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1997年6月の横浜ベイスターズ 振り返り

1997年6月の横浜ベイスターズの戦いを振り返っていく。4月には早くも借金8を抱え、他の5球団から離されかけたが、5月反攻に出る。戸叶ら若手投手が結果を出し、ローズを中心とした打線がチーム打率3割に迫る打力で得点を重ね、借金を返済。貯金を作り2位まで浮上したが、月末にかけて連敗が続き、5位に逆戻り。正念場の6月を迎えた。

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4月のレビュー

最初の4月から読む場合は、こちらの記事からどうぞ。

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故障者が相次ぎ借金ワーストで最下位に

進藤に続き打率トップの石井琢も

6月最初の試合で3安打を放ち、2試合連続の猛打賞を記録した石井琢。1日の時点で打率.350でトップに立った。4日の中日戦では2安打4打点の活躍でチームの連敗ストップに貢献。6日も3安打を放った石井琢が、リードオフマンとして連勝に導いた。

6月1日現在の打撃10傑

選手チーム打率
1石井琢横浜.350
2ローズ横浜.344
3駒田横浜.343
4土橋ヤクルト.343
5古田ヤクルト.339
6和田阪神.335
7進藤横浜.333
8金本広島.331
9清水読売.328
10パウエル中日.315

この6日の岐阜での中日戦では、ローズが風邪により1試合欠場している。5月27日に頭部死球を受けた進藤はまだ戦線に戻っておらず、セカンド万永、サード川端のスタメンだった。この試合は、代役の二人がそれぞれ2打点をマークし、カバーした。

しかし、7日からの旭川、札幌の遠征中に石井琢がギックリ腰で欠場となり、要を欠いたチームは流れが悪くなる。ハマスタに戻って最下位の読売戦にも連敗し、4連敗となる。

ヤクルトの10連勝に飲まれ

石井琢がスタメン復帰した12日の読売戦では、先発の関口が5回途中4失点でKOされたが、打線が鈴木尚、波留、ローズの3発など16安打で8点を奪って、3タテを阻止した。

13日からは、2位に8ゲーム差を付け8連勝中のヤクルトとの対戦。首位相手には相性が良く、ここまで7勝4敗と勝ち越していた。相手の本拠地に乗り込んだ横浜だったが、連勝で勢いに乗るヤクルトに飲み込まれた。

初戦は、ヤクルト戦3勝と相性の良い川村を立てたが、6回3失点。それを上回ったのがヤクルト先発の川崎だった。ストレート、変化球とも抜群の出来で、散発の6安打で4年ぶりの完封勝利を挙げた。

切り替えたい2戦目だったが、先発の三浦が立ち上がりから打ち込まれる。4回途中6失点で降板すると、2番手の河原も止められず、5回で1-10のワンサイドゲーム。結局、毎回の16安打を許す大敗。鈴木尚が11号ソロを含む3安打と一人気を吐いたが、ヤクルトの10連勝が決まった。

3戦目は、こちらもヤクルトキラーになりつつあった戸叶が、5回をホージーの2ランだけに抑え、打線が佐伯の2発などで8得点して、3タテを阻止。何とか食い下がった。

競り負けが続き借金9で最下位に

17日は、年1回の平塚での公式戦。先発の野村は6回途中までに8安打されながら、要所で何とか踏ん張り、中日打線を無失点に抑える。その後は西、島田、河原、盛田と細かく継投し、完封リレー。谷繁が「ゼロに抑えてるの忘れてた。あんなコロコロ投手が代わるから」と言うほど綱渡りなリレーだった。野村は、平塚で3年連続勝利と相性の良さが出た。

しかし、18日はハマスタでの試合が流れ、19日は先発の川村が2発を打たれるなど6回5失点。川村はここまで15被本塁打で両リーグトップだった。「三振か本塁打かは僕の持ち味」と語っていたが、これは以後も続くことになる。

21、22日は広島主催で秋田での公式戦。いずれも接戦となったが、競り負けた。21日は先制したが5回に戸叶が緒方に3ランを浴びて逆転された。その後、2度追いついたが、最後は島田が8回に失点して1点差の惜敗。2回から7回まで毎回先頭打者を出しながら、突き放せなかった。

22日は3回に3点を奪って逆転したが、先発の三浦がすぐに逆転を許して3回で降板。同点の6回に盛田を投入するが失点し、連日の競り負け。全カードの3タテから対広島5連敗。

