1997年4月の横浜ベイスターズ 振り返り

2020年のプロ野球は、依然として先が見えない。まだ開幕に向けて今年のプロ野球を語ることすらできない状況だ。そして、STAY HOMEという中で何をしようかな、ということで、家にある膨大な資料から、過去の横浜ベイスターズを振り返ってみることにした。

どこから始めるか、ということで考えた。2019年は2位となったベイスターズ。その前に2位になったのが1997年だ。1998年に横浜ベイスターズとしては唯一の優勝をしたのは、多くの方がご存じだろう。その前年、優勝に向けてどんな戦いを見せていたのか。2019年と重ね合わせることができるのか。

最初は1年で1記事にするつもりだったが、かなり膨大な量になってきたので、月ごとに分けることにした。中途半端に端折ったレビューでは他と変わらない。せっかく資料もたくさんあるので、詳細に振り返っていくことにする。

この時代からのファンは当時を振り返って懐かしい思いをしてもらえれば良いし、知らないファンはこんなことがあったんだと発見してもらえれば良いと思う。

1997年のプロ野球

新球場のデビュー

1997年は、ナゴヤドーム、大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)が開場した。それまでは東京、福岡だけだったドーム球場が拡大し、新たな時代に入った。

2つのドームの開場を記念し、オープン戦期間中にはプロ野球トーナメントが開催された。この頃は、オープン戦終盤にいろいろな名目でトーナメントを行うのが恒例になっていた。

超大物FA選手の移籍

西武から清原が読売へFA移籍。夢のジャイアンツのユニフォームを着て4番に入る清原が注目されたシーズンだった。松井、清原と並ぶ3、4番は威圧感十分。前年、メークドラマで優勝した読売がさらに大補強し、他の5チームが立ち向かうという構図。

そして、パ・リーグでは、その読売を押し出される形で、落合が日本ハムへ移籍。阪神淡路大震災から「がんばろう神戸」を合言葉に連覇を果たしたオリックスに、日本ハムが待ったをかけるかと注目された。

開幕戦

大矢監督2年目の船出

横浜ベイスターズの2代目の監督として1996年に就任した大矢監督。佐々木とダブルストッパーを誇っていた盛田を先発に転向させ、内野も石井琢をショートへ回すコンバートを断行した。

4月に貯金10を作る快進撃も、それ以降は投手陣が崩壊し、結局5位に終わった前年。ドラフトでは、地元の日本石油から川村、東海大からは左腕の森中を補強。ブラッグスが退団し、新外国人としてセルビーを獲得した。

読売が大補強する中、大矢監督が2年目でどこまで成果を出せるか注目された。スローガンは前年に続いて「YOKOHAMA Spirit No.1」。開幕戦の相手は、中日。この年に開場したナゴヤドームでの初めての公式戦ということになった。

開幕オーダー

野手は前年、レギュラーとして定着したメンバーが並んだ。打率.299で初の規定打席に到達した鈴木尚は、ケガの影響もあり新外国人セルビーとの争いでスタメンを外れた。オープン戦で打率.435をマークしたセルビーは27歳と若く、長打ではなくシュアな打撃と内外野をこなせる点から期待が大きかった。

開幕投手は、2年連続となる盛田。大矢監督の中で、盛田をエースとしたい思いが強かった。先発投手としては、前年も5勝9敗と成功したわけではないが、ベイスターズの柱を作りたいという思いだったのだろう。

6石井琢
8波留
9セルビー
4ローズ
3駒田
5進藤
7佐伯
2谷繁
1盛田

後味の悪い幕切れ

中日の開幕投手は、意外にも初の開幕投手だった山本昌。その山本昌を初回から攻め、2アウト2塁からローズがタイムリーヒットで、開幕戦の初回から先制得点と幸先の良いスタートを切る。しかしその裏、開幕投手の盛田が先頭の立浪に先頭打者本塁打を浴びて、すぐさま同点。ナゴヤドームの公式戦初本塁打となった。これで動揺したのか、さらにピンチを招き、ゴメスのタイムリーで逆転を許してしまった。

さらに盛田は3回にもパウエルに1号ソロを浴びて3失点。それでも6回まで5安打3失点と何とか持ちこたえ、QSでマウンドを降りる。2番手島田に続き、ルーキーの森中が3番手で登板。回跨ぎでピンチの連続も、無失点で切り抜けた。

