追い付くのが精一杯　繋がりなく延長戦落とし4連敗

ジャクソンは初回、森下のタイムリーで先制を許すも、なおも2アウト満塁のピンチは切り抜けた。3回に三森のタイムリー二塁打で追い付くも、直後の4回に中野のタイムリーで再びリードを許す。6回に牧のタイムリーで同点とするも、追い付くのがやっと。その後はチャンスらしいチャンスも作れず、10回に山崎が大山のソロを浴びて延長戦を落とした。

ポジ [Good]

三森が初めて1番に入り、マルチヒットに四球と3出塁。タイムリー二塁打も放ってチームに貢献した。延長10回も2アウトから長打で出塁し、同点のチャンスを作った。得点には至らなかったが、パンチ力と盗塁もできる走力を併せ持った魅力を発揮した。

京田がようやくショートでスタメン出場。最初の打席でしっかりとヒットを打って結果を出すと、6回は高めのストレートをレフト線へ運ぶ技ありのヒット。マルチヒットで起用に応えて見せた。オープン戦で結果を残し、限られた出番でも存在感を見せて来た。10回の打席での見逃しだけは残念だったが、現状ではバッティングで期待できる限られた選手になっているので、繋ぎの役割を見せて欲しい。

佐々木、伊勢、ウィック、入江はよく繋いでくれたと思う。特に伊勢は2番から始まる打順で2三振を奪う素晴らしい投球だった。この流れを攻撃に繋げたいところだったが、うまく行かずに勝利へ繋げることはできなかった。

ヤジ [Bad]

ジャクソンは、今季一番良くなかった。ボールが浮いてしまい、コントロールが乱れた。ストレートもいつも威力がなかったように思う。初回は先制され、さらに2アウト満塁となったが、何とかここは梅野を力で押し切った。

追い付いてもらった直後に再び勝ち越される投球で、自身もチームも波に乗れなかった。それでも、5回を何とか2点でまとめたのは、悪いなりの投球ができたと思う。援護がなかなかない中で毎試合しっかりと試合を作ってくれていると思う。

山崎は、一発だけは避けたい場面でまたもストレートを捉えられてしまった。2ボール2ストライクからのスプリットが、引っ掛かってインサイドのボールゾーンに行き、意味のないボールになった。大山もペイオフピッチからゾーンに入れて来るという読みで、ストレートに合わせていた。

ストレートで行くならアウトサイドへ投げ切らなければならないが、中へ入って来た。スプリットが来ても当てられる、見極められると思われてしまっているので、ストレートが少し甘くなっただけでやられてしまう。一時、他の球種も投げていたが、精度が上がらないのでやめてしまったのか。リリーフとは言え現状の2球種で勝負するには厳しい。邪魔になる球種が必要だと思う。

打線は、三森と京田という初めての1、2番を組み、二人ともマルチヒットと結果を残したが、それ以外のヒットが牧のボテボテのゴロがコースヒットになっただけ。他の選手は四死球で出塁はしたが、ほとんど捉えることができていなかった。なかなか深刻なチーム状況だ。

特に佐野、宮崎は内容も悪かった。佐野に関しては前日に執念の二塁打があったので3番で使ったと思うが、度会を外して使う程の状態でもない。特にこの日はタイミングも合っていないし、甘いボールは打ち損じになるし、ボールも見えていないしで良くなかった。ハーフスイングでスイングを取られたが、それ振ってないつもりなの？というくらいバットが出ているのに、三塁塁審に聞いてって感じだった。これを見ても厳しいなと感じた。

宮崎も厳しい状況。打つべきボールを打ちに行けてないし、積極性がなくなってしまっている。年齢による衰えを心配する声もあるが、まだそこは何とも言えないかなと思う。2019年にも4月に異常に打てない状態が続き、チームも10連敗した。もろもろその時と似てるかなと思う。オースティンの不在も痛いが、牧の後ろを打つ打者の不振も打線の構成上苦しくなっている。

作戦面も焦りがあるのか、今一つ。7回、先頭の蝦名が四球で出塁すると、梶原にバントを命じた。結果的にバントを二度ファウルとし、最後はストレートを見逃し三振。まさに最悪という結果で、作戦を決められなかった梶原に責任がある。

しかし、相手は左腕の及川で、切れのあるスライダーを持っている。三浦監督は「ああいうところでしっかりできるように練習はしてるんですけど」と言っているが、一軍のリリーフで出て来る左腕のスライダーをバントする練習なんてできるわけがない。これはどう考えても場数が必要で、練習しただけでできるなら苦労しない。梶原は一軍では犠打が昨年の1つだけ。

だからこそ、ここで場数を踏ませたというならそれでもいいけど、そんな状況ではないことも監督自ら言っている。結局、データうんぬんで普段はバントしないくせに、大事なところだけはやるよみたいな中途半端な方針なので、普段は全くバントをしていない選手が、プレッシャーのかかる場面でほぼ初めて見るようなボールをバントさせられるハメになる。

昨年、短期決戦で上手く行ってしまったので、そんな方針のまま今年も進んでいる。結局バントさせるなら普段からしておけ、普段やらないならそれを貫けということだと思う。急に重要な場面だけバントさせようとしても成功率が異常に低くなるだけ。そんな旨い話はない。本当に送りたいならピンチバンターも出せばいい。

1アウト2塁にしたところで、現状の筒香が及川と当たって打てたのかどうか。一塁が空いた状況で歩いて三森に繋がればという狙いだったかも知れないが。悪循環で自分たちの首を絞めているように感じられる。

キジ [Other]

田中将を打った先週木曜を除けば、打線が終盤までほとんど得点できず、競り合いにもならない状況が続いていた。この日は、3回に一度追い付き、すぐに勝ち越されるも再び追い付く粘りを見せた。しかし、追い付くのがやっとで追い越せるような勢いは全くなかった。

2-2で延長に入りあまり勝ち筋が見えなかったので、何とか引き分けに持ち込めれば、京セラドームでの対戦の裏返しで2敗1分で済むかなと思ったが、そんなに甘くない。11回は坂本、12回は宮城かなと想定していたが、その前で山崎が痛恨の被弾となった。

もちろんそこだけが敗因のはずもない。勝ち越せない、決められない打線にも大きな要因がある。ちょっと焦り始めているのか、采配も怪しい感じになっている。こういう時は大抵裏目に出て、勝っていれば誰も気にしない部分が粗として見えてしまう。

ガールズフェスティバルの3戦目は、大貫と富田というマッチアップ。予想通り東は広島戦に回り、未勝利の大貫が今季初勝利を懸ける。大貫が6回2失点くらいで行ってくれれば十分なのだが、何せ打線の迫力が全くないので、それで勝てる気もしない。

日程や中止などの影響もあって、4月5日以来の一軍登板となる富田は、過去の2試合も70球弱で降りていて、長いイニングは期待されていない。逆に言えば早めに崩さないとまたリリーフ勝負になって苦しくなる。立ち上がりを捕まえたいところ。