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大谷の気迫で打線爆発 マイアミでの準決勝に進出

03/16 WBC 2023 準々決勝 日本9-3イタリア(東京ドーム)

先発の大谷が気迫の投球でイタリアの打線を抑えると、3回に大谷のドラッグバントからチャンスが広がり、吉田の内野ゴロ間に先制。さらに岡本に3ランが出て一挙4点を奪う。大谷が5回に2失点して降板も、伊藤が火消し。その裏に村上と岡本の長打で3点を奪い返した。今永、ダルビッシュ、大勢と繋いだ日本が盤石の展開で準決勝進出を決めた。

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ポジ [Good]

エンゼルスの大谷投手の中継をあまり見ることはないのだが、イメージとしては表情は穏やかで、内なる闘志を秘めるタイプかと思っていた。もちろん、闘争心はあるだろうし、時にはそういった部分を表現することもあるだろうが、この日の大谷はイメージと大きく異なる姿を見せていた。

初回からもの凄い気迫で投げ、ヤスアキばりに投げる度に大きな声を上げていた。出場を夢見て来たWBCで、負けられない一発勝負の準々決勝。気合が入らないはずがない舞台で、あえてその感情を表に出したようにも思えた。

世界中の野球人が憧れる存在。そんな二刀流の投手が、初回からフルパワーで投げ込む。相手も圧倒し、味方の心に火を付けた。3回まで1安打ピッチングで味方の援護を待った。

初回、いきなりヌートバーがヒットでチームを盛り上げた。続く近藤も素晴らしい選球眼で歩き、これは初回から大量点かと思った。大谷の鋭い打球はセンターへ、と思った瞬間、そこにショートがいた。大きく右にシフトしていたイタリアの作戦が当たった。吉田、村上も打ち取られて無得点。少し重い展開になった。

3回、1アウトから近藤がまたも歩き、打席には大谷。球場が大きく盛り上がったところで、初球をまさかのドラッグバント。投手のラソーラは送球を焦り、逸れたボールはファウルグラウンドへ。近藤が三塁まで進み、チャンスが拡大した。ベンチの栗山監督も、「すげー」と口が動いたように見えたので、大谷の判断でバントしたはず。絶対に勝ちたいという気持ちが、強打者にドラッグバントをさせた。

この成功に球場のボルテージは上がり、日本の流れに。吉田が普通ならセンター前という打球を放ったが、またもシフトが奏功。ショートが横っ飛びで押さえ、一塁はアウト。しかし、近藤が還って先制点に結び付いた。

村上が歩いて1、2塁となり、ここで岡本が6球目のスライダーにやや泳ぎながらも、バットに乗せるようなスイングでレフトスタンドまで運ぶ3ラン。4点の先制となり、日本が主導権を握った。

5回表、大谷がややコントロールを乱し、2つの死球とヒットで2アウト満塁のピンチを背負った。ここでドミニク・フレッチャーへの2球目の161キロストレートは高めに浮き、詰まらせたが打球がセカンドの後ろに落ちた。2者が還って2点差。この時点で71球で、まだ残りの球数はあったが、栗山監督が交代を決断。

強心臓と言われる伊藤大海をマウンドに送った決断も良かった。4番のサリバンに対して、じっくりと勝負し、最後はアウトサイドのストレートでショートフライに打ち取り、一発逆転のピンチを切り抜けた。見事な火消しだった。

伊藤が引き戻した流れに乗り、5回裏は連続四死球でもらったチャンスで、村上が待望のタイムリー二塁打。ここまで受け身になっている感じがあったが、初球のアウトサイド低め、簡単ではないコースのストレートを左中間へ弾き返した。この日、吉田と入れ替わって5番に下がったが、うまく機能してくれた。栗山監督も難しい決断だったと思うが、結果としては大成功だろう。

さらに岡本も右中間を破り、二者が生還。これで岡本は5打点と大爆発。1~4番の出塁率が非常に高いので、5番以降の打者がランナーを還せるかどうかが得点力を左右するが、村上が復調し、岡本が打点王のタイトルホルダーらしい活躍を見せてくれれば、大量点になる。

