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2024年ベイスターズ 10大ニュース

早いもので2024年も残り僅か。恒例の10大ニュースで振り返ってみる。2024年のベイスターズもさまざまなことがあったが、読者の皆さんの10大ニュースは何だろうか。当然1位はアレとして、独断のランキングでカウントダウンして行くが、皆さんの意見との差を楽しんでもらえればと思う。

ちなみに、2023年の10大ニュースは以下の通りだった。

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10位 上茶谷、濵口が相次ぎSBへ移籍

12月9日に行われた現役ドラフトでは、上茶谷がソフトバンクへ移籍することが発表された。年俸やFA権取得有無、複数年契約の有無など、対象選手の条件とされる中には入っていたが、上茶谷が現役ドラフトにリストアップされると思っていなかったので、これは驚いた。

2023年はリリーフで活路を見出し、ビハインドでのロングリリーフから始まり、火消し役、セットアッパーまで幅広くこなした。2024年は不調もあったし、走塁中に足を捻挫するアクシデントもあった。2025年は先発への再転向を希望しているとされ、メキシコのウィンターリーグで実戦を積んでいた。

2025年はローテーション争いを期待していたが、リリーフとして実績のある浜地と入れ替わる形で移籍することとなった。1年目は24試合に先発し、7勝6敗と順調な滑り出しだった上茶谷。しかし、2年目に2勝3敗に終わると、3年目は1勝止まり。2022年も11先発ながら3勝に終わった。

2023年はリリーフという形でチームに大きく貢献したが、本来期待されていた投球は見せられていない。そういった意味では伸び悩みの投手と捉えることもでき、球団が環境を変えた方が良いと判断するのも的外れではない。上茶谷を出したお陰で早い指名順が取れたと見られ、リリーフの浜地を獲得できたことは大きかった。

その衝撃がまだ残る中、12月23日には濵口と三森のトレードが発表された。入ってしまえばドラフトの順位は関係ないとも言われるが、ドラフト1位の上茶谷、濵口が相次いでソフトバンクへ移籍する形になった。

濵口は上茶谷と逆で、来季は中継ぎ転向を志願していた。日本シリーズの第6戦でも1イニングを抑え、ハマスタの観客を煽って雰囲気を変えた。エスコバーのような投手になりたいと言っていたので、2024年は坂本1人だったリリーフ左腕にもう1枚加わるかと思ったが、宮崎の後継やオースティンの不在時などを考慮して内野手の補強を目指した中で、濵口を出すことを決断した。

三森もソフトバンクでセカンドのレギュラーに定着した経験もあり、牧と同世代でまだまだ若い野手。彼を獲得するには濵口くらいの投手を出す必要があったのだろう。濵口は、ソフトバンク戦と言えば2017年の日本シリーズでの8回途中までノーヒットという快投が印象に残っているはず。毎年交流戦では良い成績を残しているし、パ・リーグ向きの投手かも知れない。

神奈川大出身ではあるが、地元は佐賀で九州のチームに移籍することは悪くないと思う。甲斐がFAで移籍した中で、良い時を知る嶺井の存在がどう出るか。上茶谷とともに層の厚いソフトバンクで立ち位置を確保し、日本シリーズで再び会いたい。

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9位 石田裕、デビューから4連勝

6月8日、ソフトバンクに連敗となり、今季最多の借金6を数えた。そうした中で、9日の第3戦はルーキーの石田裕がプロ初先発を予定していた。平良、中川颯、石田健と次々に先発投手が故障で離脱する中、ファームでローテーションを守っていた右腕に白羽の矢が立ったが、正直個人的には多くを期待できないと思っていた。

ところが、結果的に2024年限りで引退することになった和田から、牧が初回にグランドスラム。援護をもらった石田裕は、5回を1失点で投げ切った。8回に筒香の3ランで試合を決め、プロ初登板で初勝利を掴み取った。

翌週は打線に元気のない西武打線を手玉に取り、プロ2試合目にしてマダックスを達成した。石田裕のプロ初勝利からチームはこれで7連勝。交流戦を好成績で締め、リーグの首位争いに食い込む浮上のキッカケになった。

交流戦明けは日程が空いたこともあり、休養も兼ねて少し間隔を空け、7月2日に3試合目の先発。ここでもハマスタでヤクルト打線を5回2失点で凌ぎ、デビューから3連勝を飾った。その後、援護がありながら守り切れずといった勝ち負け付かずの登板が続き、迎えた8月9日。またもハマスタでのヤクルト戦で7回2失点のHQSをマークし、4連勝を飾った。球団のルーキーでは相川英明氏以来の開幕4連勝だった。

