05/17 東京ヤクルト7-6横浜DeNA(神宮)
先発の平良は2回に中村のタイムリーで先制され、3回にも内山の犠牲フライで追加点を奪われた。しかし、4回に佐野の1号3ランで逆転すると、5回には度会が2ランを放ち3点をリードする。平良は5回にサンタナの一発を浴び、3失点で降板。6回から登板した颯が7回もマウンドに上がるが、ノーアウト1、3塁のピンチで降板。代わった坂本が茂木に逆転3ランを浴びた。8回表に松尾の犠牲フライで同点とするも、その裏に宮城が宮本のタイムリー二塁打で勝ち越しを許し、9回は石山に締められた。
ポジ [Good]
佐野が4回に逆転3ランを放った。今季140打席目でようやく初ホームラン。元祖デスターシャが披露された。前日のオースティンに続き、今季1号が良いところで飛び出した。
この回先頭の牧がヒットで出塁するも、度会とオースティンはいずれも内野ゴロで、併殺になってもおかしくない当たりだったが、雨で濡れた人工芝が影響したのか細かいミスがあった。松尾がセンター前ヒットで繋いだ1、2塁のチャンスで、初球のフォークを捉えた。強い風に押されギリギリでスタンドに飛び込んだが、1本出たことで今後の気持ちも変わって来るだろう。
5回には度会が2ラン。カットボールが真ん中高めに入って来たところを完璧に捉えた。打った瞬間という打球は神宮のライトスタンド中段へ飛び込み、かなりの飛距離だった。8回もライト線への鋭いヒットを放ち、内山が足を滑らせる間に二塁へ進み、同点劇を演出した。連日のマルチヒット、4試合連続安打と少し状態が上がって来たようだ。
開幕時点で、平良が先発する時だけ松尾がスタメン起用されていたが、バウアーとのバッテリーが定着した後は、山本が平良とバッテリーを組んでいた。前日にバウアーとバッテリーを組んだ松尾は、バッティングの好調さを買われて連日の5番でスタメン起用。この日は4月20日以来で今季4度目となる平良とのバッテリーを組むことになった。
オープン戦の西武戦で5回までノーヒットに抑えたバッテリーだが、この日は初回こそ2三振と上々だったが、2回に先制を許し、球数が嵩む苦しい投球だった。バッティングの方では4回にヒットで繋ぎ、佐野の逆転3ランを呼び込んだ。
そして、茂木に逆転3ランを返される形になった後の8回、1アウト3塁で初球を捉え、レフト後方への外野フライ。犠牲フライには十分過ぎる飛距離だった。最低限と言われることも多い犠牲フライだが、そう簡単に打てるわけではない。だが、これが今季3本目の犠牲フライ。バウアーの1-0の完封の決勝点、新潟での先制点もそうだった。1点欲しいところできっちりと役割をこなせる。
バウアーの時だけ松尾、大貫は戸柱、それ以外は山本という形になっていたが、これだけの活躍を見せられるとしばらくは東の時だけ山本でも良いのではないか。松尾は中学時代にショートの経験はあるが、他のポジションに入るには準備に多くの時間を割かなければならない。まだ学ぶことの多い高卒3年目にそれを求めるのは酷。言うのは簡単だが、やるのはとても困難。やれてファーストくらいだろうがオースティンがいるので、いずれにせよ週1のベンチスタートの時くらいになる。
山本はチャンスでは勝負強いバッティングを見せてくれているが、トータルでは状態は上がって来ていない。リードも含めた守備力は松尾にまだまだ向上の余地はあるが、実力で競争しているなら、バッティングでこれだけのアドバンテージを見せれば考えるべきだと思う。
ヤジ [Bad]
平良は良いボールも多々あったが、右打者のアウトサイドの出し入れが思うように行かなかった。球審がそこのゾーンを広く取っていなかったので相性も悪かったかも知れない。四球はオスナへの1つだけだが、アウトサイドが決まらずにカウントを悪くして打たれたり、球数が嵩んだりと影響は少なくなかった。
それでも2回、3回は何とか最少失点で切り抜け、逆転してもらった4回は下位打線を簡単に三者凡退で片付けた。しかし、度会の2ランで3点差になった後の5回に打たれた、サンタナのホームランが試合の流れを変えてしまった。この日の球数や調子を見ると5回で降板する可能性が高かっただけに、このイニングは大事に行って欲しかった。
アウトサイドへのストレートが高めに入った分、サンタナが押し込んでポール際に打ち込むことができた。低めであればそう簡単にはスタンドまで運べない。勝ち投手の権利を持って降板し、消えてしまう形になったが、前回ファビアンに浴びた一発も含めて今後の反省点としてもらいたい。
