バウアー球威も運もなく4失点　打線は2点がやっと

04/22 横浜DeNA2-4阪神(ハマスタ)

バウアーは2回、佐藤輝の三塁打の後に大山の犠牲フライで先制を許すと、4回にも佐藤輝のタイムリー二塁打で追加点を奪われる。なおもノーアウト2、3塁は踏ん張ったが、5回にも近本のタイムリーで3点目。さらに近本にソロを浴び、7回4失点で降板した。打線は、初回のチャンスを逃すと才木からあと一本が出ず。7回裏にようやく佐野と牧のタイムリーで2点を返すも、終盤はランナーも出せずに敗れた。

ポジ [Good]

京田が代打で才木のストレートを捉え、ライトへクリーンヒット。スタメンの選手が苦労している中できっちりと捉えた。オープン戦からずっと状態は良いが、将来的な期待感で森敬、林がスタメン起用されている。この日はそのままショートの守備に入った。これは翌日ショートスタメンのシグナルか。

山崎がストレート中心の投球で9回を三者凡退で抑えた。この日のストレートは良かったと思う。立場的にもコンスタントに良いボールを投げてもらわないと困るし、さらに1球に対する集中力を高めて欲しい。

ヤジ [Bad]

バウアーがこの日も先制点を許し、最少失点で止められずに追加点を次々と許した。ビッグイニングは作らせなかったが、ソロも含めて7イニング中4イニングで失点。味方の援護もなかったが、勝つ試合のリズムは作れなかった。

初回は10球で3つの内野ゴロを打たせ簡単に終えたが、2回先頭の佐藤輝に高めのストレートを弾き返された。度会が背走し、グラブ付近に当てたが捕れずに三塁打となってしまった。ライナーで非常に難しいが、追い付いているだけに捕ってくれたらなという打球。大山にもあっさりとライトへ深めのフライを打たれて先制を許した。

問題は4回。中野に粘られ、ストレートをアウトサイド低めに決めたが、上手く三遊間を割られた。球威が十分であればサードゴロかバットが下に入って内野フライになるはず。さらに森下にも繋がれてノーアウト1、3塁。ピンチで好調の佐藤輝に回してしまった。

2球ナックルカーブを続け、2球目はファウル。打者は反応して来ている。2ストライクから山本のサインに首を振って投げたのは、またしてもナックルカーブ。これがほぼど真ん中に入り、佐藤輝は軽く合わせるようなスイングで右中間へ運んだ。

当然ながら失投だが、あまりにも勿体ない。ナックルカーブのチョイスも個人的には分からないが、投げるのであればワンバウンドくらいでないと話にならない。前の試合で2発を放っている打者が、裏をかかれたとしてもこのコースでは見逃すはずがない。

結果的にここは1点で済んだが、試合を決めるイニングになりかねない。バウアーらしくない酷い1球だったと思う。

5回は先頭の小幡にバントヒットを決められ、才木はスリーバントを失敗させたが、近本の1球目で盗塁を決められた。バウアーのクイックは遅くは見えなかったが、バッテリーとして隙があった。近本には154キロのストレートで押し込むが、打球はレフトの前に弾んだ。

これをハードラックで片付けるかどうかだが、まず甘く入っているのでコントロールミス。そして、本来のバウアーのストレートであれば、ファウルか内野フライで打ち取れるはず。球威がないので内野を越えてしまう。スピードガン表示は出ているし、トラックマンで測って回転数なども申し分ないなら、体の開きなどで打者が見やすくなっているのではないか。

結局、スピードが何キロ出ようが、どれだけの回転数があろうが、打者が球威を感じていなければ無意味。ストレートに力負けしない感覚があるので、変化球も呼び込めてしっかりと見極められる。それに加えて本来のコントロールもないので、少し甘くなったところを痛打されるし、打ち取ったはずの打球もヒットゾーンへ行ってしまう。

現状の球威と制球で、間隔を詰めて登板されるとチームにとっては負荷になる。ただ、それを無下に却下するわけにも行かないし、早々にマウンドから降ろせないしでベンチも制約が多い中で苦労することになる。バウアーの調子が上がらない場合のリスクが顕在化している。この状況をどう打開するか。バウアー本人はもちろん、監督とコーチにとっても正念場だ。

バウアーはノーゲームとなった試合も含め、公式戦ではずっと援護がゼロという状態が続いた。バウアーへの代打京田がヒットを放ち、そこからようやく2点。援護があったとも言いづらく、運にも見放されている。ようやく雨を回避したが、苦しい登板が続く。

MLBからの評価も高まっている才木は、簡単に得点を奪える投手ではない。京セラドームでの対戦では4点を挙げることができたが、この日はあと一本が出なかった。特に初回、梶原がヒットで出塁して盗塁を決めただけに、何とか先制点が欲しかった。

バントしなかったら今度は何故強行なんだという批判があるようだが、個人的にはノーアウト2塁で三森にバントはない。ファウルフライに倒れたが、結果論でしかない。どちらかというと速球には押されることが多い印象で、ストレートに合わせられず。東京ドームで見せたような絶対に右へ転がすというバッティングをさせてもらえなかった。

その後は先頭を出せず、4回は2アウトランナーなしから2四球を取って満塁まで攻めたが、バウアーに回って得点ならず。4回だけで37球を投げさせたが、5回は1番から始まる攻撃で僅か7球で三者凡退。前のイニングの粘りが何も繋がらず、ここがこの試合のポイントになったと思う。

開幕直後は打率こそ3割を大きく超えていたが、長打がほとんど出ない宮崎。守備でも動きが重い印象で、5試合しかない週でもベンチスタートの日があるくらいだから体もあまり良くないのだろう。左腕もあまり打てていないし、三森をサードで使い、佐野がファーストで外野に蝦名を入れるか、調子の良い京田を使う方が良いかも知れない。