06/29 読売1-0横浜DeNA(東京D)
先発のジャクソンは、2回に中山のプロ初ホームランを浴びて先制点を許す。しかし、3回以降はランナーを出しながらも粘り強く投げ、連打を許さなかった。三者凡退は7回だけだったが、5安打1失点の好投を見せた。打線は初回、先頭の佐野が四球で出塁し、度会の進塁打で得点圏に進むも中軸が凡退。その後は得点圏のチャンスすら作れず。9回2アウトから宮崎がヒットで出塁し、代走の三森が盗塁を決めたが、牧が倒れてゲームセット。3試合連続の完封負けで4連敗。
ポジ [Good]
ジャクソンは、三者凡退のイニングはなかなか作れなかったが、ランナーを出しながらも連打を許さなかった。打線の援護が全くなく昨年と並ぶ8勝目はならなかったが、7回95球5安打1失点とHQSをマークする好投だった。
初戦のケイに続いて勝利投手にすべき先発に援護ができず、見殺しにしてしまった。2回先頭の中山に2ボールとしてしまい、ストライクを取りに行った真ん中のストレートを完璧に捉えられた。先頭打者への四球は避けたいので、2ボールになったことは悔やまれるが、この日のファーストコンタクトでジャクソンの速球をものの見事に捉えた中山を褒めるしかない。
これが致命傷になってしまうのは本当に気の毒。昨日も書いたが、四本柱のうち3人をこのカードに持って来たが、打線が援護できないのであれば誰が投げても同じ。バウアーは残念な結果だったが、2点に抑えたとしても勝てない。ジャクソンは次回、ハマスタでの阪神戦になるかと思うが、今の好調さを維持し、次こそは8勝目を挙げて欲しい。打線次第なのだが。
ウィックが159キロをマークする速球で押し、8回裏を無失点で抑えた。バンテリンドームで160キロを計測しているが、東京ドームは比較的スピードガン表示が出ない印象なので、159キロでもかなり速いと思う。マルティネスもこの日のMAXは155キロだった。
本来はホールドのシチュエーションで力を発揮して欲しいが、なかなかそういう展開に持って行けない状況が続いている。前回もイマキュレートイニングを達成するなど、夏場を迎えてウィックの状態は上がっている。ケガに留意し、シーズン最後まで腕を振って欲しい。
森がダイビングキャッチでジャクソンを助けた。4回、2アウト1、2塁で増田陸がナックルカーブを捉えた三遊間へのライナーをスーパーキャッチ。2アウトだったので、抜けていればタイムリーになった可能性もある。素晴らしい反応を見せた。
9回、開幕から30試合無失点のマルティネスに対し、2アウトから宮崎がヒットで出塁。代走の三森が起用されると、果敢に初球でスタートを切った。初戦では勝負どころで甲斐に阻止されていたが、ここは強肩の小林から見事に決めた。結果的に同点にはできなかったが、誰もが走ると思った中で決められる走力。これを生かすような攻撃をしたい。
ヤジ [Bad]
初回、佐野が四球で出塁。2試合連続で完封されている中、バントで送るのかと思ったが、ランエンドヒットなど思い切った作戦も使い、度会が7球目を転がして何とか得点圏にランナーを進めた。クリーンアップで何とか先制点を取りたいところだったが、宮崎は2球目のフォークを引っかけ、牧もやや浮いたフォークを打ち損じて内野ゴロ。3球であっさりと終わってしまった。
3回は、投手のジャクソンがチーム初ヒット。学生時代は野手だったジャクソンはバッティングが良いが、今季はこれが初ヒットだった。しかし、この日は出塁を期待して今季初の1番に入った佐野が併殺打。フルカウントからのフォーク、甘く入ったようにも見えたが捉えられない。
その後は散発で、5安打に終わった。赤星はいきなり四球ではあったがコントロール良く投げ分けた。ベイスターズの打者もストレートと変化球の区別が難しいようで、7回の牧はストレート2球で追い込まれた後、ボールゾーンから曲がって行くようなワンバウンドのカットボールを振ってしまっていた。緩急をつけられ、140キロ台のストレートに押し込まれて、変化球も振らされるという形で翻弄された。
3試合連続完封負けはもちろん牧だけの責任ではないが、牧ほどの打者なのに相手から見たら怖さを感じていないように思う。9回、2アウト2塁で打席に入ったが、簡単にはストライクを取りに行けないという印象を与えられていない。もちろん、開幕から30試合も無失点が続き、NPBでは最高峰のストレートを投げるマルティネスだからというのはあると思う。
それにしても、こういう場面でボールが先行して歩かせるということが少ない。初回もそうだが、何となく打てそうなボールは手を出して打ってしまう感じがある。NPBを代表する素晴らしい打者ではあるが、そういう意味ではやはり4番のタイプではないのだろう。
度会にも言えることだが、積極的かつバットコントロールに長けているので、打ちに行って打ててしまい、それが守備範囲に飛んでしまうことも多い。狙っていないボールや厳しいボールは空振りかファウルになってくれた方が良いのに、淡泊に映る凡打になってしまう。打てている時の勢いは凄いが、そうでない時は怖さのない打者になってしまう。
