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竹田が7回1失点で4勝目 着実に加点し援護

09/20 阪神1-4横浜DeNA(甲子園)

4回にヒットで出塁した桑原が盗塁を決め、山本が低めの変化球を拾ってレフト線へタイムリーを放ち、先制。5回には蝦名がセンターの前へ落ちるタイムリーを放って加点。先発の竹田はストライク先行の投球で6回まで66球で2安打ピッチング。7回に大山のソロを浴びて1点差とされる。8回表にオースティンが11号2ランを放って突き放すと、8回裏はウィック、9回裏は伊勢がパーフェクトに抑えた。竹田はHQSをマークし、4勝目を挙げた。

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ポジ [Good]

竹田が7回を投げて大山のソロによる1点に抑え、4勝目を挙げた。2度の指名漏れを経て、大卒社会人3年目でドラフト1位指名された即戦力ルーキーとしては遅い8月16日の一軍デビューとなったが、5戦で4勝1敗と素晴らしい数字を残している。

前半はかなり苦しんだが、遠回りではなかったことを証明している。春季キャンプはA班も、開幕ローテーション入りはならず、春先のケガから不調に陥った。即戦力の期待が高かった分、指名の時から疑問視されていた「ドラフト1位で獲るような投手か?」というような声が多く噴出した。

ベイスターズが評価したのは、竹田が三菱重工Westで指名漏れとなった際、プロ入りに向けて勝負のラストイヤーとして自ら改善点を考え抜き、それを実行した点。アマチュアでどんなに素晴らしいプレーをしていても、年間143試合に加えてキャンプやオープン戦、ポストシーズンを戦い抜き、プロの相手が研究を重ねて来る中で、誰しもが壁に当たる。その時に修正や改善ができる能力がなければ一時的な活躍で終わってしまう。

まだこれからだと思うが、森敬斗や梶原も昨年後半は一時的にかなり活躍したが、継続できていない。名前を挙げて申し訳ないが、彼らが本当の意味で何故活躍できていたのか、そこからどうすれば改善できるかをまだ理解し切れていないのだと思う。

そういう意味で、竹田は大学4年間、社会人3年間の経験とともに春先から梅雨くらいまでの不調を修正する能力があったということだろう。もちろん二軍のコーチやチームスタッフのサポートもあるだろうが、最終的にやるのは本人。

もともと竹田の触れ込みとしてはコントロール、変化球も含めた実戦的な投手で、大貫に近いと言われていた。少しフォームを崩していたのか140キロそこそこになっていたストレートも、スピードガン表示でも改善が見られ、変化球との緩急をつけるのに十分なくらいの球威に回復できたことが、この活躍に繋がっているのだろう。

この日は2回に先頭の大山を歩かせてしまった。竹田は阪神とは初対戦だが、先輩の入江が手痛いホームランを打たれている相手に警戒してしまったか。高寺の高いバウンドのゴロはオースティンがミットに当てて弾き内野安打となった。

小幡には捉えられたが、ややバットの先でライトフライ。タッチアップで1アウト1、3塁となるが、梅野にはインサイドにストレートを投げ切って空振り三振。高橋も打ち取って無失点で切り抜けた。大山は歩かせたが、コントロールが良くストライクを先行できるし、ピンチでも落ち着いている。

3回から6回まではパーフェクトピッチング。先制点をもらった後の4回裏も中軸をサクッと三者凡退で抑えた。7回は1アウトから大山に3ボールとしてしまった。やはり大山には何か感じていたのだろう。1つストライクは取ったが、ストレートを続けたところシュート回転して真ん中ややインサイド寄りに入ってしまった。速球を狙っていた大山が完璧に捉えてのホームラン。

甘かったとはいえ完璧なホームランにした大山が見事だった。変に引きずることもなく、後続を抑えて84球で7回を投げ切った。この好投でCSファイナルステージに進めた場合は先発の候補にも挙がって来る。来週は試合数が少ないのでどのようなローテーションになるか分からないが、今シーズン中にもう1試合登板を観たい。