その後は、持ち味だった抜群のコントロールやボールのキレが影を潜め、打ち込まれる試合が続いた。最終的に4勝3敗、CSや日本シリーズでの登板はならなかったが、ドラフト5位ルーキーとしては非常に良いスタートが切れたと思う。ルーキーイヤーに足りなかったところを補い、ファン代表の投手としてベイスターズファンとともに勝利の喜びを分かち合って行って欲しい。

プロ初勝利ということで言えば、2年目も吉野も待望の勝利を挙げた。8月23日の神宮で、先に2点を奪われたが味方が逆転。ルーキーイヤーはほぼリハビリに費やし、投げられなかった男がようやくヴェールを脱いだ。9月30日の甲子園では、6回をノーヒットピッチング。CS争いの緊張感の中で3勝を挙げ、CSファイナルステージでも先発を務めた。2025年の飛躍が期待される。

リリーフでも徳山、中川虎がプロ初勝利を挙げた。徳山も2年間、自分のボールが投げられずに苦しんだが、2024年序盤はリリーフの柱としてチームを支えた。腰のヘルニアからの復帰は気になるが、さらに強くなって戻ってもらいたい。中川虎もようやくプロ初勝利を挙げ、そこからの投球は見違えるほどだった。こちらも右肘のクリーニング手術から復帰を目指す。

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8位 中川颯が一発含め大車輪の活躍

そして、もう一人のプロ初勝利が中川颯。オリックスを戦力外となり、引退も考えた中で声をかけたのは地元のベイスターズだった。前年育成選手での戦力外から支配下というのは破格の待遇だったと思う。そのベイスターズの判断が間違っていなかったことを中川颯が年間を通して証明して見せた。

高橋礼が読売へ移籍したが、セ・リーグでもほとんどいないサブマリン。キャンプ、オープン戦を順調に過ごし、プロ初の開幕1軍を手にした(実際の登録は先発当日)。4月4日に京セラドームの阪神戦でプロ初先発すると、5回途中まで2失点の好投。勝利は付かなかったが、チームに貢献した。

4月30日のバンテリンドームでの中日戦、自身最長となる6回を投げて1失点。待望のプロ初勝利を挙げた。5月11日の阪神戦では3回9失点という悔しいマウンドを味わったが、翌週18日には、ヤクルトの高梨のカーブをフルスイングし、ライトスタンドへのプロ初ホームランで度肝を抜いた。投打に渡る活躍で2勝目を挙げ、ファンからもより一層注目が高まった。

しかし、エスコンでの先発で右肩の違和感を訴えて緊急降板。そこからファームでのリハビリと調整に2ヶ月を費やした。8月に復帰した際にはリリーフとしての起用になっていた。本人もリリーフの方が気持ちが入ると好感触。そのままリリーフとしてレギュラーシーズンを終えると、CSや日本シリーズでもリリーフとして絶大な存在感を示した。

引退も考えた戦力外通告から1年後、ハマスタでの日本シリーズで投げ、横浜の街をパレードしているなど、想像しようもなかったと思う。本人としてもまさかという結果になったが、今やルックス、キャラクターを含めてベイスターズの中でも有数の人気選手になりつつある。生まれ育った横浜の地で、もっとファンを喜ばせて欲しい。

戦力外組では、森唯も無形の力を与えたと思う。成績を見れば14試合1勝3敗、防御率7.52。立場を考えれば1年で再び戦力外でも不思議はない。もしかしたら複数年契約で声をかけたのかも知れないが、投球以外の部分も評価したのではないかと思う。「勝ち切る覚悟 日本一までの79日」を観た人なら分かると思うが、野球はチームスポーツであり、もちろん出場している選手が戦っているのだが、それ以外の選手もそれぞれの役割で戦っている。

ブルペンでの経験は、現在のプロ野球でも有数のものを持っている森唯が、山崎と相談し、リリーフ陣がブルペンに入る前にベンチに入ったり、試合後のハイタッチに参加したりとチームの団結力を深める仕掛けをしている。森原もそうだが、他球団でも経験のある、若手の見本になる投手は成績だけでは判断できないと思う。ソフトバンクでも先発に転向していたので、2024年はそのまま先発として起用したが、ソフトバンク戦での先発はベンチもちょっと感情に走ったかなと思う。2025年はブルペンでチームを支えてもらいたい。

