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三浦監督の続投発表 ラミレス前監督に続く5年目

横浜DeNAベイスターズは10月22日、三浦大輔監督と2025年シーズンも監督契約を結ぶことを発表した。レギュラーシーズンでは、権藤氏以来の同一監督による3年連続の勝ち越しとなったが、前年から数字を落とし辛うじて3位に踏みとどまった。CSでは2位の阪神に続き、アドバンテージをひっくり返して日本シリーズ進出を決めた。

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集大成の5年目へ

ラミレス前監督も2016年から2020年まで、5年間監督を務めた。かつてTBS時代は2年程度で監督がコロコロ交代していたが、DeNAになってからはフロントがチームを構成し、監督には5年程度のスパンで任せ、結果を出してもらう形をとっている。

2024年は、交流戦中に借金6を抱えたが、7連勝で一気に完済。オールスター前には4チームが0.5ゲーム差内にひしめく混戦に食い込んだ。しかし、オールスターを挟んで9連敗を喫し、優勝争いから脱落。最後まで食い下がったものの、9月5勝20敗の広島を抜いての3位がやっとだった。

苦戦が予想されたCSでは、レギュラーシーズンではリーグ5位だった投手陣が奮起。13勝を挙げたエースの東が初戦で走塁中のアクシデントにより4回で降板し、戦線離脱となったが、ジャクソン、ケイを中心に大貫、濵口も好投。リリーフはほぼ得点を与えないリレーが続いた。

日本シリーズ進出を決めたところでの続投発表となったが、球団としては既定路線だったと思う。あとは三浦監督本人が、前年より成績が下がったことをどう捉えるかだったと思うが、CSでの戦いを経て、あと1年勝負ということになったかも知れない。

年度勝率
20216143547316.42520.0
2022214373682.5188.0
2023314374663.52912.0
2024314371693.5078.0
合計57227227624.496
三浦監督の年度別成績

前述の通り、レギュラーシーズンでは3年連続のAクラス、勝ち越しとはなったが、前年から成績を落とした。バウアー、今永がチームを離れて厳しいと言われた中ではよくやっているという見方もあるが、過去2年でほとんど1軍で出場できなかったオースティンが、首位打者を獲得するというプラス要素もあった。ジャクソン、ケイも大きく貢献したが、なかなか安定はせず難しい運用だった。

リリーフは、伊勢、山崎、ウェンデルケンがいずれも不振やケガで不在となる中、徳山、中川虎、坂本らを使い、1軍の戦力に押し上げた。

靏岡オフェンスチーフコーチの就任により、昨年までと比べてバントが大幅に減り、佐竹走塁アナリストの加入で盗塁が大幅に増えた攻撃面は、リーグトップの得点をマークした。だが、NPB全体の投高打低傾向でうまく生かせなかった面もあった。

優勝争いをどう定義するのかによっては変わって来るが、9月に3ゲーム差以内へ入ることすらできなかったので、個人的には優勝争いができなかったと解釈している。7連勝、9連敗があったが、良くも悪くも貯金5から借金5のレンジを脱することができず、安定はするものの突き抜けることができなかった。

リーグ優勝するには貯金15を超えて来ないとなかなか難しい。貯金2桁のシーズンすら1998年以来まだないというチームにおいて、年間を通して貯金を積み上げて行く戦い方というのは引き続き大きな課題となる。CSや日本シリーズは短期決戦なので全く異なるが、こういう舞台での経験をここという負けられない試合に生かすことができれば。

個人的には監督交代も一つの手段とは思っていたが、チームとして積み上げているものの継続性という意味で、既定路線であっただろう5年目を無事に迎えることができるのは良かったと思っている。2023年は交流戦優勝、2024年はファーム日本一、CS優勝。日本シリーズはこれからだが、ステップアップはして来ていると思う。5年目の集大成として、狙うのはリーグ優勝しかない。

CSが始まって9シーズン、進出することさえできなかった時代とは異なり、3位からではあるが2度ファイナルステージを勝ち抜いた。2位や3位からの日本シリーズで妥協するチームではなくなっている。2025年はリーグ優勝以外であれば、監督交代も含めて根本的に考える必要があるだろう。

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石川達也が退団へ

同じく22日は、第二次戦力外通告期間に入り、石川達也と2025年シーズンの契約を結ばない旨を通告したと発表された。これは驚いた。第一次では支配下登録の投手は三浦と高田しか発表されていなかったので、第二次で追加があるか、相当数の育成契約への移行があるかと思っていた。しかし、石川とは思わなかった。

石川は育成契約への変更を打診され、これを拒否して自由契約を選んだと見られる。石川としては故障もなく、十分に投げられると思っているなら、少なくとも来年前半は1軍の戦力として見てもらえないチームよりも他で勝負したいというのは当然だろう。それが地元のチームであったとしても。

今年はエスコバーが退団し、左腕のリリーフが石川しかいない状況でスタート。球団からの期待も高かったと思う。5月から坂本が昇格し、左腕のリリーフとして活躍。石川は5月26日に登録を抹消され、ファームでの調整を続けた。

ファームでは28試合に登板し、防御率2.84という数字。1軍のリリーフは苦しかったが、呼ばれることなくそのままシーズンを終了した。ファーム日本選手権でも登板し、フェニックスリーグのメンバーにも名前が入っていたが、おそらく育成への移行が不調に終わったようで、現状はDOCKで調整している。

6月以降1軍に呼ばれなかった理由があるのだろうし、球団内部の人間しか知り得ない事情もあるのだろう。ファンから見れば、坂本が台頭したとは言えリリーフ左腕の薄さから考えても石川を育成選手に戻す意味が分からない。

左腕では、高田の退団が決まっているが、育成の庄司はおそらく支配下への移行があるだろう。ドラフトで複数名指名するにしても駒が足りているようにも思えない。だからこそ何らか事情があるのではないかと推測する声もある。地元の選手だけに退団は非常に残念だが、どこか獲得するチームがあれば新天地で輝いて欲しい。

24日にはドラフト会議が行われるが、投手中心の指名が予想される。現状で支配下の投手は3名しか退団が発表されていないので、育成への移行が考えられる。トミージョン手術を受けた深沢、8月20日に左肘クリーニング手術を受けた森下、ケガが続いて今季もファームの公式戦は5試合登板に終わった橋本、そして難病の黄色靭帯骨化症と戦っている三嶋らが考えられる。

育成選手をある程度抱えるのであれば、支配下へ移行する余地も空ける必要があるので、ここからどういう形で陣容を構成して行くか。チームはまだ日本シリーズを戦うが、来季に向けた準備は始まっている。三浦監督の5年目を集大成とするためにも、言い訳のできない編成をして欲しい。

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