03/18 横浜DeNA9-4オリックス(ハマスタ)
先発のジャクソンは、4回まで1安打も4四球と制球が乱れた。5回先頭の太田に二塁打を許したところで交代した。2番手の岩田が後続の3人を片付けて無失点で切り抜けた。3番手の浜地も5球で三者凡退。打線は、エスピノーザに5回まで1点と抑えられていたが、7回に桑原の2点タイムリーなどで4点を追加。8回も京田のタイムリーなどで4点。山崎が9回に3失点と不安が残った。
ポジ [Good]
ジャクソンは、ボールに力はあったし変化球も申し分なかったが、細かいコントロールが思うように行かない様子だった。コントロールがままならないというより、際どいコースを狙って外れていたという感じ。4四球で塁上は賑わせたが、4回まで1安打と打たれそうな感じはなかった。
5回、先頭の太田にライト線へ二塁打を打たれたところで76球となり、降板した。太田には昨年の交流戦で試合を決める逆転2ランを打たれているので、ちょっと苦手な相手かも知れない。今年は京セラドームでの交流戦で当たるかどうかは分からないが、気を付けたい。
投げているボールは全く問題ないので、次回おそらくイースタンリーグで一週間前の調整登板を経て、2カード目の京セラドームでの初戦に備える。来日2年目、最初からCS、日本シリーズのような投球ができれば、どれくらい勝ってくれるのか楽しみだ。
2番手の岩田が、持ち味を発揮し、ジャクソンが残したノーアウト2塁を無失点で切り抜けた。左のサイド、アンダースローにも近いような位置から手が出て来る変則フォームで惑わし、内野ゴロを3つ。左が続く場面などで活躍して欲しい投手で、開幕1軍を掴みつつある。
浜地は僅か5球で三者凡退。全てストレートで、課題のフォークがどうかなと見る前に終わってしまった感じ。ストレートは良いと思うので、あとはフォークが勝負球として使えるレベルまで仕上がるかどうか。次回以降も見て行きたい。
中川虎も三者凡退で片付けた。リリーフに不安が大きくなっているだけに、彼の存在は大きい。昨年前半もリリーフに故障と不調が相次いだ時に勝ちパターンに入っていたが、今年もそうなりそうだ。飛躍を期待したい。
打線では筒香が先制のタイムリー内野安打。完全に当たり損ねの打球で、エスピノーザがベースカバーを怠ったことでヒットになった。最初の打席でレフト線に鋭い当たりを打ち返して二塁打。正直、まだ状態は上がって来たとは言い難いが、ヒットが出るようになって来たという状況か。
そして、桑原が4安打の固め打ち。オープン戦はここまで結果が出ていなかったが、開幕に向けて状態を上げて来たか。6回のタイムリー二塁打は、低めのストレートを捉えており、ストレートに強いという持ち味を発揮した。梶原の状態が良くないので、1番センター桑原で開幕する可能性が高まって来た。レフト佐野で、ライトに入るのが蝦名か筒香かという外野の争いになって来た。
ショートも争いが続いているが、オープン戦を通じて京田の状態がずっと良い。昨年の9月以降を考えれば森敬斗が有力だが、開幕は中日戦ということもあり、個人的にはショート京田で開幕して良いと思う。森敬斗もそれを越えるものを見せて欲しい。林も良い状態で上がって来ているので、ここはハイレベルな争いを展開して欲しい。
東妻も必死に食らい付き、タイムリーを放った。1軍のベンチ争いも熾烈になって来ている。ベンチ入り人数は26人という制限はあるが、開幕3連戦は先発投手が登録されないので、チャンスがあるかも知れない。最後まで結果を積み上げてアピールしたい。
打線は15安打と終盤に東松、古田島から8点を奪う集中打を見せた。開幕に向け、オープン戦最終週は開幕ローテーションに入る投手が登板し、リリーフも開幕1軍が決まっている投手の調整がほとんど。ここでしっかりと打てる状態を作ることができれば、開幕へ良い形で入れるだろう。
ヤジ [Bad]
山崎が9回に3失点。キャンプ序盤からB班の森原は、実戦登板をかなり遅らせると言っていたので、想定通りの状況ではあるが、オープン戦最終週でこの状況だと開幕からクローザーを任せられるのか不安になる。その場合、山崎が代役の一番手ではあるが、この日は高めのストレートを捉えられていた。
本当であれば球威のあるストレートで押し込んで欲しいところではあるが、現状はそうも行かない。杉本に初球、アウトサイド低めのコーナーへ150キロを決めながら、次のボールが真ん中高めに行ってしまい、ヒットにされた。集中力というか、もっと1球1球を大事にして欲しい。
クローザーは投げる球数も少ないので、1球で大きく局面が変わって来る。250セーブに迫る実績を持っているのだから、それは身に染みて分かっているはずなのだが。150キロが出たとして、打者が球威を感じていなければ意味がないし、そのストレートを生かした上で、変化球でタイミングを外すことができなければ対処されてしまう。スプリットも良いところへ落ちたように見えても、泳ぎながら対応できるレベルだし変化に鋭さがないのだろう。開幕までの短い期間でどこまで精度を高められるか。
リリーフのもう一つの心配点として、ウィックが全く登板していないこと。オープン戦は2月22日の初戦だけ。教育リーグ、イースタンリーグ以外の練習試合は把握していないが、おそらく登板していないのだろう。特に発表されていないが故障と思われる。昨年のウェンデルケンのように練習だけの日々が続く可能性がある。ウィックが開幕にいないのは大きな痛手だ。