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7位 梶原が8月36安打、夏場に台頭

ベイスターズの外野は激戦と言われて来たが、2024年はドラフト1位で度会が加入。オープン戦で素晴らしい結果を残し、開幕からレギュラーとして活躍した。4月末からは蝦名が台頭し、レギュラーを掴んだ。さらに4月には筒香が復帰し、5月から1軍に合流した。

そうした厳しい争いの中、夏場に大きく台頭したのが梶原。春季キャンプは二軍で迎え、なかなか一軍のチャンスを得られなかったが、3月のハマスタでのオープン戦で、レフト方向へ2戦連発。しっかりとアピールし、自身初の開幕スタメンを掴んだ。

しかし、開幕戦で3三振に終わると開幕カードはノーヒット。その後、京セラドームで大当たりの関根にセンターを奪われ、控えに回った。代打でも結果は出ず、4月28日には登録抹消となった。

5月30日に一軍へ戻り、出場機会を伺った。筒香が疲労骨折で離脱した7月、1番に起用されると、積極的なバッティングで結果を出した。7月に打率.361にマークして1番センターのレギュラーを掴むと、8月は22試合で100打数36安打、打率.360と月間MVP級の活躍を見せた。

この8月は101打席に立っているが、四球がゼロととにかく早いカウントから打って行くバッティングが持ち味。それでいて、三振も24個をマークしており、当てるのが上手いわけでもないという、珍しいタイプ。ハマのギータと呼ばれ、自主トレも本物のギータと行っている梶原は189cmの長身ながら、盗塁ができる俊足を兼ね備えており、シーズンでは16盗塁をマーク。盗塁王を獲得した近本が19盗塁だったので、シーズンをフル出場できれば、十分に射程圏内。

9月、10月は調子を落とし、CSではファイナルステージの最後に打順が桑原と入れ替わって下位に下がった。それでも日本シリーズの最後まで出場し、結果も残せたことは2025年以降に繋がると思う。トリプルスリーも夢ではないという逸材が、さらなる飛躍を期待される。

今年台頭した野手で言えば、前述の蝦名もいる。2022年にも交流戦期間に結果を残した蝦名だが、2023年は1割台と低迷。2024年も開幕一軍を逃したが、4月末に一軍へ合流すると、バンテリンドームで打ちまくりレギュラーとして起用された。5月11日の阪神戦では、8回に起死回生の同点2ランを放ち、7点差逆転に繋げた。6月にケガで1ヶ月ほど離脱してしまったのが惜しまれるが、右の外野手として今後も期待がかかる。

そして、シーズン後半で台頭したのが森敬。その強肩にファンの期待は高い選手だったが、なかなか一軍で結果を残せなかった。5月末にエスコンで、延長10回に決勝タイムリーを放つ勝負強さを見せたが、結果を残し続けることはできなかった。8月に入って登録抹消となり、1ヶ月ほど調整。

9月に一軍へ戻ると、ショートでスタメン起用され、結果で応えた。9月は14試合で打率.326、OPS .802の好成績。10月もそのまま状態を維持し、CSと日本シリーズでもショートを守り続けた。CSファイナルステージ第6戦では、初回に自らの送球エラーで先制点を与えたが、戸郷からタイムリー三塁打を放ち、同点のキッカケを作った。日本シリーズでも攻守に結果を残し、いよいよ敬斗の時代を感じさせた。2025年、順調にステップアップできるか注目される。

梶原、蝦名、森敬に続く若手野手が出て、さらに選手層を厚くしたいところ。2023年のドラフト組である度会、石上、井上にも期待がかかる。

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6位 祐大躍進も骨折で無念の離脱

2023年は、東が先発する際の専属キャッチャーという形で出番を掴み、バッティングでも結果を残した。終盤は、他の投手が先発でもレギュラーキャッチャーとしてスタメン起用され、71試合に出場。打率.277と、前年の.103から見違えるような数字を残した。東と最優秀バッテリー賞も獲得し、ベイスターズのレギュラーキャッチャーとして期待のかかる2024年となった。

3月の侍ジャパンの強化試合にも召集され、リーグを代表するキャッチャーとしても評価が高まる中、開幕からメインキャッチャーとして出場。攻守に結果を残してチームを引っ張った。前年に開花したバッティングはさらなる成長を見せ、3割打者がほぼいない打率ランキングの中で、3割近い打率で首位打者も視野に入るような好成績を残した。

