10/16 CS Fin 阪神5x-3横浜DeNA(甲子園)
先発の竹田は初回、佐藤輝のタイムリー二塁打と大山の犠牲フライで2点を失う。3回に蝦名と佐野のタイムリー二塁打で同点に追い付くと、4回には牧のソロで勝ち越し。竹田は6回途中まで2失点で凌ぎ、中川と石田裕が好リリーフ。しかし、8回表にノーアウト2、3塁の大きなチャンスで無得点に終わると、8回裏に伊勢が佐藤輝のタイムリーで追い付かれる。延長に入り、佐々木が森下にサヨナラ2ランを浴び、崖っぷちに追い込まれた。
ポジ [Good]
ルーキーの竹田が、CSファイナルステージ第2戦の先発という大役を務めた。春先のケガから不振に苦しんだ前半。8月に昇格して初勝利を挙げると、先発ローテーションに定着して4勝を挙げた。2位を目指して快進撃を続けたチームに大きく貢献し、自身の力でこの座を掴み取った。
それでも初回は緊張感が見えた。近本を追い込んでから勝負球が決まらず歩かせ、1アウト1塁から森下へのスライダーが抜けて甘く入り、ライト線への二塁打で1アウト2、3塁。佐藤輝はインサイド高めのストレートで詰まらせたが、レフト線にポトリと落ちるタイムリー二塁打となった。佐藤輝の力で持って行かれる、やや不運な打球だった。さらに大山にも犠牲フライを許して2点目。
前日も得点が奪えず0-2で負けているだけに、かなり重い2点に感じられた。2回は小幡にヒットを許すも、才木のバントは失敗、その後山本が盗塁を阻止し3人で攻撃を終わらせた。同点に追い付いてもらった後、1番から始まる打順で三者凡退。勝ち越し点をもらった後も、先頭の佐藤輝に二塁打を打たれながら後続を断った。
5回表が終了したタイミングで雨がかなり強くなり、47分の中断。ルーキーとは言え大卒社会人で経験も豊富。ブルペンで調整しつつ再開を待ち、5回裏も高寺のヒットと盗塁でピンチを招きながら凌いだ。
6回のマウンドにも上がったが、先頭の森下にヒットを打たれたところで三浦監督が出て交代となった。ランナーが出るまで行くことになっていたのだと思うが、中断も考えると6回頭から代えて良かったように思う。
単にCSファイナルステージという舞台を経験するだけでなく、先制点は許したものの立て直し、中断を挟んで5回まで投げたことはチームへの貢献が大きかった。前半うまく行かなったが、後半は即戦力ルーキーとして十分過ぎる活躍だった。来季へしっかりと繋げてもらいたい。
竹田が残したランナーを還すことなく、中川が素晴らしいリリーフを見せた。佐藤輝の打席で暴投があり二塁まで進めてしまったが、落差の大きいフォークを連投し、3者連続三振を奪った。
昨日も甲子園では素晴らしい投球をしており、レギュラーシーズンでは奪三振率18.00と紹介したが、この日はさらに圧巻の投球だった。中川のフォークは縦スラのようなイメージで、ボールが回転して落ちる。打者にはストレートとの見分けが付きにくいボールになっていると思う。
加えて、この日はちょうど良い高さから打者の近くで大きく落ちた。暴投は1つあったが、打者がバットを止められないくらいのコース、キレだった。この投球が年間でコンスタントにできれば勝ちパターンに入れる。ナックルカーブもさらに磨いて飛躍して欲しい。
続く石田裕も坂本から三振を奪い、三者凡退で片付けた。リリーフとしても役割をきっちり果たせるようになってきて、頼もしい。
打線では、3回に蝦名が粘った末に才木のストレートをきっちり捉え、左中間を完全に破るタイムリー二塁打でファイナルステージ初得点をもたらした。前日は完封リレーを喫し、重苦しいムードの中で流れを変える一打だった。
佐野も初球のスライダーが浮いたところを上手くレフト線へ持って行き、同点となるタイムリー二塁打で続いた。5回、8回にもヒットを放って3安打。ファーストステージでもホームランを放っており、バッティングの状態はいい。
牧が4回に勝ち越しとなるソロホームランを放った。3ボール1ストライクとなり、ストレートに狙いを定め、ストライクを取りに来た甘いボールを完璧に捉えた。状態は良くないが、ここは打ち損じることなく捉えることができた。こういう一打があるので悪くてもなかなか外せない。
