10/31 日本シリーズ 福岡ソフトバンク0-7横浜DeNA(みずほPayPay)
3回、牧とフォードのヒットでチャンスを作ると、筒香が先制タイムリー。さらに4回、桑原と梶原がしぶとく内野安打で出塁し、牧が日本シリーズ初ホームラン。3ランでリードを4点に広げる。先発のジャクソンは、初回3者連続三振で立ち上がると、7回3安打無失点の好投を見せた。打線は9回に桑原の押し出し死球と梶原の2点タイムリー二塁打でダメ押し。最後は中川颯が締めて2日連続の完封リレー。26年ぶり日本一に大手をかけた。
ポジ [Good]
中4日で登板したジャクソンが、7回を108球で3安打無失点に抑えた。前回は4回2/3で97球に達したが、9三振を奪っていた。この日は、立ち上がりケイに負けじと3者連続三振。3回まで6三振を奪ったが、こちらもケイと同様に、戸柱が中盤から配球を変え、少ない球数で打たせて取る組み立て。最終的に8奪三振だったが、7回を投げ切ることができた。
MLBでは中4日に慣れているし、シーズン当初は中4日希望というような話もあったが、NPBのローテーション事情を理解し、中6日での調整にも慣れた。日本では初めてのケースになるが、やったことがないわけではない。メジャーリーガーとしてきっちりとこの日に合わせて来た。
立ち上がりからストレートも強く、チェンジアップが冴えた。特に立ち上がりはナックルカーブは使わず、カットボールを多めに使い、速球中心で攻めた。中盤以降はナックルカーブで緩急を使い、少ない球数で打たせて取った。
6回まで81球だったが、7回に入って抜けるボールが多くなった。先頭の近藤にはペイオフピッチでストレートが引っ掛かって死球。今宮には粘られたが、8球目のインサイドへのストレートで押し込み、セカンドゴロ。牧が併殺を狙い、ランナーを追い込んで一塁へ投げたが、ワンバウンドになり、フォードが弾いた。何とか拾い直して一塁はアウトになったが、1アウト2塁となった。点差も考えれば二塁へ送球して1つフォースアウトでも良かったのかなと思う。
牧原大には高めに浮くボールが続き、歩かせた。この時点でかなり交代すべき兆候が出ていたし、シーズン中やCSではイニング途中で代えていたが、ここでは続投を決断。それだけこの日のジャクソンが良かったということだろうか。
嶺井の4球目はストレートが引っ掛かってしまい、暴投で1アウト2、3塁となった。かなり厳しい状況になったが、嶺井には最後にスライダーを持って来て、素晴らしいコースに決まった。スライダーはあまり決め球に使っていなかったし、嶺井の頭にもあまりなかっただろう。ストレートを引っかけていたので、スライダーは良い選択だった。戸柱とのバッテリーの良さが出た場面だった。
周東は早めに追い込み、最後はチェンジアップがしっかりと低めへ沈んだ。セカンドゴロで切り抜け、7回を投げ切ることができた。イニング途中で相手に勢いを付けてしまって降板することが多かっただけに、ピンチを断ち切ることができたのは本人も嬉しいだろう。ケイに続く7回無失点、2024年の最終登板は素晴らしい内容だった。
この日も早い回にジャクソンを援護できた。1、2回はチャンスを作りながらも無得点で残塁を積んだ。しかし、2回までに58球を投げさせ、プレッシャーはかけた。前日までの攻撃で、ほとんどの選手の状態が上向いて来ていて、大関も慎重にならざるを得なかった。
3回に牧がヒット、オースティンは倒れたが、この日初スタメンとなったフォードがライト前ヒットでチャンスを広げる。宮崎はボール球を振ってファウルフライで、筒香。3球目のど真ん中のストレートを見逃し、何を狙っているのかと疑問に思ったが、4球目のフォークが落ち切らなかったところを捉え、ライトへの先制タイムリー。やはり筒香が打つとチームのムードが高まる。
続く4回は、1番からの攻撃で、桑原と梶原が良い当たりではないが、三遊間に内野安打。梶原は空振りの多い打者だが、勇気を持ってヒットエンドランを敢行し、ベイスターズに流れを呼び込んだ。ノーアウト1、2塁から牧がインサイドへの変化球を捉えた。打球は高々と上がり、切れることなくそのままライトスタンドまで届き、日本シリーズ初ホームラン。この場面での3ランはあまりにも大きかった。前日までにあとは牧だけという状態だったが、その牧が3ラン含むマルチヒット。残り1勝に向けて心強い。