オールスターは、キャッチャー部門でファン投票による選出となり、初出場。いよいよNPBを代表するキャッチャーに登り詰め、オフのプレミア12でも主力キャッチャーとしての起用が期待されていた。

チームがCS争いを繰り広げる中での9月15日、思わぬアクシデントに見舞われた。この日、プロ初登板だった広島の常廣の速球が山本の右手首に直撃。ベンチ裏に下がり、そのまま代走の戸柱が送られることになった。この部分、「勝ち切る覚悟 日本一までの79日」でベンチに引き揚げた直後の様子や、翌日にマツダのベンチを訪れた様子などが収録されているので、ぜひ見てもらいたい。

別に決まっていたわけじゃないと否定的なことを言う人もいるだろうが、個人的には山本がシーズンを走り切っていればプレミア12でメインキャッチャーを務めただろうと思っている。そういう意味でも、山本が本来経験できたことが失われたのは、本当に痛い離脱だった。

しかし、山本が離脱した中でも戸柱や伊藤がしっかりとチームを支えてCSへ進出し、日本一まで勝ち上がったことは、チームとしては非常に大きかったと思う。山本も自身がプレーすることはできなかったが、戸柱の姿を見て学ぶことはたくさんあったと思う。

山本には2025年に自らの力でチームをリーグ優勝に導き、再び日本シリーズの舞台へ戻って来て欲しいと思う。松尾をどうするんだというくらい山本がキャッチャーとして大成し、嬉しい悩みをもたらして欲しいと思っている。それがチームの厚みになって来るはずだから。3年続けてバッティングでも数字を残せば、いよいよWBCでもその名前が候補に入って来るはずだ。

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5位 オースティンが初のタイトル獲得

5月の交流戦の試合後、応援隊長を務めた令和ロマンのくるまが、イベントで言っていた「オースティンを守ろう」。それほどに、オースティンが常にスタメンに名を連ねることこそがベイスターズ躍進の鍵だった。

2021年は、新型コロナウィルスの影響とビザ手続きの不備で来日が1ヶ月ほど遅れたが、107試合に出場。打率.303、28本塁打をマークし、3年契約で延長した。ところが、2022年は38試合、2023年は22試合の出場に終わった。二度の手術があった右肘に加え、右肩にもメスを入れた。2024年は契約最終年、体のコンディションがようやく整い、オースティンも今年に懸けていた。

来日5年目にして初めて開幕スタメンに名を連ねたが、4月10日の中日戦で足を痛めて途中交代。右太もも裏の肉離れで1ヶ月ほど離脱することになった。今年もまたダメなのかという雰囲気になったが、5月17日に復帰すると交流戦で結果を残した。6月は打率.346、5本塁打、17打点で月間MVPを獲得。

7月も好調を維持し、ファン投票で選ばれた筒香が辞退となった為、オールスターに代替選手として出場した。オールスター第2戦ではホームランも放っていたが、9回の守備で辰巳のファーストへの強いゴロがイレギュラーし、オースティンの顔面に当たった。流血退場というショッキングな結末となり、翌日に脳震盪特例で登録抹消。

欠場は6試合ではあったが、チームはちょうどオールスター前から連敗しており、オースティンが不在の中で打線に迫力を欠いて連敗が伸びた。結局、9連敗で優勝が大きく遠のいた。オースティンの不在による影響の大きさを思い知る日々となった。

しかし、その後は離脱することなくレギュラーシーズンの最後まで出場を続けた。自身初の規定打席到達も見えて来て、フル出場も続けていた。10月に入って首位打者に立っていたヤクルトのサンタナを猛追。10月5日は、最初の打席でヒットを放つと、既にケガで出場できないサンタナの打率を抜いて首位打者が確定するという試合になったが、見事にヒットを放ち、自身初のタイトルを獲得。

CS、日本シリーズでもホームランを放ち、ベイスターズの中心打者として大きな存在感を見せた。リーグ優勝はならなかったが、この横浜で喜びを分かち合えたことを本人もファンも喜んでいることだと思う。3年契約プラス球団オプションと報道された契約は、球団がオプションを行使したと見られ、2025年の残留が決定した。

現在74本塁打。2025年にオースティンがNPB通算100号を記録するかどうかが、チームにとっても浮沈の鍵を握る。早い段階でこれが達成されれば、おそらくチームも良いところへ行けるだろう。2025年も続けて結果を残し、その先も横浜でプレーを見せて欲しい。