試合は3-1のまま9回に突入。山本昌が完投に向けてマウンドに上がった。9回2アウトとなったが、進藤が二塁打、続く佐伯がタイムリー三塁打。1点差に迫りなおも2アウト3塁の同点チャンスを迎えた。ここで中日はクローザーの宣を投入。

谷繁への2球目はワンバウンドとなり、バックネット前へ転がった。3塁走者の佐伯はホームへ突入するが、判定はアウトとなり試合終了。かなり際どいタイミングだったため、大矢監督が抗議。ヒーローインタビューが行われる中でも、抗議は10分以上に及んだ。

ナゴヤドーム最初の公式戦は後味の悪い幕切れとなった。この判定により黒星スタートを切ったベイスターズだったが、闘志に火がついたのは間違いないだろう。

ホーム開幕へ

開幕カードを勝ち越し

開幕戦は後味の悪い敗戦となったが、2戦目は野村が盛田に続いて初回に2失点するも、逆転で今季初勝利を飾る。そして、3戦目にはドラフト1位ルーキーの川村がプロ初先発。打線は、開幕2戦ノーヒットのセルビーに代わる畠山が2点タイムリー二塁打。川村は5回まで無失点の好投。6回に連打で失点したが、その後を島田、佐々木が守り切ってプロ初勝利を挙げた。

初めてのナゴヤドームでのカードを2勝1敗と勝ち越し、好スタートを切った。そして、地元ハマスタの開幕戦は阪神を迎えての3連戦。前年、僅か1ゲーム差で5位と6位だったチームの対戦となった。

2年目の関口が先発

前年の終盤にルーキーながら先発ローテーションに入り、阪神相手に2勝を挙げた関口がホーム開幕の先発投手に選ばれた。スタメンも開幕3試合目ながら、3番に井上、7番に新井潔を入れるなど相手先発の藪を想定した起用を見せた。

平日のナイターでの開催。当時は実数発表ではなく、おおよその人数で観衆が発表されていたが、それでも25,000人。今であれば、よほどのことがない限りホーム開幕戦は満員になる。DeNAになってからではあるが、現在の球場への集客は大きく向上している。

終盤投手陣が崩れ一気に

ホーム開幕戦は、2回に4点を先制。先発の関口も5回まで阪神打線を1安打に抑え、7奪三振。勝利に向かって進んでいくものと思っていた。しかし、6回一気に暗転する。先頭の久慈に死球を与え、しっかり腕が振れなくなった。新庄をストレートの四球で歩かせ、今度はストライクを取りに行って桧山に3ランを浴びた。

これで完全に余裕がなくなった関口は平塚の二塁打の後、ハイアットに逆転2ランを打たれ、あっという間に5失点。4点リードの中、四死球で走者を溜めての長打にうなだれた。

ナゴヤドームでの3連戦ではホームランが出なかったが、6回裏に進藤がチーム1号ホームラン。これで5-5の同点に追いつき、さあ再びというところだったが、8回にルーキーの森中が八木に2ランを浴びて勝ち越されると、9回には小桧山が桧山に2本目となる満塁ホームランを打たれてダメ押し。

ホーム開幕戦を6-11の大敗で落としてしまった。5回まではベイスターズペースだっただけに悔やまれる逆転負けとなった。しかし、セルビーに来日初ヒット、途中出場の多村にプロ初ヒットが出た。打線は12安打と上昇の兆しを見せた。

ホーム開幕カードは負け越し

2戦目は先発が早々に試合を壊してしまう。開幕戦から中4日の先発の盛田が3回途中で8失点。味方も4エラーと足を引っ張った。9回になってやっと3点を奪ったが、湯舟に完投を許し、ホームで連敗。

3戦目は、3回にローズが舩木からグランドスラムで4点を先制。初戦と同じような展開となる。先発の野村が6回3失点と何とかリードを保って降板。打線は8回に2点を追加し、8-4で9回を迎える。

セーブのつかない場面で戸叶が登板するが、連続ヒットで佐々木に交代。ここで佐々木が新庄に3ランを打たれて1点差。ヒヤヒヤの場面となるが、佐々木がその後は3人で打ち取って逃げ切り。ホーム開幕カードは1勝2敗となった。

