クライマックスシリーズのファイナルステージで敗退した翌日、スポーツ紙上では来季の体制について一斉に報じられた。まず、退任する三浦監督の後任には相川コーチの昇格が決定。球団からの正式発表ではないが、報道の内容から間違いないだろう。外国人選手の去就やFAについても情報が出てきたので整理と所感を書きたいと思う。
相川亮二新監督
リーグ優勝は逃したが、昨年を上回る貯金5で2位に押し上げた三浦監督に球団は2年の延長を提示したという。しかし、三浦監督が固辞し退任となった。つまり球団は2025年の体制を基本的にそのまま維持し2026年へ向かう計画だった。そうであれば外部から新たに呼ぶよりも内部事情を熟知した人員を配置するのがベストだろう。
三浦監督がいつ退任を決め、球団が受理したのかは分からない。監督の人選を十分に行う時間があったのかどうか。外部招聘も含めて検討した結果と書いている報道もあったが、そういった背景を考えると実際は内部昇格一択ではないか。
ベイスターズは今年、コーチの役割分担をさらに明確にした。作戦に携わるコーチと選手への技術指導、育成を行うコーチ。内部昇格で監督になるとすれば前者からになるのが自然。一軍では進藤、靏岡、相川の3コーチ。二軍では桑原監督、中井、藤田の両コーチ。コーディネーターはどちらかというと育成の方だと思うが、中長期的な視点でチームを見ており、監督の職務に親和性もありそう。
これらの候補を中心に考えた結果が相川新監督なのであれば、そこまで奇抜な人選ではない。管理人も内部昇格だろうと思っていたので、相川監督は想定の範囲内。ただ、何度も書いているが将来的には藤田一也に監督を務めてもらいたいと思っている。
2023年のオフに萩原本部長が「優勝するならこのままの延長線上にないなと判断している」とコメントし、2024年からオフェンスとディフェンスで作戦を担当するコーチを分けた。そこでディフェンスを担当したのが相川コーチで、2024年は交流戦優勝とCSを勝ち上がっての日本一に登り詰めた。
2025年は前述の通りさらに役割分担を明確化して推し進めたが、故障者が続出した中で交流戦以降に負けが込んでしまった。9月に快進撃を見せて前年を上回る成績は収めたものの、リーグ優勝に全振りした中で阪神に大差をつけられたことで三浦監督と萩原本部長が退任する結果となった。
2026年もそれを継承した体制ということになる。この延長線上にリーグ優勝は見えているのだろうか。
さて、相川新監督のこれまでを軽く振り返ってみる。1994年のドラフト5位で千葉の東京学館高から入団。同期には横浜高の紀田、多村らがいた。入団後は基本練習に明け暮れたが、バッティングの評価が高まっていた。
当時は谷繁が一軍で不動のレギュラー。ベテランの秋元が支える捕手二人体制となっており、相川の出番はなかった。1998年のベイスターズ優勝時も一軍での出場はゼロ。1999年にようやくプロ初出場を迎えた。
2001年に就任した森祇晶監督と合わず谷繁がFA移籍すると徐々に頭角を現し、2004年にはアテネオリンピックに出場。この年に100試合以上に出場してレギュラーを獲ると、谷繁移籍後は流動的になっていたチームに扇のかなめとして安定感をもたらした。2006年にはWBCにも出場し、この年から3年間選手会長も務めた。
2007年には球団の捕手として唯一の3割となる.302をマーク。リーグを代表する捕手になった相川だが、2008年オフにFA宣言。MLBへの移籍も模索したがオファーはなく、出戻りを基本的に許していなかった横浜を出て、唯一オファーのあったヤクルトへ移籍。初めてCSに出場するなどレギュラーとして活躍した。
中村悠の台頭によって出番が減少した2014年オフに読売へFAで2度目の移籍。しかし、自身のケガや他の選手の活躍で思ったほど活躍はできず、2017年限りで引退した。2018年は現場を離れて解説者を務めたが、2019年から読売で一軍バッテリーコーチとして指導者の道へ。2022年にバッテリーコーチとして古巣に復帰し、三浦監督を4年間支えて来た。
現役時代に自身が主力としてリーグ優勝した経験はないが、3球団を渡り歩いた。オリンピックやWBCと国際大会も経験し、コーチとしては読売でリーグ優勝も経験している。コーチの実績や評価は、外部の人間には分からない。中にいる人間が次期監督として相応と判断したのだから、それを信じるべきだろう。
後述するが外国人選手も含めて選手の陣容は変わりそうだが、外部招聘で全てを一から作り直すよりは良いのではないかと思う。
◆DeNA歴代監督
初代 中畑清 内野手
2代目 ラミレス 外野手
3代目 三浦大輔 投手
4代目 相川亮二 捕手
4代目にして全ポジションが集まった形。投手を中心としたディフェンス面がNPB全体で進化しているが、ハマスタが本拠地で伝統的に投手力が弱いとされるベイスターズが、今季はリーグ2位の防御率2.94をマークした。最強投手陣の阪神(2.21)にはまだ及ばないが、ディフェンス力の進化がチームを押し上げており、引き続きこの部分の強化が求められる中で捕手出身の監督を選択した。
コーチ陣についてはまだ情報はない。三浦監督の退任に伴って辞めるコーチもいるかも知れないが、ベイスターズは監督の意志でコーチを選ぶ体制は取っておらず、内部昇格でもあり基本的には大きく変わらないのではないかと思う。
そんな中で、相川とは同級生であり高卒で入団して苦労をともにした多村氏がコーチに入るのかどうかは注目される。個人的には藤田コーチが将来の監督就任を見越した動きになって行くのかどうかにも関心がある。
まずは正式発表と就任会見でどんなことを語るのかに注目したいと思う。
