04/03 阪神2-5横浜DeNA(京セラ)
ケイとデュプランティエの投げ合いで5回まではともに無得点。6回、梶原のタイムリーで均衡が破れる。ケイは7回を無失点、8奪三振の素晴らしい投球を見せた。8回表に牧のタイムリーで2点目を奪ったが、その裏にリリーフした坂本が佐藤輝に痛恨の同点2ランを浴び、ケイの勝利は消えてしまった。9回表に山本の2点タイムリー三塁打と森敬の犠牲フライで3点を勝ち越し、最後は山崎が締めて今季初セーブ。
ポジ [Good]
ローテーションの6番目でケイが満を持して先発。先週は二軍では投げず、3月20日のオープン戦以来の登板となったが、きっちりと調整して来たことが窺える内容だった。
力強いストレートに加えて、右打者のインサイドへコントロール良く決まるカットボールが非常に良かった。昨年は、膝元にスイーパーを投げて空振りを取っていたが、安定せずに暴投となったり、打者に当たってしまったりしていた。150キロ中盤のストレートと同じ軌道からインサイドへ食い込んで来るので、非常に厄介。
圧巻だったのは3回。近本のヒットと中野のバントヒットでノーアウト1、2塁となり、クリーンアップを迎えた。佐藤輝は2球で追い込んでからストレートで空振り三振。森下は一転して変化球で追い込み、最後はインサイドのコースへカットボール。空振り三振に倒れた森下が、149キロのカットボールに驚いたような顔をしていた。ストレートに見えていたのかも知れない。さらに大山も同じようなカットボールで空振り三振。大ピンチになりそうな場面で、中軸を3者連続三振に仕留めた。
前日は延長12回で投手は山崎だけが残るという総力戦。そんな中でケイには長いイニングを投げて欲しいという期待があったが、それに十分過ぎるほどに応える7回無失点の快投。2年目のケイが明らかな進化を見せ、期待がさらに膨らんだ。
残念ながら8回に同点とされ、ケイの今季1勝目は消えてしまった。昨年も阪神戦は勝利が付いておらず、何かそういう力が働いているのかも知れない。結果だけ見ればケイの勝ちが消えてしまっただけの終盤になった。それでも、これだけの好投ができたこと、チームが勝ったことに満足感はあるかと思う。次回はどうするのか分からないが、個人的には既に走り始めている読売にはジャクソン、ケイで行って欲しいのだが。
9回は3点差となり、前日は登板しなかった山崎がクローザーとしてマウンドに上がった。点差もあったことからストレートの意識付けをしたのだろう。前川はスプリットを打ち上げてレフトフライだったが、糸原には6球全てストレート。小幡、木浪もストレートで押しフライアウト。
昨年8月9日以来となる今季初セーブを挙げ、通算232セーブとなった。9回を締めることへのこだわりは捨てていない。現状、森原が不在の中で入江がクローザーとして起用されているが、連投をさせない方針なので、こうした機会は増えて行く。山崎自身がしっかりとした投球ができさえすれば、このままクローザーに返り咲くことも十分にある。スプリットに頼り過ぎず、単調にならないように工夫して欲しい。
山本が、決勝の2点タイムリー三塁打を放った。ケイとのバッテリーで阪神打線を抑え込んだが、坂本が同点2ランを浴び、勝利を付けることができなかった。直後の9回にチャンスで回って来た打席で、ゲラの浮いて来たスライダーを捉えると、前進守備を敷いていた近本の頭上を遥かに越え、二者を還す三塁打になった。
昨年も開幕2カード目の京セラドームで、初回に走者一掃の三塁打を放っている。大阪市大正区の出身で、実家はこの球場からすぐのところにある。2023年に東と最優秀バッテリー賞を獲ったが、昨年はこの一打でバッティングでも大きくアピールし、レギュラーに定着した。今年もこの一打から、リーグを代表するキャッチャーとしての地位を確固たるものにして欲しい。
梶原が先制タイムリーを放った。デュプランティエに苦戦し、最初の2打席は三振。6回にヒットの森敬斗をケイが送った1アウト2塁で、真ん中高めのカットボールをセンターへ運んだ。8回にもヒットを放ってマルチヒット。ここまで6試合全てでヒットを放ち、良い状態でスタートが切れている。リードオフマンとしてのポジションをガッチリと掴みたい。
牧が8回に貴重なタイムリー二塁打を放った。2アウトランナーなしから梶原がヒットで出塁。左腕の桐敷だが盗塁を待つのかと思ったが、1ボールからの2球目を振り抜くと打球は近本の頭上を越えた。爆発的ではないが、バッティングでは着実に結果を残している。