投手陣の崩壊が止まらず最下位へ

先発が早々に降板しリリーフも崩壊

12日はハマスタで広島戦。ルーキーの森中がプロ初先発。しかし、初回から2失点。その後も毎回、先頭打者を歩かせる不安定な投球。4回には町田、金本の連続ホームランを浴び、この回途中で降板した。その後も米、小桧山らが打ち込まれて5回までに14失点。打線は21安打を打ち8点まで返すが、これでは試合にならない。

15日からの神宮でのヤクルト3連戦では、6点、14点、7点と失点を重ねて3連敗。最下位に転落した。ヤクルトはこの3連勝も含めて9連勝をマークし、首位に躍り出た。

開幕投手の盛田が4連敗

20日の東京ドームでの読売戦。ここまで3連敗だった開幕投手の盛田は、4度目の先発マウンドに立った。リリーフで投げていた時のようなインコースへのシュートで攻める投球を見せ、7回まで桑田と1-1の投げ合いを見せていた。

しかし、8回に杉山のタイムリーで1点を勝ち越され降板。後続が打たれたために3失点。結果として4連敗となったが、今後に期待を持たせる内容ではあった。

それでも次に続かない。25日の中日戦では3回までに8安打を浴びて毎回の4失点。首脳陣も堪らずに3回で降板させた。チームが逆転し、5連敗とはならなかったが、開幕投手のこの状態がチームの苦しさを表していた。

借金8を背負い早くも1弱

近年も阪神を苦手としているが、当時は万年Bクラスと言われていた阪神にも弱かった。22日からの3連戦は3連敗。初戦は野村が打ち込まれて大敗したが、残り2試合はいずれもサヨナラ負け。あと少しのところで勝負弱さが出てしまうという苦手カードにありがちな状態。初の公式戦となった大阪ドームでの3戦目も、2度の2点リードを得たが、佐々木を前倒して投入しても逃げ切れず。結局延長で力尽きてサヨナラ負け。

27日の中日戦で2-10の大敗を喫して6勝14敗の借金8。4位タイの中日、阪神に3ゲーム差と早くも1弱という感じが漂っていた。

5月反攻への兆し

ローズが二度目のサイクルヒット

29日のハマスタでのヤクルト戦。前回神宮で3タテを食らい、首位を独走し始めているヤクルトを迎え入れた正念場の3連戦だった。

この試合で爆発したのが4番のローズ。初回にブロスから先制の7号2ランを放つとその後も止まらずに4安打。あと三塁打が出ればサイクルヒットという状況で8回裏の最後の打席を迎える。ここでセンターオーバーのフェン直の当たりを放ち、三塁まで進んでヘッドスライディング。見事にサイクルヒットを達成した。

ローズはこの後にもう一度、サイクルヒットを達成して3度という記録を持っている。俊足ではなく、しかも外国人選手のローズが三塁打を必要とするこの記録を持っているのは面白いところ。

この試合、ローズの爆発に合わせて3番に入っていた鈴木尚が4号、谷繁は2本塁打をマークし、11-2で大勝した。

ローズの勢いは翌日にも続く。8号ソロを含む4安打で前日から9打数連続安打とした。ローズの活躍で序盤から得点を重ねたベイスターズは8-0の快勝で、4月最後の試合を締めくくった。

ローズが打率を.398として首位打者に立ち、.333の駒田、.313の波留、.308の石井琢とベスト10に4人が名前を連ね、マシンガン打線の原型が出来上がってきた。打線の力で5月反攻への期待が高まった。

盛田がブルペンに控え先発が充実

29日のヤクルト3連戦から、開幕投手で5戦勝ちなし4連敗中の盛田をブルペンで待機させた。代わって中継ぎで投げていた戸叶を5月1日の3戦目で先発させることになる。

そして、26日にはキャンプから出遅れていた三浦が今季初先発。この3連戦では川村が2勝目、関口もやっと今季初勝利を挙げ、先発投手陣の形が見えてきた。

それにより、盛田をリリーフに置くことができるような先発の布陣が出来上がってきた。前年リリーフで活躍した五十嵐がヒジのケガで不在だったことで、島田に負荷がかかり、小桧山、米、戸叶といったところでは凌ぎ切れていなかった。この配置転換でベストな形が見えてきた。

4月末時点の勝敗表

チーム勝率
1ヤクルト231580.652
2広島211290.5712.0
3阪神2211110.5001.5
4読売2210120.4551.0
4中日2210120.4550.0
6横浜228140.3642.0

5月のレビュー

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