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人的補償で古市を獲得 捕手を補強した意図は

横浜DeNAベイスターズは1月8日、FAで移籍した桑原の人的補償として、西武から古市を獲得したことを発表した。古市は、2021年に育成1位で西武に入団し、2023年に支配下登録された。伊藤光のFA移籍により支配下登録の選手が6名となった捕手の補強を選択する形になった。

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支配下6名だった捕手の補強

人的補償については、当然ながらプロテクトリストは公開されず憶測でしかないため、古市は違うとか、誰の方が良かったとか、そういう議論は無意味。また、ポジションについても、捕手と決めていたとは限らないので、それもプロテクトから漏れた他の選手たちと総合的に判断してのこと。捕手は要らないということはないと思うので、最終的な決断が古市になったというのは何の不思議もない。

先日の記事では、捕手は支配下6名と少ないが上甲を支配下登録して対応できるため、優先する必要はないと書いた。仮に支配下登録の捕手で2名の離脱があった場合、出場選手登録が3名だとすると二軍の公式戦に出場できる支配下登録の選手は1名ということになる。

二軍の公式戦では、育成選手は5名までが試合に出場できる。現在、ベイスターズは15名の育成選手を抱えており、投手や野手で実戦経験を積ませたい選手もたくさんいる。そうした中で、捕手3名のうち2名が育成選手となると、投手や内・外野手で使える選手数が限られてくる。

そうした場合に上甲を支配下登録することで、他のポジションで育成選手を使いやすくする方法がある。このような運用対応があれば、捕手は支配下6名、育成2名でも問題ないのではないかと考えた。

しかし、ベイスターズは、他のプロテクトから漏れた選手と比較しながら、伊藤光が抜けた捕手を補充することを選択した。捕手はなかなかトレードが成立しないし、外国人選手でまかなうことも難しいポジション。2025年のドラフトでは捕手を指名していないことから、古市に白羽の矢が立った。

古市は、香川県出身。高松南高時代にプロ志望届を出すも指名されず、徳島インディゴソックスに入団。2021年は高卒ながら41試合に出場し、高い盗塁阻止率をマークし、注目された。2021年のドラフト会議では西武から育成1位で指名され入団。

2022年は二軍で15試合に出場、打率は.179だった。しかし、球団の期待は高く、2023年は4月14日に支配下登録された。一軍で29試合に出場し、打率は.160でバッティングに課題を残したが、盗塁阻止率は.455をマークした。

2024年は開幕一軍を手にしたが、西武では初となるサヨナラ捕逸を記録し、6試合の出場にとどまった。2025年は7月に一度、出場選手登録されるも3日後に抹消。8月17日に再登録されると、シーズン最後まで一軍ベンチに入った。しかし、出場機会は限られ10試合にとどまった。それでも18打数8安打で打率.444、盗塁は8つ刺して阻止率.400だった。

管理人はプレーをほぼ見ていないが、強肩で阻止率の高い捕手という触れ込み。バッティングはこれからまだ課題があるが、二軍では打率.276をマークし、三振も少ない。当てることは上手いようだが、ホームランはゼロで長打がほとんどない。一軍で出場する上で確実性のあるバッティングができるかどうか。

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山本のFAへ備え

ベイスターズは現在、メイン捕手として山本がいて、期待の高い松尾がポジションを争っている。そして、ベテランの戸柱がそれを支える形になっている。一軍の捕手の陣容は固まっていて、捕手を獲得する必要はないように見える。

ただ、捕手はケガも多いポジションであり、その3名に次ぐ存在が必要となる。現状の一番手はバッティングで結果も残している九鬼になりそうだ。オーストラリアに派遣されていた益子も一軍入りを狙っている。東妻は近年、外野手として出場することが多いが、完全にコンバートされたわけではない。

彼らの現状を考えると、盗塁阻止なども含めた守備には課題を残している。その点、古市は強肩を生かした守備力がある。もちろんまだまだブロッキングやフレーミング、インサイドワークなど課題は多数あるだろうが、比較的守備型の選手と言える。

ケガによる離脱などに備え、4番手に来る捕手を底上げする上で、古市の獲得には守備を重視したオプションを加える意図がありそうだ。龍山がプロテクトされていたから古市を選んだという予想もあるが、そうとは限らない。将来性を評価されているとしてもまだ高卒1年目なので、ここから育成するには時間がかかり過ぎる。将来性と現状のバランスを取った結果が古市という選択なのではないか。

古市の獲得で松尾のコンバートを予想する声もあるようだが、そこには直接関係しないと思う。2026年から数年の松尾が捕手としてどのような成長曲線を描くかによっては、数年後に山本がFA権を取得した際に動く可能性もある。

仮に松尾が球団やファンが思い描くような、攻守にリーグを代表する捕手になってレギュラーを獲得した場合、山本にもそれに近い力があるならば出場機会を求めてFA移籍することも想定される。その場合は数年のうちに松尾のライバルとなる捕手が必要。戸柱も2024年から4年契約なので2027年までは在籍するが、その先はわからない。