この日は9回の守備でファーストに回った。以前、三浦監督は頑なに牧をセカンドでフル出場させていたが、ファーストに回すのは良いと思う。今はスタメン出場しているが、三森がいるので彼をセカンドに入れて守備を固めることもできる。キャプテンで中軸でもある牧は、そう簡単に交代させられないが、少しでも守備の負担を減らすことができればベスト。ファーストも簡単ではないし、守備機会も多いが、セカンドに比べれば負荷は少ないはず。
ヤジ [Bad]
ケイが降板した後の8回に登板したのは坂本だった。前日は大貫、颯で同点とされた場面で登板し、押し出し四球で勝ち越し点を与えてしまっていた。キャンプ中の肉離れで出遅れ、このカードから合流。坂本にとっては今季初登板で緊張や力みがあったか。
ゲラと同じく取り返して来いという意図だったかは分からないが、1番から始まる勝負のイニングで、3人左打者が並ぶから唯一の左腕である坂本という起用に見えてしまった。昨年のCS、日本シリーズでは左打者もきっちり抑え、殊勲の活躍をした坂本だが、レギュラーシーズンでは左打者を苦手とし、右打者の方が投げやすい様子だった。
今年も同じというつもりはないのだが、やはり左対策にはならないという印象。左打者を抑えられる左腕として岩田を選んだので、何とか彼を使えるようにしたいところではある。しかし、坂本も投げているボールが決して悪いとは思わなかった。
中野は低めのボールゾーンへのチェンジアップを上手く拾った。これは打った方が見事だったが、2ストライクからで勿体なかった。あとボール1つ、2つ低めに落とす慎重さが必要だったか。そして、佐藤輝にストレートを続けたところで捉えられ、打球はレフトスタンドまで届いた。
これも低めのストレートを逆方向へ打たれており、坂本を責めることはできない。打った佐藤輝が見事だったと褒めるしかない。強いて言えば低めではあるが真ん中だったので、そこは投げ分けをきっちりとやって行くしかないと思う。チームが勝ったことは救いになるだろう。
キジ [Other]
開幕カードのハマスタでは投手の頑張りもあって勝ち越したが、思ったように得点できず。2カード目はセ・リーグ最強の投手陣を誇る阪神が相手だけに、なかなか得点は難しいのだろうと思っていた。終わってみれば5、6、5と16点を奪った。特に勝ちパターンのゲラを攻略し2日連続で3失点というのは、今後に向けても心理的に効いて来るかも知れない。
9回表の攻撃は、佐野が空振り三振に倒れたかに思われたところでファウルの判定となり、11球粘って四球を選んだことが流れを大きく引き寄せた。映像を見る限り当たっていないように見えるので、誤審だろう。リクエストの対象プレーになっていないので、藤川監督としても他の審判にも確認してもらう以外になかった。前日に3失点していたゲラも、この状況を跳ね返せる状態ではなかった。
佐野が歩いたことで1、2塁となり、外野がかなりの前進守備を敷く形になった。山本の飛球も定位置ならセンターフライだったかも知れない。勝負の分かれ目となったことは間違いない。審判の判定も野球のうちではあるが、正確な判定を求めたい。
京セラドームでの3連戦で2勝1分は想定以上で上出来。読売も連続カード勝ち越しで5勝1敗としているだけに、付いて行かなければ。続く広島も故障者が多く、まだ波に乗れていないので、この流れで勝ち越して横浜へ戻って来て欲しい。
4日の初戦は、東が予想されていたが、予告先発は石田裕と発表された。バウアーが登録抹消となったので、代わりに先発することは想定されていたが、金曜日になった。東のコンディションに問題が発生した可能性もあるが、どちらかというと4月は抑え気味で行くのかなと思っている。
バウアーが登録抹消にならなければ中5日で東と入れ替える予定があったのかも知れない。19、20日はバンテリンドームでの2連戦で、金曜日に試合がない。東が11日(金)に先発した後、中5日ではなく19日(土)に向かうと思っていたので、どこかで中7日になるタイミングが生じる。それを開幕戦での疲労を取るためにここへ持って来たのかなと思っている。
また、バウアーが本当にローテーションを1回飛ばすだけで戻れるとしたら、11日のヤクルト戦で復帰し、そこから中5日で17日の東京ドームを想定しているのかも知れない。いずれにせよ、4月は日程的な余裕も少しあるので、東は登板間隔を調整しながらじっくりと、という形になるのではないか。
この日で先発ローテーション6人が出揃った。その中で負けたのがバウアーだけというのは想像しなかった事態になっている。大貫はやや悔しい結果になったが、それ以外の投手は素晴らしい内容を見せてくれた。バウアーも6回1失点にまとめている。石田裕が7人目の先発として登板するが、他の投手に続き、思い切った投球を見せて欲しい。
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