ウィックが前日、辛くもピンチを切り抜けて今季初セーブは挙げたが、連投で29球を費やしたこともありこの日はベンチを外れた。伊勢も連投しており、5回で平良が降りた後をどう繋ぐかが課題だった。6回はまず颯を送り、ランナーを出したが無失点で抑えた。7回表に颯に打順が回ったが、そのまま打席に送り、ヒットを放った。
7回裏も颯がマウンドに上がったが、先頭の岩田を歩かせてしまった。続くサンタナの初球で岩田がスタート。ランエンドヒットでサンタナがインサイドのボールをライトへ運びノーアウト1、3塁。茂木のところで坂本に交代した。もともと茂木のところで坂本を送る想定をしていたのだろうか。
右打ちの外国人選手に変則フォームの投手を当てたがるが、サンタナは日本で5年目のアベレージヒッターなので、そんなことは通用しない。左腕、右腕で数字もほとんど変わらないし、回の頭から坂本で行った方が良かったように思えた。ただ、日曜の試合も残っているのでなるべく投手は少なくしたかったというのはあるのだろう。
代わった坂本が、茂木に初球を捉えられ、フェンスをギリギリで越える逆転3ランを浴びた。1球速報はストレートになっているが、ど真ん中のカットボールのようにも見えた。松尾のミットはアウトサイド低めに構えられていたが、失投を見逃してもらえなかった。
8回表に同点とし、その裏は連投となる宮城が登板。前日に待望のプロ初勝利を挙げ、気持ちは高まっていたと思うが、先頭の山田に粘られて歩かせてしまった。中村はバントを打ち上げてファウルフライとなったが、代走の伊藤に盗塁を決められた。
そして、宮本にはインサイド高めのストレートを上手く打たれ、ライト線へのタイムリー二塁打。追い付いた直後、同点のまま9回に入って行きたいところだったが、先頭四球からの悪い流れを止められなかった。宮城は今季初失点で、プロ初勝利を挙げた翌日にプロ初黒星ということになった。良くも悪くも試合を左右する重要なポジションを任されている証でもある。この経験を今後に生かしてもらいたい。
結果としては継投の失敗で中盤の3点リードを守り切れなかった。先発の頑張りがあって終盤は1点を争う試合が続いて来た。その分、山崎、中川、堀岡の登板機会はなく、登板が偏ってしまった。この展開で山崎を使うだけの信頼が得られていないことは確かだが、4日以来登板がない状態。ビハインドで起用する投手との役割分担があるにせよ、もう少しどうにかならないものか。6回はそれこそ山崎で良いかなとも思った。それで打たれたら批判の嵐だろうから結果論でしかないが。
7回と8回はいずれも先頭打者への四球が失点に繋がった。僅差のゲームでは先頭を取りたい、打たれてはいけないという気持ちが強過ぎ、警戒してボールになってしまうことはあるが、無条件でノーアウトのランナーを出してしまうと苦しくなる。前日のウィックは3連続四死球のノーアウト満塁を凌いだが、なかなかないこと。リリーフとしていかにストライクを先行させ、打ち取るかを考え抜いてもらいたい。
キジ [Other]
連日の打撃戦となり、神宮らしさが出てきた。昨日のブログで書いた通り、5月1日も平良と高梨のマッチアップで、9回を終えて両チーム得点なく延長戦となったが、この日はお互いの先発が失点を重ねた。
動きが激しく見ている方も面白いゲームではあったが、中盤で逆転し3点をリードしながら最終的には再逆転負け。勝ちたい試合だったが継投が思い通りには行かなかった。打線が上向きになったのか、神宮だからなのかはまだ分からないが、打線が打つと投手陣も打たれてしまうのは試合の流れや雰囲気もあるのだろう。
故障者も多く本調子ではないヤクルトに勝てるうちに勝っておきたいところだったが、1勝1敗となった。現状最下位となっているチームにカード勝ち越しを止められるわけには行かない。18日の3戦目は東と石川が先発する。エース東が登板する日には負けられない。前回は日焼けにも苦しみ、ピンチの連続で何とか5回2失点で凌いだ投球だった。中6日の登板はナイターになるので、東らしい投球を期待したい。
石川は防御率6.00だが既に2勝を挙げている。前回は5月4日とかなり間が空いているが、阪神を6回1失点に抑えての勝利と悪くない。ベイスターズもこれまで神宮では好投されることが多かったし、今季は左腕に分が悪いのでしっかりと打つボールを決めて打席に入って行って欲しい。打てそうで打てないのが特長なので、考えもなしに何となく手を出すと術中にハマる。石川を攻略し、東を援護したい。
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