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筒香で先制、5回に7点 ハマスタで26年ぶり日本一

11/03 日本シリーズ 横浜DeNA11-2福岡ソフトバンク(ハマスタ)

2回、筒香が有原からセンター右へソロホームランを放って先制。さらに2アウト2、3塁から桑原が2点タイムリー。3回には満塁から森敬が押し出し四球を選んだ。4回に大貫が柳田に2ランを浴びて詰め寄られたが、5回に打線が爆発。桑原の押し出し四球、梶原のタイムリー、オースティンの押し出し死球で3点を追加し、さらに筒香が走者一掃のタイムリー二塁打、宮崎にもタイムリー二塁打が出て、この回一挙7点で試合を決めた。6回以降は坂本、伊勢、森原が1安打無失点リレーで、26年ぶり日本一に輝いた。

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ポジ [Good]

7年前の経験者がシリーズの流れを変える

ここまでの5戦、全て先制点を挙げたチームが勝っている。レギュラーシーズンでも先制点を取った試合はどのチームも7割前後の勝率になる。初回にノーアウト1、2塁のチャンスを逃した後、2回先頭の筒香が日本シリーズ7年ぶりのホームラン。2ボール1ストライクからのチェンジアップが落ち切らないところをきっちりと捉えた。現地で観ていて打った瞬間という当たりは、センターバックスクリーンの右へ飛び込み、何度も観た筒香のホームランだった。

ビッグイニングとなった5回は、7-2の2アウト満塁で、岩井の初球低めのストレートを打ち返し、左中間へ走者一掃のタイムリー二塁打。完全に試合を決める一打だった。

開幕後にベイスターズへ復帰。ファームでの調整を経て、5月6日に5年ぶりの出場でいきなり逆転3ランを放った。5月11日にも阪神戦で7点差を逆転する中で、勝ち越しソロを放った。交流戦の後、夏場にかけて調子を落とし、左肋骨の疲労骨折で離脱を余儀なくされオールスターも辞退。復帰後は代打での出場だが、なかなか調子は上がらず打率1割台で終えた。

日本シリーズは第2戦で、オースティンの欠場に伴って4番でスタメン出場。DHのある福岡では犠牲フライを放ってチームに貢献。第5戦でマルチヒット、そしてこの第6戦に合わせたかのように調子を上げ、最後に素晴らしい活躍を見せた。やっぱりここぞでは打ってくれるんだなと。

筒香が帰って来た今年、レギュラーシーズンは不本意な成績に終わったが、26年ぶり日本一という2017年には届かなかった栄冠を手に入れた。これからも筒香とともに横浜の悲願に向けて戦って行きたい。

そして、日本シリーズ新記録の5試合連続打点、6戦のシリーズタイ記録の9打点をマークし、MVPに輝いた桑原。初回に三遊間への深い当たりで、ヘッドスライディングを見せて内野安打。2回の2打席目は筒香のソロで1点を先制した後の2アウト2、3塁。

初球のインサイドに手が出て、ハーフスイングのファウル。2球目もツーシーム系だったが、中へ入ったところを捉え、三遊間を破る2点タイムリー。筒香の先制で生まれた大きな流れをより加速する、ムードメーカーの一打。試合は一気にベイスターズのペースとなった。

4回にもレフト前ヒットで3安打。5回は満塁で冷静にボールを見極めて押し出し四球。ガッツポーズを見せた。日本シリーズの打率は.444で1番打者として申し分ない数字だった。MVPのインタビューでは、「負けて悔しくないんか」とは言っていないことを明かしたが、筒香、戸柱、柴田、宮崎、山崎ら7年前の日本シリーズの悔しさを知るメンバーとともに、牧も含めて梶原や森敬など若い選手たちを勇気づけ、奮い立たせたことは事実。そういった意味でも、数字だけでなくチームとして文句なしのMVPだった。

高卒で身売り直後のベイスターズに入って13年目の31歳、さまざまな経験をして、今ここに立っている。桑原がいてくれて本当に良かった。まだまだ、未知のリーグ優勝のためにベイスターズを支えて欲しい。

CSのMVPだった戸柱も、強力なソフトバンク打線に対峙し、投手陣を引っ張った。ハマスタでの1、2戦はソフトバンク打線に飲まれてしまったが、福岡に移ってから先発投手陣の素晴らしい投球もあり、ほぼ完璧に封じた。

