10/30 日本シリーズ 福岡ソフトバンク0-5横浜DeNA(みずほPayPay)
先発のケイは、初回に3者連続三振の立ち上がりを見せると、3回までパーフェクトピッチング。4回、オースティンが石川のストレートを捉え、ライトへ先制ソロ。ケイは、4回以降は毎回ピンチを招くも粘り強い投球で得点を与えず。7回、宮崎が尾形のストレートを完璧に捉え、レフトスタンドへのソロで待望の追加点。さらに1アウト満塁から桑原が2点タイムリー二塁打。オースティンもタイムリーで続き、この回4点を奪い、ゲームを優位に進める。ケイは7回3安打無失点の好投。坂本からウェンデルケンに繋ぎ、完封リレーでの完勝で2勝2敗のタイに戻した。
ポジ [Good]
ケイが来日以来、最高の立ち上がりを見せた。ソフトバンクとは初対戦となったが、前日の東の投球も追い風に、ストライク先行の投球。柳田をスイーパーで空振り三振に取ると、周東もスイーパーで空振り三振。栗原には153キロ前後の速球を続け、最後はインサイドへツーシーム気味に速球を投げ込み、3者連続の空振り三振に仕留めた。
2回も山川からチェンジアップで空振り三振を奪い、近藤は2球目のスライダーを引っかけてセカンドゴロ。今宮はインサイドへのカットボールで空振り三振に仕留めた。ジャクソンが初戦で5者連続三振の日本シリーズタイ記録をマークしており、ケイは5者連続とは行かなかったが、2回で5三振を奪う快投だった。
3回も甲斐からスイーパーで空振り三振を奪い、パーフェクトピッチングで6奪三振。先制点を貰った後の4回は、先頭の柳田にバットの先で拾われ、ライト前に落ちて初ヒットを許したが、後続を断った。5回は、近藤からも高めのストレートで三振を奪い、今宮に二塁打は許すも得点を与えなかった。
6回はランナー二人を置いて栗原、山川をいずれも打ち取った。ここでの踏ん張りが効いて、味方が4点を追加。7回もマウンドに上がり、先頭の近藤にヒットを許したが、ここも後続を断った。
力強いストレートをゾーンに投げ込み、戸柱のリードでスイーパー、カットボール、チェンジアップを織り交ぜて的を絞らせなかった。特に1巡目は、ソフトバンクの打者も球筋がイメージできておらず、ストレートを意識した中で変化球にバットが当たらなかった。6回周東を歩かせたのが唯一の四死球というのも、この日の良さを物語っていた。
6月ごろのゾーンで勝負して行くスタイルが戻って来た。相手に慣れられたこと、打ち込まれて考えすぎたことでボール先行の投球になっていた。CSファイナルステージ初戦の読売戦も非常に良かったが、それを上回る出来だった。打線が石川を攻略できなかっただけに、終盤まで1点のリードを守り通したことは非常に大きかった。
ケイを援護したのは、オースティン。4回、石川のストレートを捉え、打球はライトへ鋭く飛んで行き、ホームランテラスへ飛び込んだ。1ボール2ストライクと追い込まれたところで、真ん中付近に入って来た失投を見逃さなかった。7回にもダメ押しに近い5点目のタイムリーを放ち、この日は3安打。自打球で負傷した足の状態はまだ良くはなさそうだが、4番にいるといないでは大違い。何とか福岡で3試合DHで出場し、ハマスタではファーストの守備に就けると良いのだが。
宮崎にようやく日本シリーズ1号が飛び出した。2017年の日本シリーズでは2本塁打を放つなど、敢闘選手賞を獲得しているが、ここまではCSから続く不振に苦しんでいた。6回にオースティンの打席で登板した緒方が、154キロのストレートで空振り三振を奪い、7回も回跨ぎで登板して来た。ストレートに狙いを定め、2球目が甘く来たところを強振した。打球はホームランテラスを超え、レフトスタンドまで届く完璧な一打だった。これで状態を上げて来てくれれば心強い。
前日のヒーロー、桑原がこの日も躍動した。7回に1点を追加してなおも1アウト満塁という場面で、代わった岩井からレフトオーバーの2点タイムリー二塁打。2球で追い込まれたが粘り、8球目の低めへのスライダーをすくい上げ、フェンスまで運んだ。集中力が高く、素晴らしい打席だったと思う。その後も9回にもヒットを放ち、3打席連続ヒットで猛打賞。シリーズ男になりつつあり、今後の試合もチームを引っ張って欲しい。
7回の一挙4点には、若い二人もしっかりと貢献した。梶原は、フォークに当たり損ねのショートゴロだったが、俊足が生きて内野安打。かなり際どく、ソフトバンクもリクエストしたが覆らなかった。佐野の打席で、甲斐から盗塁を決めてノーアウト2塁とチャンスを拡大した。
1アウト1、2塁となって9番の森敬は、追い込まれるもファウルで粘り、6球目のスライダーをキレイに打ち返し、投手の頭上を越えるセンター前ヒット。1アウト満塁にチャンスを広げ、桑原の2点打に繋げた。守備の乱れもあった二人だが、この日はきっちりとした守りを見せ、バットでも貢献した。
フォードが代打で右中間への二塁打。7球目のストレートが甘くなったところをきっちりと捉えた。筒香が、前日は二塁打とあと少しでホームランという犠牲フライがあったが、この日はノーヒット。佐野も今一つ状態上がらずというところで、左腕も苦にしないので、福岡での3戦目はDHでフォードを使っても面白いかも知れない。
