9月28日の勝利で2025年シーズンの2位が確定し、翌日の新聞紙上では三浦監督の退任が一斉に報道された。既に新聞各社は把握済の内容で、順位確定まで報道を控えていたものと思われる。史上初の4年連続70勝以上でCS進出を決め、2022年に続いて2度目の2位となったが、リーグ優勝しかないという今年、阪神に大差をつけられて逃したという責任を取る形で辞意を固めたようだ。
異例のオーナーからのメッセージ
全てのスポーツ紙が一斉に報道したことから確定的な情報であることは明白だったが、29日朝には南場オーナーがXでこの件に関してポスト。辞任の申し出を受理したこと、三浦監督からは10月1日の最終戦の後にメッセージがあることを明言した。
球団からの正式発表ではなく、こういう形でオーナーが認めるというのは異例のことだと思う。これまでもオーナー会議などで三浦監督の去就にはノーコメントを貫いていた。順位が決定したタイミングではあるが、ハマスタでのCSも控えている中でレギュラーシーズンの最後の試合という区切りに対し、多くのファンに知っておいてもらいたいという気持ちの表れだろうか。
三浦監督のメッセージも聞いた上で、全日程終了後にゆっくりと振り返りたいと思うが、2025年にリーグ優勝を逃したのは監督だけの責任ではないと思う。球団もそこを踏まえ、一部報道によれば2年の契約延長を提示したという。
実際にどんな話をしたのかは当事者しか分からないが、三浦監督が自ら優勝できなかった責任を取って固辞したということになる。
2位になったのに、という声が大きい。昨日も書いたようにこの球団においては2位になることすら難しい。しかし、昨年はレギュラーシーズンで貯金が僅かに2で3位だったが、史上最大の下克上を果たした。2025年はリーグ優勝しかないという状況で迎え、球団もそこへ全振りといった形で臨んだ。
そうした中で、7月にして阪神に大きく離され、優勝争いすらできなかった中、優勝が決まった後に勝ち星を積み重ねて到達した2位をそのまま評価して良いのかは疑問だ。三浦監督がいつ決断したのかは分からないが、その点は大きかったのではないか。
三浦監督を勝たせることができず、自ら辞任を申し出る事態にしてしまった球団の責任は大きい。監督が退任して終わりにせず、何故2025年にリーグ優勝に至らなかったのか、今オフに十分検証してもらいたい。誰かを辞めさせて欲しいわけではなく、リーグ優勝に繋げてもらいたい。
プロ野球チームの監督という重責を5年間背負って来た中で、特に精神的な疲労もあったかと思う。来年以降どうするのかは今後、明らかになって行くとは思うが、引退試合で「ずっと横浜」と言ってくれたように、今後もベイスターズに関わってもらいたいと思う。まだCSもあるので、最後にベイスターズらしい試合を見せて欲しい。
監督の能力に依存し過ぎない体制
2012年からDeNAベイスターズとなって、長く低迷が続いたチームを少しずつ押し上げて来た。初代の中畑清監督は、まずは社会人としての教育レベルから始まり、プロの戦う集団になる基礎を積み重ねた。弱さで閑古鳥が鳴くハマスタを抜群の注目度と球団の努力で埋めて行き、多くのファンが応援するパワーも受けて、チームは変わって行った。
ラミレス監督となり、緻密なデータを駆使する野球が進化を遂げた。親会社のDeNAというIT企業をバックに、アナリストが育って行き、現場にさまざまなデータが入って行き、感覚頼みだった分野の数値化を進めた。それと同時に野球界の独特な組織体制や運営が見直されて行き、分業制が進んだ。
三浦監督になって、監督の役割もかなり変わって来た。コーチやアナリストの提案を受けて最終決断を下す立場に変わって行った。オフェンスとディフェンスの担当コーチの明確化、作戦面の担当と技術指導の担当も分業化して行った。