初球を打って凡退すると文句を言う素人が多いが、それは凡退したという結果からの印象で言っているだけ。どの打者も2ストライクを取られたら打率が大幅に下がる。逆にファーストストライクを打ちに行った時の打率は高い訳だから、早く打ちに行った方が良いに決まっている。問題は初球とファーストストライクの違い、そしてファーストストライクなら何でも打ちに行っていいわけではないという点。
DeNAはラミレス監督の時代から若いカウントで積極的に打って行く方針を続けている。早打ち、粘れないと言われることも多いが、待っていても追い込まれて打てなくなるだけだし、相手にもよるが先発に球数を投げさせたところで現代の野球では勝ちパターンが出てくる。
素人が言う程簡単なことではないのは承知だが、ファーストストライクを打ちに行く際にもっと絞り込み、狙ったボール以外は我慢するということが重要ではないか。狙ってないけど打てるゾーンだから打ってしまったとか、初球から2ストライクを取られた後かのようなバッティングが散見される。
そして、現状大して長打もないのに2ストライクからバットに当たらないことが多過ぎる。ストレートに合わせて変化球を対応できないようでは一軍で成績を残せない。梶原がバットに当てられないことは二軍の時代から分かっているが、さすがに当たらな過ぎると思う。2ストライクを取られた後のボールを無理やりフェアゾーンに入れるのではなく、捌けるボールが来るまでファウルにするような技術を身に着けて行かないことには、好投手に当たったらほぼ負けるというチームにしかならないと思う。
野手コーチの入れ替えという意見も多く出ているが、本当にそこが原因なのかは疑問。結果に責任はあるにせよ、そもそも素人にコーチの貢献度を語れるわけがない。ただ、これだけはっきりと打力に問題が出ている以上、何もしないというわけにも行かないのでは。投高打低の環境ではあるが、今季に関しては上位3チームに対し、得点そのものはほぼ変わらないものの接戦で1点を取る能力は大きく劣っている。
交流戦ではうまく行かなかったがリーグ戦で、と思って臨んだであろう3連戦でこの体たらく。オールスター前にシーズンが終わりかねない。危機感を持って変えて行かなければならないだろう。
キジ [Other]
昨年のCSファイナルステージ第5戦、山﨑康晃が中山礼都にソロホームランを打たれていた。この日、ジャクソンが2回にソロを浴び、これがレギュラーシーズンではプロ初ホームランとなった。CSでもその1点が決勝点となり0-1で敗れていたので、嫌な感じはあったがその通りになってしまった。
3試合連続の完封負け。この3連戦に入る前からケイ、バウアー、ジャクソンを揃えたところで打てなければ意味がないと思っていたが、想像していた以上に点が取れなかった。東京ドームでは4月15日、16日も完封負け。田中将大が先発した17日こそ9-1の大勝だったが、6試合中5試合が無得点ではどうにもならない。
山﨑伊織 21回2/3 無得点
グリフィン 13回 無得点
赤星優志 13回2/3 無得点
(井上温大 13回 2得点)
ハマスタでの対戦も含め、読売の先発投手陣からほとんど得点を取れていない。8回大勢、9回マルティネスという12球団でも屈指の勝ちパターンを持っているチームなので、先発投手から得点し、リードした状態で終盤を迎えたい相手。自軍の先発投手が踏ん張ったとしても、これだけ無得点が続いては勝てない。
阪神も2試合連続完封勝ちで、チーム防御率は2.02となった。読売は2.66なのだが、DeNAにとっては阪神よりもよほど得点が取れない印象。良い投手なのは間違いないが、だから得点が取れませんでは勝負にならない。オールスター前にまだ対戦もあるので、対策が急務。東京ドームでは勝負どころの8月に2度の3連戦がある。ここで雪辱できないならリーグ優勝はおろかCSさえも見えなくなって行くだろう。
この日、バウアーが登録抹消となった。二軍での調整登板もあるのかは分からないが、現状打たれている原因をしっかりと分析し、対策して欲しい。被BABIPとか不運な部分ももちろんあるが、多少あったとしても他の内容が良ければ大量失点は食い止められるはずで、明らかに打たれる原因がある。2023年もそうだったように、打ち込まれた後に対策してリベンジするストーリーにわれわれファンも期待している。
6月は8勝14敗で終わり、5月に15勝8敗1分で作った貯金を吐き出して借金生活に戻ってしまった。交流戦中は負けても首位との差がなかなか広がらなかったが、ここで一気に5.5差に開いてしまったのはかなり厳しい。
来週から7月に入り、まず最初に中日、そして首位の阪神とハマスタで6連戦。ここで出直しとしか言いようがないが、言葉だけでなくしっかりとした戦いができるように、チーム全体で気持ちを一つにして欲しい。


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