この日も竹田の良さを引き出した山本が、先制タイムリーでバットでも援護した。4回先頭の桑原がヒットで出塁も筒香、オースティンが倒れて2アウト。山本の打席で桑原が盗塁を決めて2アウト2塁になった。追い込まれた後、チェンジアップを泳ぎながら拾い、レフト線へ落とした。

6回は四球を選び、8回には伊原のツーシームを捉えたが、左中間で近本がスーパーキャッチを見せ、阻まれた。バッティングの好調さは維持できている。まずは2位に向けて攻守に活躍が期待されるが、CSに向けて準備して行って欲しい。

この日が28歳の誕生日という蝦名は、初回に打席へ入る時にバースデーソングが演奏された。少し力が入ってしまったのかどうか分からないが、2打席連続三振。5回に加藤の完全に詰まった打球がファーストの後方へ落ちるヒットと竹田のバントで2アウト2塁とし、蝦名の3打席目。こちらもインサイドのストレートに完全に詰まったがセンターの前に落ちるヒットで加藤が生還。バースデータイムリーとなった。

26試合連続出塁に数字を伸ばし、1番として申し分ない活躍。8月の好成績に続いて9月も打率.322、出塁率.395と素晴らしい数字。昨年は8月から日本シリーズまで梶原が活躍したが、今年は蝦名の活躍でポストシーズンも突き進む。

オースティンがダメ押しとなる11号2ランを放った。7回裏に1点差に迫られた直後の8回表、先頭の桑原がヒットで出塁。筒香は見逃し三振に倒れて1アウト。オースティンが打席に入るところで、テレビを観ながら「一発打ってくれないかな」と言ったら見事に打ってくれた。

試合の流れとしてもあと1点が取れれば勝利を引き寄せることができる。連打のイメージが湧かなかったので一発で何とかしたいところ、浜風が強まった甲子園では右打者に期待するしかない。そうなればオースティンに期待が高まる。フルカウントからの7球目、スライダーが真ん中高めに入って来たところを完璧に捉え、打った瞬間という当たりだった。

なかなか常時スタメンで出場し続けるコンディションにないようだが、やはりオースティンのバッティングは魅力的。何とかレギュラーシーズンを乗り切り、CSでも相手に圧を与えて欲しい。

8回からウィックが登板。ヘルナンデスは高めのストレート、近本はカーブで空振り三振に取り、全く危なげない投球で圧倒した。これで20ホールド目。昨年はシーズン最終盤にケガをしてポストシーズンでは投げられなかったが、今年は勝ちパターンとして力を発揮して欲しい。

9回は伊勢。3点差と少しゆとりがある中だったが、球威、コントロール、変化球の全てが申し分なかった。中野は高めのストレートを振らせ、佐藤輝にはフォークの連投で3球三振。12セーブ目となり、かなりクローザーとしても板に付いて来た。

森原が復調して来て、あとは入江が良くなれば短期決戦のブルペンも心強くなる。初めて年間を通して一軍で投げている宮城はだいぶへばっているとは思うが、何とか完走して欲しい。

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ヤジ [Bad]

この時期はとにかく「勝ちゃえんよ」なのだが、シーズンを通して貯金を30以上作れるチームと、5割を超えるのがやっとというチームの差が見えて来る。重箱の隅をつつくようだが、来季以降にリーグ優勝できるチームを作るには重要なところだろう。

2回、オースティンが四球で出塁して山本の打席。ランナーがオースティンだし打順も下位に入って行くところで、長打で何とか繋ごうと考えたのかも知れない。初球から振り過ぎなくらいにツーシームを空振り。2球目のストレートは高めに来たが、これもスイングが大きくファウルとなった。追い込まれて右打ちを意識するのかと思ったが、3球目はインサイドの厳しいコースに来て、ファイルチップしてミットに収まり、空振り三振。