打つ方でも貴重なタイムリーもあったし、この日は自打球を受けて一度ベンチに下がって治療するアクシデントもあったが、2回と5回のヒット、4回の四球と全ての出塁が得点に繋がった。山本の今季の活躍は素晴らしいものがあったが、戸柱も試合に出るだけではなくチームを支える存在だったし、こうしてアクシデントで出番が回って来れば、きっちりと役割をこなせる準備をして来た。

短絡的に成績だけを見て不要と言っているような見識のないファンもいたが、球団がしっかりと各選手の取り組み、成績に表れない部分まで見て評価し、3年、4年という複数年契約を結んだ選手たち。もちろん、リーグ優勝をしてこその日本一ではあるが、この大舞台でチームとして結果を残せたのはこうした選手の存在が本当に大きかった。

2回の追加点には森敬の二塁打が大きく貢献したし、5回には梶原がタイムリー。牧、宮崎、佐野といった中軸が思うように打てない中で、若い二人がこの大舞台でもしっかりと結果を残し、大きな経験を得た。試合にはあまり出られなかった選手たちも、この空気を感じられたと思うので、来年は自分が出るというつもりでオフに成長して欲しい。

強力ソフトバンク打線を封じた投手陣

大貫は前回、3回途中5失点のKOで悔しい思いをした。他の先発投手が結果を出していただけに、余計に悔しかっただろう。この日は、初回に今宮に二塁打を許すも、前回2ランを浴びた山川を追い込んでからストレートで空振り三振に仕留め、意地を見せた。3点をもらった後の3回表もきっちり三者凡退で片付け、流れを渡さなかった。4回に柳田の2ランを浴びてしまったが、栗原を併殺に取り、後続は断った。

5回まで投げたい思いもあったかも知れないが、日本シリーズの残り2戦は総力戦。最初から早いイニングで濵口を登板させる想定もされていたと思う。4回2失点だが、先発としての役割も果たしたし、悪くはなかったと思う。昨年5勝、今年は6勝と満足の行くシーズンではなかったと思うが、来季はリーグ優勝に向けて安定感のある先発として、年間を通してローテーションを守れるように、体調を整えてもらいたい。

5回に登板した濵口は、ストレートが149キロをマークするなど、力強かった。東京ドームでのCSファイナルステージの先発で、何か掴んだものがあるのかも知れない。気迫十分の投球で三者凡退で片付けた。ベンチに戻る際には、両手を3度突き上げて観客を煽った。

先発で長いイニングを投げることを考えすぎて、出力が下がっていることが振るわない原因なのかも知れない。今年もメキシコのウィンターリーグに参加するが、来季はリリーフの希望を持っているようだ。立ち上がりが悪いというイメージが強いので、リリーフはどうかと思うが、このようなパワーピッチができるなら、それも1つの手かも知れないし、投手としての幅も広がるかも知れない。

観客を煽ったパフォーマンスはエスコバーをイメージしたものだったようだ。だが、このパフォーマンスがハマスタをさらに盛り上げ、一挙7点の攻撃を呼び込んだ。

坂本が6回から登板し、2イニングを1安打に抑えた。5回の一挙7点で9点差となった場面だが、ストライク先行できっちりと打ち取った。レギュラーシーズンのハマスタでは防御率0.00の活躍を見せたが、日本シリーズでもその良さを存分に見せた。レギュラーシーズンでは左打者に3割台とかなり打たれたが、CSに入ってから左打者をしっかり封じ、チームでは貴重なリリーフ左腕として役割をしっかりと果たしている。ポストシーズンの経験を来年以降に繋げ、チームでの立ち位置を確固たるものにしたい。

8回は伊勢、9回は森原が三者凡退で片付け、三浦監督が5回宙を舞った。ハマスタでの1、2戦は大量失点になってしまったが、福岡での3戦目に東が2回以降を凌いでから29イニング連続無失点。柳田に2ランは浴びたが、大量援護もあって5回以降は再び無失点に抑えた。

CSから通して、レギュラーシーズンでは苦しんだ投手陣が本当に頑張ってくれたと思う。東がアクシデントで2試合しか登板できない中で、ジャクソンとケイが素晴らしい投球を見せてくれたし、リリーフが素晴らしい働きをしてくれた。

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ヤジ [Bad]