かつては、能力も実績もある監督が編成まで含めて全権を担い、監督という強いトップの下でチームが動いていた。未だにそういうイメージで語る人が多いが、ベイスターズはもうその形にはない。現場の最高責任者なので、結果には責任を持つものの、各セクションが出して来た提案を総合して決断を下す立ち位置になっている。
三浦監督の采配ではなく、チームとして決定した作戦ということ。会社に当てはめれば、COOとか事業部長といったところか。監督の能力ももちろん重要で、人事評価されるものにはなるが、監督の能力に依存し過ぎた組織では継続性も生まれない。
1998年の優勝は権藤監督の下だったが、2001年から西武でも実績を持つ森祇晶氏を招聘し、さらなる黄金時代を築こうとしたが、正反対とも言えるタイプの前任者を否定し、全てを変え過ぎてしまった。当時の選手が戸惑ったのは言うまでもなく、2000年に.346で首位打者を獲った金城龍彦が2002年には.170まで低迷したのが象徴的だった。
監督が変われば全て変わる、監督の下にチームを作るというものでは、過渡期に低迷が生まれるし、チーム構成は2年や3年のスパンで行われるべきものでもない。ベイスターズは、いろいろな錯誤の中でようやく4年続けて結果を出すことができ、ここからさらに継続しつつ、リーグ優勝まで上り詰める力を付けられるかという局面にいる。
こうした他のチームとは異なる体制を敷いている中で後任に誰を選ぶのか、非常に興味深い。
後任については名前が挙がらず
退任が伝えられる際、同時に後任について複数の名前が報道されるのが通常だが、今回はそこへの言及があるものはほとんどなかった。
前述の通り、他のチームとは監督に期待される業務内容が異なるので、そこを理解できる人物である必要がある。DeNAの初代監督も工藤公康氏で決まりかけたが、意中のコーチの入団を巡り、GM体制のチームと折り合わずに破談となった。
他チームでの監督経験者や、ベイスターズの内部事情に詳しくない人物は、このあたりで折り合わない可能性は高い。三浦監督は一軍コーチ、二軍監督も務めた上で満を持して就任となった。球団としてはあと数年、三浦監督で行くつもりだっただろうから、内部から就任するにしても十分な準備はできていないのではないか。
内部からであれば、多くのファンから名前の挙がる石井琢朗コーチ、作戦面を担っていた相川、靏岡の両コーチも候補になるだろうか。今年から桑原二軍監督が就任しているが、将来の一軍監督を見据えているのかどうかは分からない。
次の監督が正式に決まるのは、ポストシーズンが終わった後になるだろうから、そこまでは目の前の試合に注目しつつ、来季どんな体制になるのか想像を巡らせたいと思う。
個人的には、三浦監督の後は藤田一也コーチが良いと思っていたが、ちょっと早い監督交代になったという印象。石井琢朗監督も見てみたいし、工藤公康氏が今のチームを率いたらどうなるのかという単純な興味もあるが、これは前述の理由から難しいだろう。
ベイスターズというチームの特性を考えると、三浦監督よりも下の世代に任せるんじゃないかなと何となく思っている。ひとまず、切り替えて残り2試合とCSを見守りたい。


コメント
三浦監督の采配ミスももちろん原因のひとつではありますが、やはり最大の敗因はフロントでしょう。
石川を放出し左が足りなくなる、メキシコで明らかに劣化していたバウアーに9億無駄遣い、終戦してからの遅すぎた補強…
そして相次ぐドラフトの失敗が最大の原因でしょう。
先ほど発表された戦力外通告で、とうとう2021年組は3人だけになってしまいました。
一方、圧倒的強さで優勝した阪神は、2020年のドラフトに代表される神ドラフトを連発。それで黄金期を迎えています。
ドラフトの成功なくして、優勝はない、ということです。
このまま三浦監督にV逸の全責任を押し付けてフロントは誰も責任を取らないのであれば、監督が代わろうがなにも好転しません。むしろ最下位争いに陥る可能性すらあります。
フロントが責任取れと、石川放出の時からずっと言い続けていますが