ノーアウトのランナーなので、少なくとも追い込まれたらもう少し進塁を意識すべきだろう。バッティングが好調なだけに雑になったようにも感じられた。しかし、2打席目は得点圏だったこともあって、低めに落ちるボールをコンパクトに拾ってタイムリーを放ち、カバーしたところはさすが山本といったところではある。

2回裏、同じように先頭の大山が歩いた阪神は、高寺の打席でヒットエンドランも敢行した。結果、高寺は進塁を意識した高いバウンドのゴロを打ち、オースティンのミットを弾いて内野安打となった。大山と足に不安を抱えるオースティンでは比較できないし、山本と高寺のタイプも異なる。それにしてもチーム全体として塁を進めることに対する意識が違うように映った。

6回、椎葉のコントロールが安定せず、山本を歩かせた。度会はインサイド高めのストレートを強引にライト線へ持って行き、2アウト1、3塁。石上にも3ボールとなった。1球待ち、3ボール1ストライクからストレートに絞って打ちに行った。

打球はライトの後方を襲ったが、甲子園の浜風は強く逆風で伸びなかった。ハマスタでフォローの風なら3ランだった可能性はある。3-1のカウントから積極的に打ちに行くのは良いと思う。パンチ力も石上の長所ではあるが、2-0のこの場面で必要なのは三塁ランナーを還すこと。甲子園でライトへ良い打球を打ってもスタンドまで持って行くのは難しい。

そう考えれば、ストレート一本に絞ったとしても、打つべきはセンターを中心としたライナー。積極性と無策を混同してはいけない。イケイケで何も考えず才能に任せて自分が気持ち良く飛ばしても、それはチームへ貢献できない。結果、1点差に追い上げられたがオースティンの2ランで試合の流れを失わずに勝ち切れたが、6回の逸機が逆転負けに繋がることもある。年間の勝率を高めるために1つ1つのプレーで何をしなければならないのか、もっと個人が考え抜く必要があるだろう。

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キジ [Other]

竹田が好投し阪神に得点を与えない中で、打線が2巡目に高橋から得点を奪った。1点差に詰められて苦しくなったところでオースティンの2ランはあまりにも大きかった。先制、中押し、ダメ押しと理想的に得点が取れた。先発がHQSをマークした上で、勝ちパターンが完璧な投球を見せた。展開の上では言うことなしの快勝だった。

6連勝が止まった後、連敗しなかったことも非常に大きい。3連敗くらいしてしまうと6連勝が半分くらいの効果になってしまうが、すぐにまた勝てたことでチームも乗って行ける。再び貯金3に戻し、シーズン勝ち越しまであと3勝としたが、リーグ優勝決定後の帳尻合わせと言われたとしても、貪欲に貯金を積み重ねていきたい。記録は後々まで残って行くので。

この日、読売が広島に勝ってCS進出を決めた。ファーストステージの開催地が決まるのはまだ先になりそうだが、DeNAと読売がファイナルステージ進出をかけて争うことが確定した。

阪神が最速でリーグ優勝を果たし、ファイナルステージは甲子園で行われることが確定している。この日は今年のレギュラーシーズンとしては甲子園での最終戦だったが、ベイスターズとしてはまた戻って来るという強い決意を持って後にしたことと思う。

21日はハマスタに戻って広島戦。CS進出が消滅した広島は中日と4位争いにはなるが、CSとは異なるので来季に向けてのことを考えた戦い方にはなるだろう。先発は平良と常廣と発表されている。平良は直近2試合は広島戦で好投を見せており、そこも考慮されての起用だろう。特に前回は雨天コールドではあるが5回で完封勝利だった。イニングは短くても最少失点で抑え、チームを勝利に導いて欲しい。

常廣は今季は初対戦となる。昨年の9月には山本が死球を受けて右手の尺骨を骨折しているので、その印象が強い。今季はまだ4試合の先発で20.1イニングだが、既に2死球を与えている。平良と組むのは松尾だと思うが、ケガのないようにしてもらいたい。ちなみに昨年の対戦では佐野が3打数3安打、オースティンがマルチヒットをマークしている。

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