5点差となった勢いをさらに加速させたのが、今永のピッチング。6回にマウンドに上がると、先頭のパスカンティーノを初球のストレートで完全に詰まらせ、ショートゴロに打ち取ると、マストロブオーニをスライダーでハーフスイングの空振り三振、そしてフリシアには154キロのストレートで空振りさせ、連続三振。またもメジャー級の回転数を計測するボールでバットに当てさせなかった。

7回からダルビッシュが登板。前回の韓国戦は久しぶりの東京ドームのマウンドで、3失点と悔しさもある登板となり、東京ドームでは最後の試合となる中で登板を果たした。気迫十分の投球で三者凡退。8回も続投したが、ドミニク・フレッチャーにカットボールを左中間スタンドまで運ばれた。膨らみがない東京ドーム特有のホームランで、これは仕方ない。

降板後もブルペンで投球を行っていたが、実戦2試合で状態も上がって来ていると思うので、マイアミでの登板できっちりと抑えてくれるはずだ。

吉田にもソロが飛び出し、9得点の援護を受けた投手陣は、最後に大勢が連打でピンチを招きながらも無失点で抑え、投打が噛み合った快勝を演出した。勝負どころの試合で、これだけの結果を出す侍ジャパン、やはりさすがのメンバーが集まっている。

これで第5回大会もベスト4に入り、唯一の5連続となった。3位決定戦のない今大会では、この素晴らしいメンバーで試合を少しでも長くやるには、準決勝を勝ち抜き決勝へ進出するしかない。あと2試合、見せて欲しい。

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ヤジ [Bad]

またもほぼ完璧な試合。この日大活躍だった岡本だが、2回は源田の2球目でスタートし、余裕でアウトとなり盗塁失敗。栗山監督も何故?という気持ちが顔に出てしまっていた。単独スチールのサインは出ないと思うし、岡本の判断で隙を突いたとも考えづらいので、ヒットエンドランのサインと勘違いしたか。本当のところは分からないが、このミスでヤバいと思って3ランを打ったのなら、取り返せたと思う。

ただ、代表チームなので、サインプレーではミスが起きやすい。過去にもWBCで一塁ランナーの内川だけがスタートを切ってしまい、攻撃の流れを止めてしまったこともあった。1点を争う展開でこういったミスが出ると、流れが悪くなってしまうので、準決勝以降では気を付けたい。

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キジ [Other]

最低でもアメリカ・マイアミで行われる準決勝まで進まなければならないと思っていたので、勝負の準々決勝でしっかりと結果を出してくれた侍ジャパンの選手たちは、非常に素晴らしいと思う。これだけのメンバーが揃っているのだからとは思うが、それでも勝つことは簡単ではない。

試合前から打線が打てれば圧勝、打てないとロースコアの接戦、もしも日本の投手陣が打たれるようだと危険だと思っていた。大谷でスタートし、ほとんどの投手が使える状況下、それほど打たれることは想定していなかった。大谷が期待以上の投球を見せて、打線も岡本の5打点の活躍で大量点を奪うことができた。理想通りの試合展開になった。

いよいよ決勝ラウンドに進む。準決勝は、日本時間3月21日(火・祝)の午前8時から。MLBのマーリンズの本拠地で、マイアミにあるローンデポ・パークという開閉式のドーム球場で行われる。日本時間18日に行われる準々決勝、メキシコとプエルトリコの勝者が相手となる。

準決勝は、アメリカが進出した場合は日本時間20日と決まっていたようで、今回2位通過となったことから、アメリカとベネズエラの勝者が20日の準決勝となる。アメリカがプールCで2位通過となったことから少々混乱があったようだが、ソトが参加しているプエルトリコと日本が準決勝で対戦する可能性がある。メキシコも今大会では実力を発揮しており、どちらが来ても厳しい戦いになるだろう。

準々決勝も一発勝負の怖さ、イタリアの勢いや意外性もあったが、準決勝はこれまでにない緊張感、ゾクゾクするような試合になるだろう。アメリカに旅立つ侍ジャパン。時差ボケはあるだろうが、うまくコンディションを整えて、ベストな状態で準決勝を迎えて欲しい。

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