03/30 横浜DeNA2-1中日(ハマスタ)
4回に梶原がチーム今季1号となるソロを放って先制すると、5回には松尾がプロ初ホームランで追加点を奪う。先発の平良は、5回まで87球を費やしたが4安打無失点に抑えた。6回から石田裕が登板し、2イニングをパーフェクトに抑えるも、3イニング目に捕まった。1点差となってなおも1アウト2、3塁で伊勢が登板し、後続を断ってリードを守ると、9回は入江が締めてプロ初セーブ。
ポジ [Good]
この試合のヒーローは伊勢。今季初登板が1点差でなおも1アウト2、3塁という逆転の大ピンチ。4番の石川昂を迎えるところでマウンドに上がることになった。
2ボール2ストライクからフォークを良い高さに投げるも見切られた。ペイオフピッチで投げたのはアウトサイドいっぱいのスライダー。石川昂もあまり頭になかったのか中途半端なスイングで空振り三振。ヒーローインタビューで伊勢は、このスライダーを選択できたのは先発転向を経験したからだと言っていた。結果としてリリーフに戻ることにはなったが、引き出しは増えたということだろう。
続く板山には3ボールとなり、歩かせて右のカリステと満塁で勝負かと思ったが、フォークでストライクを1つ取ると、ストレートで押し込んでレフトフライに打ち取った。見事な火消しだった。ここに伊勢がいてくれるのは心強い。
1点差のまま迎えた9回は、入江が登板した。開幕戦に続いてクローザーという形での登板となった。150キロ超のストレートで押し、カリステと村松をフライアウトに取った。前日の自打球の影響なのかこの日はベンチスタートだった細川が代打に起用され、一発の怖さから慎重にならざるを得ない。ペイオフピッチで力み、ストレートが体の近くに行って四球。
代打から守備に入っていた大島に回り、2ボールとなった。ここでこの回から代わっていた山本がマウンドへ行った。同じ歳の二人がどういう言葉を交わしたのか分からないが、ここからストレートをさらに続けて最後は高めで空振り三振。プロ初セーブをマークした。
2022、2023年にリリーフで活躍していたので、既にセーブは挙げているものと思っていたが、記念すべき登板になった。597日ぶりの1軍登板の翌日はベンチを外れ、この日はセーブを挙げた。三浦監督はクローザーを固定していないと発言している。入江もまだ肩の故障から戻ったばかりで、連投というわけにもいかない。山崎らも含めて場面に合わせた運用をして行くのだろう。
森原は少し時間がかかりそうだが、ウィックはファームで投げ始めており、坂本ももう少しというところだろう。彼らも含めて不安視されるリリーフを効果的に回して、勝ちゲームを確実に取って行きたい。
先発の平良は、オープン戦で6回ノーヒットピッチングを見せた時と同じく松尾とのバッテリー。その時よりは良くなかったのだろう。慎重にコースを狙う投球で球数が嵩んだ。それでも粘り強く投げて5回まで無失点。
87球を費やしてしまったことで、5回裏の打席で代打が送られた。本人としては5回での降板は悔しさもあると思う。それでもリリーフがリードを守り切り、最初の登板で勝利が付いた。次回は平良らしく打たせて取るピッチングで味方に流れを呼び込んで欲しい。
この登板の後、次回がいつになるかも注目される。投げ抹消でしばらく空くのか、そのまま中6日で投げるのか。来週は6連戦で、バウアーも含めて中4日はなさそうな状況なので、4月6日にマツダでの先発となるだろうか。
開幕ローテーションを争っていた石田裕は、自身初の開幕一軍を手に入れたが、やはりリリーフとしての起用になった。平良が5回で降りてしまったが、石田裕がリリーフで複数イニングを投げられるのは大きい。
6回、7回とオープン戦で見せた小気味いい投球でパーフェクトピッチング。3イニング目の8回に入ったが、先頭の代打大島にストライクが入らず歩かせてしまった。先発としての3イニング目とは違い、8回というのを意識してしまったか。
続く岡林にも2ボールとなったが、3球目の高めストレートを打ち上げてくれて1アウト。これで助かったはずだが、代打の中田には高めに浮いたストレートをセンター前へ弾き返され1アウト1、2塁。ここで上林を追い込んだが、シンカーがやや中へ入ってライトの右へタイムリー二塁打。これは打った上林を褒めるべき一打だったが、1点を返されなおも1アウト2、3塁とピンチを広がり降板となった。
先頭への四球は大きな反省点。個人的には中田に打たれたところで交代と思ったが、上林と勝負させた。このようなリリーフでの起用が今後もあるとすれば、こういう場面で投げ切ることも必要。経験をさせたのだと思う。
もっと言えば、日曜で翌日は試合がないので、8回から伊勢でも良かった。最初の2イニングが素晴らしかったというのもあるだろうが、連戦の中で石田裕が3イニングを投げられるようだとチームとしても大きい。その点も考慮しての続投だったかも知れない。投球自体は悪くなかったので、今後もステップアップし、再び先発としてチャンスをもらえるように結果を積み重ねてもらいたい。
梶原が今季チーム初のホームランを放った。2打席目でメヒアのチェンジアップが浮いたところを逃さず捉えると、打球は意外と伸びて行ってバックスクリーンのど真ん中に突き刺さった。師と仰ぐ柳田からは20本塁打が課せられているようだが、まずはその一歩目を踏み出した。
3打席目はインサイドのカットボールにバットが折れたが、打球はファースト後方のフェアグラウンドへ落ち、二塁打。4打席目はレフトの前に落ちるヒットで猛打賞。昨年も夏場にスタメン定着し、猛打賞を何度もマークした。侍ジャパンから戻った後、少しバッティングの状態が悪い時期があったが、開幕に合わせて上げて来た。昨年は開幕スタメンも結果が出ず、すぐに控えへ回り、ファーム落ちと挫折も味わった。好スタートで一気にトッププレーヤーの仲間入りと行きたい。
そして、ファンが沸いたのは松尾のプロ初ホームラン。3戦目にしてスタメンのチャンスをもらい、2打席目でメヒアのスライダーを捉えた。バットの先のようにも見えるが、低めのボールに対してバットのヘッドが走り、ライナー性の打球は落ちて来なかった。現在のボールは高く上がるよりもライナーの方がそのまま伸びて行くが、まさにそういう打球だった。
高卒3年目だが、バッティングは既に一軍クラス。キャッチャーには山本がいるので出場機会は限られるが、こういったチャンスで結果を残し、山本から奪い取るくらいの競争を見せて欲しい。個人的にも汐恩の初ホームランを現地で観られて至福だが、今後も期待が膨らむ。
ヤジ [Bad]
梶原のソロで先制し、牧もヒットで続いた。勢いづいて行きたいところだったが、佐野、筒香、宮崎が打ち上げてランナーは全く動けず。そして、6回は梶原の二塁打でノーアウト2塁だったが、牧が1ボールからのカーブを引っかけてサードゴロ。ランナーが進めなかった。
中軸の打者が若いカウントで無理に進塁打を意識する必要はないと思うが、特にノーアウト2塁では右方向へ打って最低でも1アウト3塁を作りたいところ。追い込まれていたなら分かるが、カーブを狙っているとも思えず、右方向に意識があるならここまで引っ掛けることはないはず。
結局、佐野と筒香は外野フライで追加点を取れず。伊勢が見事な火消しをしてくれたので何とか勝つことができたが、ここで取れなかった1点が致命傷になる可能性も高かった。チームとして勝率を上げてリーグ優勝するために何をすべきなのか、言葉だけでなくもう少し考えて欲しい。積極的というのは、何でも打ちに行くことではない。
キジ [Other]
この日、センバツは決勝が行われ、横浜高校が智辯和歌山高校を破って優勝を決めた。明治神宮大会に続く優勝。戦力的に充実している横浜高校だが、中でも3番に入っている阿部くんが凄い。大谷のようなノーステップ打法で、健大高崎の石垣の150キロ超のストレートを打ち返していたが、バッティングが素晴らしい。加えてセンターでは桑原のような守備も見せる。外野は飽和とは言われているが、次世代の中核としてドラフト指名を考えて欲しい。夏も楽しみだ。
ハマスタは、前日の冷たい雨から一夜明け、陽射しが戻った。風は冷たいままだったが、日向は暖かさを感じる天気だった。打線は、メヒアに苦労しながらも梶原と松尾のソロで2得点。タイムリーもなく、繋がったとは言い難いが、気温と共に打線の状態も上がってくれればと思う。
この日はオースティンはベンチスタート。試合中も姿が見えていたし、展開によっては代打での出場はあったかと思う。開幕3連戦でお休みがあるとは思わなかったが、開幕戦の最初の打席で早くもケガをしたかと思うような様子もあったので、無理をせずにシーズンを通じて出場し続けることを考えて欲しい。
バウアーが何とか1失点にまとめながら、援護ができずに負けてしまったことは悔やまれるが、ホーム開幕カードで勝ち越し。最低限のスタートは切れたかと思う。来週はビジターでの6連戦。ジャクソン、ケイ、大貫の先発が見込まれている。この6試合を5割以上で横浜へ戻って来てもらいたい。