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4位 東が32戦連続QS、2年連続13勝

2023年は、今永、バウアーとともに三本柱を形成。「祐大のおかげ」で16勝を挙げて最多勝を獲得。ボールの派手さはないかも知れないが、安定感はNPBでもトップクラスだった。今永とバウアーが抜けた2024年、大エースとして依存性が高まる中、東本人としても2年、3年と続けて結果を残さなければという意気込みで迎えることとなった。

まさに満場一致で決まった開幕投手。しかし、先に3点を奪われてしまった。度会の同点3ランで負けは免れ、6回3失点とQSはマークしたが、開幕戦勝利はならなかった。それでも、チームの為に淡々と投げ続けた東はQSを積み重ねて行った。

6月は防御率1.45、3勝0敗の好成績も、惜しくも月間MVPはならず。7月10日のスターナイト第2戦では完封勝利を挙げ、開幕から無傷の8連勝。連続QSの安定感に加えて、負けない強さがあった。

しかし、オールスター直前の7月17日、広島戦で森下との投げ合い。援護がない中で7回に伏兵のシャイナーに3ランを浴び、そのまま敗れて初黒星。さらにオールスター明けには、チームが6連敗中という中で先発。6回2失点の投球も、援護がなく連敗となった。

そこから立て直し、8月は4試合で防御率0.90、3勝0敗の好成績を残し、月間MVPを獲得した。9月も最初の登板で12勝目を挙げたが、9月10日の甲子園での阪神戦は6回途中5失点でKOされた。これにより前年から32試合続けて来たQSが途切れた。

レギュラーシーズンは、13勝4敗と前年より数字を落とす結果にはなったが、イニング数は172.1から183へ増えている。有原を僅かに上回り、NPBではトップの数字だった。32試合連続QSが示す通り、どんなコンディションでも大きく崩れることなく、任された先発登板の日に長いイニングを投げて来た。ベンチにとってこういうエースがいることがどれだけ大きいか。

CSでもファーストステージの初戦を任されたが、ヒットを打った際の走塁中に左太もも裏を肉離れ。ファイナルステージでも登板はできなかった。「勝ち切る覚悟 日本一までの79日」でもあと少しで完全に筋肉の組織が切れてしまうといった状態だったことが分かる。

味方を信じて調整を続け、日本シリーズに進出したことで第3戦で復帰を果たした。ハマスタで連敗を喫し、日本一が厳しくなった中でソフトバンク打線に10安打を浴びながらも、初回の1点だけで凌ぎ、日本シリーズ初勝利を挙げた。日本シリーズの流れを変えた投球だったことは疑う余地がない。

2025年もエースとして、3年連続で結果を出す意欲を燃やしている。最多勝、QSも素晴らしい結果だが、2023年は3敗、2024年は4敗と負けないエースということが心強い。自らの活躍で悲願のリーグ優勝に導いて欲しい。

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3位 度会、球団初デビュー2戦連発

2023年のドラフト会議、ベイスターズの1位指名は豊作と言われた大学生投手ではないかと予想される中、既に中日が入札を公言していた度会を指名。ロッテも含めた3球団での抽選で、見事に三浦監督が引き当てた。横浜高出身、ENEOSから入って来たスター性のあるルーキー。ドラフト後のファンフェスで早くも一曲披露し、注目される中で春季キャンプ入り。順調に一軍で過ごし、オープン戦も帯同した。

オープン戦では持ち前のバットコントロールを発揮し、スタメン出場した試合では全ての試合でヒットを放った。結果で1番ライトの開幕スタメンを掴み取り、プロの第一歩を踏み出した。

開幕戦、3回表に3点を失った直後、1アウト1、2塁で度会。広島先発の九里が投じた初球のスライダーが浮いたところを捉えた。打球は伸びてライトスタンドへ飛び込む同点3ラン。ゴールデンルーキーがいきなりの大仕事をやってのけて、ハマスタは興奮のるつぼと化した。

個人的にも2024年は現地で度会のヒーローインタビューが見れればと思っていたが、あまり良い思い出のない開幕戦でいきなり見られるとは思っていなかった。

続く2戦目も止まらず、最初の打席でいきなり黒原の投球が頭部をかすめる死球でビックリさせられたが、その後4安打。2号2ランも放ち、セ・リーグのルーキーでは初となる開幕からの連発だった。