5回に森敬がヒットを放ち、これで2桁の10安打だが、早くも先発全員安打となった。マルチヒットは牧だけで、他の打者がそれぞれ内野安打も含めて1本ずつ結果を出した。佐野に代わってフォードが入ったが、チーム全体的にバッティングが上向きであることを表す。
ジャクソンが7回のピンチを乗り越え、8回は伊勢が2三振を奪って無失点に抑えた。9回は、2四球と戸柱のヒットで満塁とし、桑原が押し出しの死球。かなり痛そうにしていたので心配されたが、エルボーガードに当たっていて、大事には至らなかった。代わった木村光から、梶原が初球インサイドのストレートをショートオーバーの二塁打。2者が還ってダメ押し。
終わってみれば13安打で7得点と打線の活発さが目立った試合になった。再びハマスタに戻るとDHは使えないが、代打も含めてどのように運用するのか注目したい。
ヤジ [Bad]
終わってみれば7-0の圧勝で、ほぼ言うことのない勝利。相手のホームで攻守に圧倒できた。14残塁ではあったが、牧の3ランが効いていて、しっかりと先制、中押し、ダメ押しが取れた。投手陣も最後は森原を温存しつつの完封リレー。王手をかけた一戦でここまで思い通りの試合ができるとは思わなかった。素晴らしいの一言。
キジ [Other]
昨日書いた通り、外弁慶シリーズとなっていて、まさにその通りビジターのベイスターズが勝ったが、ここまで完璧な勝利とは恐れ入った。初回から残塁を重ねる拙攻だったが、確実に大関へプレッシャーは与えていた。3回に筒香の一打で先制したこともチームのムードを高めた。牧の3ランはあまりにも大きかった。ここまで不振だったが、おいしいところはきっちりと持って行く。そして、ジャクソンも完璧だった。これまでの登板は最後、イニングを投げ切れないことが多かったが、7回を投げ切った。
ベイスターズが勝つようにできているかのようなゲームだった。日曜を終えた時点では想像もしていなかったが、福岡で3連勝しての王手。日本シリーズでは14連勝、福岡では16連勝というソフトバンクは、4年ぶりの日本シリーズ進出であり、監督も代わっていて継続性はなかった。それよりも、今季はビジターで成績が良く、DHのある交流戦では8勝1敗、週末よりも平日の試合の方が勝率が良いということで、そちらの方が強く出る結果になった。
投手陣も火曜の初回に東が失点して以降、26イニング無失点で繋いだ。今年の三本柱を担った東、ケイ、ジャクソンがいずれもHQSをマークしたことが大きかった。投手陣が踏ん張ったことで、打線も攻撃に集中できた。
ハマスタへ戻ることが願いだったところから、王手をかけた状態での帰還。26年ぶり日本一の期待も高まる。だが、外弁慶シリーズであるならば、残り2試合のハマスタではソフトバンクが勝つということになる。中止を挟んで7戦目まで行けば東が先発する期待もあるが、三本柱を使ってしまった後の投手陣がどれだけ抑えられるか。福岡で眠らせたソフトバンク打線を起こさずにゴールテープを切れるかどうか。
CSファイナルステージでも、3連勝した後、あと1つを勝つのに苦労した。相手も後がなくなって、開き直って戦える部分もあるし、ハマスタではソフトバンクの優位性がまだ残っている。この3連戦がそうだったように先制点を奪い、相手にプレッシャーをかけて行くことが重要だろう。
昨日も書いたように、2011年の外弁慶シリーズは、最後の7戦だけホームチームが勝つというイレギュラーでソフトバンクが日本一になっている。もちろん、6戦目のハマスタで決めることがベストだし、そう願っているが、雨天中止を挟んだ7戦目、11月4日までハマスタに行くつもりではいる。9月末の時点で、1か月後に日本一へ王手をかけると誰が想像できただろうか。ホントに長く楽しめたシーズン、最後のハマスタを思う存分楽しみたい。
コメント