山本のFA移籍、戸柱の退団あるいは引退を想定した場合、2027年前後には松尾に次ぐ捕手を用意しなければならない。そうした場合に、先ほども書いたように現状の控え捕手が順調に伸びて来るとも限らず、選択肢として守備力のある捕手を確保しておくことは重要。高卒で独立リーグに入団し、1年でプロ入りした強肩の守備型捕手というのは、山本と完全に一致しており、重ね合わせているかもしれない。

2026年のドラフトでは青山学院大の渡部という1位競合レベルの捕手がいるが、松尾を擁するベイスターズがそこに1位を割くとは思えない。渡部は別にしてもドラフトで指名した捕手が一軍の戦力になるのはかなりの時間を要する。捕手の人材難とも言われる時代、経験を積むことが重要なポジションで、育成から一軍の試合に出るまでに至っている若い選手を獲得できたことの意味は小さくない。

過去の人的補償でもあったサプライズ的なビッグネームでもないし、多くの野球ファンが知る力のある選手でもないかも知れない。対象となる選手に関して28名がプロテクトされた上で選択できる人的補償は、元来そこまで即戦力の選手が獲れるものでもない。過度な期待をかけ過ぎた人が批判をしているようだが、1~2年ですぐに戦力外になってしまうような中途半端な選手を獲得するよりも将来に期待する方が良いのかなと思う。

相川新監督が捕手出身だから捕手を選択したという指摘もある。影響はないとは言えないが、そこまで大きなポイントではなかったと推測する。ベイスターズはフロントが中心になって選手を獲得し、計画を立てているので、フロント主導での獲得と想定される。ただ、古市の映像などで印象を聞いたり、相談したりというのはあったかもしれない。

2026年から加わる加藤二軍バッテリーコーチとの出会いで、他の捕手も含めてどのような変化が起きるか。そして、相川新監督がバッテリーをどのように構成していくか注目したい。古市は将来を見越してと書いたが、もちろん一気に正捕手に上り詰めてもらって構わない。山本、松尾をどかすくらいなら相当ハイレベルな捕手陣になるはずだ。

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支配下66名で開幕へ

古市の獲得で支配下登録は66名となった。投手34名、捕手7名、内野手15名、外野手10名の内訳。木村社長は、今後のトレードも含めた戦力補強を否定はしなかったが、積極的にここから選手を獲得するような感じはなかった。今後の育成選手の支配下登録や外国人選手の緊急補強も踏まえ、4名分の枠を残した66名で開幕へ向かうことになるだろう。

位置背番選手名年齢投打
投手
(34名)
0デュプランティエ32右右
11東 克樹31左左
12竹田 祐27右右
13伊勢 大夢28右右
14石田 健大33左左
15島田 舜也23右右
16大貫 晋一32右右
18小園 健太23右右
19山﨑 康晃34右右
20坂本 裕哉29左左
22入江 大生28右右
24吉野 光樹28右右
27藤浪 晋太郎32右右
30篠木 健太郎24右右
33武田 陸玖21左左
35橋本 達弥26右右
38松本 凌人25右右
39若松 尚輝26右右
41佐々木 千隼32右右
43深沢 鳳介23右右
45森原 康平35右左
46坂口 翔颯24右右
47片山 皓心28左左
53中川颯28右左
54石田 裕太郎24右右
59平良 拳太郎31右右
64中川 虎大27右右
65宮城 滝太26右右
68岩田 将貴28左左
92堀岡 隼人28右右
98マルセリーノ24右右
ルイーズ32右右
コックス29左左
レイノルズ28右左
捕手
(7名)
5松尾 汐恩22右右
10戸柱 恭孝36右左
32益子 京右26右右
50山本 祐大28右右
57東妻 純平25右右
60古市 尊24右右
95九鬼 隆平28右右
内野手
(15名)
00林 琢真26右左
2牧 秀悟28右右
3小田 康一郎23右左
6森 敬斗24右左
9京田 陽太32右左
26三森 大貴27右左
31柴田 竜拓33右左
34宮下 朝陽22右右
37加藤 響24右右
44石上 泰輝25右左
48成瀬 脩人25右右
51宮﨑 敏郎38右右
55井上 絢登26右左
56田内 真翔19右右
66ビシエド37右右
外野手
(10名)
4度会 隆輝24右左
7佐野 恵太32右左
8神里 和毅32右左
25筒香 嘉智35右左
28勝又 温史26右左
58梶原 昂希27右左
61蝦名 達夫29右右
63関根 大気31右左
67濱 将乃介26右左
ヒュンメル32右両
育成
(15名)
052浜地 真澄28右右
102清水 麻成21右右
103金渕 光希20左左
111吉岡 暖20右右
115馬場 皐輔31右右
122庄司 陽斗25左左
136森下 瑠大22左左
140松本 隆之介24左左
127上甲 凌大25右左
130近藤 大雅21右右
125小笠原 蒼21右左
129西巻 賢二27右右
131清水 詩太19右右
193高見澤 郁魅20右左
155小針 大輝20左左

デュプランティエ以外の新外国人選手の背番号は未発表だが、来日して入団会見を行う際に発表されるのだろう。いよいよ2026年の陣容が固まってきた。新外国人選手によるところは大きいが、既存メンバーの成長にも期待し、フレッシュな相川ベイスターズの船出を見届けていきたい。

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