そんなファンの声はフロントには届かないのでしょうね
昔と違ってフロントと一括りに言っても、分業制でさまざまな役割があるので、どこに問題があるのか検証すべきですね。
結果論でドラフトが失敗と声高に言っているようですが、スカウティングなのか、育成なのか、見極めるのはわれわれ素人が考えるほど簡単じゃないでしょうね。
FAやトレードなど移籍が少ないNPBにおいて、ドラフトが優勝に結び付くのは言うまでもなく当たり前のことですね。
バウアーがメキシコで明らかに劣化した根拠はあるんですか?結果論で言われても何の説得力もないです。おおかた、復帰が決まった際は喜んでいた一員なのでは。
こんなところでフロントが責任を取れと言っても無意味なので、直接声を届けたらどうでしょうか?マイナスなことばかり書いて満足していても何も解決しないですよ。
三浦監督 5年間やってラミレスの野球と比較して変わった事ですが。
※三浦さんだけの問題ではないんですが
・盗塁数が増えた事 昨年は石井コーチを走塁コーチにしたので
失敗もあるけどリーグ1の盗塁数になれた。
しかし今年は三森の数が多いだけで そこまでは多くないと思います。
・チームバッティング 2年目に石井コーチを招いてから
ランナーを進めるバッティングをしたと思います。まあ今までしてなかったから簡単にはできなかったけど意識改革はできたと思いますが
翌年 佐野を1番にしてからか以前に戻ってしまったような気もします。
※蝦名 梶原が開幕から不調の時に チームバッティングの意識が強くて自分のバッティングが出来なくなって不調になったとも聞くので選手にとっては
自由に打たす方が良いタイプもあるみたいですね。
・左腕を重視しなくなった。 ラミレスの時はドラ1 2位で左腕を獲得したりし左腕宝庫だったと思いますが
どんどん解雇し ドラフトでも補強はしないで 昨年も戦力外選手で補う程度
昨年もですが両リーグで中継ぎ左腕は1人だけで戦ってます。
何故左腕を重視しないのでしょうか?
・良い助っ人が入るようになった・
ラミレスの時は助っ人投手は中継ぎ投手くらいの活躍だった。
三浦さんの時も ロメロ?ガゼルマンと後半だけ活躍で翌年活躍しなく解雇したけど ジャクソン ケイ ウィック 2年前のバウアーと良い投手を獲得できるようになった。
・他球団が弱くなった。
実際2年目からAクラスになってますが首位とはゲーム差があり
数字だけの順位ではあまり評価してません。
ただこれも相手が弱いだけでの成績だと思いますね。
結局 三浦さんって何を改革したとかが分からないです。
良い選手が獲得できただけでの結果かな
新庄監督は1年目から3年後を考えて若手の育成をしたり
阪神の岡田監督も 守備を固定したり 四死球を増やす事を改革したけど
三浦さんは優しく見守るだけでな感じでした。
唯一良かったのは昨年 ウィックに怒った事だけです。
次の監督ですが
私は球団がどういうチーム作りをするか条件を付けてほしいです。
守備 走塁 育成方法 バントが出来るチームに変えろとかすれば
勝つ事よりも変える事が出来ると思います。
って言っても試合に勝てなくなるほどではないと思います。
今阪神だけがピークですから
ベイって課題が多すぎだけど 改善すればもっと強いチームになるんですが
もったいないですね
1年目は、まずコロナの影響でベイスターズだけ外国人選手の来日が遅れたことが響きました。加えて三浦監督自身が反省していた通り、客観的に全体を見ることができていなかった影響があったのでしょう。
そこから球団が、全てを監督に委ねるのではなく、方針や作戦は分業化した担当の提案に基づき監督が最終判断を下す方向へシフトして行きました。ICT、データを駆使し多様化する中で必然だったのかも知れません。
監督が全てを決め、方向付けをする球団ではなくなっていると記事に書いた通りです。チーム作りは中長期的に球団が決めるべきもので、それを使って現場を回すのが監督だと思っています。