ヒリヒリした試合を想定していたので、逆に拍子抜けしてしまうくらいの大差で、5回の時点でほぼ試合が決まってしまった。文句なしの試合展開だった。

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キジ [Other]

外弁慶シリーズという、お互いにホームで勝てない状況が続いていた中で、ベイスターズの3勝2敗で迎えた第6戦は初めてホームチームが勝つという結果で、シリーズの決着が付いた。5回に一挙7点のビッグイニングで、9点差と言う大差の試合になるとは想像もしなかった。もちろん第1戦から熱気はあったが、この日はチケットを持っていないファンが横浜公園に溢れるくらい集まるなど、日本一に向けたボルテージがより一層上がっていて、それも少しは後押ししたと思う。

ホークスが日本シリーズで敗退するのは、ダイエー時代の2000年以来。ソフトバンクになってからは初めてとなる。2017年のベイスターズも含め、セ・リーグの全6チームが敗れて来た相手、そして今季はレギュラーシーズンで91勝をマークした強豪に4連勝しての日本一は、本当に見事だったと思う。

どこかでレギュラーシーズンは3位だからという気持ちはあるが、もう17シーズンもやってきたルールの中で、セ・リーグでは初めてのケース。またCSに異を唱える人、日本一にケチをつける人などいろいろいるだろうが、こういう奇跡的なケースがありうるからこそ、シーズン終盤の消化試合が減ったことは事実。

リーグ優勝ができず、こういう形でしか日本シリーズになかなか進むことができないベイスターズは、恩恵を受けることが多いので、他のチームのファンとは見方も意見も違うだろう。MLBでもワイルドカード出場のチームがワールドシリーズに進むことはよくある話。阪神、読売、ソフトバンクと強いチームを破っての栄冠は誇っても良いと思う。

誰かがXでポストしていたが、レギュラーシーズンは貯金2、CSファーストステージも2勝0敗で貯金2、ファイナルステージ、日本シリーズも4勝2敗で貯金2と長期、短期含めて安定の貯金2だった。来年は、レギュラーシーズンでその貯金を10倍にして、悲願のリーグ優勝を成し遂げてもらいたい。

個人的には、26年前と同じくハマスタで胴上げを見届けることができて感無量。当時と違って若くはないが、朝まで飲みに行って、始発で帰る前にスポーツ紙と神奈川新聞を買ってという同じ流れで、最高の時間を過ごせた。ブログは遅れての投稿とさせてもらった。

南場オーナーも、三浦監督も、選手たちも言っていた通り、まだ忘れ物が残っている。昨年の交流戦優勝、今年のファーム日本一、1軍のCS優勝と日本一。残っているのはただ一つ、1軍のリーグ優勝。26年遠ざかっているそれが一番観たいもの。既に来季に向けてコーチ人事や選手の去就に関する情報もあるが、来季の悲願に向けて当ブログでも陣容の変化などを追いかけて行きたいと思う。

2024年の試合はこれで全て終了した。今年も1年間、ご愛読いただきありがとうございました。オフもニュースなどを中心に少しずつ書いて行くので、引き続きお付き合いよろしくお願いします。

それでは最後に写真を紹介。

ライト側ウィング57段目から。

スタメン

守備に就く選手たち

始球式を終えた中畑清初代DeNA監督。

2回に2点タイムリーを放った桑原に大きな声援、帽子をとって一礼。

ハマスタの中も熱かったが、外も熱気。横浜公園はチケットをもたないベイスターズファンで埋め尽くされていた。

ライトスタンド後方の横浜公園の様子を動画で。

9回、森原が登板。

森原が柳田を空振り三振に取り、ゲームセット。26年ぶり日本一でマウンドに集まる選手たち。

歓喜の三浦監督の胴上げ。

ソフトバンクの監督、コーチ、選手はレフト側だけでなく、ライト側にも来て一礼。ライトスタンドから大きな拍手と労う声援が飛んだ。

三浦監督のインタビュー。嬉しさが非常に伝わる内容だった。

「負けて悔しくないんかとは言ってないんですが」の桑原のインタビューにどよめき。

表彰される三浦監督と、受賞したケイ、ジャクソン、筒香、今宮の4選手。

日本一のTシャツ、キャップに着替え、インタビューとI☆YOKOHAMA。

ペナントを手にグラウンドを一周。

南場オーナーはグラウンドからライトスタンドをカメラで撮影。

日本一の余韻が残るハマスタ。

そして、ビジョンにはエンドロールが。

グラウンドにロープが引かれ始め、最初はグラウンド開放かと思ったが、日本一記念グッズをこれから販売する列を整理するものだった。管理人は飲みに行ったので並ばなかったが、終電がなくなってもまだ列が続いていたという。