牧は、バッティングでは完全に乗り遅れているが、ライナーに飛びつく好守はあった。あとは牧が打ってくれればというところだが、日本一を決める一打を持って行くことを期待したい。
ヤジ [Bad]
打線は石川をなかなか打てず、オースティンのソロによる1点に終わったが、リリーフから7回に4点を奪って試合を決めた。前日登板している伊勢、森原を温存する展開にできたうえに、坂本、ウェンデルケンがきっちり抑えて完封リレーを完成させた。理想的な展開で2勝2敗のタイに持ち込めた。
7回の攻撃は、宮崎のソロで待望の追加点を取った後、梶原の内野安打と盗塁でノーアウト2塁。ここで佐野が2ストライクからストレートに空振り三振。かなり引っ張る意識はあって、強引に当てようとして空振りした。ストレートが速い投手なので、ストレートはファウルにして変化球を投げさせて引っ張るように持って行きたかった。判断力と技術が必要だが、強いチームはそれがやれている。
しかし、戸柱が歩いた後、森敬がヒットで繋いでカバーできた。それが桑原の2点打にも繋がった。ミスがあってもカバーできれば勝利は手繰り寄せられる。CSを前にミスをしても忘れろと声をかけた三浦監督の方針が奏功している。残りの試合も基本は大事に、積極的にプレーして欲しい。
キジ [Other]
日本シリーズの連勝、福岡での連勝を止めた翌日は、中盤までは1点を争う緊迫の展開も、終わってみれば完勝で2勝2敗のタイに持ち込んだ。ソフトバンクにとっては2017年のDeNA以来となる2敗を喫するシリーズになったが、あれも3連勝の後の連敗だったので、4戦目以降でタイに持ち込まれるのは、2011年の中日とのシリーズで3勝3敗となって以来。
前日、ソフトバンクが日本シリーズでは2011年の第6戦以来となる福岡での敗戦で、16連勝がストップしたが、その2011年はヤフードームで開幕したが中日が連勝。しかし、ナゴヤドームではソフトバンクが3連勝している。そう、今年と同じく「外弁慶シリーズ」だった。2011年は6戦目にヤフードームで中日が勝ったが、7戦目はソフトバンクが初めてホームゲームを制し、日本一になっている。今年に当てはめると・・・つまりそういうこと。
ハマスタでの2試合は、打線がなかなか得点できない中、CSでは頑張って来た投手陣が打ち込まれて5点、6点と大量失点した。ただ、内容を見るとジャクソンが有原に2点打を許したのは痛かったが、それ以外は堀岡と大貫がビッグイニングを許してしまっただけ。ソフトバンクの強力打線はしっかりと抑えている。この日も、ケイが来日最高の出来という内容だった。5点リードでも坂本、ウェンデルケンがきっちり抑えて相手に流れを全く渡さなかった。
福岡で1つ勝てるかどうかと思ってスタートしたが、まさかの連勝。今季の交流戦ではDHのあるビジターは8勝1敗で、エスコンで大貫が大量失点した試合以外は勝っている。ロッテ、西武の状態が悪いタイミングで当たっただけと思っていたが、どうやらビジターかつDHありというのは、鬼に金棒状態なのかも知れない。特にオースティンが自打球の影響で守備に就けない状況で、DHがあるというタイミングの良さもある。
これで第6戦まで行われることが確定し、ハマスタへ戻れることになった。ハマスタに戻ることを誓い、CSを勝ち抜いたが、日本シリーズで連敗。またも福岡からハマスタに戻ることを誓って連勝できた。再び戻るが、今度こそ勝利を届けて欲しい。
11月2日(土)は、現在台湾付近にいる台風21号が温帯低気圧に変わって日本列島を横断する見込みで、強い雨になる可能性が高い。あと3日ほどあるので予報は変わるかも知れないが、もともと台風だったので野球が中止になる雨になるかも知れない。
2日が中止になると順延し、3日(日)が第6戦、4日(月)が第7戦になる。チケットもそのままスライドで有効になり、払い戻しはないので注意が必要。7戦目まで縺れる場合、月曜であれば東は中5日で先発可能となる。火曜の試合で、足がちぎれてもいいくらいに力を出したので、左ハムストリングの状態によっては難しいかも知れないが、最終戦に東とモイネロの組み合わせになる可能性もある。まずは、5戦目に集中したい。
31日は中4日でジャクソンを持って来る。初戦は2失点とは言え、9奪三振の素晴らしい投球だった。残りの試合で先発できる投手の中では一番期待できる投手になる。ここまで来たら、流れに乗って一歩リードした状態で横浜へ戻りたい。というか、ここで勝てないと横浜に戻った後が苦しい。
ソフトバンクは大関で、こちらも素晴らしい投手。そういう意味ではスチュワートも、石川も素晴らしい投手だったが、勝つことができた。ジャクソンが得点を与えずに凌げば、状態が上がって来ている打線で何とか得点を取れるはず。あとは牧というくらい揃いつつあるので、この日と同じような展開に持って行きたい。大関とは交流戦では対戦がなく、オープン戦ではあったような気がする。初見で捕まえるのは簡単ではないが、プレッシャーをかけて行きたい。
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