派手なデビューを飾ったが、その後はなかなか快音が続かなくなり、打順も下位に下がった。4月26日には高梨からグランドスラム。球団のルーキーとしては初の満塁本塁打だった。しかし、バッティングだけでなく守備と走塁に大きな課題もあって5月16日に登録抹消となった。

ファームで1ヶ月ほど実戦での経験を積んだ。バッティングはファームではレベルの違いを見せ、守備もセンターに入るなどして引き出しを増やした。

6月11日に一軍に復帰すると、即スタメンで起用され、最初の打席で2点タイムリー三塁打。これで再び開幕の頃の勢いも戻り、ここから球団のルーキー記録を更新する6試合連続タイムリー。チームの交流戦7連勝締めに大きく貢献した。

7月以降は、台頭した梶原に出場機会を奪われる形となり、徐々に結果を出せなくなった。8月12日に登録抹消となり、その後は二軍の優勝争いの中で試合に出続けた。9月末に一度、一軍に合流したものの補充の意味合いが強く、最終的には一軍のメンバーから外れ、ファーム日本選手権に出場し、そのままフェニックスリーグへ合流した。

ファンからの大きな期待を集め、華々しいデビューを果たした。ENEOS時代からの派手なパフォーマンスをファンも期待していたが、まだ実績が乏しいルーキーのパフォーマンスには心ない言葉も浴びせられた。守備でもチームの勝敗に関わる大きなミスがあり、打球判断も含めた走塁にも大きな課題があった。

しかし、球団のルーキーとしては初となるグランドスラムや、6試合連続タイムリーなど、バッティングの非凡さは目を見張るものがあった。安定して結果を残し続けることは非常に難しい。そこが課題になる。プロの一軍で打てる力は既に持っている。あとは、守備と走塁も含めた総合力と再現性をいかに高めて行くか。

個人的には何も心配していない。2025年はようやく大卒ルーキーと同じ歳。1年早くプロの世界に入ったことがアドバンテージになると思う。近いうちにチームの顔になる選手で、2024年の日本シリーズに出場できなかった悔しさを今後のプロ生活で晴らして欲しいと思う。

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2位 筒香復帰!いきなり逆転3ラン

筒香は2019年オフ、ポスティングを使ってMLBへ移籍。タンパベイへ渡ったが、コロナ2019の影響もあり思うように結果を残せず。2年目も数字は上がらず、5月にレイズからDFAとなり、ドジャースへ移籍。しかし、ここでも結果を出せず、故障のため故障者リスト入り。マイナーで復帰するも結果を残せずにFAとなった。

8月16日にパイレーツと契約すると、43試合の出場ながら打率.268、8本塁打、OPS .883をマーク。MLB2年目にしてようやく手応えを掴んだかに思われた。2022年もパイレーツで開幕を迎えるも打率1割台、2本塁打と低迷。8月にDFAとなり、ブルージェイズへ移籍した。ブルージェイズではメジャーへ上がることができないままシーズンを終え、FAとなった。

2023年はレンジャーズとマイナー契約を結び、キャンプの招待選手となった。一定の結果を残したがオプトアウトを選択するも、他球団からオファーはなく、8月に独立リーグでのプレーを選んだ。ここで結果を残したことで、ジャイアンツからオファーがあり、マイナーから調整。メジャーまであと一歩というところで死球を受けて骨折し、シーズンを終えた。

2022年のパイレーツ以来、メジャーでのプレーはなく、苦しむ中で何度も日本への復帰はないのかと話題になったが、筒香の挑戦する気持ちが途切れることはなかった。2024年もジャイアンツとマイナー契約を結び、スプリングキャンプを招待選手として迎えた。ケガもあって数字を残せず、メジャーの枠に残れなかった。3月21日に自由契約となり、また新たな移籍先を探すことになる。

この頃、日本への復帰があるのではないかという報道が増えた。4月に入ると、読売に移籍するのではないかという報道が出て来て、4月8日にスポニチが「筒香 巨人入り決定的に!」と一面で報じた。スポニチの記事では、既にDeNAとの交渉は行われ、古巣には復帰しない方向になったと書かれていた。

これに多くのベイスターズファンが反応。まだ筒香本人も、DeNAも何も語らない中で異例の事態となった。その後、日刊スポーツがDeNAの復帰を報道。4月16日午後2:25にベイスターズ公式から筒香の復帰が発表された。

スポニチの報道があったことで余計に当たり前ではない筒香の復帰を非常に嬉しく思った。正直、アメリカでの4年間を考えると、日本で結果が残せるようになるにはかなり時間がかかりそうで、2024年は戦力としては大きな期待はできないと思っていたが、ベイスターズという球団の未来を考えれば、絶対に流出してはいけない人材だと思っていた。その点、本当に安堵した。