ハマスタを出ると、横浜公園に集まったファンはまだまだ応援を続けていた。

こちらの様子も動画で。ホントに凄い光景が広がっていた。

コメント

  1. 早乙女ツバサ(@volvatamartin ) より:

    今シーズンもブログ更新をありがとうございました。私は球場やテレビで試合を見てワーワーするだけのファンです。そんな私でも分かりやすく書かれたブログで毎回勉強になっています。
    佐野恵太選手や京田陽太選手のFAことや現役ドラフトなど気になっています。来シーズンもブログ更新を楽しみにしています。

    • Rocky より:

      いつもありがとうございます。
      私が書いていることは正解とは限りませんが、「何故なんだろう?」と思った時の納得感とか、監督や選手たちは何を思っているのかなということを考えるキッカケになればと思います。
      オフもマイペースで書いて行きますし、また2月のキャンプからチームを見て、思ったことを綴って行くつもりです。よろしくお願いします。

  2. 吠エール爺 より:

    ロッキーさん、日本一おめでとうございます。あなたの長年の情熱と執念が実りましたね。私は1952年に青田昇がこのチームに来てからのファンです。60年に三原マジックで1回目。そして38年後に2回目。そのあと期待が裏切れ続け、もう年齢的にもベイの日本一の美酒はないかなと思ってました。それが人生で3回も日本一を味わえるとは、望外の喜びです。落ち込んだ時もロッキーさんのブログで救われました。チームの盗塁数、セイバーメトリックスや球団の色々なサポート、若手も伸びている。どんどん進化していると感じます。すでに美酒では阪神、中日を抜き広島と並ぶ。この調子でヤクルト6回を超えて欲しい。ロッキーさんはじめファンの熱い気持ちが、チームを揺り動かしていますね。お疲れさまでした。

    • Rocky より:

      日本一おめでとうございます。
      以前にももう一度優勝を観たいとおっしゃっていましたが、リーグ優勝はならなかったものの、こういった形で3回目の日本一を観ることができて良かったのかなと思います。
      これはDeNAがベイスターズのオーナーになってから、歴代の選手、監督、コーチ、球団に携わる全ての人たちの努力の結果です。何万人ものファンの一人として、球場で応援することで微力ながら力になったのかなと思います。
      ここ数年でベイスターズのチーム運営の仕方やスカウティングもどんどん変わってきています。その中で、ファームと1軍が日本一という結果を出せたことは、明るい未来を感じます。
      その昔は文句しか書くことがないくらいだったこのブログでも、負けても良かったところがたくさん紹介できています。近いうちにリーグ優勝という成果を見せて欲しいと思います。
      今後ともよろしくお願いします。

  3. 名無し より:

    遅ればせながら、日本一おめでとうございます
    暗黒時代を乗り越えてのあの紙吹雪は涙腺が緩みました
    三浦監督が選手時代にFAで残留を決意した際に「強いところを倒して優勝したい」と語っていたのを思い出しながら、ようやくファンとの1つの約束を果たせたのかなとも思いました

    胴上げをされているときに番長が両手の人差し指を宙に向けて指しているポーズが26年前の権藤監督の胴上げ時のポーズと酷似していることが話題になっていましたが、意図的なのか偶然なのか…
    試合での打線も面白いくらいに繋がり、まるで往年のマシンガン打線のようでした
    5回の7得点での横浜側の攻撃時間はなんと41分だったそうです
    今シーズンで最後の最後にとても面白い試合を見せてくれて感謝です
    ロッキーさんもお身体に気を付けてお過ごしください

    • Rocky より:

      おめでとうございます!
      そうですね、2000年代から身売りまで日本一どころかAクラスも見えない状況が続きましたね。DeNAになっても日本一にはなかなか届きませんでした。3位からと言われようが、生きているうちに数度しかないかも知れない日本一、存分に喜びたいと思います。
      権藤さんのポーズは意識したかも知れませんね。1998年の日本シリーズ、第5戦で9回表に7点取り、終電に間に合わなかったことを思い出しました。近いうちにリーグ優勝の美酒にも酔いたいです。

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