ヤジ [Bad]
8回表の逸機が、試合の流れを大きく変えてしまった。1点でも取れていたら展開は全然違っていたはずだが、無得点に終わってしまったことで阪神へ流れが行ってしまった。これだったら、むしろ三者凡退の方が良かったくらいで、伊勢も変な緊張感を持つことはなかっただろう。
佐野のヒットに続いて、筒香がライト線への二塁打でノーアウト2、3塁。できれば2点を取りたい場面だった。牧は外野フライも視野に、高めのボールを狙っていたのかも知れない。初球のフォークが浮いたところに合わせたが、ライナー性の打球がライトへ飛び、森下が前進しながら捕球しホームへダイレクト返球。代走の神里でもさすがにこれはホームを突けなかった。
タイミングは合わせられていなかったが、高めを狙っていたので手を出してしまった形で、少し勿体ない打席だった。
続く山本もフォークを引っかけてサードゴロ。神里がランダウンプレーでアウトになった。ここも粘ることができず、筒香が二塁へ戻る形となった。前日に森下が粘って佐藤輝が三塁まで進んだのとは対照的だった。
石上のところ左腕の岩貞が登板。レギュラーシーズンでは左腕に.098という石上は、CSに入って結果を残していたが、ここは岩貞のスライダーに全く合わず、ボールになるコースを3球振ってしまい三振。致命的な逸機となってしまった。
1点差のまま、流れが阪神へ行った状態で上がった伊勢は、近本を警戒し過ぎて歩かせた。この四球も致命的だった。中野が送った後、森下とも勝負し切れずに歩かせ、佐藤輝には初球のフォークが浮いて同点タイムリーとされた。さすがに伊勢でも、8回表の大きなチャンスを逃した流れでの登板は苦しかった。佐藤輝のヒット1本で追い付かれてしまったのが悔やまれる。
9回は森原を投入して抑え、延長戦に持ち込んだが、10回に登板した佐々木が森下にサヨナラ2ランを浴びた。9回を終わった時点で、残っていた投手は佐々木の他、坂本、宮城、堀岡。ここから3人選ぶか、誰かに複数イニングを任せるか。もしかしたら佐々木に2イニングを期待したのかも知れない。勝ち越した場合に坂本を残し、佐々木と堀岡で何とか凌ぎたいところだっただろうか。
救援防御率がリーグトップの1点台の阪神と、リーグワーストの3.37となったDeNAなので、リリーフ勝負になった時点で苦しい。8回に追加点を奪って逃げ切るしかなかったが、逸機が致命傷となった。
キジ [Other]
初回から2点を奪われる厳しい展開となったが、最優秀防御率の才木から連続二塁打で追い付き、牧の一発で逆転した。ただ、この1点のリードを守り切るには厳しかった。8回表にノーアウト2、3塁という大きなチャンスを作りながら、1点も取れず。この流れで8回裏の1番からの打順を迎えて抑え切るのは至難の業だった。
追い付いた阪神は9回、10回に前日回跨ぎの登板だった石井、及川を連投させた。2イニングをきっちり抑えれば、ベイスターズのリリーフの陣容からしてサヨナラ勝ちできると踏んだのだろう。藤川監督の采配も見事にハマった。
これでアドバンテージを含めて0勝3敗。パ・リーグも同じ展開だが、2位チームが崖っぷちに立たされた。戦前から想定していた通りではあるが、この日は一度逆転して8回まで行っただけに悔しい連敗となった。日本ハムは昨年も3連敗で終わっており、意地を見せたいところ。DeNAも同じく少しでも阪神を苦しめたい。
第3戦はケイと髙橋のマッチアップ。ケイはレギュラーシーズンで阪神戦の防御率が0.85と抜群の相性だった。しかし、1勝2敗となかなか打線の援護もなく勝ちが付かなかった。髙橋はレギュラーシーズンでは1勝1敗で、9月の対戦で黒星を付けている。昨年のCSファーストステージでは打ち込んだが、そう簡単な相手ではない。ケイで一つ取って一矢報いたい。


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