帰。2017年の日本シリーズの2日前にベイスターズからドラフト1位指名された東は、日本シリーズ初登板。チームを信じて治療と調整に専念し、念願叶ってファイナルステージを突破し、このマウンドに上がることができた。

まだコンディションは万全とは言えないが、32試合連続QSをマークしていた時のように、ランナーを背負っても落ち着いた投球でホームを踏ませなかった。初回は、柳田の打ち取った当たりが内野安打になり、山川のショートゴロは併殺コースだったが、ランナーと重なった影響で森敬がファンブルし、1つだけしかアウトが取れなかった。

不運が重なり、近藤には巧く打たれてショートの頭を越えるタイムリー。さらに筒香が打球の正面に入れず、捕球体勢が悪いところを突かれ二塁打となってしまった。2アウト2、3塁と逆転のピンチだったが、ここは今宮を三振に取り、同点までで止めた。

2回以降も毎回ヒットを許し、ピンチの連続だったが、粘り強く投げて追加点を与えなかった。10安打を浴びたものの無四球。7回を105球でまとめてHQSをマークした。6回は少しボールが浮いている感じがあったので、2アウト1、3塁で甲斐という場面で中川颯を投入しても良いのかなと思ったが、高めのストレートで押し込んでファウルフライに打ち取った。

7回も続投し、2アウトから柳田にヒットを打たれたが、栗原をスライダーでセカンドゴロに打ち取った。繋がれたら山川のところで中川颯に交代していただろう。しっかりと7回を投げ切ることができた。

万全のコンディションではない中で、投げ方や力の入れ方も工夫し、メリハリを付けた投球を見せた。技術力が高いからこそできる投球。今永も届かなかった日本シリーズでの勝利投手を手に入れた。7回まで投げたのは基本的にはこれが日本シリーズ唯一の登板というところもあるだろう。7戦まで縺れた場合に、リリーフでのスタンバイがあるか。まずは横浜へ戻るために残り2試合は応援に回る。

8回は伊勢、最後は森原が締めた。伊勢はフォークがやや高めに浮き、キレも今一つという感じだったが、スピードガン以上にストレートの球威は感じられた。近藤はなかなか打ち取ることができず、12球粘られた末に歩かせたが、後続をしっかりと断った。

森原は3点差で日本シリーズ初登板。パ・リーグ出身で、ソフトバンクを相手にPayPayドームで何度も投げて来た。周東には最後に力が入って歩かせてしまったが、代打の中村晃、柳田を内野ゴロに打ち取って、日本シリーズ初セーブを挙げた。ハマスタでの2試合は出番がなかったが、ようやくクローザーとしての役割を果たし、ここから活躍を期待したい。

3投手をリードし、スミ1に抑えた戸柱。ハマスタでの2試合、特に2戦目は早い回で大貫が捕まり、大量点を許す結果になった。この日は東とのバッテリーで苦心のリード。再三のピンチを二人で乗り越えた。CSのMVPがバットでも活躍し、8回には代走の林を右中間への二塁打で還し、貴重な追加点となった。フォークが高めに浮いたところを逃さず、思い切りの良さが出た。

この日はオースティンが復帰し、筒香は5番レフトでのスタメン出場。4回に左中間へ落ちる二塁打でチャンスメイク。5回は桑原のソロで勝ち越した後のノーアウト満塁で打席に入ると、大津の真ん中に入ったストレートを捉えた。打球はあわやグランドスラムというフェンスギリギリのライトフライ。柳田がフェンスに当たりながらキャッチするファインプレーに阻まれたが、貴重な3点目の犠牲フライになった。バッティングの感触は良くなっているのではないか。DHのある福岡では引き続き活躍を期待したい。

オースティンがDHながらスタメン復帰。最初の打席でレフト線への二塁打を放った。バッティングは問題ないようだが、走塁では自打球が当たった足が痛むようで、二塁ベース上で苦悶の表情を浮かべた。それでも勝利への執念を見せ、3回の見逃し三振では球審に強い言葉をかけながらベンチに戻った。個人的にもボールと思ったが、退場を宣告されかねないところだった。言いたくなる気持ちは十分に分かる。

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ヤジ [Bad]

初回、エラーにはならなかったが、守備で2つ東の足を引っ張った。柳田のボテボテのショートゴロを森敬が前進し、一塁送球。やや難しいショートバウンドになったが、佐野が止められず内野安打となった。良い送球がベストではあるが、目一杯のプレーでなかなか難しい。ファーストにはカバーして欲しいところだが、オースティンがDHに回り代わって入っている佐野には酷か。