外国人選手
外国人選手の去就に関する報道も出ていた。
ウィックは、クライマックスシリーズの途中で帰国した。コメントの内容からしても退団が濃厚という感じだが、彼のインスタグラムでベイスターズに関するものを削除しているという情報もあり、おそらく退団と言うことになるのだろう。ケガがちではあるが、非常に残念。
バウアーはDOCKでインタビューに応じ、来年について現役を続けるのかどうかについても分からないとコメント。将来的な夢として野球のビジネスを興したいと語った。本業の練習もきっちりやった上だと思うが、4Appやアマチュアへのアドバイス、プログラムなど既に実業家としての活動も多い。
名門でハイレベルとは言え、アマチュアの日本通運戦で打ち込まれたことで、現役を続けるかどうか迷うくらい落ち込んでいるのだろうか。MLBにもう戻る道がないことも分かっているだろう。UCLA出身でビジネスとしても成功できそうなバウアーだが、来季は投げる姿が見られるのかどうか。
オースティンも、まずは家に戻ってゆっくり考えたいとコメント。2025年は球団オプションで1年延長したが、2026年の選手契約はオファーしていないものと思う。オースティンは素晴らしい能力を持っているし、人としても好きな選手なのだが、やはりケガが多過ぎていない期間の方が長い。
6年在籍して403試合なので平均67試合。シーズンの半分も出場できていない。2024年にギリギリではあるが唯一の規定打席に到達し、首位打者を獲得。もっと出場さえできれば6年でかなりの数字を残したはず。年齢的にも来季35歳になるので、さらにケガをしやすくなるし治りも遅くなる。セ・リーグは2026年はまだDH制はなく、契約延長は厳しい。
ビシエドも先日帰国した。レギュラーシーズン最後に左ハムストリングを肉離れ。NPB10年目にして初のCS出場も叶わなくなった。外国人枠から外れ、打力と守備力はまだ健在だった。来季の契約は未定だが、オースティンのケガも含めて今年後半の立て直しに特化した獲得だったので延長するか微妙。個人的にファーストには宮崎を回すべきと思うので、外国人の野手を獲るならサードが十分に守れるか外野手が良い。
ケイは、ウィックのインスタに「Baystars for life」と書いていたらしいが、一部報道では退団が濃厚となっている。MLBではなかなか先発のチャンスがなく、先発としてオファーしたベイスターズへ移籍し、球団記録となる防御率もマークした。日本の中6日も合っていたようだし、ベイスターズにも愛着を持っていると思ったのだが。MLB復帰を考えているなら仕方ないが、NPBでの移籍だとショックも大きい。
ジャクソンについては何も見つけられなかった。個人的に残留を一番優先すべき投手と思う。CSファーストステージでは残念だったが、シーズントータルで見れば貢献度は高く、年齢的にもまだまだ全盛期。子供が生まれて家族の問題もあるので、MLB復帰と言うことなら仕方ないが、日本にいるつもりなら他球団に負けないオファーを出してもらいたい。
フォードも帰国した。2年連続で途中加入となったが、今年もレギュラーシーズンでなかなか結果を出せず、ファームでの調整が長くなった。ポストシーズンでも結果を残せず、来季も契約はなさそう。
FA
今年で4年契約を満了する桑原が、FA行使を検討という報道。最初に権利を取得する際は4年の複数年契約を結んで封印した。桑原も来年33歳を迎える。年齢的にもFAを行使するなら最後に近いと思うし、自身の権利なのでよく考えてもらえれば良いと思う。もちろん来年以降もベイスターズのユニフォームで躍動して欲しい。
森原は今季FA権を獲得。現時点では何も明言していないが、三浦監督の退任もあり、今後の野球人生をどうするのか考える時間になりそうだ。1年かけてようやく復活した森原は欠かせない。ここ最近でFAを取得した選手と同様に残留に向けて交渉をしてもらいたい。
同じく今季FAを獲得した神里も熟考となる。代走、守備固めの起用がほとんどだが、今季は少ない打席ながらバッティングの結果も残した。このままベイスターズにいても外野でレギュラーとして出場することは難しいが、年齢的な面も含めて引退までの道筋をどう考えるか。
藤浪はNPBではFA権を取得していないが、今季の途中で加入する際、来季以降にMLBへ再挑戦することを織り込み済の契約となっているような話があった。代理人のボラス氏は2026年にMLBでのプレーを模索することをコメントしており、流動的になりそうだ。
FAでの獲得については、中日の柳が注目される。横浜高出身であり2016年のドラフトでも1巡初回入札で指名しているが、抽選で外してしまった。柳自身がベイスターズファン、同期の京田とプレーしたいと語っており去就が注目が集まる。
仮にバウアー、ケイと先発が抜けるのであれば無視できない存在。ただ、ケガが多いところは気がかりだし補償が必要なBランクという点もある。
2026年は日本でのプレーを希望と本人が明言している前田健太。古巣の広島はオファーしないのではないかと言われ、最近ではなかなか聞かなくなった在京志向という噂も出ている。読売が田中将大に続いて獲得するのか、DeNAも参戦するのかは分からない。投手としてのテクニックは持ち合わせているが、DeNAとしては次期エースというような若手を一本立ちさせなければならないフェーズなので、マッチしないのではないかと思う。
来週にはドラフト会議が行われ、日本シリーズが終了すればFAの動きも具体化する。これらの動きも今後注目して行きたい。


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