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番長初の外れ 金丸逃すも竹田が1位、9名を指名

NPBのドラフト会議が10月24日に行われ、横浜DeNAベイスターズは支配下で6名、育成で3名の合計9名を指名した。注目された宗山は5球団、金丸は4球団が重複し、それぞれ楽天、中日が交渉権を獲得した。三浦監督はこれまで抽選は2戦2勝だったが、金丸を引き当てることはできなかった。

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1位、2位は即戦力右腕

選手名投打所属生年月日出身
1竹田 祐右右三菱重工West1999/07/05大阪
2篠木 健太郎右左法政大2002/05/07群馬
3加藤 響右右IL徳島2002/06/15神奈川
4若松 尚輝右右IL高知2000/05/10北海道
5田内 真翔右右おかやま山陽高2007/03/06広島
6坂口 翔颯右右国学院大2002/09/12兵庫
育1小針 大輝左左日大鶴ケ丘高2006/10/10東京
育2吉岡 暖右右阿南光高2006/08/28徳島
育3金渕 光希左左八戸工大一高2006/10/01青森

最初に入札した金丸を外しているので、思っていた通りには行かなかったのは事実だろう。ただ、ドラフトの指名に対する評価は、5年後、10年後に決まるもの。現時点で良いか悪いかを論じても意味がない。昨年のドラフトも、まさかの度会入札で引き当てたが、それ以外の選手もルーキーイヤーから活躍を見せて神ドラフトの気配はあるが、これも5年後、10年後を見てみないと分からない。

せいぜい評価できるとしたら、指名した選手のバランスが補強ポイントとマッチしているかぐらいだろう。CSでは投手陣が素晴らしい投球を見せてくれたが、レギュラーシーズンを通すとリーグ平均に比べれば投手力が劣っていた。そして、内野では森敬、外野では梶原が台頭し、さらにファームでも井上、石上、度会、勝又ら左打者が多く控えている中、右打ちの野手は内外野ともに不足気味。

そう考えると、1位で来年から先発ローテーションに入れそうな選手を指名したのはまず評価できる。金丸が第1候補だったが、抽選で外れてしまった。愛知工大の中村も評価が高かったようだが、ヤクルトが一本釣りしていた。その状況で、二度も重複して抽選で外れてしまうと、条件に合う投手が狭まってしまうことも考慮し、残りの選手の中でベイスターズが一番必要としている選手を指名したということだろう。

竹田と篠木は、素人が考える評価だと逆という話もあるだろうが、プロのスカウトと見解が違うことなんてしょっちゅうあるし、ドラフトでは評価の高い順ではなく、チームに必要な順序と他球団の指名予測を踏まえて考えているはずなので、違っても当然。結果的に両投手とも指名権を獲得できて良かったと思う。

4位でも独立リーグの高知から若松を指名。大学3年から投手を始めた代わり種だそうで、良い意味で酷使されておらず、伸びしろもありそう。スポナビ寸評の2,700回転がホントなら楽しみな投手だ。

6位でも国学院大の坂口を指名。大学、社会人、独立リーグから右腕を揃えた。坂口は、大学で右肘の故障で離脱することがあったようで、今春も離脱して秋に復帰したようなので、少し不安な点はあるが、6位指名ということでこちらは即戦力というよりも将来を見ているかも知れない。

支配下で投手を4名指名したのは良かったと思うが、左腕は育成3位の金渕のみ。ただ左手で投げるだけの投手では意味がないとは思うが、石川が退団となった後にこの内容はやや疑問が残る。どの球団も指名しなかったので、安里はNPBでは厳しいという判断か。庄司の支配下登録を含めて、どのように左腕の陣容を整えて行くのか注目したい。

オイシックスとくふうハヤテからは、育成で1名ずつの指名があったが、知念大成が指名されないのは残念だった。イースタンとは言え、打率.323で首位打者となっている。現状ファームにいる選手よりもよほど1軍で活躍する期待値も高いと思うのだが、タイプ的には各球団で既にいる選手と被るという点と年齢になるのだろうか。ファーム新加入の2チームにとっては少し厳しい結果となったか。