4月末に横須賀スタジアムでのファームの試合に出場。多くのファンが横須賀に集まった。それから数試合、ファームの試合に出場し、5月6日のハマスタでのヤクルト戦で復帰が決まった。この時も、正直見切り発車のように思えた。素人目には、ファームでの打席でもまだNPBに合っていないように見えた。だが、筒香は最後の試合での内野フライで感覚が合ったと語っている。

5月6日、6番ライトで筒香の名前がハマスタのスコアボードに戻った。筒香一色になるハマスタで、7回に星から左中間へのフェン直二塁打を放つと、3-5で迎えた8回2アウト1、2塁で筒香が打席に立つ。ここでエスパーダのストレートを捉えた打球は、歓喜に沸くハマスタのライトスタンドへ吸い込まれた。

自らの5年ぶり復帰戦で、一発逆転の場面で3ランを放ち、ヒーローインタビューを受ける。こんな見事なただいまの挨拶があるだろうか。いろいろな試合を観て来たが、現地で観たこの試合を忘れることはないだろう。

その後、5月11日の阪神戦でも7点差を追い付いた8回に、岩崎から勝ち越しのソロ。6月までに6本塁打はマークしたが、NPBへのアジャストはまだ途上だった。交流戦終わりからリーグ戦再開にかけて、ヒットが全く出なくなり、ベンチスタートが増えた。オールスターではファン投票での出場が決まる中、7月5日に左第6肋骨の疲労骨折で登録抹消。オールスターも辞退を余儀なくされた。

8月17日に一軍へ復帰すると、代打で出場した。実際、8月以降は2安打しか打てなかったが、筒香の存在はCS、日本シリーズ進出へ大きかったことは「勝ち切る覚悟 日本一までの79日」を見ても明らか。存在感が他の選手とは全く異なる。

CSではファイナルステージで高梨から執念のタイムリーを放った。日本シリーズでは、オースティンが自打球でスタメンを外れる中、4番に入った。福岡ではあわやグランドスラムかという犠牲フライも放ち、自身のバッティングも状態が上がって来た。

そして、日本シリーズ第6戦。日本一まであと1つという試合で、2回に先制ソロを放ち、チームの士気を上げた。ハマスタのボルテージも異様に上がり、筒香のホームランの力を感じた。5回、3点を追加して7-2となり、なおも満塁で筒香。ストレートを左中間へ打ち返した打球は、周東が僅かに届かず、走者一掃の3点タイムリー二塁打。試合が決まった。

派手な復帰戦での活躍はあったが、今年も筒香個人としては思うように行かないシーズンだったかも知れない。しかし、リーグ優勝をもたらすことはできなかったが、CS突破からの26年ぶりの日本一を達成することはできた。その輪の中に筒香がいてくれて良かったと、ファンとして思う。

ベイスターズを優勝させることが、日本で野球をやるモチベーションと言ってくれた筒香も、3位からの日本一で満足しているとは思わない。日本シリーズで掴んだ自らのバッティングの状態もさらに上げ、2025年はリーグ優勝の力になってくれることを期待したい。

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1位 勝ち切る覚悟で26年ぶり日本一

これしかないでしょう。

レギュラーシーズンは、オールスターを挟む9連敗で一気に首位争いから大きく離されてしまった。さまざまな考え方があるとは思うが、個人的には今年も優勝争いすらできなかったと思っている。1年間、ほとんど借金5から貯金5の範囲を出ることがなかった。良く言えば安定感はあったのだろうが、貯金を10、20と増やせなければリーグ優勝には届かない。

それでも、広島の失速もありCSに出場する機会を得た。この状況になればプランBとして、CSからの日本一を目指すしかない。そうした中で、「ミスをしても忘れろ」であるとか、「その日を出し切れ」であるとか、短期決戦を戦う上でのマネージメントが上手く行ったと思う。

さらに、2017年の日本シリーズで悔しさを味わった宮崎、筒香、桑原、戸柱、柴田らの経験も生き、若いチームに勇気を与えることができたように思う。牧キャプテンがチームメイトと相談しながら打ち出した「勝ち切る覚悟」もチームもまとめ上げたのではないか。