24日にハマスタへ戻り、最下位の読売戦で切り替えたかったが、悪い流れは変わらず。ガルベスと野村の投げ合いで5回までゼロ行進。5回裏に横浜が1点を先制したが、6回に野村が逆転され降板。代わった西も元木に2ランを浴び、重い3点ビハインドとなった。打線はガルベスから9安打したものの、完投を許して4連敗。借金は今季最多の9に膨らみ、読売と入れ替わり最下位へ転落した。

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借金の原因は阪神戦8連敗

北海道で連日の大敗

日本ハムが本拠地を北海道に移してからは、北海道での主催ゲームはなくなったが、かつては毎年1回は行われていた。札幌円山、旭川や釧路、帯広という2連戦の流れだった。7日は旭川で阪神戦が行われた。先発の川村が3本塁打されて3回4失点で降板すると、後続の投手も打ち込まれた。久慈と桧山に2発ずつ、さらに関川、平塚と6本塁打を浴びて4-10の大敗だった。

札幌円山に移った翌日は、阪神先発の中込に封じられ6回まで無得点。三浦も6回まで1失点で凌いでいたが、7回に捕まって3失点で降板。前日、危険球で退場した加藤将を9回に登板させるがストライクが入らず。堪らず福盛にスイッチするが、打ち込まれて4失点。終わってみれば1-7の大敗だった。阪神戦はこれで6連敗。これには大矢監督も「勝てないね」と呟くだけだった。

ハマスタでも流れは変わらず

24日の読売戦に敗れ、今季最多の借金9で最下位に沈んだが、残り2試合で投手陣が踏ん張り連勝して最下位を脱出。26日は鈴木尚のサヨナラ打で勢いが付くかに思われた。

27日からはハマスタに天敵の阪神を迎えての3連戦。ここでも流れは変わらない。先発の舩木に7回まで1安打に封じられ、厳しい展開だった初戦。投手陣が何とか1点で踏ん張り、8回に波留のタイムリーで追い付く。9回裏、先頭の川端が三塁打。無死三塁とサヨナラの絶好機。ここで代打の畠山が三振、谷繁は投ゴロ、そして進藤も三振で決定的な場面を逃す。こうなると阪神の流れ。イニングを跨いだ盛田が延長11回、桧山に2ランを浴びて勝負が決した。

28日も中盤までは競り合いとなる。初回に2点を先制した横浜だったが、先発の三浦が5回、桧山に逆転2ランを浴びる。直後にひっくり返して4-3としたが、三浦は新庄に同点ソロを浴びて降板。6回を終えて4-4となる。

7回からマウンドに上がった河原が、2イニング目に乱れる。無死1、2塁から暴投でランナーを進めると、新庄は前進守備を高いバウンドで越える2点タイムリー。鈴木尚のファンブルも絡んで大量失点。森中にスイッチするも、火のついた阪神打線を止められず、この回一気に8点を失った。

「ふがいない試合」と大矢監督が語るまでもなく、スタンドのファンは8回表の途中で次々と席を立った。阪神戦8連敗で再び借金9に戻り、最下位。ホーム開幕の3戦目に勝っただけで、対戦成績は1勝10敗。この借金9がそのままシーズンの成績になっていた。

そして、3戦目の29日も最悪の立ち上がりとなる。先発の戸叶が和田、久慈を出塁させ、コールズに3ランを浴びて3人で早くも3失点。さらに無死満塁のピンチを背負ったが、ここは関川の犠牲フライだけに凌いだ。それでも初回4失点。8連敗中の相手に対して、絶望的な展開になる。

2回に中込を攻めて、3点を返してマウンドから引きずり降ろすと、代わった入団間もない新外国人投手のマクドナルドから鈴木尚、ローズの連続タイムリーで逆転し、さらに駒田が3ランを放ち、大量9得点で一気に主導権を握った。

6月の最後でやっと阪神に勝利。阪神戦8連敗を止め、これで流れが変わるか。最下位読売とは1ゲーム。上をなかなか見ることができない状況が続く。

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6月末の勝敗表

チーム勝率
1ヤクルト6643230.652
2広島6434300.5318.0
3阪神6733340.4932.5
4中日6530350.4622.0
5横浜6227350.4351.5
6読売6628380.4241.0

6月最後の試合で勝利し、何とか最下位を脱出した横浜。借金は最多の9からひとつ減った8で、月末時点ではこれまでで最多。読売は借金が2桁に到達している。ヤクルトは10連勝で貯金を20に乗せ、独走モードに入った。

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7月のレビュー

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