独立リーグは、ベイスターズの加藤が3位で野手としての最上位。支配下での指名も昨年に続いて多く、プロへの近道としてレベルも上がって来たように思う。

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伊勢にまつわる選手がまた一人

明大で伊勢の1年後輩に当たる入江が後に入団したが、そのさらに1年後輩に当たるのが竹田。竹田も指名後の会見で言っていた通り、先輩がいるのは心強いし、入りやすいだろう。伊勢は、高校時代の1年後輩の吉野も入って来ており、明大で1年しか重なっていないが先輩の佐野もいて、伊勢にまつわる選手が多くなっている。

その竹田だが、大学時にプロ志望届を出すも指名漏れで社会人の三菱重工Westに進んだ。大卒社会人2年目の昨年、ドラフト指名解禁となったが、不調に陥っておりまたも指名されなかった。3度目の正直、最後のドラフトという位置づけで、今年に懸けて来た。体幹を鍛え直し、フォームも見直した結果、ストレートのスピードもさらに伸びた。やれることをやったという自信も感じさせたのだろう。

アマチュアから順風満帆に活躍し続けた選手も、それはそれで素晴らしいが、プロの世界ではほとんどの選手が壁にぶち当たる。その時に、どう自分を変えて行くかを考えて実践できる力がないと、成長できない。そういう意味で一度挫折を味わって、自分を高めることを考え抜いた経験というのは大きいと思う。度会も高校で指名漏れし、必死にプロを目指して来た。最近のベイスターズはそういう点も重視しているのではないか。

2位でも獲れたなどと言っている素人を見返すためにも、ケガなく新人合同自主トレに入り、春季キャンプからしっかりとブルペンでの投球を見せてもらいたい。社会人3年目でのプロ入りなので、ルーキーイヤーから1軍で登板することが求められる。

そして、2位指名に悔しさを見せたのが篠木。予想では、最初の入札で抽選に外れたチームが2度目の入札で指名するのではないかと言われていたが、1位の12人には名前が挙がらなかった。各チームの補強ポイントやリストの順番などの兼ね合いで、20番目となるベイスターズの2位に残っていた。

法政大は昔から指名が多く、現在では三浦が退団したので、三嶋と石田健が残っているだけだが、大先輩がいることは心強いだろう。六大学では、慶大の橋本と交流もあったようだし、明大の選手も面識は多いだろう。

牧以外のドラ2の投手が全然活躍しないと言われていたが、今年は坂本、徳山、吉野と一気に飛躍した。篠木もそれに続き、ルーキーイヤーから1軍で活躍してもらいたい。竹田と同様、無事に合同自主トレに入り、良い春季キャンプを迎えて欲しい。

3位の加藤響も面白い存在。神奈川県出身で、東海大相模で活躍した。その後、東洋大に進むも出番がなくなり、挫折を味わった。野球をやめることも考えたようだが、四国の地で独立リーグと出会い、在学中のままプレーした。東洋大なので、石上は一つ上の先輩になる。再びベイスターズでショートを巡って争うことになるが、竹田と同様に一度挫折を味わってから強くなって来た選手なので、厳しいプロの競争にも打ち勝ってくれると思う。

育成指名では、将来性のある高校生を3名、指名した。まずは基礎的な体力をあげて行くことになるが、高見澤のように1年目からファームの試合に数多く出場できる選手もいる。特に小針は、191センチの長身で触れ込みを見る限り梶原のような選手。早めに台頭して来る可能性もあり、楽しみだ。

ここ数年のドラフトを見る限り、現状ベイスターズのスカウト陣には信頼感がある。きっちりと来年働くべき選手が活躍し、将来の戦力を育成し、リーグ優勝とその先へ繋げてくれるものと思う。

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