晴天のハマスタ。この日は中日ファンの知人と観戦のため、STAR SIDEのウィングへ。

今季初スタメンで守備位置に就く松尾。昨年までは投手もこの後にマウンドへ行き、始球式という流れだったが、MLBと同様に始球式後にマウンドへ上がるように変更された。前日のバウアーもそうだったが、バウアーだからなのかと思った。マウンドを後ろで待つような形になるので、この方が良さそう。

今年から始まったマスコットチャレンジ。どうやらマスコットたちは勝つよりもどうボケるかに走っているようだ。この日は、バートが押した大玉でスターマンが倒れ、キララはチャピーを大玉と間違えて転がしているようだった。

2025年版ビッグフラッグ。

プロ初ホームランを放ち、田中浩康コーチと蝦名に迎えられる松尾。

勝利のハイタッチ。森敬斗と牧はいつもの儀式。プロ初セーブの入江は山本に頭をポンと労われる。

ベンチからの列の先頭は松尾。ブルペンの投手たちがダッシュで列に加わる。

この日は珍しいヒーローが4人だった。

今季最初の登板で勝利を挙げた平良。個人的には昨年もあと1人で完封の試合と、プロ初完封を両方現地で観ており、平良との相性は良いと思っている。ケガせずにいてくれればまだまだ勝利を見せてもらえるはず。

伊勢は、マイクパフォーマンスも滑らかだった。

節分の芸能人の豆まきみたいな感じになっていた。

Victory Celebration。まだ肌寒いけどいい時間。
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