確かにレギュラーシーズンは、貯金2の3位に終わったが、CS以降のチームは戦う中で成長したと思う。いろいろなところで言われているように、特に12球団ワーストの96エラーを記録した守備面で素晴らしい集中力を見せたと思う。エラーもあったが、切り替えてしっかりと取り返すこともできた。

個人的に一番感動したのは、CSファイナルステージ第6戦。リーグ優勝し、先発戸郷で後から菅野も登板して来るというガチの読売と互角に渡り合い、最後はキャプテン牧が決めた試合。大舞台でこういう素晴らしい試合ができるのかと感動して涙したし、勝てたことは本当に嬉しかった。

26年ぶりの日本一ももちろん嬉しかったが、5回に7点を取って試合を決めてしまったことで拍子抜けしてしまった感じもあった。だが、ハマスタでの連敗から、日本シリーズ16連勝中のソフトバンクに福岡で3連勝。4連勝で一気に日本一を決めるなんて、誰が想像できるのか。シリーズの流れというのは怖いし、これも野球なのだなと思う。

生きているうちにベイスターズが日本一になることなんてそんなにないと思っていたので、3位からだろうが勝手に喜ぼうと思う。ただ、やはりリーグ優勝が最大の悲願であることには変わりない。チームもこれに満足しているとは思っていないが、この日本一をリーグ優勝に繋げなければならない。

ポストシーズンでは奏功した「ミスは忘れろ」「毎試合出し切れ」は、143試合のレギュラーシーズンでは使えない。どうやって年間の勝率を高め、貯金を積み重ねて行くか。高額な補強費を使い、選手を獲得した読売をどう上回って行くか。早くも目は2025年に向いている。

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その他

10位までには入れなかったが、新外国人投手のジャクソンが、モスコーソ以来の規定投球回数に到達した。春先はアジャストに苦労したが、日本シリーズでは素晴らしい投球を見せた。残留も決まり、来季が楽しみだ。

そして、日本シリーズの括りにはなるが、MVPを獲得した桑原は、シーズン前半はなかなか出番を得られなかったが、チームのことを常に考えながら準備していたと思う。そうした中で、エスコンではきつねダンスがカマキリダンスとして取り上げられ、話題となった。日本シリーズでは、それもあって桑原を応援する日本ハムファン、パ・リーグファンも多かった。

チームのためにということなら、戸柱のCSでのMVPも素晴らしかった。山本のケガである程度準備した中ではあっただろうが、伊藤も肉離れで離脱したことは計算外のはず。それでも一人で守り切った。ここまでの経験で培ってきた引き出しが生きたと思う。山本も、その姿をテレビや最後はベンチで観ていたので、来季に生かしてくれると思う。

さらに、当たり前のように4年目もいつも通りの成績を出した牧。今年はキャプテンに就任し、3月には侍ジャパンの中心選手として強化試合に出場。春先には肉離れで10日間登録を外れるアクシデントがあったが、それ以降はチームで中心として貢献し続けた。新人から4年連続20本塁打は史上5人目で球団初。日本シリーズが終わった後のプレミア12まで出場し、本当にお疲れ様でしたと言いたい。凄くなり過ぎて少々のことでは10大ニュースに入らなくなってしまったが、来季はリーグ優勝チームのキャプテンになって欲しい。

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さいごに

敢えてこの表現を使わせてもらうが、まさかの日本一を飾った今季、皆様はそれぞれどのように感じただろうか。26年間、長かったなという管理人のようなファンもいれば、最近ファンになってくれた方々にとっては、優勝ってこんなに凄いことなんだと感じてもらえたかと思う。

ただ、やはりどうしても手放しで喜べないのが、リーグ優勝をしていない点。そこは引っ掛かり続ける。143試合の長丁場で貯金を20、25と増やして行くにはどうすれば良いのか、選手はもちろん首脳陣のマネージメントにもかかっている。

現在の延長線上に優勝はないと萩原本部長がコメントして迎えたシーズン、思わぬ形で日本一を掴み取る結果となった。個人的にもベイスターズの日本一、優勝パレードを人生であと何回観られるのかなと思い始めたところで、不意を突かれた歓喜だった。もちろん嬉しいし、球団としてもこれに満足しているわけではないと思う。補強については空振りしている感じが否めないが、何とか優勝争いに食い込める陣容を作り上げて欲しいと思う。

1年間、当ブログを愛読いただいた皆様、ありがとうございました。来年も1月から補強やスローガン、新ユニフォームなどの話題を書き、2月の春季キャンプから注目して行きたいと思う。

それでは良い年を。

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