このプレーに限らず、今年はオースティンがファーストに入ることが多かったが、悪送球をなかなかカバーできなかった。それが96というエラーの数にも結び付いてしまっている。ロペス、ソトとセカンドも守れるレベルの名手が守って来て、これまではかなりカバーしてエラーを未然に防いでいたことが分かる。オースティンはその分バッティングで貢献してくれているし、ファーストの守備力に頼らないように内野のレベルアップが必要だ。

栗原に繋がれて1アウト1、2塁で山川。一発が怖い場面で、東がアウトサイド低めのストレートを引っかけさせた。打球は強いゴロとなり、二塁ランナーの柳田がギリギリでジャンプして避けた。この動きにも影響されたのか、回転がかかっていて人工芝でもイレギュラーしたのか分からないが、森敬がジャックルし、アウトは二塁だけしか取れなかった。

ランナーの動きもあり、難しいゴロだとは思うが、プロのショートなのでこの打球であれば確実に併殺は取って欲しかった。次が難敵の近藤だけに回さずに終えたかった。

5回、ノーアウト満塁から筒香の大飛球がライト後方へ。二塁ランナーの牧は三塁の手前まで行っていて、犠牲フライで三塁へ進めなかった。ヒットになれば還りたいという気持ちは分かるが、ノーアウト満塁での二塁ランナーは、捕られた場合に1アウトで三塁に進むことを最優先すべき。

もしホームランテラスまで届けば当然還れるし、フェンスに当たった場合に最悪還れなくても1点入ってノーアウト満塁が続く。1アウトになって二塁で止まってしまえば、1点しか取れない可能性が高まってしまう。実際に牧は還れずに終わってしまった。打球判断だけでなく、場面によってどういう動きをすべきなのか、もう少し考えて野球をしてもらいたい。

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キジ [Other]

日本シリーズは2018年の第3戦から14連勝、本拠地の福岡では2011年第7戦から16連勝中だったソフトバンクをついに止めた。ハマスタで連敗してしまった中で、これまでセ・リーグのチームが何度も苦戦を強いられて来た福岡で止めることができた。

先日も書いたが、ソフトバンクは4年ぶりの日本シリーズ進出で、監督も代わっている。2018年は広島に1敗1分から4連勝、2019年と2020年はいずれも読売に4連勝で日本一を決め、2017年にDeNAを4勝2敗で破ってから4年連続日本一を達成した時のチームとはまた少し違う。

それでも、今季はレギュラーシーズンで91勝を挙げ、CSファイナルステージも3連勝で勝ち抜いて来たチーム。強いことには変わりない。CSファーストステージからビジターで負けられない試合を続けてきた中でチームが成長し、最強チームからも勝ち星を掴むことができた。

本気で4連敗で終わることを心配していた身としては、これで行ける!というよりも、1つ勝てて本当にホッとしたという思い。3位からの出場だから仕方ないという面はあるが、さすがに4連敗で終わってしまうと盛り上がらなかった日本シリーズとなってしまいそうだったので(2年で日本シリーズ8連敗し、その3位に負けたチームには言われたくないが)。

結果は別として、もう一度ハマスタで日本シリーズを観たいので、何とかあと1つ勝って帰って来てもらいたい。3連戦の初戦には勝ったが、もう1つ取るというのは簡単ではない。ハマスタでは5-0、6-0と先に大きくリードされてしまったことが響いただけに、先制点の大きさを痛感する。

30日は石川とケイの先発。ケイには東に続いてもらって、味方が先制するまで何とか点をやらずに凌いでもらいたい。読売とのファイナルステージ初戦のような投球ができれば。最終戦も守備に足を引っ張られてしまった部分はあったが、そこまで悪くなかった。好投を期待したい。

公式戦での石川との対戦は、最近2年はなく2022年まで遡る。その時は、佐野が3-3で1本塁打、桑原と宮崎が3-2、牧も3-1という成績。2年余り経過しているのでお互いに変わっているとは思うが、良い印象で入って行けるのではないか。連勝すればハマスタへ戻ることが確定するとともに日本一の可能性も見えて来る。1つ勝ってチームとしても落ち着いたと思うが、同じ一戦必勝の気持ちで戦って欲しい。

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