こうなって来ると、堀岡、宮城といった投手にチャンスが回って来るので生かして欲しい。故障明けなので無理はさせられないが、ファームで登板した徳山、入江あたりも復帰が待たれる。入江は155キロ前後のボールを投げているが、フルプにホームランを浴びており、球威としてはもう一歩というところか。ルーキーの篠木や若松に頼ることになりそうな予感もしている。この状況で伊勢をどう考えるか。リリーフは不安なまま開幕を迎えることになりそうだ。
初回に、二塁打で出塁した筒香が、オースティンの鋭い三遊間への打球に当たるという珍しいアクシデントがあった。三塁ランナーとか、一塁ランナーが当たることはたまに見る。引っ張った速い打球で、距離も近いので避け切れないことがある。
三遊間の打球で二塁ランナーが当たるというのはほとんど見た覚えがない。このプレーは、避けられなかったというより、ジャンプして打球を飛び越えようとしたが、思ったよりオースティンが伸びて来たのだろう。チェンジの際、筒香は打球が揺れていたというジェスチャーをしていた。
2アウトなので、二塁ランナーも三塁へ向かうのは当然で、ショートが後ろで捕球体勢に入るところで、ランナーとして重なって見づらい状況を作ればチャンスが広がる。だからこそ、止まるのではなくは尻ながら打球の上を越えようとしたプレーは間違いではないと思う。オースティンの打球では想定した軌道にはならないことがあるので、注意が必要ということだろう。当たったら当然痛いとは思うが大事に至っていないようなので、オープン戦で良かったというところ。
キジ [Other]
この日は、ハマスタのオープン戦よりもバウアーが先発したイースタンリーグの方が注目を集めたかも知れない。球団も急遽、イースタンリーグの中継をYou Tubeで無料配信した。
初回は3者連続三振と圧巻の投球。重信へのナックルカーブは変化量も大きく、ワンバウンドする投球にバットを止められなかった。前へ大きく弾いてしまったが、松尾が拾って一塁は間一髪アウト。ソードセレブレーションをやろうと直立不動で止まっていたバウアーだった。
2回も10球で打たせて取り三者凡退。3回は3球で2者を力ないフライで打ち取ると、湯浅には再びナックルカーブで空振り三振。4回は1アウトから岡田に3ボールとしたが、結局最後はペイオフピッチからチェンジアップで空振り三振に取った。
そして、フルプには追い込んでからストレートをややサイドからクイックで投げ、見逃し三振に取った。「2週間前からサイドスローで投げるのを始めた」と言っているが、それを実戦でやってしまう好奇心、探求心、そして起用さ。公式戦に入ってどれくらい投げるかは分からないが、そういうこともやって来ると相手に思わせるだけでプラスになるだろう。場面によってはやるだろうね。
5回は、意図せず高めに入ったボールもあり、3安打で1点を失った。ただ、3安打はいずれもきっちりと捉えた当たりではなく、ポテンヒットと高いバウンドの内野安打。1失点ではあるが、ファームでは圧倒した投球だった。
開幕まであと1試合登板があると言っているが、中4日で日曜のベルーナドームなのか、来週のイースタンリーグで投げるのか。ジャクソンが2カード目の阪神戦に向けて25日のイースタンリーグで投げると思われる。ファームは今週末仙台での2連戦だし、開幕カードのハマスタで先発するならベルーナドームではないか。ケガ以外、全く心配いらないと思う。
そして、この日はMLBの開幕戦が東京ドームで行われた。カブスは今永、ドジャースは山本が開幕投手を務めた。日本での開幕戦という点は考慮されているとは思うが、実力的にも開幕投手を務めてもおかしくはない二人。今永の応援に行きたかったが、競争率が異常なチケットは手に入らず。
初回、今永と大谷の対戦で2025年が幕開け。しっかりと打ち取り素晴らしい立ち上がりを見せた。しかし、本人も試合後に言っていた通り先制点を与えてはいけないという気持ちが強く、慎重になり過ぎて4四球と球数が嵩んでしまった。
東京開催の為にかなり早い時期に公式戦を迎えていることもあり、先発投手は70球程度に制限されていたようだ。この2チーム以外はまだプレシーズンゲームを行っている段階で、それを考えれば妥当なところ。公式戦でしかも開幕戦とあれば、日本だとエースが投げて勝敗が付くところまでというイメージになるが、状況を考えれば4回で69球まで嵩んでしまった以上、降板はやむを得ないところ。残念ながら逆転も許してチームの勝利に貢献する形にもならなかった。
しかし、2年目も活躍してくれると思えるような内容だったと思う。巡り合わせでMLB2年目にして開幕投手を務め、日本へ凱旋登板も果たした。順調にMLBでのキャリアを積んでいると思う。今季も痛快な投球を見せてもらいたい。
19日は、ハマスタ以外のオープン戦5試合が行われ、ハマスタだけは20日に2戦目が行われる。20日は春分の日で祝日だが、金曜からオープン戦最後の3連戦を迎えるにあたり、移動あるいは連戦を嫌っての日程なのだろうか。DeNAは次がベルーナドームなので実質移動なしだが、オリックスは翌日から京セラドームという状況で変則4連戦に協力してくれたのかも知れない。
19日はイースタンリーグで吉野、松尾、東妻、知野、梶原が参加する。吉野はローテーションの残り少ない枠を争っており、ここは内容も伴った結果を出したいところだ。オープン戦がないので、こちらに注目したい。
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